WB GamesよりPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Epic Games Store)版が2023年2月10日に発売予定の「ホグワーツ・レガシー」。その発売に先駆けた体験会がメディア向けに開催された。
目次
体験会では、PS5版「ホグワーツ・レガシー」の一部をプレイできた他、アバランチスタジオのテクニカルゲームデザイナーであるStephen Dona(スティーブン・ドナ)氏へのインタビューも行われた。
細かな部分まで調整可能なキャラクタークリエイト
まずは、「ホグワーツ・レガシー」で自分の分身となるキャラクターの作成からスタート。キャラの大枠となるプリセットの選択だが、ここだけでも5×6の30通りが用意されていた。
1つ1つじっくり見ていきたいところだったが、画面左上のほうを見ると、現在のプリセット設定以外に5つの項目があることに気付き、直感的に選択し次の画面へ。
続いては、顔の形や肌の色、そしてメガネの有り無しの変更。前のプリセットに引き続き、1つ1つの形でだいぶ印象が変わってくるので、こだわって決めたいポイントだ。
また、眼鏡の欄にはハリー・ポッターを思わせるデザインも最初から用意されている。公開されているゲームプレイ映像ではメガネはほんの一部で、マスクなど様々なものがゲーム中にアンロックされていくことも明かされているので、どのようなものが増えていくかにも期待したい。
顔を決めた後は髪型の設定に。これまで以上に選べる項目が多く、男女様々な髪型、アフロやドレッドまで用意されており、髪色まで細かく決められるとなると、顔の設定に続いて、時間を使いそうなポイントだと感じた。
次の2項目では、肌の質感やそばかす・ほくろ、顔の傷跡の有無、目や眉の色、眉の形など、より細かな設定に入る。
筆者自身、どのゲームでもキャラクリにはこだわってしまい、中には何時間も使ってしまうというものもあった。キャラクリできるゲームでは自分に寄せて作る、または理想のかっこいい・かわいいキャラを作るという主義を持っているが、その中でも本作はちょうどいい自由度だと感じた。製品版が出た際には、改めてじっくりとキャラクリに勤しみたいと思ったほどだ。
最後に、キャラの音声(男女)とピッチ、そしてゲームの難易度の調整へ移ったが、その中には魔女と魔法使いの選択肢があり、こちらはキャラの部屋に影響があるとのこと。どのような違いがあるか、今回の体験会では確認することはできなかったので、製品版が発売されたときには注目したいポイントだ。
箒に乗って広大なホグワーツを探索
キャラクリエイトが終わると、実際に自分が作成したキャラを操作してホグワーツの探索に出発。徒歩に加えて、箒に乗っての移動も可能とのことだったので、さっそく箒に乗ることに。爽快感はもちろん、普段では見ることのできない上空からの絶景に一瞬で病みつきになった。
体験会では、クエストをNPCから受けられるとのことだったが、あまりの広さに対象のキャラがどこにいるのかわからず迷ってしまう場面も。なお、ホグワーツの中も広大となっており、装飾や設置されているものなど、細かなものまで丁寧に表現されていた。
ホグワーツ内に関しては、原作や映画を復習しておくことによって、構造をより理解できるのではないかと思った一方、時代ごとの違いや同じ点などを探す楽しみというのも増えると思ったので、本作を購入しようと考えている人は改めて復習してみるといいかもしれない。
ホグワーツの探索を終えた後は、いよいよ呪文を駆使した戦闘に挑戦。校内にある決闘クラブ“杖十字会”で学校一の決闘者を目指すことに。呪文を使用した戦闘のチュートリアルを兼ねた場所ではあったが、3種の難易度があるとのことで、もちろん全種クリアを狙った……が、時間の都合上で最後の難易度のみ残して次に進むことになってしまった。製品版では、今回の経験を活かしてクリアしていきたい。
戦闘が始まると、相手は呪文を使用して色の付いた盾を身にまとってくる。このまま攻撃してもダメージは通らないので、使用できる呪文の中から同じ色の呪文で相手の盾を破壊することが必要だ。
また、相手も呪文で攻撃を仕掛けてくるが、その場合は自キャラの頭部にマークが表示されるので、回避して攻撃を避けるのがベスト。相手からの攻撃を受けてしまった場合でも、一定時間内に表示されるボタンを押すことで、逃れることができる。ただし、失敗してしまった場合はダメージを受けてしまうので注意しよう。
大人数相手ともなると、息つく間もない目まぐるしい展開の戦闘が繰り広げられるので、難易度は上がるが、勝利した時の達成感はたまらないものだ。
また、人形を使用した練習も可能となっており、さまざまな呪文を使用したコンビネーションも教えてくれるので、バトルやアクションが苦手という人はぜひ試してみてほしい。
ミッション「炎と悪事」に挑戦!魔法を駆使した戦闘や目くらまし術を使ったスニーキングも
呪文を駆使した戦闘に慣れてきたところで、密猟者からドラゴンを救出するミッション「炎と悪事」にチャレンジ。ホグワーツの外へ出ること、決闘クラブで戦った生徒とは違う相手と戦うことにワクワクしながら歩みを進めた。
また、本ミッションでは対象を周囲の色や質感と同化させる“目くらまし術”や壊れてしまった物体を直す“レパロ”に加えて、クルーシオやエクスペリアームスといった原作・映画でも馴染みの深い呪文が用意されていた。
密猟者たちの残した手がかりをもとに道を進んでいくと、その先には怪しい集団が。幸い相手からこちらの姿は見られていないようで、スタッフからも「目くらましの術を使って背後から近づけばバックアタック的な要素もあるので有利に戦闘が行える」とのアドバイスがあったので実行してみた……が、目くらましの術を過信しすぎたのか迂闊に近づいてしまい、すぐ発見されてしまった。透明になっているかのように見えるが、あまりにも近づきすぎると流石に見つかってしまうようなので注意が必要だ。
こうして敵を1人も減らせていない状態からの戦闘がスタート。数ではこちらが圧倒的に不利だが、決闘クラブで学んできたことを活かして難なく勝利することができた。
ミッションのクライマックスには、さらに大勢の相手との戦闘が発生。自キャラの頭部には絶え間なく敵からの攻撃が来ることを知らせるマークが表示されていた。冷静に回避をして、敵の盾を破壊できる呪文を的確に唱えられるかというのが勝利のカギとなる。
本ミッションから使用できた“クルーシオ”は、相手に高いダメージを与えられるのはもちろん、専用の演出も見ることができ、相手からは「も、もうやめて」といわれることも。真面目な生徒としてプレイしていくことを考えていたが、体験会のこのバトルを通して闇の魔法使いを極めるプレイも悪くないかもと思うようになってしまった。
ちなみに、「Wizarding World」公式サイトでは「ホグワーツ・レガシー」に反映できる組み分けを体験可能で、取材後に気になった筆者もやってみることに。この結果によって従来の思い通り真面目な生徒として歩んでいくか、闇の魔法使いとしてプレイするかの判断材料にしてみようと思ったが、結果は……“スリザリン”。製品版が発売された際には闇の魔法使いとしてプレイしようと決めた瞬間であった。
「Wizarding World」公式サイトでの組み分けは、誰でも簡単に受けることができるので、気になった人は「ホグワーツ・レガシー」発売前にぜひ体験してみてほしい。
アバランチスタジオ テクニカルゲームデザイナー・Stephen Dona氏へのインタビュー
最後に、体験会で実施されたアバランチスタジオ テクニカルゲームデザイナー・Stephen Dona氏へのインタビューの模様をお届けする。
――本作では1800年代の魔法界が舞台となっていますが、なぜこの時代を選んだかの理由をお聞かせください。
プレイヤーと魔法界でこれまでに起きたストーリーを分けたかったためです。1800年代に物語の背景を設定することによって、私たちが語りたい本当の物語を語ることができると思いました。
――「ホグワーツ・レガシー」で初めて「ハリー・ポッター」の世界に触れる人もいると思います、そういったプレイヤーでも問題なく楽しめる内容になっているのでしょうか?
もちろんです。本作をデザインする条件の1つに“みんなにプレイしてもらえるものを提供しよう”というものがありました。特定の人がゲームをできない、難しい、複雑、ニッチ過ぎるといったことは避けました。
プレイの難易度も幅を設けており、初めてプレイする人はストーリーだけをフォローする、他の困難に遭遇しないようなレベルを用意しています。
――本作ではオリジナルのストーリーが展開されますが、「ハリー・ポッター」のどのような物語にインスパイアされたものなのでしょうか?
「ハリー・ポッター」のストーリーというよりは、プレイヤー自身のストーリーを展開していただきたいと思っています。魔法界、「ハリー・ポッター」の世界をそのまま再現するというよりは、それを超えるような皆さんのストーリーを展開してほしいです。
――グリフィンドールの寮は映画でも馴染み深いですが、スリザリン、ハッフルパフ、レイブンクローの寮をデザインする時に気を付けたこと、注目してほしいポイントはありますか?
Wizarding Worldチームのおかげで、城のスペースや部屋の中がどうなっているのか、1800年からどう変化していったのかを考えることができました。
彼らの助けはもちろん、本や映画での記述を参考にして、Avalanche Softwareのチームとして、スリザリン、ハッフルパフ、レイブンクローの寮がどういう感じだったのか、そして談話室についても寮のシンボルにしたいという思いがあったので時間をかけて考えました。
――ゲーム中に受けられる授業はどのような内容があり、どのくらいのボリュームが用意されているのでしょうか? Stephen氏の好きな授業がありましたら教えてください。
ファンの皆さんはどういった授業があるのかご存じだと思いますが、そういった授業を1つでも無くしてしまうと期待に沿えない結果となってしまうので、すべてを盛り込むことにしました。例えば、魔法薬、防衛術、許されざる魔法をどう扱うか、魔法生物をどう手なずけるかといった授業があります。
私の一番好きな授業はというと薬草学の授業になります。皆さんもプレイする機会があれば授業を受けてみてください。
――アクションが苦手なプレイヤーに関して、全体の難易度以外でバトルを遊びやすくするための設定変更はあるのでしょうか? また、魔法薬などの補助的な手段はありますか?
プレイヤーの皆さんすべてが“バトルが好き”“アクションが好き”という人ではないと思っています。補助的なプレイスタイルということで、“必要の部屋”を用意しています。こちらで決闘に向けて装備や薬を用意して準備することができます。
“必要の部屋”によって、戦闘が違った形になり、やりやすく、遊びやすく、楽しくなると思います。
――ゲーム中に登場する場所(ホグワーツの中と外)でStephen氏の好きな場所とその理由をお聞かせください。
ホグワーツの中だと“必要の部屋”です。ここは自分だけのスペースとして使えるという点が良く、ツールを作成するだけではなく、自分好みに部屋をカスタマイズできます。
ホグワーツの外のことはあまり詳しくは言えませんが、私が行って楽しむのはホグズミード村でバタービールを飲むことです。特にクリスマス時は素敵な雰囲気、美しい街になります。