2026年10月6日(早期アクセスは10月1日)に発売されるXBOX Series X|S/PC用ソフト「Gears of War: E-Day」。本記事ではキャンペーンモードのレビューをお届けする。

“洋ゲー”といえば「Gears of War」だと筆者は思っている。ハードで無骨な世界観、血肉飛び散るゴア表現、人間離れしたガタイの脳筋すぎる男たち。まさに洋ゲーという言葉から連想する、「なんかヤバいゲーム」というイメージにぴったりの作品だ。
そんな“ギアーズ”が満を持して帰ってきた。コアとなるゲームプレイはそのままに、グラフィック、アニメーション、ゲームシステムが現代向けに進化。しかも、時代設定はシリーズのオリジンともいえる”E-Day”だ。こんなのもう面白いに決まっている。
初代3部作の雰囲気に満ちたゲームプレイと物語は、新作を今か今かと首を長くして待っていたギアーズファンにとって、期待通りの1作に仕上がっている。

最も混沌とした時代を描くキャンペーン
「Gears of War」は、惑星セラに住む人類と、地底から現れた侵略者ローカストとの戦争を描くTPSゲーム。これまでマーカス・フェニックスが主人公を務める3部作や、新たな主人公たちが活躍する4・5、数々の外伝作品などが制作されてきた。「Halo」のマスターチーフと肩を並べられる唯一の存在であり、XBOXを代表するタイトルの1つだ。
「Gears of War: E-Day」では、2007年に発売された初代「Gears of War」の14年前に発生したEmergence Day(E-Day)を描く。E-Dayはローカストが地上への全面侵攻を開始した日であり、突如として現れた未知の敵によって、人類は大混乱に陥ってしまう。
主人公のマーカスとドムは、バーで過ごしていたところ、ローカストによる破壊と殺戮の渦中に巻き込まれる。さらに、偶然同じ場所に居合わせたシリーズ初登場のキャラクター、ルーカスとマグスを含めた4人が力を合わせ、人類の存続をかけた防衛戦に身を投じていく。


ストーリーでは、ギアーズの歴史の中でも最も激しく、過酷な時代を描いている。地上の至るところから出現し、圧倒的な物量で殺戮の限りを尽くすローカストの姿はまさに絶望そのもの。あたり一面に広がる死体や、またたく間に廃墟と化していく街など、その惨状は視界に入る情報だけでも十分に伝わってくる。

本作のストーリーは、「プライベート・ライアン」や「バンド・オブ・ブラザーズ」のような戦争ドラマを意識した作りになっているとのことで、随所にそうした雰囲気を感じられる。特に、戦争によって深い傷を負ったマーカス、ドム、マグスと、実戦経験のない新兵ルーカスの対比は、まさに戦争モノらしい構図だ。
なんの関係もなく、たまたま居合わせただけの4人が、戦いを通して少しずつ絆を深めていく。そんなギアーズたちの物語は、プレイヤーも自然とその輪の中へ引き込んでくれる。

個人的には、ベテラン兵士とFNG(新人兵士)による新人煽りのような掛け合いが好きなので、カットシーンはもちろん、何気ない会話まで楽しむことができた。特に、初めての戦場に怯えながらも、ときには意気揚々と戦うルーカスの姿は、これまでのギアーズにはいなかったタイプのキャラクターであり、プレイヤーとしても共感しやすい存在だと感じた。


なによりギアーズファンにとって嬉しいのは、日本語吹き替えが実装されていることだろう。本作では、2013年発売の「Gears of War: Judgment」以来となる日本語吹き替えが実装されている。声優陣の情報は公開されていないが、筆者が聴いた限りではお馴染みの声や台詞回しが多く、非常に懐かしい気持ちになった。
翻訳も自然で、時にはクスッとさせられるマーカスたちのセリフも楽しめる。特に敵を倒した際のマーカスのセリフはいちいち癖が強いので、ぜひ耳を傾けてみてほしい。

洗練されたカバーアクションシューター
「Gears of War」は、遮蔽物に身を隠しながら敵を倒していく、いわゆる“カバーアクション”を世に知らしめたタイトルとして有名だ。本作でも、これまでシリーズが培ってきたカバーアクションを主体とした、歯ごたえのあるゲームプレイは健在。
敵と遭遇したら即座に遮蔽物へ飛び込み、隙を見て攻撃を開始。周囲の環境をよく観察し、敵の側面や高所など、有利なポジションを取ってじわじわと攻めていく。カバーアクションならではの“銃撃戦”らしいゲームプレイは本作でもしっかりと味わうことができ、ただ突っ込んだり、キャラクターの機動力だけで敵を圧倒したりするのではなく、実際の銃撃戦のように遮蔽物を利用しながら敵と撃ち合う泥臭い戦いが楽しめる。

コアとなる部分に大きな変更はないが、プレイしていて特に変化を感じたのがアニメーションだ。初代作では、カバー時に遮蔽物へ吸い寄せられるような動作や、いかにもゲームらしいキビキビとしたアクションがある意味で目立っていた(それはそれで味だが)。
しかし、本作ではストレスのない操作感はそのままに、各アクションへ移行する際のアニメーションがより自然になっている。さらに、立ち・しゃがみに加えて、膝ほどの高さしかない低い遮蔽物に隠れた際には、仰向けになるような姿勢(戦争映画でよく見るやつ)を取ることもあり、より銃撃戦らしい迫力を感じられるようになった。

また、シリーズ特有の腰を痛めそうなダッシュは、より自然で疾走感のあるアニメーションへと変更されている。操作もAボタン長押しからLスティック押し込みへと変わり、今風の遊びやすいTPSとして生まれ変わっている。
さらに、ジャンプやよじ登り、スライディングも追加され、操作面の自由度が格段に高まっている。これこそが、本作のゲームプレイにおける大きな追加要素の1つだ。
とはいえ、キャラクターの重量感はしっかりと感じられるので安心してほしい。アクションの追加はあくまで戦い方の幅を広げるためのものであり、コアとなるカバーアクションや重量感のある動作といった要素は、過去作からきちんと引き継がれている。


アクションが増えたことで、戦闘の幅も大きく広がっている。特に縦方向の機動性が高まったことで、銃撃戦そのものにも新たな深みが生まれている。本作では、よじ登りのほかにも、至るところに設置されたアセンダーを使って即座に高所へ移動できる。
病院を占拠するローカストたちと戦う場面では、入口の屋根にタレットが配置されており、正面から突破しようものなら一瞬でミンチにされてしまう。しかし、側面の遮蔽物から屋根の下へ潜り込み、隙を見てアセンダーで上昇。タレットを制圧して敵を返り討ちにするといった、スムーズな戦術が取りやすくなっている。
ほかにも、ビルの建設現場では足場から足場へとジャンプで飛び移りながら、奥で待ち構えるスナイパーに肉薄していくといった、アクション映画のような一幕も体験できた。
敵を倒す、位置を変える、そして別の敵を倒す。こうした一連の流れがスムーズかつ、より奥深く進化していることが、本作における戦闘の面白さに直結しているのだ。




しかし、アクションが増えても、ローカストたちの手強さはしっかりと味わうことができる。ローカストはプレイヤーたちと同じようにカバーしながら攻撃してくるだけでなく、側面や高所などを利用し、プレイヤーの懐へうまく潜り込もうとしてくる。筆者がプレイしていても、目の前の敵に集中していると、あっという間に背後を取られてしまう場面が何度もあった。
さらに厄介なのが、ローカストにもさまざまな種類が存在することだ。銃火器で攻撃してくる歩兵ドローンをはじめ、スナイパーや、煙幕を展開して白兵戦を仕掛けてくるショットガン持ちなど、多くのバリエーションが登場する。さらに、集団で自爆攻撃を行うティッカーや、圧倒的な火力と防御力を誇るブーマーなど、一筋縄ではいかない敵が次々と立ちはだかる。

さらに筆者をことごとく打ちのめしたのが、新たな敵たちだ。酸のようなものをばらまく巨大なカエルや、某ロボットアニメのファンネルのような性能を持つ胞子を放つ、気球とイカを合体させたようなグロテスクな敵まで登場する。見た目のインパクトはもちろん、プレイヤーを徹底的に追い詰める凶悪な敵として存在感を放っている。
特に後者は、胞子を放置していると一瞬で画面が真っ赤になってしまううえ、本体の耐久値もかなり高いため、撃破には相当苦労した。
本作はこれまで以上に敵のバリエーションが増えたことで、難易度も総じて上がっているように感じる。だからこそ、敵の配置や周囲の環境を把握し、それらを駆使した立ち回りが重要になってくる。


しかし、プレイヤーには凶悪なローカストたちに対抗できる武器の数々が用意されている。ランサー、ナッシャー、ロングショットといったお馴染みの武器ももちろん登場。ランサーに関しては、チェーンソーが装着されるまでのオリジンストーリーも存在するため、ファンはぜひ楽しみにしておいてほしい。


筆者が「Gears of War 3」で愛用していたレトロランサーも、本作ではランサーMk1として登場する機会が多く用意されている。チェーンソーが付いているのもいいが、銃剣もやはりロマンを感じる……!

さらに、撃てば撃つほど集弾率が上がる機関銃・リッパー、爆発のタイミングを調整できるグレネードランチャー・ガットパンチャー、イミュルシオンを発射するショットガン・インシネレーター、敵を引き裂く大型武器・ゴアフックといった、オーバーキルすぎる新武器も用意されている。


ちなみに、「Gears of War: Judgment」以来となるスナイパーライフル・ブリーチショットも復活。ボルトアクションライフル特有の気持ちいい操作感と、銃床が巨大な刃物になっている凶悪な見た目が最高だ。

武器にはMODを追加して性能を変えることも可能。MODは後述するサブクエストやマップの至るところで収集でき、サプライキャッシュでいつでも着脱できる。マガジン容量を増やすものから、スタン効果を付与するものまで、いつもの武器をより使いやすくカスタマイズできるのだ。
中にはパーフェクトリロード時の効果を変更するものも存在する。これまでオマケ程度だったパーフェクトリロードが、より積極的に狙う要素へと変わり、戦闘における武器の扱いにも新たな深みが生まれている。
ほかにも、使用後に一定時間のクールダウンを必要とする強力な戦術ギアや、アーマーにもMODを装着することができる。軽めではあるものの、ビルド要素も用意されており、自分に合ったプレイスタイルを作り上げることが可能だ。

戦争の真っただ中を歩く箱庭型ミッション
キャンペーンの合間には、箱庭形式のミッションが登場。廃墟となった戦場を舞台に、自由に探索することができる。
街中にはバケモノの咆哮や市民の悲鳴、至るところで発生している戦闘の銃声などが響き、ビルの近くを通り過ぎれば、目の前で建物が大きく崩れていく。ただの箱庭ではなく、戦争の真っただ中に放り込まれたような混沌を感じさせる作りになっており、「今、自分は戦場を歩いている」と実感できるほどの没入感がある。

また、探索していると、避難できずに助けを求める民間人の姿を目にすることもある。これらはサブクエストとして登場し、ちょっとした戦闘をクリアすると、武器MODなどのアイテムを獲得できる。
いずれのサブクエストも、寄り道ついでにサクッとクリアできる簡単なものなので、メインストーリーのテンポを損なうことなくプレイできるのは地味ながら嬉しいところだ。

箱庭ミッションのマップも、めちゃくちゃ広いというわけではなく、1時間もかからずにすべての要素を体験できるくらいの、ちょうどいいボリュームになっている。もちろん、サブクエストなどの要素は任意なので、スキップすることもできる。
むしろ、一本道のミッションが続いたあとにちょっとした息抜きができるような体験になっており、ゲーム全体のマンネリ化を防ぐ意味でも、この形式のミッションを採用したのはかなりいい判断だったと思う。


オレたちのギアーズが帰ってきた
「Gears of War」のカバーアクションというコア要素をより洗練させ、ファンが待ち望んだE-Dayという最高の舞台で表現した、シリーズ最高傑作。新要素を大量に追加するのではなく、既存の要素をより深く磨き上げ、人気キャラクターたちを再び魅力的に描ききったことは、1ファンとして素直に喜びたい。それに日本語吹き替えも相まって、シリーズ初期3部作をプレイしていた頃を思い出すほど、プレイ中はずっと熱中していた。

本作のキャンペーンは4人協力プレイに対応しているほか、画面分割では2人でプレイすることができる。1人でも十分楽しむことができたが、仲間たちとプレイするギアーズのキャンペーンは、きっと忘れられない体験になるに違いない。筆者も2周目は仲間たちとともに最高難易度でキャンペーンに挑むつもりだ。
また、キャンペーン以外にもPvPやPvE「ホード・シージ」といったゲームモードが用意されている。特にホードは、ギアーズのもう1つの顔といっても過言ではない。最大12人のプレイヤーが3分隊に分かれて協力するというスケール感のあるゲームプレイも、今から楽しみで仕方がない。
「Gears of War: E-Day」は、初代3部作を思わせる濃密な世界観と物語、シリーズならではの重量感あるカバーアクションをしっかりと受け継ぎながら、現代向けの遊びやすさと新たな戦術性を加えた一作だ。長年ギアーズを追い続けてきたファンが待ち望んでいた“あの頃のギアーズ”を、今の時代にもう一度味わわせてくれる作品に仕上がっていた。

Gamerチャンネルではレビュー動画も公開中。ぜひ映像でもゲームプレイをチェックしてみてほしい。
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