カプコンよりPS5/PS4/Xbox Series X|S/PC向けに発売中の「ストリートファイター6」。2024年9月24日に実装されるYear2追加キャラクター第2弾「テリー・ボガード」の先行プレイレポートをお届けする。
カプコンよりPS5/PS4/Xbox Series X|S/PC向けに発売中の「ストリートファイター6」。2024年9月24日に実装されるYear2追加キャラクター第2弾「テリー・ボガード」の先行プレイレポートをお届けする。
テリー・ボガードという漢は、昔からの格闘ゲームファンにはおなじみのキャラクターだろう。かつて、「ストリートファイターII」が格闘ゲームブームを巻き起こし、各社が様々な格闘ゲームを製作していた時期がある。そんな時代の中で生まれたのが「餓狼伝説」という作品だ。
テリーはその「餓狼伝説」シリーズの主人公であり、陽気にファイトを楽しむ明朗な性格や、代名詞ともいえる必殺技「バスターウルフ」などなど、多くの要素から人気のキャラクター。そんなテリーが、作品の垣根を越えて「ストリートファイター6」(以下、スト6)に参戦するというわけだ。
本レポートでは、各必殺技や気になった点をざっくり紹介しつつ、使用感についてお話していこうと思う。さらに、テリー実装時に追加される新機能についても簡単に紹介していくので、ぜひ最後まで目を通してほしい。
実際に対戦している様子は、本ウェブサイト「Gamer」のYouTubeチャンネル「Gamerチャンネル」にて公開されているので、あわせてご覧いただければ幸いだ。
全体的な立ち回りについて
まずはテリーの詳細を見ていく前に、全体的な使用感の部分をお話していこうと思う。テリーは非常に使いやすいスタンダード系キャラクターで、原作となる「餓狼伝説」はもちろん、SNK作品のキャラクターが集う「THE KING OF FIGHTERS」(以下、KOF)でテリーをプレイしたことがあれば、すんなり手になじむことだろう。
飛び道具、突進技、対空技、そして使い勝手のいい通常技と、全て備えたハイスタンダードキャラクターということで、過去の出演作品を触ったことがなくても使いやすそうな感触だった。全体的に攻めの手段が豊富で、奇襲が得意な豪鬼と比較すると堅実な攻めを展開しやすい技構成になっている。意表を突く、というよりは単純に殴り合いが強い感じ。
基本的には飛び道具で試合を作りつつ、優秀なしゃがみ中キックからのターゲットコンボや、確定反撃が無さそう(※)なクラックシュートを差し込んでいく立ち回りが強そうだ。隙を見て、SNK作品ライクな必殺技→必殺技といったコンボが決まればそれはもう爽快。使っていて非常に面白いキャラクターだった。
※対戦モード・お互いにテリーを使用して、クラックシュートをガード後に弱パンチを打ったがパニッシュカウンターが表示されなかった。テリーの弱パンチが立ち・しゃがみともに5フレームでない場合、全強度確定反撃が無しである。
パワーウェイブ/ラウンドウェイブ
波動拳コマンド+パンチボタン(テンキーでいう236コマンド)はふたつの必殺技に分かれており、弱・中で発動した場合はパワーウェイブ、強で発動するとラウンドウェイブという異なる技が打てる。OD版は低速なパワーウェイブとなっていた。
パワーウェイブは、オーソドックスな飛び道具といった使い勝手だが、“弱版はほかの飛び道具と相殺しない”という特殊な性質がある。ジュリの歳破衝のように、下を通り抜けていくのだ。そのため、普通の飛び道具キャラクターとはまた違った飛び道具合戦が展開できる。
中版のパワーウェイブは弾速が高速かつ画面3/4ほど進んだところで消える性質があり、消失するギリギリのところを狙えば、相手のドライブパリィを誘発できそうだ。
ラウンドウェイブはパワーウェイブと比較してほぼ飛ばない飛び道具だが、ガードされても先にテリーが動けるという特徴がある。ラシードの強版アラビアン・サイクロンに近い使用感だ。
ガードの上からガンガン打っていけるので、攻めで使うと気持ちのいい技だった。後述するクラックシュートと使い分ければかなり面白い攻め方を展開できそうなので、楽しみである。
クイックバーン/バーンナックル
竜巻コマンド+パンチボタン(テンキーでいうと214コマンド)も二つの技に分かれており、弱版だとクイックバーン、強版だとバーンナックルという技がでる。OD版は、ヒット数の増えたクイックバーンが出るようだ。
クイックバーンは二発目が中段となっており、ガード崩しに使える技だ。初段を見てからガードしたいところだが、意外とモーションが早いのでちゃんと意識していないと当たってしまう技、という印象だった。
バーンナックルは、拳に気をまとって突っ込む突進技だ。ガードされたら相手の反撃が確定してしまうため、基本的にはコンボ用に使うのがメインだろう。
性能とは関係ないが、テリーの代名詞的技ということで、モーションや技のエフェクトが作りこまれており、製作スタッフのテリー愛を感じた。この技を打っていると「テリーを使ってるなぁ」という気持ちになる。
ライジングタックル
いわゆる昇龍拳系の対空必殺技。見た目より横方向に攻撃判定が長く、対空攻撃として信頼できそうな技だった。
従来の作品では2タメ8コマンド(いわゆるサマーソルトキックのコマンド)のこともあったが、今回は昇龍拳コマンド(623コマンド)になっている。前後移動をしながらでもライジングタックルで対空出来るため、操作におけるストレスなく快適にプレイできそうだ。
パワーチャージ
大きく前進しながらタックルをする突進系の技。用途としてはバーンナックルに近いが、こちらは強版のみ“ほかの必殺技でキャンセルできる”という特性があり、コンボをつなぐうえで非常に重要かつ面白い技になっている。
強パワーチャージから後述するライジングタックルにつなぐと、テリーが参戦している「KOF」シリーズ風のコンボを体感できるのでオススメ。必殺技→必殺技のコンボは独特の操作感が楽しめるので、ぜひ発売後に一度試してみてほしい。
発売後にコンボの研究が進めば、空中で必殺技から必殺技につないでいくテリーらしいコンボができそうな可能性を感じたので、今後の攻略情報に期待できる面白い仕様の技だ。
クラックシュート
前方に軽く飛び上がりながら蹴りを繰り出す突進技。こうして列挙してみるとテリーは非常に突進技が豊富だ。クラックシュートは、
- 飛び道具を飛び越える
- 確定反撃がない
という特徴がある。春麗の覇山蹴とベガのダブルニープレスを足して2で割ったような性能だと思ってもらえれば良い。
個人的には、この技が一番伸びしろがあるなぁと感じた。というのも、確定反撃がないことを生かしてラウンドウェイブと対の択にしても面白そうだし、飛び道具抜けとしても優秀だし、空中コンボとしても使えそうだった。
地上戦で使った場合も打点の低い技なら避けられるので、唐突に打ってみるのも面白いだろう。
その他の面白そうな技
必殺技の紹介は以上だが、それとは別に気になった技をいくつかピックアップして紹介していこうとおもう。まずは、しゃがみ中キックからのターゲットコンボ。相手を大きく打ち上げつつ必殺技でキャンセルできる非常に便利な技で、テリーの主力として活躍しそうな技だった。
ガードされていてもキャンセルは可能なので、ガード時にはドライブラッシュなどでフォローしてあげると良いだろう。
次に、トレーラーでも紹介されていたパワーダンクという“特殊技”だ。そう、今回のパワーダンクは特殊技なのである。筆者が必殺技として紹介し忘れていたわけではない。
コマンドは【立ち中パンチ→立ち強キック→立ち強キック】となっており、単発でパワーダンクは出せなかった。見た目のカッコ良さと決めたときの爽快感があるので、このターゲットを組み込んだコンボを実装後に研究してみたいところである。
最後は、各種スーパーアーツ。なかでもレベル2のスーパーアーツ「パワーゲイザー」が面白く、発動後にドライブゲージを3本消費することで「ツインゲイザー」、さらにスーパーアーツゲージを1本消費すると「トリプルゲイザー」に派生できる。倒し切れるかどうかを確認しながら打てる上に、非常にダメージが高いので狙えるところで狙っていきたい技だ。
テリーのプレイフィールまとめ
最後に、テリーの使用感をまとめておこう。全体的な使い勝手としてはスタンダード系のキャラクターといった感じだ。それぞれ用途の異なる突進技が3つもあり、リュウやケン、豪鬼ともまた違った戦い方ができそうである。
ターゲットコンボからラウンドウェイブorクラックシュートの固めや、中パワーウェイブを使ったドライブゲージ削りなどなど、随所で使える選択肢の幅が非常に多い印象だ。使い込めば使い込むほど出来ることが増えていくような、そんなキャラクターに仕上がっていると感じた。
テリーとあわせて実装されるAIバトル&リプレイ操作機能について
テリー実装時には、あわせてAIと戦える「Vライバルマッチ」と、リプレイ再生中のキャラクターを操作できる新機能が実装予定だ。これらについて、簡単に見ていこう。
ランクマッチの予行演習やテクニック研究にピッタリな「Vライバルマッチ」
「Vライバルマッチ」は、オンライン対戦のデータを学習したAIと戦えるモードだ。相手の強さをルーキーからマスターまで指定でき、ダイヤまでのランク帯に関しては星1~星5まで細かく指定できる。従来のCPUと比較しても、より自分に合った強さの相手と練習ができる、という機能だ。
自分自身の動きを学習したAIデータとも戦えるモードも実装されるとのことで、これは面白そうだ。格闘ゲームで色々な人と対戦する機会はあれど、自分と対戦する機会はまず無いので、なかなか新鮮な体験になるだろう。自分の癖を勉強する意味でも有用だ。こちらはまだ開発中ということで試遊はできなかったが、筆者も実装時に遊んでみたい機能である。
リプレイ操作機能
こちらは、リプレイ映像を鑑賞中に、特定のポイントから実際に自分で操作ができるという機能だ。相手のキャラクターの連携が返せない、特定の状況下での反撃を調べたい、というようなときに、わざわざトレーニングモードで状況を再現するのは大変なので、この機能が実装されるのは非常にありがたい。
ラシードやA.K.I.、キンバリーなど、使い手以外だと連携の再現が難しいキャラクターでも、この機能があれば対策しやすいだろう。
どちらの機能も、ランクマッチを勝ち抜いていくために非常に役立つのはもちろん、これから新規で「ストリートファイター6」をプレイする人にはもってこいの機能となっている。個人的には自分のVライバルを、自分自身で勝てなくなるまで育成してみたくなった。
ランクマッチ前のウォーミングアップや、特定のテクニックを練習するときなど、いろいろな練習に活用できそうなので、テリーとあわせて9月24日のアップデートが、今から非常に楽しみだ。
(C)CAPCOM (C)SNK
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