スクウェア・エニックスが2022年12月13日に発売を予定している、PS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/Steam用ソフト「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」(Steam版は2022年12月14日配信予定)のプレビューをお届けする。

目次
  1. “英雄”を夢見る青年・ザックスの目線で描かれる物語
  2. ミッションを交えながら進行する遊びやすい作りに
  3. バトルは「FFVII リメイク」の要素を取り込んでアクション感のあるものに

2007年にPSP用ソフトとして発売された「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-」。同作をHDリマスター化するかたちで届けられるのが、「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」だ。

HDリマスターといっても、元が携帯機用のタイトルだったこともあり、すべてのグラフィックを新たに制作。また、システム面も改良が施されているということで、まさに今の時代でもしっかりと遊べるクオリティとなっている。

筆者はこれまで「ファイナルファンタジーVII」に連なるゲームタイトルは未履修だったが(オリジナル版の本編も途中で止まっていた)、2020年に発売された「ファイナルファンタジーVII リメイク」がとても面白く、本作についても発売前から大きな期待を寄せていた。というのも、「ファイナルファンタジーVII リメイク」で少しだけ登場したザックスが主人公の物語と聞いてしまっては、とにかく彼がどのようなキャラクターなのかが気になって仕方がなかったからだ。

もちろん、今回のプレビューでは冒頭部分のみのプレイということで、あくまでもストーリーの導入やシステムの基本的な要素などに留まるのだが、少し触っただけでその面白さを十分に体感することができた。筆者がプレイした上で感じたポイントを紹介しよう。

なお、記事中にはネタバレが含まれる可能性がある点は、予めご留意いただきたい。

“英雄”を夢見る青年・ザックスの目線で描かれる物語

魔晄都市「ミッドガル」にある巨大企業「神羅カンパニー」に存在する、強力な戦闘能力を持つ兵士の組織「ソルジャー」。そこに所属するソルジャー・クラス2nd、ザックスの目線で本作の物語は描かれていく。

各シーンはムービーとして楽しむことができるのだが、本作ではフルボイスが採用されており、一つ一つのシーンを鈴村健一さん(ザックス役)をはじめとしたキャスト陣による演技が彩っている。また、グラフィックはキャラクターの3Dモデルだけでなく、全てのデータを新たに作り直しているということで、HDリマスターとはにわかには信じがたいほど、高い水準で仕上がっている。

「ファイナルファンタジーVII リメイク」の本編では直接的には描かれなかった、ソルジャーの立場からのエピソードが数多く見えるのも視点の補完という意味で面白い。時間軸はもちろんのこと、立場の違いからもセフィロスやツォンなどのキャラクターの印象がまた違って見えてくる。

今回は3章までプレイすることができたのだが、冒頭からザックスの先輩であるアンジールとの関係や、「ソルジャー大量失踪事件」に起因するさまざまな展開などを楽しむことができた。ザックスという青年と、それを取り巻く人々の行く先が今まさに気になっているところだ。

ミッションを交えながら進行する遊びやすい作りに

本作はさまざまな町を自由に行き来していくという一般的なRPGの作りではなく、神羅カンパニーを拠点として、キーとなる人物に話しかけたりすることでストーリーが進行していく形式となっている。任務で訪れた場所を探索し、目的地に到着したり、出現する敵を倒したりすることで次の展開が待ち受けている。

本編の合間に受けることができるのがミッション。構造的にはミニマップを探索しつつターゲットとなるボスを倒すだけのシンプルな作りになっているので、気軽に触りやすくなっている。

これはオリジナルが携帯機向きだからこその作りではあるだろうが、冒頭部分で触れただけでもミッションのボリュームがかなり多めで、クリアすると報酬としてマテリアやアイテムを得ることができるため、本編の進行にも役立ってくれる。

本編はムービーとともにじっくり、ミッションはサクサク、といった具合にメリハリよく遊べるため、ゲームプレイのテンポは良い感じ。ちょっとした時間でミッションを進め、時間のあるときに本編を進めるという遊び方で楽しめそうだ。

バトルは「FFVII リメイク」の要素を取り込んでアクション感のあるものに

今回のゲームプレイの中で一番印象に残ったのが、本作のバトルだ。ザックスを操作して戦うアクションRPGとしての仕組みはオリジナル版と変わらないようだが、従来のコマンドベースのバトルよりも、かなりアクションに寄った作りになっている。

その大きな役割を担っているのが、「ファイナルファンタジーVII リメイク」の操作感を反映していることだ。□ボタンの「たたかう」、×ボタンの「回避」、R1ボタンの「ガード」など、各ボタンに割り当てられた直感的なアクションが楽しめる点が魅力となっている。また、マテリアを装着すると魔法やアビリティが使えるようになり、アクションのバリエーションが広がっていく。

これらの基本的な操作に加えて、本作には2つの特徴的な仕組みがある。それがランダムな効果をもたらすスロットを模したシステム「D.M.W(デジタル マインド ウェーブ)」と、一部の強力な敵が特別な技を使う際に表示される「スキルパワーゲージ」の存在だ。

D.M.Wはバトル中、画面左上に存在するスロットのリールが自動的に回転し、絵柄や数字が揃うとさまざまな効果が得られるようになっている。ステータスの変化するタイミングも分からないかなりトリッキーな作りになっているが、バトルを阻害するものではないため、恩恵が得られた時は儲けもの、というぐらいの感覚でアクションを楽しむのが良さそう。

ただし、絵柄が揃ったときに、揃ったキャラクターに対応した攻撃を△ボタンで繰り出せる「リミット技」は、ストックすることが可能となっている。後述するスキルパワーゲージを削るためにタイミングを見計らうなど、タイミングを意識することでより効果的に機能するはずだ。

また、スキルパワーゲージは表示中に敵を攻撃してゲージを減らすことで、徐々に敵の技の威力を下げることができるのに加え、時間内にゲージを削りきると敵の技の発動そのものを阻止できる。もちろん望ましいのはゲージを削りきることではあるのだが、ある程度ゲージを削るだけでもダメージが大幅に軽減するので、確実に狙いたいところ。

バトルの全体的なプレイフィールはスピード感を味わえる仕上がりとなっており、その操作感と併せて爽快なアクションが味わえる。その上で、魔法やアビリティの選択といったコマンドバトルの要素がしっかりと機能しており、アプローチは違えど「ファイナルファンタジーVII リメイク」と通ずるようなアクションとコマンドバトルの融合が楽しめた。

ストーリーとバトル、それぞれの魅力を感じ取れた今回のプレイ。オリジナル版のプレイヤーはもちろんのこと、筆者と同じく「ファイナルファンタジーVII リメイク」からプレイしたという人も、ぜひ触れてみてはいかがだろうか。

※画面は開発中のものです。

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