声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第45回はSteamにて発売中のSNSパズル推理ゲーム「ミカクテイ事件の観測者-Demons’Timeline-」について、同作を手掛けたDigitalCatsのアントラー氏へのインタビューをお届けします。

突然ですが、みなさまはSNSアカウントをいくつもっていらっしゃいますか?
X、Instagram、tiktok、mixi、Blueskyなどなど、サービス別に一アカウント作ったり、一つのサービスで、プライベートや趣味アカウントと仕事用アカウントの線引きで分けられたり人によって色んな使い方ができるものだなあと感じつつ、二つアカウントを所持している場合、区別するために分けたのに【裏アカ】という言い回しになったり思われること…ありませんか…?裏って言葉はなぜか後ろめたい気持ちにさせられますね。インターネットで言葉を発するなら、たとえ鍵をかけていようともだれかにみられると思え、という気持ちで発信していきたいですね。
…とはいえ…ゲーム…フィクションの話ですよ?フィクションの中で表アカウントと裏アカウントを特定して、自分の知らないあの子の一面をこっそり知りたい…そんな欲求を持っちゃうくらいは許してほしい!フィクションだから!現実ではやらないから!!
そんな欲求を事件に関わることだからという免罪符付きで合法にできちゃうゲームが先日発売されました。
SNSあるあるがふんだんに盛り込まれ、知り合いでも会ったこともないアカウントに愛着を持ち友達のように感じるほどになれるアカウント特定推理ゲーム、「ミカクテイ事件の観測者-Demons'Timeline-」を今回はインタビューでお送りいたします。
プレイ前の方にとってはちょっとだけネタバレもあるかもしれませんが、それを知ってしまっても十分楽しめるゲームなので、これを機会に遊んでいただければ幸いです。
※インタビューは7月末頃に実施。
「ノーゲーム・ノーライフ」榎宮祐先生登場の経緯は?
三宅:本日はよろしくお願いします。私が推理やパズル要素のあるアドベンチャーゲームが好きで、個人配信で遊ばせてもらったら激ハマりしまして(笑)。そういう経緯で今回お話をお聞きしたいと思ったのですが、ブランドとしては1作目になるんですね。
アントラー:Steam向けにゲームを作るチームの名前をDigitalCatsとしているのですが、チームとしては本当に初めての作品になります。
三宅:開発メンバーは何人くらいになるのでしょうか?
アントラー:僕を含めてコアメンバーは3人です。ひとりはイラストレーター兼UI(ユーザーインターフェース)担当で、もうひとりが一部のキャラクターデザインと経理を担っています。それ以外のプログラミングとシナリオ、制作進行は僕が担当しています。
三宅:デバッグとかも含めて大変そうなゲームだと思ったんですが、どのくらいの期間で作られたんですか?
アントラー:開発だけだったら1年ですが、そのほかにもいろいろ含めると1年半くらいはかかっています。
三宅:表アカウントと裏アカウントを紐付けるというシステムが私の中では面白かったのですが、どういう構想からこのゲームを作ろうとなったのでしょうか?
アントラー:僕がTwitter(現X)大好きだったこともあり、新しいゲームを作るという時に、Twitterをゲームにできたら面白いかなと。「Return of the Obra Dinn」や「未解決事件は終わらせないといけないから」のような情報制御をするようなゲームを、Twitterを題材にして作ってみたいという風に思って作り始めました。
三宅:制作にあたって、苦労や想定していなかったことはありましたか?
アントラー:キャラクターのセリフとかはスラスラ出てくるので、そこは苦労しないと思っていたのですが、作中に出てくるタイムラインのつぶやきを書くのが本当に大変で。こういうアカウントの人はこんな書き方をして、裏アカウントではこう話しててみたいなところから、この人とこの人はこういう関係だから、こんなリプライを飛ばし合ってところまでシチュエーションをたくさん考えていきました。
普段の自分の口調ばかりになったらつまらないと思い、その人ごとに書きこみの特徴を考えたりしていたので、いろんな人になりきるような感覚でひとつ書き終えた頃にもうクタクタになるぐらい、テキストを書くのが今まで一番辛かったです(笑)。
三宅:本当に(SNSとしての)パロッターの解像度が高いなと思ったのが、アカウントごとのキャラクター性が出ているところで、システムと文章の力がすごくて遡ったりとかするうちに段々愛着が湧いてきて、一人一人を好きになる不思議な感覚でした。表も裏もいろんなこと言っている中で、共感できない時もありつつ、なんか憎めないところがあるというのはやっぱり狙って書いているのですか?
アントラー:そうですね。今作のメッセージ性としては、"インターネットはクソである"だけで終わらせたくなかったんです。
僕は中学あたりからニコニコ動画にハマって、部活にも入らずに家に帰ってパソコンでTwitterとかニコニコ動画を見るというオタク生活をしていたので、インターネットが悪いところも、めちゃくちゃ楽しいところもあるっていうのをずっと感じていました。
どうしても創作に出てくるネットの社会は悪いところばかりが誇張されがちで、あまりそういうのが好きじゃなかったので、良いところを書きたかったというのと、アカウントを持っている人たちは単なるモブではなく人間であり、悪いネットリテラシーとか態度を取っているのにもその人なりの理由や背景があって、そういうことをちゃんと知ってみると、多少なりとも共感できるところはあるというのを強調したかったんです。

三宅:そういえば見たことのあるアイコンがある気がするなというのがあって。「ノーゲーム・ノーライフ」の榎宮祐先生、あれは本物なんですか?
アントラー:そうですね。VRChatで榎宮さんとお話する機会があったのがきっかけです。僕自身、「ノーゲーム・ノーライフ」をアニメでしか見てなかったもののすごく好きで、実際に喋れたことに感動しちゃいまして。僕はVRChatが好きなので、VRChatのユーザーみたいなタイムラインを作りたいと考えていて、そこでリアリティを出すためにご本人にお話して、いくつか過去の書き込みをパロートとしてお借りしています。
“ネットの良いところ”を表現するためにこだわったエンドロール
三宅:逆に上手くハマったところはありますか?
アントラー:情報量の多さに対して、意外と内容を覚えてもらえるというのはありますね。誰が誰なのかを推理するにあたって、何回もタイムラインを読み直さないといけないので、情報が結構頭に入るんです。なので、普段使っているのと同じような感覚で見ることができて、何回も流れてくるので段々と頭に入ってくるのかなと思っています。伏線とか情報が多い中でも、結構みんな理解してくれてるというのが、上手くいったかなというところのひとつです。

あともうひとつが、レビューでも書かれていることが多いのですが、エンドロールがすごく良かったと言っていただけています。
三宅:エンドロールすごく良かったです! あれで余計に「このゲーム、本当に良かったな」という気持ちが増したのですが、どういう狙いで作られたのですか?
アントラー:先ほどの内容とも重なるのですが、やはりネットの良いところをどうしても表現したかったというのがあります。現実ではあんな風に上手くはいかないですし、一発で全部が解決というのも難しいですけど、こういう人たちにも何かそうなっている理由があって、その理由が取り除かれたらこういう風になっていた世界もあるかもしれないというのは現実世界でも言えることかなと思っています。そこからあのエンドロールを考えました。
三宅:すごく楽しくてハッピーな人もいれば、事件があってもなくても変わらない人とかがいるのがちょっとリアルでした。
あと私はエンディング曲にも感動しました。歌詞を通して、今までのゲームのことを考えたりしながら明るい気持ちになれて。
アントラー:エンディング曲の「箱入り娘」ですが、実は書き下ろしではなくて、猫田紺さんという作曲者の方が発表されていた楽曲です。元々猫田さんの曲がすごく大好きで、その中でも「箱入り娘」は「ミカクテイ事件の観測者」にすごくピッタリ合う曲でした。
ご本人に何も話さないままにチームメンバーにこんな感じにしたいとデータを送り、これで行くと決まってから、ご本人にどうしてもこの曲を使わせてほしいんですという風に連絡したらOKをいただけました。もしそこでOKしてもらえなかったら、全部入れ替えてほかの方に作曲してもらう感じになったと思うのですが、僕の中では楽曲を聴いた時から「この曲と一緒にエンドロールを流すぞ」と決めていたので良かったです。
三宅:楽曲を収録したサントラとかは出る予定はあるのですか?
アントラー:(バーチャルボーカリストの)音街ウナちゃんが歌っている原曲はYouTubeで公開されているのですが、実はゲーム内の楽曲はそのまま使わせていただいたわけではなく、別バージョン(「Synthesizer V AI 音街ウナ」)で作っていただいたものになっています。そちらの楽曲は8月16日にコミックマーケット108でゲーム版音源のダウンロードカードを頒布されるそうです(西2 お-20 猫田紺商店)。
三宅:発売前後でのユーザーさんの反応などで変化はありましたか?
アントラー:発売前はクラウドファンディングで応援いただいた方や、僕がVRChatで投稿しているワールドのファンの方、あとはリアルの身の回りの方とかがすごく楽しみにしてくれていました。
発売後ですと、すぐにプレイしてくれた方々はすごく楽しみにしてくれていたと思うので、全体的に優しくて好評なのかなという感じで見ていたのですが、それ以降も(Steamレビューで)好評が続いていますし、海外からのレビューもついています。
三宅:8月4日には簡体字中国語に対応されるそうですね。ほかにも増える可能性はあるのでしょうか?
アントラー:さすがに簡体字でラストかもしれないです。文字数が20万字と多いゲームなので(笑)。
解説の丁寧さも含めた謎解きのハードルを上げない気配り
三宅:ここからゲーム中のお話を聞ければと思うのですが、最初に私がビックリしたのが、事件を解決した時にエルくんが警察に報告しないことです(笑)。エルくんのキャラクター像について狙いはありましたか?
アントラー:エルに関しては、現代のネット社会における、平均的な人というのを考えて作りました。ネットで物を申すタイプの人は割と頭がいい方のことがありますが、ちょっと上から目線だったり、決めつけがちだったり、自分は一歩引いたところから見ていて、他の人とは違うみたいな感覚を持っている人が多いかなと。それは僕も他人事ではないかなと思ってるんですけど(笑)、そういう一般的なネットユーザーの思考を少し露骨にしてはいるものの、特別な人ではなく普通の人として書いています。
三宅:あと、にゃすてりあが最初にアニメーションで落ちてきたことに私は感動しました。そこのこだわりはありますか?
アントラー:やはりアニメーションをたくさん作るのは大変なのですが、登場シーンはやっぱり凝りたいなということで頑張って作ってもらいました。

三宅:可愛くてあそこで掴まれました。敵か味方か正体の知れないキャラクターという扱いでしたが、あのさじ加減とかも色々設計されてたんですか?
アントラー:5年間一緒にいた関係というのもあるので、ある程度信頼を置けるようにはしているのですが、ネットで関わっている相手というのは表面的なことしか分からなくて、例えば相手がすごい悪い人だったり、身近な人だったりとかしても気づかない可能性があるというところも考えて作っているので、それだけの期間一緒に何かをしたとしても、その人のことは全然知らないというところは表現しています。

三宅:エルくんが最初に作ったのがヨウコさんというのがちょっと可愛くて。意外と優しくされたいのかなと(笑)。
アントラー:母親が過保護なタイプだから、それが嫌で逃げてきたみたいなことは言ってるんですけど、根底にはそういうのに慣れてしまってるところがあるんだろうなとは思ってますね。
三宅:ヨウコさんとエレコの関係とかもちょっと可愛い感じがあるし、エルくんとにゃすてりあの要素も感じるところもありつつ、実際に見た目がちゃんと分かっているキャラクターは少ないですよね。
私はどちらかというと登場人物の名前を覚えきれないタイプですが、パロッターだと「あ、この時これ言ってたやつか」っていうのもあるし、登場人物も限られていて理解しやすかったです。あと推理要素の難易度だけでなく、その推理が成功した時の解説がとても丁寧で細かくて分かりやすかったのですが、そのあたりを作るのは大変じゃなかったですか?
アントラー:そうですね。一人一人に特定成功した時の解説をつけるだけで59個くらいイベントが増えるのですが、各アカウントがネットによくいるどういうタイプなのかとか、それに関するやり取りも挟みたかったので、そこはこだわって入れました。
僕自身も謎解きとかってやっぱりわからなくてやめちゃうことが昔からあったんです。そういう時にヒントや解説があると、誰でも最後までできると思ったので重視して作っています。最悪当てずっぽうでも解ける仕組みは達成感が無くなるので、解説見てこれだったら解けたかもしれないなとか、惜しかったなみたいな気持ちを感じてほしいんです。
三宅:まさにそんな感じでした! 無理がなくすごく面白くて理解しやすかったです。
アントラー:特定する方法がひとつじゃないというのと、いろんな要素から予想ができて、なんとなく雰囲気からこの人っぽいという気づきで良かったですし、実際に解説がないと「合ってたけど、何で合ってたんだろう」のまま進んじゃうのを避けたかったという感じです。
三宅:あと間違えたり分からなかったりするとゲームオーバーのようなペナルティはなかったですが、作る選択肢はなかったのでしょうか?
アントラー:考えたのですが、まず時間制限に関しては、Steamに登録する際に「このゲームには時間制限などの急かされる要素はありますか?」みたいなことを聞かれるくらい、あるかないかでユーザーを絞ってしまうというのがあるので避けました。
また、ペナルティがあってもゲームとしては成り立つのですが、個人的にはあまり欲しくないかなと。多少の緊張感を持たせるにはアリだと思うのですが、安全圏からゆっくりやるみたいな感じのところをテーマにしているので、あまりそういうところで追い詰めなくてもいいかなと。

Switch版の発表直前だったので濁し気味です
三宅:アドベンチャーゲームは一度ゲーム実況で見たらなかなか買わない人もいるんじゃないかなと思いますし、私もやらせてもらった手前、大丈夫かなという気持ちもあったのですが、発売当初からゲーム実況OKというのは実際反応としていかがでしたか?
アントラー:とにかくチームの1作目ということで、どのくらい広まってくれるか分からないので、価格を安めにしていることも含めて、とにかく広めること重視で考えています。知名度があってある程度人気が出ることが確定してたら、高く売って、なおかつチャプター1までしか配信しちゃいけないみたいなことも確かにアリですが、まだ無名なので(笑)。
あとは本当に実況がどのくらい影響するのか、というのが僕としても答えが出ていないところがあって。確かに実況がたくさん出ると知名度は上がるということですけど、それによって売り上げは増えるのかはわかりませんし、そもそも実況を見る人は、元々買う可能性がある人だったのが見ることで買わなくなってしまうのかという、本来販売数に直結したはずのものが無くなるというのがどのくらいなのかが疑問なんですよね。僕としても自分で買う予定があるものってやっぱり見ないので。
なので、元々別に買う予定がない人が見てくれているんだったら、それは元々ゼロだったものが増えているだけなのではという風にも思っているので、とりあえずは変に制限しなくていいかというところでやっています。
三宅:ちなみに今後家庭用ゲーム機への移植はありますか?
アントラー:一度自分でSwitch版を出せるか検討したんですけど、まあ何も実績がない状態から個人でというのはもう無理ですね(笑)。そちらは諦めつつ、今後は何かあるかもしれないですね(編注:8月5日の「G-MODE NEXT PREVIEW」にて、ジー・モードによるNintendo Switch版のパブリッシングが発表)。
三宅:そのほか、今まで影響を受けたり、本作の制作にもつながっているような作品ってありますか?
アントラー:一番影響しているのは科学アドベンチャーシリーズです。このゲームでは「STEINS;GATE」とかを連想する人が一番多いと思うのですが、僕としては「CHAOS;HEAD」や「CHAOS;CHILD」、それ以外だと「極限脱出」シリーズあたりがすごく好きです。あのあたりは意識しなくても、自分で作品を書いたら勝手ににじみ出てるんじゃないかっていうくらいには多分影響がでかいと思います。
特に用語集はすごく細かく書いたのですが、ニコニコ大百科みたいなノリのちょっとふざけた内容が本当に好きで書いてしまっていて、それは科学アドベンチャーシリーズの影響が大きいですね。実況を見ているとたまにあれを全部読んでいる人もいるのでビックリです。
三宅:わかるー! 細かく書き込まれすぎていて、作中特有のネットスラングとかも本当に存在するのかなと思っちゃうくらい(笑)。
アントラー:細かい表現を除けば実在しているスラングを書いたことはほぼなくて、出てきたネットスラングは全部自作ですね。

三宅:今後グッズなどを販売される予定はありますか?
アントラー:グッズについてはイラストレーターが「終わりにするのもったいないから今後もグッズとか出して繋げていきたい」と言っていて、それには僕も賛成なので、そういう展開はあるかもしれないです。
三宅:にゃすてりあのアクスタとかが一番欲しいですね(笑)。ちなみに、にゃすてりあのデザインについて指定とはあったんですか?
アントラー:にゃすてりあのキャラデザインは本当に天才的だと思っているのですが、イラストレーターにはアバターっぽさを出しつつ、生と死だから黒と白、猫系で何考えているかわからない人外感が欲しいから(瞳の)ハイライトは白で描いてほしいという依頼だけしました。イラストレーターが二人いるので、いろんな案を出して絞っていって、また考えてという流れの末に生まれたので、僕も本当にあれ以上のキャラデザはないなと思っています。

三宅:ヨウコさんとエレコはいかがですか?
アントラー:元ネタは陽子と電子なのですが、ヨウコさんは優しくてフワフワした包容力があって名前的に和のイメージなので和装っぽい感じ、エレコはカクカクとした西洋の要素を入れた、マイナスのイメージで描いてほしいと伝えました。特に女性のイラストレーターが女児アニメとかが好きなので、そういう趣味が良いかたちで出ていると思います。

編集からのおまけ質問&メッセージ
――そもそもインディーゲームのタイトルを作ろうと思った動機はあるのでしょうか?
アントラー:僕らのチームは男性のイラストレーターからの誘いで、ネットで知り合った3人で集まったことがきっかけでスタートしていて、そこから成人向けのゲームを作ってDLsiteとかで販売していたんです。
そちらの世界は需要としてある程度の売上が出せるイメージなのですが、インディーゲームの場合は普通に出すと100本から100万本売れるような幅の広さがあって。作り方は違うものの、僕らも成人向けゲームでマーケティングの戦略や技術を学んでいく中で、僕は都度どこかで全年齢向けのタイトルを作りたいと考えていたんです。
その理由として大きいのは、身の回りの人にもプレイしてもらえるということです。親とかにこういうのを作っているということは教えてはいるのですが、遊んでもらうのは難しいので(笑)。加えて、先ほども言ったように幅が広くて夢もあるので、できたら全年齢向けのタイトルで成功したいなと。Steam1作目ではありつつも、ゲームを制作して販売するという経験自体は活かしているという感じです。
――プレスリリースの発信なども計画的にやってきた感じでしょうか?
アントラー:だいぶ手探りですね。Steamのゲームは初めてというのがあってなかなかわからなかったのと、僕がチームメンバーに対して「次は全年齢で作ろう」「Steamでゲームを出そう」と提案して、プロットやプロトタイプも作ってという流れだったので、もしこれで失敗したらという責任感で、何としても上手くいかなきゃという気持ちがありました。クラウドファンディングで応援いただき、エンディング曲もお借りしてとなったら、やはり自分だけの問題でもないので、できることはなんでもやろうと奔走していたという感じですね。
――実際にプレイされた方の反応やセールスなどは想定通りでしたか?
アントラー:思ったよりもうまくいってるっていう感覚ですね。クラウドファンディングを達成できたのもそうですし、発売後2週間は15%引きで売って、その時が大体5,000本くらい売れたんです。インディーゲーム全般でいえばいい方ではないのですが、全体で見ればすごいヒットでもないという中で、長期的に20,000本を目標にしていました。
そういう状況の中、直近のサマーセールでは2週間で10,000本程度売れたので、半年で15,000本になって、この後の簡体字版やオータムセールなども考えると手の届くところに来ました。
(Steamを提供する)Valveの人が記事で書いていた、どんな宣伝よりも良いゲームを作って良い評判を獲得することが一番の宣伝になるというのをすごく実感しました。宣伝したことで最初のブーストとして5,000本売れたというのはあると思うんですけど、その5,000本が売れていく中で評判が良かったからウィッシュリストが増えて、サマーセールの時にその分がちゃんと結果に出たという風に感じています。
三宅:それでは最後にゲームを遊んでくれた方々に一言いただけますか?
アントラー:今はゲームが本当に多くて、Steamだけでも年間2万本ぐらい出てるって言われている中で、このゲームを選んでいただける理由を強いて挙げるとするならば、ネット社会の良いところに触れているということです。
このゲームをプレイした後にちゃんとこのメッセージが伝わっていれば、ネットで悪いことや誹謗中傷などを書こうとは絶対思わないし、それを書いている人がいても、そういう人をなんか一概に否定する気持ちにもならない、そういう価値観が変わるようゲームだと僕自身は思っています。
三宅:ありがとうございました!
Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/4198660/DemonsTimeline/

いかがでしたでしょうか。
愛情や愛着のあるテーマで描かれる作品はやっぱり魅力的ですね。
事件があるたびに、SNSは怖いものだという風に思われる事もありますが、付き合い方次第。この探訪もSNSでたまたま見かけて出会ってくださった方がいるように、良い出会いを見つけていきたいですね。
そして!突然になりますが、今回の探訪で「マリエッティのゲーム探訪」は最終回になります…!
おおよそ10年も様々なゲームを探訪させていただき、自分のペースで連載をさせていただいて楽しい時間をありがとうございました。
バックナンバーで探訪してきたゲームを見返しても、どのゲームも思い入れのある最高のゲームばかりなので、まだプレイされていない方は記事を読みつつ遊んでみてくださいね。連載は終了しますが、私のゲーム探訪の人生はまだまだ続いていきますので、どこかでまた探訪したお話をあなたにできますように。
そして、これからもあなたにとってゲームが身近で楽しい存在でありますように。
またお会いいたしましょう、またねー!!!!
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