スクウェア・エニックスは、2024年9月21日・22日に横浜アリーナでライブイベント「THE PRIMALS Live in Japan - Darkest Before Dawn」を開催した。ここでは9月22日 DAY2公演の模様をお届けする。
本イベントはオンラインRPG「ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)」のオフィシャルバンド「THE PRIMALS(ザ・プライマルズ)」結成10周年を記念した単独公演となる。ゲストに南條愛乃さん(朱雀役ほか)、Jason Charles Millerさん、Amanda Achenさんを迎え、最新拡張パッケージ「黄金のレガシー」の楽曲まで幅広くプレイヤーに届けた。
9月21日DAY1公演は、ライブストリーミング配信を行っている。アーカイブ視聴可能期限は10月7日(月)23時59分(購入は10月7日(月)20時)までなので、現地への参加が叶わなかったプレイヤーはこちらを利用しよう。
ライブストリーミング情報
配信日時:2024年9月21日(土)
料金:4,400円(税込)
チケット販売期間:2024年9月9日(月)18:00~10月7日(月)20:00
アーカイブ視聴可能期限:2024年9月22日(日・祝)18:00~10月7日(月)23:59
販売先:https://cdn.tixplus.jp/feature/theprimals_stpass_202409/
開演直前や公演中には、かつて対峙し、今は冒険者の魂と共にあるアルバートの声が響き渡る。会場となった横浜アリーナの紹介や、諸注意を読み上げるアナウンスには大きな笑いも起きつつ、彼の語る言葉の一つひとつから、声が聞こえずとも、姿が見えなくても、ずっと同じものを見て、聞いて、感じてくれているのだろうと信じることができた。
ライブ本編は、まず新たな冒険の幕開けを飾った「Open Sky - The Theme from Dawntrail」からスタート。「黄金のレガシー」のリリースが待ちきれず、同時にスクリーンへ上映されたトレーラーで繰り返し聞いたプレイヤーも多かったことだろう。そのまま、オメガと激闘を繰り広げた「エスケープ ~次元の狭間オメガ:アルファ編~」へ。FF14サウンドディレクターの祖堅正慶氏は“お年頃”のプレイヤーたちへ自由に楽しんでほしいと労わりながらも“火力”は必要だと煽っていく。
祖堅氏がFF14モデルのギターを携えて始まったのは、ヘスペロスと戦った「此処に獅子あり ~万魔殿パンデモニウム:辺獄編~」。ゴシックな雰囲気の中で「パンデモニウム!」の大合唱が巻き起こり、万魔殿パンデモニウム:煉獄編2/煉獄編3で登場した「Scream ~万魔殿パンデモニウム:煉獄編~」は、これまでの楽曲とは少し異なるクールで重厚なロックサウンドが印象的な曲だ。
あらかじめ「力いっぱいピンクのハートが流れる」と宣言された中で演奏されたのは、多くのプレイヤーが現在周回真っ最中の「至天の座アルカディア:ライトヘビー級」から「Bee My Honey ~至天の座アルカディア:ライトヘビー級~」だ。アップテンポで「B!B!」と気分が盛り上がる一方、あまりにもギミックのラッシュを思い出す演出だったため頭痛がしてきたのは筆者だけではなかったと思いたい。
じっくり練習した「オーライ!」のコールもしっかり決めたあとは、命がけの猛攻を耐え抜いた「Give it All ~至天の座アルカディア:ライトヘビー級~」も披露。結成10周年を記念したCDにも収録されている本楽曲は、ゲーム曲をバンドアレンジしたのではなくゼロからTHE PRIMALS向けに作り始めた珍しいパターンの曲だという。ステージ上に炎が舞い上がる中、Amandaさんが力強いボーカルを届けてくれた。
続いては、オリジナルでもバイオリンを演奏していた伊藤友馬さんを迎えての「月満ちる夜 ~喜びの神域 エウプロシュネ~」。非常にリズミカルなバイオリンの旋律が印象的な曲だが、もともと祖堅氏がピアノでメロディを弾いたところ、それを伊藤さんがその通りに弾きこなしたと確かな腕前を絶賛していた。FF14を竜騎士でプレイしている伊藤さんは自身の誕生日をキャラクターに反映させたところ、守護神が偶然にも月神メネフィナとなった縁の深さも語っていた。
「忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~」を終えた後は、会場内にいたプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏へスポットが当たる。マイクなしの状態で振られて困惑していたようだが、しっかりと肉声でプレイヤーへ感謝を伝えつつ「もっといけるだろ!」と煽っていた。ちなみに開演前にはペンライトのカラーをころころ変え、それに追従するプレイヤーと光でのコミュニケーションを楽しんでいたようだった。
ライブ中盤には、ひんがし風の印象に身を包んだ南條さんがステージに現れ「千年の暁 ~朱雀征魂戦~」を熱唱。朱雀を思わせるコメントで笑いを誘いつつ、安全性についてもトークが盛り上がる。「月下彼岸花 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~」では客席の半分が白、半分が青のペンライトを掲げてギミックを再現し、特別なタイトルコールでも会場を沸かせていた。
アルバートの呼びかけから、冒険者たちは拡張ディスク「漆黒のヴィランズ」で“闇の戦士”となった軌跡をたどっていく。「To the Edge」「Shadowbringers」ではJasonさんの歌声が響き、あの時に確かに感じた感動を想起させる。そうして最後まで戦い抜いた人々を、穏やかな眠りへと導くように「Flow Together」が優しく包み込んでいく。
後半戦は「メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~」で再び感情を一気に解放し、メンバー紹介では恒例の「家ー!」コールも。「魔神 ~魔神セフィロト討滅戦~」「過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~」をたたみ掛けたあとは華麗なダンサーが加わった「ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~」でプレイヤーたちの心と体を揺さぶっていく。最後はゲストたちが加わり、ゲームを楽しむプレイヤーたちの映像と共に「Endwalker – Footfalls」で締めくくられた。
もちろん、これでTHE PRIMALSのライブは終わらない。アルバートの放つ「魂ごと持っていけ!」の言葉から、祖堅氏がトランペットを手に「メタル:ブルートジャスティスモード」で会場の熱気をさらに高めていく。続けて演奏された「ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~」は、何度味わっても時間停止ギミックで誰もがピタリと止まる一体感が気持ちいい。それはほんの少し、あるいはガッツリとゲームをたしなむ。たったそれだけの共通点しかないこの場のプレイヤーたちと、同じ感動を共有してきたのだと強く実感できる瞬間だからかもしれない。そして「ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~」で、名残惜しくも2日間にわたるライブは幕を閉じた。
最後に祖堅氏は、今日のライブで楽しかったり、嬉しかったり、泣いたり、笑ったりしたのは、全てゲームがそうさせたのだとコメント。これからもゲームをよろしくお願いしますとプレイヤーたちへ挨拶し、満足そうにステージを去っていった。
THE PRIMALS Live in Japan - Darkest Before Dawn セットリスト
01. Open Sky - The Theme from Dawntrail
02. エスケープ ~次元の狭間オメガ:アルファ編~
03. 此処に獅子あり ~万魔殿パンデモニウム:辺獄編~
04. Scream ~万魔殿パンデモニウム:煉獄編~
05. Bee My Honey ~至天の座アルカディア:ライトヘビー級~
06. Give it All ~至天の座アルカディア:ライトヘビー級~
07. 月満ちる夜 ~喜びの神域 エウプロシュネ~
08. 忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~
09. 千年の暁 ~朱雀征魂戦~
10. 月下彼岸花 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~
11. To the Edge
12. Shadowbringers
13. Flow Together
14. メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~
15. 魔神 ~魔神セフィロト討滅戦~
16. 過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~
17. ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~
18. Endwalker – Footfalls
◆アンコール
19. メタル:ブルートジャスティスモード
20. ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~
21. ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~
(C) SQUARE ENIX
カメラマンクレジット:西槇太一 / 上石千聖
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