スクウェア・エニックスが、2024年8月29日に発売するPS5/PS4/Xbox Series X|S/PC(Windows、Steam)用ソフト「聖剣伝説 VISIONS of MANA」の先行プレイレポートをお届けする(※Steam版は2024年8月30日発売)。
本作は、聖剣とマナを巡るRPG「聖剣伝説」シリーズの完全新規タイトルだ。色彩豊かな自然の広がるセミオープンフィールドを舞台に、立体的なアクションを使った探索やスピーディなバトルを楽しめる。なお、本プレイレポートはPS5版を使用している。
マナの循環を支えるため、御子と守り人はマナの樹を目指す
本作では世界に満ちるマナの循環を支えるため、フェアリーと大精霊に選ばれた「御子」が4年に1度マナの樹へ魂を捧げるために旅立つ。そんな御子を助け、マナの樹まで無事に送り届ける役目を背負うのが「魂の守り人」だ。
主人公のヴァル(CV:寺島拓篤)は火の村・ティアナの生まれ。フェアリーを迎える祭りで幼馴染のヒナ(CV:石川由依)が火の御子に選ばれたため、自身は魂の守り人としてヒナと共にマナの樹へと旅立つ……というのが物語の始まりとなる。
その道中にヴァルとヒナは、閉鎖的な風の谷・ロングレンの生まれで広い世界への興味を抱くカリナ(CV:夏吉ゆうこ)、月の街・エテラナで起こった過去の出来事に傷を追うモートレア(CV:羽多野渉)、水の都・エリスタニアの若き女王で自国の行く末を案じるパルミナ(CV:日笠陽子)、樹の里・ヴィラルスで暮らす種族「草人」のジュリ(CV:花守ゆみり)、闇の書殿・ロロバッゾで書殿長を担うアッシュ(CV:立花慎之介)といった仲間たちと出会うことになる。
この世界で御子に選ばれるのは、大変な栄誉だ。人々は世界のために御子に選ばれることを望み、選ばれた御子は周囲に祝福され、御子もまた誇らしげに旅立ちを迎える。こうして御子たち一行は災いからこの地を守るため、マナの樹を目指して過酷な道中を進んでいく。
――御子を犠牲にし続けて、それで救われる世界のままでいいのだろうか?
プレイ中に思わずそんな考えが過るも、ヴァルたちは困難に立ち向かいながら旅を続けていく。そのあまりにも高潔な精神は、私利私欲に走り、御子の献身をあざ笑う悪人の言葉のほうこそ、まだ理解できると感じてしまったほどだ。何故、この世界は御子を必要とするのか。何故、この世界の人々は御子の運命を受け入れるのか。旅の中で描かれる深い愛と悲劇、そして未来へ希望を繋いでいく物語の結末をぜひその目で確かめてほしい。
奥行きのあるセミオープンフィールドを自由に冒険
本作ではエリアに一定の区切りがあるセミオープンフィールドを採用し、精霊の息吹が感じられる多彩な光景や、仕掛けが行く手を阻むダンジョンが広がっている。1つのフィールドは徒歩で回るのが一苦労なほど大きく作られているが、フィールドもダンジョンも目的地を示す☆マークと、光の筋でルートを表示するナビゲーション機能も完備しているので迷うことはない。メインストーリー中はキャラクター同士の会話も盛んに行われるので、それを聞きながら移動するのも楽しい部分だ。
移動には犬のような愛らしい姿で大地を駆ける「ピックル」をはじめ、回復&セーブポイントとなる「竜脈」を経由したファストトラベルも用意されているので非常にスムーズ。ファストトラベルは竜脈同士だけではなく、エリアチェンジ付近や各種ランドマークなども対象なので移動に苦労することはないだろう。もちろんストーリーを進めれば、海上を移動できる「ブースカブー」、空を移動できる「フラミー」といったシリーズお馴染みの存在が旅を手助けしてくれる。
フィールドやダンジョンにはメインストーリーを進めたり、モンスターと戦ったりするだけでなく、さまざまな要素が散りばめられている。精霊の力を宿した「精霊器」を駆使したアクションには足場を作る、飛び上がる、動く足場を止める、シューティングのように空を駆けるなど、さまざまなギミックを駆使して先へ進んでいく。
このほか宝箱の獲得をはじめ、人々の頼みごとに奔走する「サイドクエスト」、強力な特技やアビリティを習得できる「エレメントボード」の育成に必要なエレメントポイント(EP)などが獲得できる「精霊石」、精霊からの挑戦を受けられる「精霊の住処」、あちこちにひっそり隠れているサボテンくんを見つけるといった要素もある。
そうした要素のほとんどがミニマップにも表示されるので、ついつい「あと1つ、あと1つだけ回ったら目的地に向かうから……!」と言い訳しながらメインストーリーもそこそこに探し歩いてしまった。ちなみにフィールドにはEPに変換できる「ゴールドクローバー」など色々なアイテムも落ちているが、近づくだけで回収できるのはささやかながら非常に嬉しい。
ステータスを底上げできるアイテムなど、アナグマの持つ貴重な品と交換できる「クマミツ」の収集も。このクマミツが道すがらちょうどいい位置に配置されていて、目に入ると回収しておきたくなるプレイヤーの心理を絶妙に突いてくる。本作は二段ジャンプで思いのほか高所に登ることができ、届きそうで届かないような場所も意外とすんなり取れてしまって寄り道が大いに捗ること間違いなしだ。ミニマップなどで位置を直接確認することはできないが、高い丘や崖から十分視認できるので、やはり「あれだけ、あれだけ取らせてくれ……!」と言い訳しつつ回収に走ってしまった。
精霊器のアクションで、バトルの幅が広がる
本作のバトルでは最大3人のキャラクターを切り替えつつ、装備した精霊器のもつ固有のアクションを駆使して戦うことになる。例えば月なら敵の動きをわずかな時間停止させる、風なら敵を一定時間拘束するといった具合だ。また、精霊器に合わせて各キャラクターの「クラス」が切り替わり、装備できる武器やクラス専用のアビリティなどが変化する。精霊器は1人1つずつしか装備できず、属性相性の影響も受けるので使い勝手の良さとパーティ内でのバランスを考えながら使っていこう。
精霊器に左右されずにアビリティを使える「アビリティシード」もあり、これはスロットの空き数分だけ装備することができる。性能はMPを消費する魔法から状態異常への耐性、ステータスの底上げなど効果は多岐にわたるので、状況に応じて付け替えるといい。とくに本作は状態異常の影響がかなり大きく、放置すると全滅しかねないので耐性を付けられるアビリティシードはとくに意識したほうがいい。アビリティシードは宝箱やサブクエストの報酬、モンスターを倒すと一定の確率で手に入る「魂石」との交換などで手に入る。この魂石集めもフィールドを駆け巡りたくなる要素のひとつで、とくに強力なネームド個体を見かけたら戦力と見比べつつもできるだけ倒すといい。
操作キャラクター以外の仲間の行動は、敵のターゲットや特技/魔法の頻度などを「作戦」でコントロールできる。ちなみに魔法などで消費するMPはアイテムだけでなく精霊器の使用などでも回復できるので、そこまで節約せずともすぐに底をついたりしない。竜脈やフィールド上の壺の破壊でも回復するので、惜しまずどんどん使っていこう。
ひととおり難易度ノーマルでプレイしたところ、ほどよい歯ごたえを感じることができた。とくに精霊器のアクションをいかに効果的に使うかがポイントで、うまく敵の攻撃に合わせれば効率よくダメージが与えられるし、逆に属性の選択を誤るとダメージを与えにくく窮地に陥りやすくなる。それぞれの精霊の属性相性や、さりげない会話に含まれる「この場やボスには、この精霊器を使ったほうがいいんだろうな」というヒントを見落とさないようにしよう。
かといって好みの精霊器や各種アクションでゴリ押しできないわけでもなく、戦略を立てるでも趣味を貫くでも自分なりのプレイスタイルで楽しめるだろう。エレメントボードで取得できる特技やアビリティを厳選していけばおのずと使用するキャラクターと精霊器の紐づけは決まっていくだろうが、ストーリーのクリアを目指すだけならそこまで強く意識しなくてもどうにかなる間口の広さも感じられた。
腕に覚えのあるプレイヤーはハードから入って敵の弱点部位やはじき返しを積極的に狙い、クリア後に解放されるベリーハードに挑戦するのもいい。アクションが苦手なプレイヤーはリングコマンドで一時停止しつつゆっくりイージーを楽しむか、全滅してもその場で即復活できるベリーイージーを駆使すればきっとクリアまで辿り着けるはずだ。
現代的に蘇った「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」の流れを汲みつつ、セミオープンの広大なフィールドに精霊器を駆使したバトルや探索要素が加わった本作。胸を打つストーリーと合わせて、まさに原点回帰しつつも「聖剣伝説」シリーズ最新作と呼ぶにふさわしいタイトルへ仕上がっている。シリーズファンならニヤリとできるネタもあるので、気になったらまずは本編シナリオの一部とバトルや探索をプレイできる体験版から触れていこう。
(C) SQUARE ENIX
※画面は開発中のものです。
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー