千葉・幕張メッセにて9月26日~29日にかけて開催の「東京ゲームショウ2024」。本稿ではカプコンブースで出展されているPS5/Xbox Series X|S/Steam向けタイトル「モンスターハンターワイルズ」の試遊体験レポートをお届けする。
「ストーリードリブン」なシングルモード
今回はシングルモードの「チャタカブラ」討伐から挑戦。チャタカブラとは、カエルのような両生種のモンスターだ。だが、狩りに入る前の10分ほどはストーリーが進行していく。
千年の昔に滅んで無人となり立ち入りが禁じられている「禁足地」。
そこで数年前、「守人の一族」を名乗るひとりの少年が保護され、禁足地に里があることを語った。そしてその少年が持っていたペンダントは、未知の物質で作られていたのだ。
少年によれば、とあるモンスターが里を襲撃し、少年は単身逃げ延びたという。しかし逃走に使った地下道が崩壊し、その道を使うことはできなくなった。里の人々の安否も、襲ったモンスターの情報も不明だが、学術院の見解では既に滅んだはずのモンスターである可能性が挙げられた。
そこでギルドは守人一族の救助と、モンスター「白の孤影」の調査を決定し、プレイヤーは禁足地調査隊ハンターに任ぜられ、少年や他の調査隊のメンバーと共に、禁足地の調査へと乗り出すのだった。
そしてその調査へと向かう途中の砂原で、一行はモンスターに追われている少女に出会う。そこからハンターは、その務めを全うすることになる。
……という、このストーリー、全てが美麗なカットシーンで作られており、見入ってしまう。特にハンターズギルドの高職であるファビウスのイケオジっぷりなど、なかなかのものだ。
筆者は「モンスターハンターワールド:アイスボーン」と「モンスターハンターライズ」をプレイしていなかったのでこの数年間の「モンスターハンター」には少々疎いのだが、「モンスターハンター」でこんなすごいストーリーを楽しめそうなんだ、と驚いてしまった。
確かに初代「モンスターハンター」などの「村クエスト」の頃に比べて、近年徐々に物語性が増してきたとは感じていたのだが、それにしても一気に進化しすぎではないだろうか。これはストーリー好きな筆者としては、ワクワクが止まらない展開だ。
だからといって、「早く狩りがしたいんだけれど!」というハンターももちろんいるだろう。
ストーリーでは様々なチュートリアルも兼ねており、例えばモンスターに追われている少女を助けるために「セクレト」という鳥竜種のような乗り物に乗り、L2ボタンで海竜を狙って、R2ボタンで「スリンガー音爆弾を撃つ」というような動作も挟み込まれている。
そして少女を助けることに成功するハンターだったが、少女のはぐれた兄はチャタカブラに襲われていたのだった――
そう、ここからいよいよ狩りの始まりだ。このチャタカブラ戦もチュートリアル的な要素となっており、特に筆者は久しぶりの「モンスターハンター」復帰とあってガイド表示も初心者向けにしてあったので、様々な操作を思い出しつつチャタカブラと戦うことになった。
ちなみに選んだ武器は、太刀。単純に好きな武器はランスなのだが、リハビリにちょうど良いのは太刀だろうということで太刀を選択している。
△で縦斬り、R2で気刃斬りI、ここらへんはもう手に染み付いた動作なので全く問題ない。太刀は「モンハン」初心者にも扱いやすい武器なので、「モンハンワイルズ」から「モンハン」の世界に飛び込みたい、という人がまず最初に選ぶ武器としてもちょうど良いだろう。
そしてしばらくチャタカブラと戦っていると、「集中モード」のチュートリアルが出てきた。L2ボタンを押している間は集中モードになり、Rスティックで狙いを定めた照準方向へ攻撃できるという、「モンスターハンターワイルズ」からの新要素である。
モンスターに攻撃を加えているうちにモンスターに「傷口」ができるのだが、集中モードでその傷口の部分を狙えばさらなるダメージを与えられるのだ。
傷口は、わかりやすくいえば、これまでの「部位破壊」に近い。ただ部位破壊は破壊しきるまで傷がつかない/切断できない、という感じだったが、傷口はもっとライトな部位破壊といった風で、あまり意識せずに攻撃していても大体そのうちモンスターの身体のどこかに傷口が現れる程度のように感じた。
少なくとも数年ぶりに戻ってきた筆者がかなり雑に攻撃していても傷口は現れたので、「集中的に足を狙わないと傷口がつかない」とかそういったことはなさそうだ(上位種になってくると、そういうこともあるのかもしれないが)。
それに、「現れたからといって、絶対に傷口を集中モードで狙い撃ちしないとならない」というものではなく、あくまで「総合的なダメージ値を上げて早めに討伐したいならば傷口を狙ったほうがいいよ」という感じのもののようだ。
まあ……傷口があるならば、やはり集中モードで狙うのですが。傷口は、そういった「どうせあるならば狙いたくなるよね」というプレイヤー側の心理を上手く突いた新システムだ。
チャタカブラを追いつめるとモンスターは逃走していくので、セクレトに乗って追う。ちなみにセクレトはオートでターゲットを追ってくれるので、こちらで操作する必要がないのがとても楽だった(もちろんマニュアル操作もできる)。
また、このタイミングでソロプレイモードでも他のハンターに救援を送ることができ、NPCハンターが救援に訪れてくれた(こちらももちろん、呼ばないという選択もできる)。
4人そろえば、あとは一気に弱ったモンスターを倒しきるだけだ。無事にチャタカブラを討伐し、素材を剥ぎ取り、クエストを終了すると、兄妹が無事に再会するシーンがはさまって、涙がほろり……、というところでシングルプレイは終了となった。
何はともあれ「ストーリードリブン」な「モンスターハンター」になったと感じさせられた、シングルプレイモード。既に今回の試遊を受けての辻本氏、藤本氏、徳田氏への開発陣インタビューを掲載しているが、ストーリーにはかなり力を入れているとのことなので、今後のシングルプレイモードの展開にも期待したいところだ。
4人でのマルチプレイが楽しめたドシャグマ戦は目まぐるしく変わる環境に注目
お次は、やはり「モンスターハンター」といえばマルチでしょ! ……な、4人のプレイヤーで挑むマルチプレイ「ドシャグマ」戦だ。
こちらはいきなりベースキャンプからのスタートで、キャンプで武器などの準備を整えたら即狩りへ出発。ちなみに今回は大剣とランスを持って出発したのだが、大剣は「モンスターハンター4」の時代で止まってしまっている筆者。抜刀溜め斬りなどは慣れたものなのだが、むしろ抜刀溜め斬りしか出せないため、割と早々に大剣での操作を諦めてランスに持ち替えた。
ドシャグマは群れで生息しているので、「スリンガー大こやし弾」でまず群れを散らす必要があった。筆者はスリンガーの扱い方をすっかり忘れており、このあたりの行動は全部他のハンターさんに任せてしまった。ごめんなさい。
まあ、こうやって4人で(筆者は役に立っていないが)協力できるのが、マルチプレイのいいところである。
なお、「ランスなら絶対に勝てる」と思ったのだが、「ガード、L1じゃなかったっけ? L1でガードしないんだけど?」というあたりで非常にもたついてしまい(ガードはR2)、「生命の粉塵」で回復もめちゃくちゃ助けてもらいました、本当にありがとうございました……(深々)。マルチプレイじゃなかったら確実に落ちていたであろう筆者であった……。
シングルプレイと同様、集中モードで積極的に傷口を狙っていく。
ボス自体は、いわゆる「熊」をモチーフにしたと思われるボスで、立ち上がって圧し掛かってきたり、引っかいてきたりという動きが中心で、あまりトリッキーな動きはなく、比較的難しくない部類だったと思う。
しかし、狩猟中に雪、雷、晴れなど、目まぐるしく変わっていく天候変化が印象的だった。ドシャグマの討伐にかかった時間は15分強といったところなので、結構短いスパンで天候が変わっていく感じだ。
火力としてはほぼ役に立っていなかったであろう筆者も、他の強力な3人のハンターに助けられ、ドシャグマの討伐に成功。「今すぐクエストを終了する」を選んで、はいおしまい、かと思いきや、本作ではクエストを終了したあとも自由に世界の中を歩き回ることができるとのこと。
よくわからないまま、付近をウロウロとセクレトに乗ってさまよっていたら、アルマから「新たな対象を確認、このまま狩猟を開始してください」と通信が入った。先程シングルプレイでも戦ったチャタカブラだ。
各自好きに世界を堪能していたが、再びターゲットの下に4人が集い、チャタカブラの討伐をスタート。シングルプレイで倒せた相手ということもあって、4人でぼっこぼこにしたところ、割とあっさり倒し、再びこの世界を堪能するべく各自散っていったところで、30分の試遊時間が終了した。
ドシャグマ戦で感じたのは、とにかくフィールドの変化と天候の変化がすごい、というところ。しかもこれが全部シームレス。筆者の中では「モンスターハンター」といえばあくまでエリアごとに景色や天候が固定で設定されているというイメージだったのだが、刻々と移り変わっていく自然環境の変化は素直にスゴイ。
ただ、筆者は今回の試遊で初めて「モンスターハンターワイルズ」に触れた、しかも出戻りのハンターとあって、「天候を活かす」という点は全くわからず、ただランスを振るうだけで終わってしまった。
本来であれば、雷の時には大雷光虫が発生してモンスターを麻痺させたりできるらしい……。筆者は「そんなのいた?」という状態だったので、本作をしっかり楽しもうとすれば、環境変化でどのようなことが起こるのか、ハンター自身の経験と知識が求められそうだと思った。
なぜ武器を2種類持っていくのかを、試遊後半になって悟る
今回から武器鞄が登場し、キャンプから2種類の武器を持参、クエスト中でも武器の切り替えが可能になったが、最初は「武器が切り替えられるとなるとその分操作が複雑になりそう……」なんてちょっとネガティヴな気持ちになった筆者。
しかしドシャグマ討伐が終わったあとの自由探索、自由探索からのチャタカブラ討伐……と、本作の広大なフィールドを駆け回ることで、「ある程度何に遭遇しても大丈夫な備えとして、2種の武器を持っていけると、とても心強い」と手を打った。
試遊では遭遇したモンスターもそこまで脅威性が高くなく、雑に選んだ2本の武器で戦えてしまったが、この先出会うモンスターがもっと脅威性の高いものになると、最初に選んだ2本が結構重要になるのではないかと感じられた。
特に筆者は麻痺武器オタクと言っても過言ではないほど、麻痺武器が好きなハンター。しかし麻痺武器は、モンスターの麻痺耐性値が上がっていくにつれ、あまり活躍できなくなる。しかも麻痺武器って、大抵火力はあまり高くない。そこで後半は麻痺値よりも純粋に火力の高い武器に持ち替えて、貢献度を上げていく……、なんてこともできるはずだ。
なお武器の切り替えは全然複雑ではなく、右十字ボタンひとつでさくっと持ち替えられたので、鈍臭い筆者もニッコリ。最初は「2種類の武器が持てますけど、1種類だけで通しきってもいいんですか?」と息巻いていたものの、これは充分活用しないと損である。
TGS会場での試遊はプレイできる人数も非常に限られる。もっと多くの人に「モンスターハンターワイルズ」の面白さを実際に感じてもらえると嬉しいし、筆者も発売までにさらに色んな経験値を積みたいと思ったので、今後体験版などが配信されてくれると嬉しいところだ。
(C)CAPCOM
※画面は開発中のものです。
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