フリューより2023年7月27日に発売予定のPS5/PS4/Nintendo Switch用ソフト「クライマキナ/CRYMACHINA」。本記事では、体験版のプレイレポートをお届けする。
「クライマキナ/CRYMACHINA」は、人類が滅亡した未来を舞台に、機械の少女たちが「本物の人間」となるために過酷な世界で戦うアクションRPG。少女たちが涙し、叫び、運命に打ち勝つカタルシスを楽しめる作品となっている。
機械になった人間嫌いの少女が、生き残るため“本物の人間”を目指す
「生きるのはクソ」という言葉に続けて、「クソ社会」「クソ理不尽」「――全部、クソ」と、主人公のレーベン・ディステルによるネガティブ満載のナレーションからスタートする本作。しかし、その後には涙を浮かべながら「悔しい」「生きたい」という言葉を残し、彼女は息絶えてしまう。
死因は“離心病”と呼ばれる致死率100%の病。最終的には地球人口の2割以上が死亡したといわれている。
「レーベン、あなたは選ばれた」という言葉とともに目を覚ましたレーベン。死後の世界かと疑う彼女の元に現れたのは、自身のことを機械だと言うのエノアだった。続けて、彼女から今いるのは現実であり、自身の死から二千年たった人類滅亡後の世界、そして宇宙空間に広がる“エデン”という構造体の中であるとレーベンは告げられる。
プログラムと機械で“ヨミガエリ”を果たしたとされるレーベンだが、この状況には終始混乱気味。「“生きたい”なら私に従って」というエノアの言葉に導かれ、彼女とともに行動を共にするのであった。
エデンの奥へ進んでいくと、突如“第二神機エクレシア”と呼ばれる強大な敵が出現。その相手に手も足も出ないレーベンは絶体絶命…という場面だったが、千菊ミコトと名乗る少女の助けもあり窮地を脱出。レーベン、エノア、ミコトは“箱庭”という仮想空間へ場所を移すことに。
箱庭では、車いすに乗った少女・紫藤アミが全員の帰りを待っていた。落ち着いた場所に来たということもあり、改めて現状の説明を求めるレーベン。そしてエノアは、過去から現在までに起きた壮絶な出来事を淡々と説明していく。
まず、レーベン、ミコト、アミは、エノアの管理していた“人格データ”と呼ばれる人間の精神を再現した存在であり、その中でも特別なデータ“E.V.E”であること。レーベンはE.V.Eの中でもさらに特別な“選ばれしもの”だということを告げられる。
目覚めてからさほど時間がたっていないためか、自身についての詳しい記憶をうまく思い出せないレーベン。さらなる混乱を見せるかと思いきや、“人間嫌い”かつ“機械好き”である彼女は、初対面で「かわいい天使」と言ってしまうほど、エノアに一目ぼれしているかのような状態なので、混乱しつつも徐々に受け入れていくのであった。
滅亡に瀕した人類が種の存続をかけて打ち出した宇宙船、それがレーベンたちのいるエデンだった。エデンには“神機”という八機の人工生命が搭載。“人類再生”を目的に、秩序維持担当や文明発展担当などに分かれ、二千年をかけてエデンを拡張していった。エノアも精神再生を担当する第八神機であることも明らかに。
しかし、統括担当の第一神機の原因不明のロストをきっかけに、神機たちの秩序は崩壊。E.V.Eを人間だと認めない神機たちの暴走を止めるため、機械への絶対命令権を行使できる“本物の人間”を目指すことになるのであった。
人類が滅亡した過酷な世界での物語という、重めなストーリー展開となっているが、その中でもレーベンがミコトたちと出会い、精神的にも本物の人間へ成長していく様や、ミコトならではの敵とのコミカルな掛け合いなどギャップも楽しめる作品となっている。
近距離と遠距離を切り替えながら楽しめる爽快感のあるバトル
本作の戦闘には、三人のプレイアブルキャラクターから一人を選んで挑むことになる。その内、体験版ではレーベンとミコトを操作可能となっていた。
槍型の武装で敵を翻弄しながらダメージを与える近中距離タイプのレーベン、剣型の武装を使用するオールラウンダータイプのミコトといったように、キャラクターによって戦闘スタイルが異なる。そのため、それぞれのキャラクターがどのような戦い方を得意としているのか理解して挑むのが良いだろう。
また、槍や剣を使った近接攻撃以外にも、射撃モードが存在。レーベンは散弾、ミコトは単発高威力とこちらもキャラによって異なり、戦闘で使用するのはもちろん、ステージのギミックを解く手段となるのもポイントだ。
さらに、キャラクターの背面に浮遊する兵装“眷属機”を用いた攻撃も可能。眷属機は、左右で組み合わせを変更でき、戦略に合わせたスキルやステータスへ調整することもできる。
近接攻撃やチャージ攻撃などで敵にダメージを与えていくと、青い円形のゲージが溜まっていく。ゲージが溜まりきると敵を上空に打ち上げることができ、空中から叩き落す攻撃まで可能。その後、DOWN状態の敵に大ダメージを与えられる“フィニッシュアサルト”を発動できるようになる。
ダメージを与える、敵を打ち上げてそのまま地面に叩き付ける、そしてフィニッシュアサルト発動を狙うという流れが戦闘の基本となる。
しかし、出現する敵の中には非常に強力で“バリア”を持つものも存在する。そんな敵に相対した時に有効なのが、回避とカウンターだ。通常の攻撃に対しては回避、そして紫色の光をまとった攻撃にはカウンターを合わせられる。カウンターのタイミングは、ある程度の慣れが必要にはなってくるものの、成功すれば相手のバリアの耐久値を一気に減らすことができる。
敵のバリアは、HPゲージ下にある紫色のゲージを0にすることで無効化できる。一定時間経過するとバリアは復活してしまうものの、バリアがある状態ではほとんどダメージを与えることはできないので、回避等で相手の相手の動きやタイミングを確認しつつ、慣れたらカウンターで無効化を狙っていこう。
その他にも、戦闘中はエノアの“戦闘支援プログラム”でさまざまなサポートを受けることができる。タイミングはプレイヤー自身となるが、回復や攻撃に加えて、“覚醒”という強力なものも発動可能。覚醒中は高速化や攻撃力上昇、自動で攻撃を回避してくれるといった効果が付与される。
それぞれ発動できる回数は決められているものの、強力な敵との戦闘時には出し惜しみせず使っていこう。
キャラクターたちの強化に加えて、日常会話を楽しめる“お茶会”も
レーベンたちの拠点となる箱庭では、キャラクターの強化や眷属機の変更、会話イベントを見ることができるお茶会に加えて、BGMやアーカイブの確認といった項目が用意されている。
キャラクターの強化では、“E×P”というステージクリア時に獲得できるポイントを使用してE.V.Eのレベルを上げて、戦闘能力(生命力、攻撃力、防御力)を向上させることができる。また、ステージクリア時や会話イベントを見た時など、さまざま場面で獲得できる“EGO”を使用すれば拡張性(人格強化データや武装強化カートリッジを装備するために必要な数値)やサブパラメータを上げることもできる。
なお、サブパラメータは安定性(敵に攻撃を与えた時に、無力化や弱体化を防ぐために必要なパラメータ)、否定性(敵から攻撃を受けた時に、無力化や弱体化を行うために必要なパラメータ)、保守性(生命力の自然回復や回復効果の強化)、合理性(眷属使用時に必要なジェネレーターゲージの消費量を抑え、効率運用するために必要なパラメータ)、積極性(E.V.Eや眷属機が行う能力の強化、クールタイムを短縮するために必要なパラメータ)の5つが存在する。
その他にも、武装を強化するカートリッジや左右に位置する眷属機の変更も可能。眷属機自体は、外観と性能の異なる70種類以上が用意されているので、左右両方はもちろん、片方だけ変えてみるなど、かなり戦略の幅が広がりそうな仕様となっている。
さらに、“造換搬送機”を使用すれば、新たなエリアに進み、ストーリーを進行させることはもちろん、以前訪れたことのあるエリアに再び挑むこともできる。アイテムやE×Pの収集、一部の敵から入手できる人格データを集めに行くことが可能となっている。
入手した人格データは、箱庭でエノアに解析を頼むことができる。人格データを解析することで、戦闘に有利なアイテムや人格データに関するエピソードを取得できるものとなっている。
人類滅亡後の未来というダークな世界観を持つ本作。筆者は、そういった世界観やストーリーの作品が好みのため、「クライマキナ/CRYMACHINA」も情報を目にした時から非常に気になっていたタイトルであった。
実際にプレイしてみると、ストーリー展開はもちろん、過酷な世界で生き残りを目指す少女たちのかっこよさ、お茶会などで見せる彼女たちのあどけなさ、コミカルな展開など、想定外のギャップの多さに、作品に対する興味がますます高まっていった。
体験版は序盤のみのプレイだったため、今は「早く製品版で続きをプレイしたい」と思うほど、発売の日を待ちわびている。
なお、「クライマキナ/CRYMACHINA」の系譜作品に当たる「CRYSTAR -クライスタ-」を、870円(税込)で購入できるセールが7月19日まで開催されている。本作の発売に向けて、プレイしてみてはいかがだろうか。
(C) FURYU Corporation.
※画面は開発中のものです。
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