ネットマーブルとSNKがタッグを組み、2022年11月14日にリリースを予定しているiOS/Android/PC向け対戦格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS ARENA」(以下、「KOF ARENA」)を先行でプレイすることができたので、遊んでみた感想をお届けする。

「KOF ARENA」はネットマーブルとSNKの2作目となるコラボレーション作品で、「KOF」シリーズおなじみのキャラクターを使用した対戦がスマートフォンに最適化され簡単操作で楽しめる。プレイできたのはオンライン対戦モードとトレーニングモードで、このレポートではトレーニングモードを中心にプレイした感想をお届けしていこうと思う。

コンボは組み合わせが自由自在!シリーズとはまた違った読み合いが楽しめる爽快バトル

早速、本作の肝であるバトル=対戦について話していこうと思う。「KOF ARENA」は、通常の「KOF」シーズのようにコマンド入力などの複雑な入力を必要とせず、スマートフォンにあわせて簡単操作でプレイできるようになっている。必殺技や超必殺技がワンボタンで発動可能で、爽快なコンボがお手軽に出せる点が魅力だ。オンライン対戦ではシリーズ恒例の3キャラを選べる1VS1の対戦のほかに、3人のプレイヤーでチームを組み、各自1キャラを選んで対戦する3VS3もプレイできる。

画面について説明していくと、まず左下にあるのが移動に使うバーチャルスティックだ。移動は左右のみで、上下はない。「KOF ARENA」にはジャンプが無いのだ。KOFといえばジャンプ攻撃の応酬というイメージがあるかと思うが、本作では地上で技の駆け引きが繰り広げられる。シリーズ経験者も新鮮な感覚で遊べるのではないだろうか。

ダッシュ入力(前2回入力)は必要なく、少しスライドするだけでキャラクターがきびきび動いてくれる。

画面右側に並んでいるボタンの数々は攻撃に関するもので、拳マークが通常コンボ。シリーズおなじみのモーションで通常技から特殊技まで、連打するだけで次々とコンボをつないでくれる。ここから必殺技にキャンセルすることでさらにコンボがつながり、非常に爽快感があった。

3桁ヒットのコンボも連打するだけの簡単操作でできる。

必殺技は通常の「KOF」シリーズと違い、使用後にクールタイムが発生する。これが「KOF ARENA」独特の要素だ。必殺技から必殺技がつながるものが多いので、通常技→必殺技→必殺技→とつないでいくのだが、キャンセルするタイミングや異なるクールタイムを考慮しつつどの順番でつないでいくかが奥深く、色々試していくのが面白かった。クールタイムをうまく回していければ半永久的にコンボをつなげられる。トレーニングモードのやりがいがありそうだ。

画面右下の必殺技ボタンに、クールタイムを表す数字が出ているのがわかる。

コンボをくらっていても回避できる手段はある。それが本作独自のシステムである“緊急回避”だ。コンボをくらっているときでも、画面上のパワーゲージ(画面上部、上から三番目のゲージ)を1ブロック消費することで回避行動ができる。一回使用すると操作キャラクターの上に“EMERGENCY”の表示が出て、この間は“緊急回避”は使用できない。

キャラクターの上にあるゲージがなくなるまで緊急回避が使えなくなる。

もう一つ、“緊急回避”とは別にコンボから抜け出す方法があり、それが“エスケープ”だ。使用すると周囲にオーラを発して相手を吹き飛ばせる。“緊急回避”と異なる点は空中に吹っ飛ばされているときでも使用できる点だ。より確実にコンボから脱出できるが、長いクールタイムを必要とするので使いどころが肝心になりそうだ。

全身から広範囲に攻撃判定が出る。庵の“カッコいいポーズ”にも注目だ。

「KOF」シリーズおなじみのMAX発動もある。シリーズを知らない人にMAX発動について簡単に説明すると、超必殺技の使用に必要なゲージをあらかじめ消費することで通常より低コストで超必殺技を使えるようになるというもの。ここぞというタイミングで使う勝負手のようなものだ。

「KOF ARENA」でのMAX発動はシリーズとは少々異なっており、先述した必殺技のクールタイムが非常に短くなるという仕様で、発動中なら必殺技一つでもコンボが組み立てられるほどクールタイムが減少する。発動すると画面上のゲージが変化し徐々に減り始める。ゲージがなくなるまでの間が発動時間になっており、多く貯めていればいるほど長く発動できる。

1P側(画面右)のパワーゲージが赤く変化している。これがMAXモード発動中のサインだ。

超必殺技ももちろん実装されており、パワーゲージを消費すると使える。戦術したMAX発動と使い分けが重要になりそうだ。3ブロック消費するフィニッシュスキル(シリーズ作品でいうところの“超必殺技”)と全ブロック消費するアルティメットスキル(シリーズ作品でいうところの“CLIMAX超必殺技”)がある。

「KOF」を知らない人にも「泣け、叫べ、そして死ね!」というセリフが有名な八神庵の“八乙女”。
本作では派生技の“裏参百拾六式・豺華”と1セットで登場。

ナンバリングタイトルさながらのカメラワークや大迫力の演出が本作でも楽しめる。ダメージも高く爽快感があるので、ぜひ狙っていきたいところだ。使用できる技についても歴代タイトルで使用されたキャラクターを代表するものが多く、“わかってるね!”とうなるチョイスだ。

最新作の「KOF XV」では見れない不知火舞の“不知火流・くノ一の舞”
「日本一!」のボイスももちろん収録。

と、ここまで対戦のシステム的な部分について話してきたので、簡単にCPUと対戦をしてみての感想も話していこうと思う。先述した通り、本作にはジャンプがない。そのため、様子を見つつじりじりした展開になるかと思ったが、ダッシュがかなり早く設定されているので、「KOF」らしいスピーディーさは変わりないように感じた。立ち回りで必殺技を使った後のコンボではクールタイムを視野に入れてアドリブが必要など、MMORPGのような“スキル回し”が対戦の要素として楽しめて、ナンバリングシリーズとはまた違ったやりこみ要素を感じた。

さらに踏み入った話を少しすると、ジャンプが無い分コマンド投げが非常に強力に感じた。コマンド投げからもほかの必殺技がつながるので、貴重な崩し手段として重宝しそうだ。前転や打撃技で対処するしかなく、持っているキャラクターはそれだけで価値がありそうだ。

演出の長いコマンド投げはコンボを考える時間もできて使いやすい。
筆者はコマンド投げを二つ所持しているクラークが使いやすく感じた。

まとめると、“「KOF」らしい”スピード感はそのままに、スキルクールダウンや前転を絡めた新しい要素を楽しめるといった感じだ。コンボの爽快感や連携の研究にやりがいがあり、それでいて難しい操作を必要としないので、格闘ゲーマーじゃなくても遊びやすそうだと感じた。リリース後には、ぜひとも新感覚の対戦を楽しんでみてほしい。

各キャラクターの演出がド派手で美麗。演出を眺めるだけでもニヤニヤできる。

対戦以外の部分でも、シリーズファンに向けた細やかな演出が印象的だった。ガチャ画面では歴代タイトルロゴがずらりと並んでおり、お気に入り作品のロゴを探すのも面白い。筆者も「『KOF 96』のロゴってこんな感じだったのか。」と新たな発見があった。

キャラクターの強化などを行う“ファイターマスタリー”画面では各キャラクターを代表するBGMがかかるというファンには嬉しい仕様も。“嵐のサキソフォン”(八神庵の代表的なBGM)などの名曲が味わえる。キャラクターの簡単な紹介や技名などもチェックできるので、“「KOF」図鑑”的な楽しみ方もできるだろう。

作品ごとに髪型の変わる麻宮アテナは、「KOF13」の髪型で出演。
今後「KOF ALLSTAR」のようにショートヘアバージョンが出るのかも?
各キャラクターの出身地やファイトスタイルまで丸わかり。
これを読めば「キングがオーナーを務めるバーの名前は?」というクイズにも答えられるようになる。
聞かれる機会があるかどうかは私もわからない。

全体を通して、シリーズファンに向けた凝った演出をちりばめつつ、格闘ゲーム未経験の人でも楽しめる対戦が好印象だった。あらためて、今回プレイした「THE KING OF FIGHTERS ARENA」11月14日にリリース予定となっている。現在、事前登録も受け付けているので、気になった方はぜひチェックしてほしい。「KOF」おなじみの招待状があなたを待っている!

※画面は開発中のものです。

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