Yostarからリリース予定のiOS/Android向けアプリ「エーテルゲイザー」のクローズドβテスト(CBT)をレポート。同作の魅力であるハイスピードな爽快アクションの内容について詳しく紹介する。
「エーテルゲイザー」は、「連携」×「連撃」をコンセプトとするハイスピード3Dアクションゲーム。
舞台は、旧世界が破壊されてから200年以上もの時が流れた世界。旧世界破壊の原因となった「厄災」を生き延びた者達はナノテクノロジーを用いて肉体と意識を分離。その意識を仮想ネットワーク「ガイア」に移すことで生命と文明を存続させた。しかしある時、「ガイア」に「ヴィスベイン」と呼ばれるモンスターが出現、災害が頻発するようになる。
この「ヴィスベイン」に対抗すべく「ガイア」が生み出したのが人を模し、神の名を持つ存在「モディファイア」たち。そして、モディファイアを中心として「ヴィスベイン」に立ち向かう組織が、タイトルとなっている「エーテルゲイザー」だ。
2Dと3Dの融合が凄い!思わず引き込まれる圧倒的ビジュアル
今回筆者は本作をCBTでプレイしている。なので、正式リリース時には変更が発生するかもしれない。ただ少なくとも、CBTでプレイした範囲内においては非常に充実した体験ができた。まず驚いたのが、ビジュアルの美しさ。
スマートフォンのスペックが向上してきたこともあって、最近の家庭用機並みのグラフィックを誇るスマートフォン向けゲームも少なくない。そんな中で本作の何に驚いたのかといえば、2Dと3Dの融合だ。
本作は、会話パートとアクションパートを繰り返すかたちで進行していく。会話パートは背景にキャラクターを重ねて表示し、テキストで物語を語っていくというスマートフォン向けRPGで一般的なスタイルだ。
一見すると会話パートは2Dで表現されているように見えるが、3D。なので非常によく動く。それだけではない。どうやらシーンによっては背景まで3Dで描かれている模様。このため、アクションパートとシームレスに繋がっているかのように見える。筆者はここに思わず「これ3Dだったのか!」と驚いてしまった。キャラクターはよく見ると3Dであるとわかるが、背景については3Dなのか2Dなのか、正直わからないレベルだ。
このビジュアル表現、「2Dのように見える3DCG技術」だとか、「圧倒的な美しさ」だとかいった点ももちろん素晴らしいのだが、会話パートとアクションパートを違和感なく繋ぎ、世界観に説得力を持たせている点が素晴らしいと感じた。
ド派手&爽快!スキルをガンガン繰り出して戦うアクションパート
本作の美しいビジュアルが活かされているのは会話パートだけではない。ゲームのメインといえるアクションパートにおいても、いかんなく発揮されていた。
本作のアクションパートは、「連携」×「連撃」をコンセプトとしている。プレイヤーは自分が操作するメインキャラクターと2人の仲間キャラクター、合計3人で出撃。3D空間を自由に移動し、多彩なスキルを連続で繰り出し、敵と戦う。基本的には敵をせん滅することでステージクリアとなる。
操作は仮想コントローラーで行う。仮想パッドをスワイプすることで3D空間の移動を行い、仮想ボタンのタップで通常攻撃やスキル攻撃を繰り出す。
アクションパートのスキル仕様や操作方法を見ると、一般的な3Dアクションとさほど変わらないようにも思える。しかし、プレイするとその印象は一変するだろう。本作のアクションパートはとにかく爽快だ。
というのも、まずスキルがド派手。ビジュアルが美しいということもあるのだが、ひとつひとつのエフェクトが必殺技かと思うほどド派手に表現されている。ただスキルボタンをタップしているだけで次々ド派手なスキルが発動するため、たとえルールを把握していなくても操作しているだけで気持ちイイ。
単発で出していても気持ちイイが、さらにルールが分かってくると連携する楽しさが現れる。たとえばゲーム開始直後にメインキャラクターとなるベルダンディのスキル「ソニックスラスト改」は、ルーン状態の敵にヒットさせることで、「神気」を大量獲得できる。また、「ブレードインパクト」は「神気」が最大まであるとより強力な「ブレードインパクト改」へと変化。ではどうすればルーン状態になるのかといえば、スキル「エアスライド」をヒットさせることによってルーンを付与できる。
これを踏まえて考えると、「エアスライド」→「ソニックスラスト改」→「ブレードインパクト改」という構成でスキルを使えば、有利に立ち回れるとわかる。ハイスピードにスキルが繰り出されて爽快なだけではなく、ゲーム的にも有利。つまり、プレイヤー自らの戦術によって敵を倒したという爽快感も味わえるわけだ。
そして最後に「連携」。仲間キャラクターたちはそれぞれNPCとして自分の意志で敵と戦ってくれるが、奥義ゲージが貯まっていれば、アイコンタップで奥義を発動させることができる。メインキャラクターの攻撃と仲間キャラクターの奥義を連携させるだけでも強力だが、特定のチームメンバーで出撃すると、そのメンバーの奥義ゲージが貯まっていれば、全員分のゲージを一気に消費した奥義の連携が可能。通常のスキルだけでもド派手なのに、3人分の奥義が同時発動というのだから、ド派手ではすまない。ドドド派手ぐらいのインパクトがある上、効果も絶大。もちろん、爽快感もハンパない!
ド派手に攻めまくり、奥義でキメるという爽快感は間違いなく本作ならではの魅力だと感じた。けど、ただド派手なだけじゃない。各モディファイアのキャラクター性に応じたアクションが表現されている点も、見逃せない点だろう。ベルダンディは剣を使ったアクション、ホズルは銃を使ったアクション…といった具合にキャラクター性がアクションによって表現されている。
筆者のお気に入りは、アシュラ。その名の元となっている阿修羅を模しているのだろう、4本のアームを使い格闘系の攻撃で攻め立てるモディファイアだ。自身の2本の腕と4本のアーム、合計6本の腕が持つというキャラクター性が「連打」というかたちで表現されており、ガンガン「連打」で攻める爽快感がたまらない!
シリアスだが軽妙!バランスのとれたストーリー表現も魅力
最後に目立ちにくい点で感心したのが本作のストーリーだ。本作の序盤のストーリーは、モディファイアを指揮する「アドミン」としてエーテルゲイザーに所属する主人公=プレイヤーが、「スピライト」という企業の闇に迫っていく過程が描かれる。ストーリーの大筋はシリアスな展開だ。
ただシリアスな展開ではあるものの、敵・味方含めてキャラクター間のやりとりが軽妙に描かれているため、暗い気持ちにならず楽しく読み進めることができる。モディファイアたちの性格が見えてくるのも魅力的だ。
筆者が感心したのは、こうした魅力を持ったストーリーが比較的短めに描かれていたこと。これは、ボリュームが足りないということではない。ストーリー進行に必要な要素に加え、キャラクターの性格表現まで詰め込むとどうしてもテキストボリュームが増えてしまいがちだ。そうなると、会話パートの比重が高くなってしまい、アクションゲームというよりノベルゲームをプレイしているような印象になってしまう。この点で本作は、3Dアクションゲームに軸足を置きつつ、ストーリーもキャラクターもしっかり表現できる的確なボリュームでバランスよくストーリーを描いていると感じた。
圧倒的なビジュアル、爽快なアクション、そしてバランスのよいストーリー…と、CBTの時点で本作はすでに完成度が高い作品だと感じた。正式リリースまでに変更があるにせよ、それは改善のための変更だろうから完成度がアップすることはあっても下がることはないだろう。正式リリースが楽しみでならない。期待できる一作だ。