寺田倉庫 B&C HALL/T-LOTUS Mにて開催されている第四境界初のリアルイベント「東京侵蝕2025 supported by SANKYO」のレポートをお届けする。
目次
「東京侵蝕2025」は、参加者が非日常に没入する「イマーシブタイプ」のイベントではなく、フィクションがあなたの日常を侵蝕する「イロージョンタイプ」の新しい体験型イベント。参加者は自分自身が物語の一員となり、現実なのか仮想なのか、その境界が曖昧な、日常の延長線上にある物語体験を味わうことになる。

ちなみに筆者は、第四境界の作品を実際に体験するのは「東京侵蝕2025」が初めての機会となった。第四境界自体は知っており、ずっと体験してみたいとは思っていたものの、なかなか機会に恵まれずにいた。そのため、個人的にも今回の取材は楽しみにしており、当日に備えて「事故物件鑑定士試験」の過去問を解いたり、「交錯≠少女」の今までの流れを振り返ったりと予習に勤しんでいた。
その中で挑んだ当日は、第四境界の作品が持つ独特の世界観にどっぷりとハマり、気が付けば会場に2~3時間と滞在していた。それでもまだやり切れていないコンテンツもあり、許されるのであればもっといたいと思っていたほどだ。
「東京侵蝕2025」は開催されたばかりということはもちろん、コンテンツの性質上、過度なネタバレを避けつつの紹介になってしまう点はご了承いただきたい。ただ先に一つ、現地に足を運ぶという人は、スマホの充電を十分にし、不安があればモバイルバッテリーを、そして自分のスマホで使用しているイヤホンを忘れずに向かった方が良いということはアドバイスとして伝えておきたい。
霊器素養の開孔と受容のプロセスが含まれる試験を受ける「事故物件鑑定士試験」
まず訪れたのは、寺田倉庫 T-LOTUS Mで実施されている「事故物件鑑定士試験」。「事故物件鑑定士試験」は、第四境界の「人の財布シリーズ」や「幽拐シリーズ」に続く、新しいARGシリーズ「禁忌肢」の第一作目。会場でマークシート形式の試験を受験し、合格すると事故物件鑑定士の資格が授与されるものとなる。
当企画のみ、体験するには入場チケットとは別の専用チケットが必要となるが、好評につき完売。なお5月には単体作品として、オンライン版がリリース予定となっているので、今回体験できなかった人はこちらを楽しみにしておいてほしい。

試験型ホラーゲームということもあり、内容の不気味さはもちろん、会場の独特の雰囲気がそれをさらに後押しし、試験中の約1時間は色々な意味で疑心暗鬼になりながら、挑んでいった。
試験の1時間後には、寺田倉庫 B&C HALLの2階で試験結果が発表され、見事合格となり、業務手引書と資格認定証を受け取ることができた。特設サイトにも記載されていた“ただ試験を受けて終了ではございません”という点も非常に楽しみにしておいてほしいポイントだ。


コインロッカーの忘れ物を展示する「残置物展」
寺田倉庫 B&C HALLに足を運ぶと体験できる「残置物展」では、実物のコインロッカーが会場内に設置され、いくつかのコインロッカーに長期間放置されていた忘れ物が展示。ロッカーの扉を開けることで、中身を確認できるが、何が入っているか扉を開けるまでわからないというドキドキ感がたまらないものとなっている。
また、展示品一つ一つから得られる情報は断片的だが、それぞれの詳細が記録されているデータベースがWeb上に用意されており、会場で見た残置物の特徴を検索することで、その残置物の正体を知ることができる。それらを組み合わせ、とあるコインロッカーに隠された“いわく”に迫ることこそ真の目的となる。
なお、一部展示には制限時間が設けられており、限られた時間の中で特徴を記録する必要がある。展示数も多いため、一人でやりきるのは大変…という場合は、現地やSNSでの情報共有、自宅でのサイト検索、オンライン版の活用もオススメだ。



非人道的な実験を行っている少年院の闇に迫る「かがみの特殊少年更生施設 ぼくらの表現祭」
「かがみの特殊少年更生施設 ぼくらの表現祭」では、来場者は展示品や音声ガイドなど展示されているものを観察し、隠されたメッセージを探すことになる。違和感を見逃さないように注意しよう。
なお当企画は、これまでの「愛宝学園かがみの特殊少年更生施設」の展開を知らない人でも楽しめる内容となっている。また、会場入場時に配布されるパンフレットからヒントサイトをチェックすることも可能。SNSや他の来場者との情報共有もOKなので、力を合わせて真相へたどり着いてほしい。



第四境界の1年間の軌跡を振り返る「第四境界ヒストリー」
唯一フィクションが含まれていない「第四境界ヒストリー」では、2024年3月31日に本格始動した第四境界の1年間の軌跡を振り返ることができる。会場では年表の他に、第四境界が制作した作品、10名を超えるイラストレーターとコラボレーションしたイラストが展示。鬼頭明里さんが担当する音声ガイドを聞きながら、回ってみてほしい。
プレイヤー数無制限のリアルタイムアドベンチャーゲーム「交錯≠少女」
「交錯≠少女」はリアルとインターネットを交錯しながら物語が展開され、4月1日からリアルタイムに進行してきた。イベント会場では、「交錯≠少女」のクライマックスが展開されるものとなる。
これまでの物語は「クロスアーカイブ」にまとまっているので、訪れる際は予習/復習も兼ねてチェックしておいてほしい。

「交錯≠少女」についても「ぼくらの表現祭」と同様にパンフレットからヒントサイトにアクセス可能。「ぼくらの表現祭」、「残置物展」、「交錯≠少女」の3企画に関しては、一人でクリアを目指す必要はなく、SNS上での情報交換が推奨されいる。もちろん、現地の来場者とコミュニケーションを取りながら進めるのも良いだろう。
会場に足を運ぶという人は、展示を見る際の譲り合い、そしてともに謎を解くという助け合いの心をもって望んでほしい。
物販では「人の財布」シリーズ最新作の先行販売や、完売となっている「人の財布」も
会場で最後に訪れることになる物販コーナーには、話題となった「恐怖克服 盛り塩」のほか、先行販売商品として「人の財布」シリーズ最新作、READY TO STORY(2種類)が登場。さらに、現在完売となっている「人の財布」と「人の交換日記」も販売。現地に足を運ぶという人は、ぜひともチェックしてほしい。
そのほかにも、粗品タオル(会計時の合計金額5,000円ごとに1つ)、ショッパー(1万円以上の会計で1枚)といった購入特典も用意。開催期間中に対象のハッシュタグを付けてXで感想をポストすると、抽選で「東京侵蝕2025」のグッズ詰め合わせセットがプレゼントされるキャンペーンも実施される。
過度なネタバレは伏せつつ、触りだけの紹介となってしまったが、本当はすべてを語りたい衝動を必死に抑えながらこの記事の原稿を進めていた。自分の身で実際に体験するのが一番という結論にはなってしまうが、気になっているという人がいたら、ぜひとも参加をオススメしたい。2~3時間ほどフル回転で頭を使っていたため疲れを感じる…よりも、それ以上に謎を解いた時の達成感、すべてを体験した後の満足感が勝っていた。
そんな「東京侵蝕2025 supported by SANKYO」は4月20日までの開催。「事故物件鑑定士試験」を実際に受験できる特別チケットはわずか5日で完売と、注目差の高さも伺えるイベントとなっている。
現在はスペシャルゲストチケットのほか、「事故物件鑑定士試験」以外のコンテンツを体験できる通常チケット、現地まで足を運べないという人でも安心なオンラインチケットが販売中。通常チケットについては、既にチケットの7割(確認時)が埋まっているとのことなので、現地での参加を考えている人は、公式サイトをチェックしてほしい。
「東京侵蝕2025 supported by SANKYO」公式サイト
https://event.daiyonkyokai.net/tokyoshinshoku2025/
(C)第四境界
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