2024年3月3日、4日にKアリーナ横浜にて開催された「ラブライブ!スーパースター!! Liella! ユニットライブ&ファンミーティングツアー 心・技・体!極上大冒険!!」【最終章】神奈川公演における、Day.2(4日)の模様をお届けする。

目次
  1. 出演者(敬称略)
  2. コーナーを飛ばすほど“かわいい”があふれすぎたトークパートに大歓声
  3. 3ユニットの個性とLiella!のパフォーマンスが光るライブステージ
  4. TVアニメ3期への期待とダブルアンコールで大団円
  5. 桜小路きな子がお気に入りのライターが印象的だった“きゅるん選手権”と「Thank you Good morning」(余談)
  6. 「ラブライブ!スーパースター!! Liella! ユニットライブ&ファンミーティングツアー 心・技・体!極上大冒険!!」【最終章】神奈川公演Day.1セットリスト
  7. 「ラブライブ!スーパースター!! Liella! ユニットライブ&ファンミーティングツアー 心・技・体!極上大冒険!!」【最終章】神奈川公演Day.2セットリスト
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像

「ラブライブ!スーパースター!!」は、「ラブライブ!」シリーズ第4作として、2020年1月にプロジェクトが始動。表参道と原宿と青山という3つの街のはざまにある新設校「私立結ヶ丘女子高等学校」を舞台に、スクールアイドルグループ「Liella!」の姿を描いている。多方面に展開しているなかでも、TVアニメは第2期まで放送されており、2024年10月からTVアニメ3期が放送予定となっている。

Liella!は、澁谷かのんを中心とした結ヶ丘女子高等学校の新入生5人で結成。TVアニメの展開にあわせてかのんたちは2年生、3年生と進級するなかで新メンバーが4人、2人と加わって、11人となった。同様にキャストも1期生5人でスタートし、2期生4人、3期生2人が加入し、11人体制で活動している。

Liella!には、グループ内ユニットとして「CatChu!(キャッチュ)」、「KALEIDOSCORE(カレイドスコア)」、「5yncri5e!(シンクライズ)」の3つが結成されており、今回のユニットライブ&ファンミーティングツアーは、それぞれのユニットにフィーチャーしたトーク&ライブとして行われたもの。各ユニットが分かれ、5月から7月にかけて「第1章」「第2章」を全国6都市で計18公演実施。最終章では、その3ユニットが神奈川に集結する形として開催。Day.2は20公演目でツアーファイナルとなった。

出演者(敬称略)

・Liella!
伊達さゆり(澁谷かのん役)、Liyuu(唐 可可役)、岬 なこ(嵐 千砂都役)、ペイトン尚未(平安名すみれ役)、青山なぎさ(葉月 恋役)、鈴原希実(桜小路きな子役)、薮島朱音(米女メイ役)、大熊和奏(若菜四季役)、絵森 彩(鬼塚夏美役)、結那(ウィーン・マルガレーテ役)、坂倉 花(鬼塚冬毬役)

・CatChu!
伊達さゆり(澁谷かのん役)、ペイトン尚未(平安名すみれ役)、薮島朱音(米女メイ役)
・KALEIDOSCORE
Liyuu(唐 可可役)、青山なぎさ(葉月 恋役)、結那(ウィーン・マルガレーテ役)
・5yncri5e!
岬 なこ(嵐 千砂都役)、鈴原希実(桜小路きな子役)、大熊和奏(若菜四季役)、絵森 彩(鬼塚夏美役)、坂倉 花(鬼塚冬毬役)

「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
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コーナーを飛ばすほど“かわいい”があふれすぎたトークパートに大歓声

3ユニットの紹介となるオープニング映像の上映を経て、イベントがスタート。オープニングナンバーは「プライム・アドベンチャー」。ステージではなく、アリーナ両端の通路からキャスト陣が登場し、客席のファンに近く歩きながら歌唱。ステージにあがってからもユニットごとに集まり、メルヘンチックな冒険ソングを高らかに歌っていた。

自己紹介とともに、各ユニットで決めポーズでの挨拶を行っていく。トークの流れから、各ユニットやLiella!の頭文字である「C」「K」「5」「L」が好きな人ということで問いかけを行ってコミュニケーションをとるなど、序盤から盛り上がりを見せていた。

今回のツアーではストーリーがあり、世界を結ぶ守護神“きんぐゆいがおー”を助けるべく、託された“みにきんぐゆいがおー”を手に、6都市で6つの光を集め、その背びれに6つの光が光ると、きんぐゆいがおーは力を取り戻す……という設定が設けられている。

トークパートへと進むなか、テーブルには背びれに6つの光を放つみにきんぐゆいがおーが鎮座。スクリーンには大熊さんも映し出されていたことから、大熊さんがみにきんぐゆいがおーにいたずらしようとするような茶目っ気のある姿も盛り上がっていた。

トークパートではファンから寄せられた質問に答えるコーナーとなり、まずは6都市での公演を振り返る思い出話などが語られる。そんななかでLiyuuさんは、CatChu!はネコミミ風な髪型に変えていることをうらやましく思っていたようで、やってみたいと語ると、坂倉さんは結んでいるお下げを頭の上に持ってきて、輪っかを作るようなネコミミ風髪型を見せる一幕も。また5yncri5e!のユニット新衣装はかっこよさがあることと、5人ともおなかが出ているデザインであることに触れ、絵森さんが裏話として、腕を伸ばす振り付けをしたときにおなかが見えやすいことから、おなかに顔を描いたらなごむのでは、というお話をしていたことを明かす。KALEIDOSCOREのユニット新衣装はロングスカートのドレス風衣装で、回るとひらっと舞うところが素敵などといった話題も。ほかに「Liella! CLUB 2024」特典楽曲「アイコトバ!」のジャケットイラストを、ステージ上で再現しスマホで写真撮影を行うといったシーンもあった。

そのトークパートで、キャスト陣もファンも沸いていたのは“きゅるん選手権”。話していた内容によれば、一部キャストが雑誌での撮影時、テスト段階で普段は表情を作らないのだが、“きゅるん”とおねだりするような、かわいらしくぶりっこをするような表情で臨んでいたことがあったという。

ステージ上にはハンディカメラも持ち込まれ、キャストひとりずつ挑戦することに。多くのキャストが握った両手をあごにつける、いわゆる“ぶりっこポーズ”で「きゅるん」と、カメラ目線で一言を言っていくなか、フェイントを入れたり、あざといぐらいにカメラアピールするキャストもいるなど、それぞれが個性あふれる“きゅるん”を表現。ちなみに周りから“プロ級”との声があがってトリを務めた坂倉さんは、奇をてらわず素直にポーズを決めて「きゅるん」と言った上で、すぐに伏し目がちになって下を向きながら手で顔を覆う恥じらいも見せ、“シンプルイズザベスト”と言えるような表現としぐさに、見ている人全てのハートに刺さったかのような歓声があがっていた。

ちなみにトークパートはここで終わりとなるのだが、後のMCではもうひとつコーナー(チームワークパート)が用意され、リハーサルもしていたことを明かす。時間の都合で幻となったが、それぐらい沸いたトークが展開されていた。

キャスト陣は一旦降壇して、幕間映像の上映に。デフォルメされたメンバーたちによるストーリーに沿ったミニドラマが展開。そのなかでユニットによるツアーの意図と狙いが語られつつ、復活するはずのきんぐゆいがおーが暴走してしまい、みんなが歌で救おうとする姿が描かれ、ライブステージとなるミュージックパートに突入した。

3ユニットの個性とLiella!のパフォーマンスが光るライブステージ

まずは、各ユニットが2曲ずつ披露するステージに。初めに登場したCatChu!は、ロックサウンドを主体にしたボーカルユニットとなっており、まず歌った「オルタネイト」では、冒頭のペイトンさんによる煽りから場内のボルテージも一気にあがり、ステージでは3人が、ときには床に座りこむぐらいの思いを込めた動きと表情で熱唱。さらに「全力ライオット」では、ステージで炎が吹き上がる演出もあるなかで、3人による全力の歌唱とファンの全力のコールが相まって、場内が熱気に包まれていた。

続いてのKALEIDOSCOREは、大人びた雰囲気や切なさを感じさせる楽曲を主体にした、クールビューティ感あふれるユニット。薄くイメージカラーが入ったドレス風衣装で登場し、「カメリアの囁き」では、魅惑な世界を作り出すようなステージを展開。続いての「ベロア」では、切なさを誘うような曲調のラブソングで、3人が伸びやかに歌声を響かせていた。

そして3組目として登場した5yncri5e!は、ポップで近未来を感じさせる曲調からフォーメーションダンスで見せていくダンスユニット。「Thank you Good morning」では落ち着いた曲調にのせて、歌とダンスで魅了するものに。また、「A Little Love」では、キレのあるダンスを見せるとともに、曲中やラストなど随所で指ハートも作る振り付けもあり、見る人の目を離さないとも感じられるステージとなっていた。

再度各ユニットが1曲ずつを披露。ここでの3曲は、それぞれリリックビデオがスクリーンに流れるなかでパフォーマンスを行った。CatChu!の「ディストーション」は、ロックサウンドのなかでも、ポップな雰囲気やネコの手のような振り付けもあり、スクールアイドルの日常や青春感も味わえるものに。

「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像

KALEIDOSCOREの「ニュートラル」は、3人によるハーモニーをきかせつつ、優雅でありながらも切なさやはかなさのある世界観を作りだしていた。5yncri5e!の「Jellyfish」では、“クラゲ”を意味するタイトルからイメージする“浮遊”や魅惑さを感じられるステージとなっていた。

「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像

ここからはソロコーナーに。このコーナーはキャスト陣がDay.1とDay.2に分かれてソロによるステージを展開。Day.2では5人のキャストがパフォーマンスを行った。

伊達さんによるかのんのソロ曲「心キラララ」では、白を基調としてかのんのソロ曲「青空を待ってる」の楽譜が描かれたドレス風衣装をまとい、清涼感にあふれ前向きになれる楽曲を披露。絵森さんによる夏美のソロ曲「Eyeをちょうだい」では、スクリーンに夏美の目が印象的なカットが映し出されるなかで、コールを受けつつ魅惑のステージを展開した。

大熊さんによる四季のソロ曲「ガラスボールリジェクション」では、クールな曲調と歌声から織りなす神秘的な世界を構築するようなステージに。そして歌い進めるなかで、ステージがざわつくと、そこには個別衣装とまとった薮島さんの姿。2人がお互いに頬に手を当てる一幕もありつつ、2人での歌唱ステージに。2人が指を絡めながら手を繋ぐというラストシーンも、場内から大歓声。TVアニメ2期で関係性が描かれていた四季とメイの姿を彷彿とさせるものとなっていた。

青山さんによる恋のソロ曲「リバーブ」では、夜の星空をイメージするようなステージに、ひとりスポットライトの光を浴びながら、穏やかな表情でバラードソングを優しく歌う。そして、結那さんによるマルガレーテのソロ曲「エーデルシュタイン」のステージに。マルガレーテは、TVアニメ2期においてLiella!のライバルとして登場しており、楽曲は作中の「ラブライブ!東京大会」で披露した勝負曲。マルガレーテが歌い踊る映像を背景に、結那さんは神秘的な空間を作り出しつつ、圧巻のパフォーマンスを見せていた。

このまま、Liella!11人によるステージへと突入。まずは「Jump Into the New World」から。11人体制となってから初めてリリースされたユニットミニアルバムの表題曲であり、最初の全体曲といえるもの。そのジャケットイラストでメンバーが着用している衣装をまとって登場し、マントのような長い裾を大きく舞わせるような、目を引く振り付けも交えながら、フォーメーションダンスを駆使したステージを展開する。

続いた「キラーキューン☆」は、アイドル感あふれるかわいらしさと、ファンと一体となって盛り上がることができるLiella!ライブのキラーチューン的楽曲。キュンキュンしてしまうような表情やファンを撃ち抜くような手のポーズも随所に盛り込まれ、見る人たちのハートを打ち抜いていた。さらに「FANTASTiC」では、テクノポップの曲調と大人びた表情から目と耳が離せなくなるステージとなっていた。

一旦MCパートとなったところで、岬さんから“夏にピッタリな曲”を示唆しつつ、再開時の一発目は「常夏☆サンシャイン」。TVアニメ1期6話のダンスシーンを背景にステージが展開。岬さんによる冒頭のダンスパフォーマンスや、終盤のロングトーンもきれいに響かせるなどの見せ場がありつつ、常夏気分になれるような盛り上がりに。

続けての「ノンフィクション!!」では、ペイトンさんがすみれの決めセリフである「ギャラクシー!」とポーズを決めながら口にしつつ、第10話のダンスシーン映像を背景に、ペイトンさんがセンターに立ってパフォーマンス。伊達さんによる恒例のチャールストンステップなど、大人な雰囲気で魅了するショータイムとなっていた。さらに神奈川公演でライブ初披露となった「アイコトバ!」では、ファンが手にしたタオル回すようなノリノリになれる楽曲で、Day.2ということもあってかクラップやコールもより一体感を味わえるものだった。

「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像

そして、「What a Wonderful Dream!! ~最終章 Ver.~」に。この「What a Wonderful Dream!!」にはオリジナルのほか、各ユニットのアレンジバージョンが存在しており、ここでは歌唱するユニットのパートにあわせてアレンジも変わるという最終章ならではの特別バージョンとなり、それぞれがユニットごとに集まって歌唱しつつ、最後はユニットでのポーズを決めていた。

TVアニメ3期への期待とダブルアンコールで大団円

アンコールを求めるLiella!コールが巻き起こるなか、幕間映像が上映。きんぐゆいがおーの暴走を止めるもう一押しとして、Liella!にあるもうひとつのユニット「クーカー」の登場を示唆する。クーカーはTVアニメ第1期の序盤にかのんと可可が出会い、そしてスクールアイドルの活動継続をかけて地元の代々木スクールアイドルフェスに出場したときの2人組ユニット。そしてここで披露した楽曲は、そのときに歌われた「Tiny Stars」。ダンスシーン映像が流れるなかで、伊達さんとLiyuuさんがパフォーマンス。しかも衣装はTVアニメでかのんと可可が着ていたものをモチーフにしたもので、後のMCで2ndライブ以来にまとったとのこと。どこか懐かしさと感慨深さも感じさせるものとなっていた。

再度上映された幕間映像では、場内を巻き込んでパワーを送り、きんぐゆいがおーが復活するシーンが流れ、この物語は一区切り。アンコールとしてライブが再開され、まずは「Second Sparkle」の披露に。白と黒を基調とした同曲の衣装に着替えた11人が、どこか勇ましさを感じるようなかっこよさ全開といった楽曲をパフォーマンスしていく。さらに「シェキラ☆☆☆」では、フレーズにもあるダンスホールにもあうようなオールディーズな曲調のなかでも、火花が吹き上がるようなゴージャスな雰囲気も漂わせ、一緒になってのクラップもあって、終始楽しそうな表情で歌い踊っていた。

「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像

ステージではキャストひとりひとりが終わりの挨拶として、このステージやツアーを振り返りかえったり、裏話などにも触れつつ、感謝の言葉をファンに向けて送っていく。特にTVアニメ3期を控えているというタイミングもあってか、結那さんはライバルの立ち位置だった「エーデルシュタイン」から、11人体制の初めての楽曲である「Jump Into the New World」の流れにグッときたことを触れつつ、「『Liella!』として踊っているマルガレーテちゃんの姿が見たい!」として、TVアニメ3期もワクワクしていると興奮気味に語っていた。

また、TVアニメ3期から登場する冬毬のキャストである坂倉さんは、10月からの放送を待ちわびていたことを話す。ちなみに冬毬は2023年4月にLiella!の新加入メンバーとして発表され、坂倉さんは一般公募オーディションを経て同年6月に新キャストとしてお披露目された経緯があり、1年半の月日を経てTVアニメに冬毬が登場するという背景がある。

坂倉さんは「TVアニメに登場していない冬毬を、ここまで愛してもらえるとは、デビューした当時は思ってなかったです」と振り返る。そんななかでもイメージカラーであるスモーキーブルーのブレードの光やファンが描いてくれたイラスト、坂倉さん曰く“みんなでスマホを投げそうになる”ぐらいに、グッズのかわいいイラストを見て盛り上がったことなど、愛を感じて嬉しい気持ちになれたことを語る。すでにファンと冬毬とでできあがっている関係値があるとしつつも、坂倉さんによれば、TVアニメ3期で登場する冬毬の姿は、少し違う時系列の冬毬が描かれていると感じてしまうかもしれないという。それでも、1年以上にわたって築いてきた絆が確実にあり、これまで応援してきてくれた、Liella!に加入した後の冬毬も本物としつつ「ギャップを感じてしまうことがあったとしても、1年半築いてきた絆を信じて応援してくれたら、そして見守ってくれたら」と語り、ファンからの応援があるからこそ、安心してTVアニメ3期を迎えられるとメッセージを送っていた。

キャスト陣のあいさつが終わった後、伊達さんが絵森さんを中央に呼び、ファンにはブレードを夏美のイメージカラーであるオニナッツピンクで光らせるようにお願いすると、絵森さんが察したのか目を潤ませる。8月7日は夏美の誕生日ということで、一足早いお祝いをすることに。ファンも協力して、ブレードをろうそくに見立てて絵森さんが吹き消していき、みんなでお祝いをしつつ絵森さんも初めて経験した感激とともに、お礼を述べていた。

そして、最後の曲として歌われたのは、TVアニメ2期のエンディングテーマである「追いかける夢の先で」で、ここまで盛り上がってきた余韻に浸れるような雰囲気に包まれていた。客席のファンに向けて改めて挨拶して締めくくった。

……かに見えたが、暗転状態から場内が明るくならず、Liella!コールが巻き起こる。それに応えてキャスト陣が再登場し、ダブルアンコールとして「TO BE CONTINUED」を披露。アップテンポで紡がれる、まだまだこれからであることを示す楽曲を一緒になって盛り上がり、ツアーは大団円となった。

今回のツアーはファンミーティングでトーク&ライブという形となっており、その場合はトークで盛り上がりつつライブの曲数は少なめとイメージされるのだが、この最終章はレポートしてきたように、トークはコーナーを飛ばしてしまうほどの大盛り上がり。ライブもオープニングの「プライム・アドベンチャー」を含めると27曲で全てフルコーラスとなっており、メドレーやショートバージョン無しで、フルライブ並み。4時間に迫ろうかという公演時間もあって、大ボリュームのイベントとなった。ユニットのみならず、Liella!としての魅力も詰まった内容で、ファンミーティングとしてファンとの絆を深めるものであったとともに、“Liella!のイベントはこういうもの”を示すようなものと感じられた。そして、TVアニメ3期に向け弾みをつけようと躍動したキャストと、ファンも盛り上がるような公演と感じられた次第だ。

「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!ユニット&ファンミツアー最終章レポ――“きゅるん選手権”にフルライブで大熱狂の画像

桜小路きな子がお気に入りのライターが印象的だった“きゅるん選手権”と「Thank you Good morning」(余談)

また余談ではあるが、筆者お気に入りのメンバーが桜小路きな子であることを踏まえて印象的だったところもある。ちなみにきな子はTVアニメ2期から登場。北海道からひとり東京の高校に出ると決心し、結ヶ丘女子に入学。運動も勉強も苦手というなかで、かのんたちスクールアイドルに出会い、自分を変えようと頑張る姿が描かれている。

幕間映像ではツアーでパワーアップした姿として「超(スーパー)5yncri5e!」と説明した際に、前髪やお下げが逆立つぐらいに全身からオーラを放っている“超(スーパー)最強きな子”な姿に頼もしさを感じたところをはじめ、クーカーの登場を示唆するくだりで、きんぐゆいがおーの心の声が聞こえてくるときにしていた、お祈りのようなポーズのかわいらしさもさることながら、その心の声である「クーカー回収助かる」を代弁しているところも“助かる”感があったうえ、強火のLiella!ファンとなったきんぐゆいがおーが“俺たち”という感じがして親近感が沸いてきたこととか、鈴原さんがきな子特有と思えるような純朴感と芯のある歌声や、歌詞にあわせて表情豊かにパフォーマンスしつつ、的確なカメラ目線やキュートポーズなどで憧れのスクールアイドル感を随所に醸し出していたこととか、「キラーキューン☆」の間奏ではキツネのような手の形をして「こんこん」とつぶやいて、さりげないキツネアピールをしたこととか(※きな子の好きな動物はキタキツネでメンバーアイコンもキツネがモチーフ)、Day.1のセットリストも公開されており、鈴原さんのソロコーナーはDay.1できな子のソロ曲「ビギナーズRock!!」を披露していて個人的にも見ていたのだが、あくまで取材はDay.2のみなのでいつか触れられる機会があればと思っていることとか、ステージ上からではMCなどで合間を見つけては、客席に向かってこまめに指を指して手を振る“ファンサ”をすごく細かくしていたこととか、トークコーナーに入る前のジングルで岬さんにカメラがフォーカスされた際、とてもよく似たゆいがおーの声まねをしたところ、鈴原さんが床に手を付くぐらいに崩れ落ちていまっていて、ゆいがおーがとても大好きな気持ちが伝わってきたこととか、トークパートにおける鈴原さんの本領が発揮されたと言っても過言ではないのがきゅるん選手権で、鈴原さんはひとり椅子から立って向けられていたハンディカメラにスタンバイをし、愛称の「のんちゃーん!」と声をかけられると、「スペシャルウルトラ……」と口にしながら、ふたつのおさげを手に取って“かわいいアピール”をしつつ、「最強……」と言いながら握った手をあごにつけて1回回って、「きゅるん!」とウインクしながらカメラ目線で決めて大歓声を浴び、しかもそれだけでは終わらずにもう一度ウインクしたうえ、手でハートマークを作ったり両手で軽い投げキッスをして、再度ハートマークを作ったりぶりっこなポーズをしたりと、約20秒間にわたってもりもりに詰め込んだかわいいアピールをしつづけ、周囲から“プロ級”“優勝候補”の声があがるような絶賛状態になったうえ、着席したあとでカメラが向けられたときもくりっとした目でぶりっこなポーズを決めるなど、カメラアピールのうまさが際立っていたうえ“かわいいが渋滞しすぎ”な場面を作りあげていたのだが、正直文字ではこのかわいらしさの0.001%も伝わらず表現することにも限界があり、これこそ百聞は一見にしかずなので、気になる方はアーカイブで確認してほしい……といったことがまずある。

なかでも印象的だったのは、所属ユニットである5yncri5e!による「Thank you Good morning」のステージ。前述のように5yncri5e!は、フォーメーションダンスで魅了していく5人組ダンスユニット。そんななかでも「Thank you Good morning」はオシャレで落ち着いた雰囲気を醸し出すメロウな音楽にのせた、ポジティブな気持ちになれるような楽曲。ステージではきな子のセンター曲と思えるぐらいに、鈴原さんが中心になってのパフォーマンスや要所要所でのソロパートで歌声を響かせるステージとなっていた。

終わりの挨拶で鈴原さんは「Thank you Good morning」について語るなか、そのなかにあるフレーズに触れ「“たった一言が一日変えちゃうこともあるから”というのがありますけど、本当にその通りだなって思っています」という。自身としてうまくいってないと感じているときに、ふと開いたSNSを見てたときのファンからのコメントや、会場に集まったファンからの声援や笑顔に、一瞬で気持ちを変えてしまう、笑顔になれて頑張ろうという気持ちになれるという。そして、ファンに向けてみなさんは勇気づけてくれる力があることと、応援してくれることの感謝を伝えていた。

その一言が影響するというのは、誰かしら共感できることであるとともに、どこかTVアニメ2期できな子がLiella!の練習やパフォーマンスについていけなくなりそうなときに、Liella!加入前のメイや夏美からの言葉で奮起するシーンがあったことも思い返せるところがあった。そんな「Thank you Good morning」で一番好きなシーンであり、鈴原さんがMCの締めくくりとして、振り付き言った“ありがと、今日も”はグッとくるところだった。

なお公演終了後、TVアニメ3期のキービジュアルとPVなどの最新情報が公開。PV上映時はその映像とセリフに歓声があがり、気になるところも多くあることを伺わせた。詳細は下記記事を参照いただきたい。

本公演のアーカイブ配信が期間限定で実施。Day.1のアーカイブ配信期間は当初の告知から変更となり、Day.1とDay.2ともに8月11日23時59分まで(販売は公演アーカイブ終了日の20時まで)を予定している。詳細はイベント特設サイトまで。

「ラブライブ!スーパースター!! Liella! ユニットライブ&ファンミーティングツアー 心・技・体!極上大冒険!!」特設サイト
https://www.lovelive-anime.jp/yuigaoka/live/live_detail.php?p=unitlive

「ラブライブ!スーパースター!! Liella! ユニットライブ&ファンミーティングツアー 心・技・体!極上大冒険!!」【最終章】神奈川公演Day.1セットリスト

OP. プライム・アドベンチャー / Liella!

M1. 影遊び / CatChu!
M2. 全力ライオット/ CatChu!
M3. カメリアの囁き / KALEIDOSCORE
M4. 不可視なブルー / KALEIDOSCORE
M5. Thank you Good morning / 5yncri5e!
M6. Dancing Raspberry / 5yncri5e!
M7. ディストーション / CatChu!
M8. ニュートラル / KALEIDOSCORE
M9. Jellyfish / 5yncri5e!
M10. みてろ! / 平安名すみれ(CV.ペイトン尚未)
M11. ビギナーズRock!! / 桜小路きな子(CV.鈴原希実)
M12. 茜心 / 米女メイ(CV.薮島朱音)、若菜四季(CV. 大熊和奏)
M13. 勇気のカケラ / 嵐 千砂都(CV.岬 なこ)
M14. 水色のSunday / 唐 可可(CV.Liyuu)
M15. Primary / 鬼塚冬毬(CV.坂倉 花)
M16. Jump Into the New World / Liella!
M17. キラーキューン☆ / Liella!
M18. FANTASTiC / Liella!
――MC1――
M19. ビタミンSUMMER! / Liella!
M20. ノンフィクション!! / Liella!
M21. アイコトバ! / Liella!
M22. What a Wonderful Dream!! ~最終章 Ver.~ / Liella!

ENC1. Tiny Stars / 澁谷かのん(CV.伊達さゆり)、唐 可可(CV.Liyuu)
ENC2. Second Sparkle / Liella!
ENC3. シェキラ☆☆☆ / Liella!
――MC2――
ENC4. 追いかける夢の先で / Liella!

「ラブライブ!スーパースター!! Liella! ユニットライブ&ファンミーティングツアー 心・技・体!極上大冒険!!」【最終章】神奈川公演Day.2セットリスト

OP. プライム・アドベンチャー / Liella!

M1. オルタネイト / CatChu!
M2. 全力ライオット/ CatChu!
M3. カメリアの囁き / KALEIDOSCORE
M4. ベロア / KALEIDOSCORE
M5. Thank you Good morning / 5yncri5e!
M6. A Little Love / 5yncri5e!
M7. ディストーション / CatChu!
M8. ニュートラル / KALEIDOSCORE
M9. Jellyfish / 5yncri5e!
M10. 心キラララ / 澁谷かのん(CV.伊達さゆり)
M11. Eye をちょうだい / 鬼塚夏美(CV.絵森 彩)
M12. ガラスボールリジェクション /若菜四季(CV.大熊和奏)、米女メイ(CV.薮島朱音)
M13. リバーブ / 葉月 恋(CV.青山なぎさ)
M14. エーデルシュタイン / ウィーン・マルガレーテ(CV.結那)
M15. Jump Into the New World / Liella!
M16. キラーキューン☆ / Liella!
M17. FANTASTiC / Liella!
――MC1――
M18. 常夏☆サンシャイン / Liella!
M19. ノンフィクション!! / Liella!
M20. アイコトバ! / Liella!
M21. What a Wonderful Dream!! ~最終章 Ver.~ / Liella!

ENC1. Tiny Stars / 澁谷かのん(CV.伊達さゆり)、唐 可可(CV.Liyuu)
ENC2. Second Sparkle / Liella!
ENC3. シェキラ☆☆☆ / Liella!
――MC2――
ENC4. 追いかける夢の先で / Liella!
WENC. TO BE CONTINUED / Liella!

本業はテクノロジー&ビジネス情報メディアの硬派(自称)なIT系編集記者。にもかかわらず、ゲームエンタメ担当としてこれまで特定のキャラにスポットをあてたゲーム記事や、キャラコンテンツのライブイベント記事を書き続け、特に「アイドルマスター」と「ラブライブ!」シリーズは、10年以上にわたってあわせて100本以上を執筆。諸般の事情により、副業ゲームエンタメライターとして寄稿も行うことに。アイマス歴は、アーケード版ロケテスト1回目からのプレーヤー。

X(旧Twitter):https://x.com/310kazuya

※画面は開発中のものです。

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