京都・勧業館みやこめっせにて、7月10日まで行われたイベント「BitSummit 4th」。ここでは、2日目のステージの模様をお届けする。

目次
  1. 五十嵐孝司氏が「Bloodstained: Ritual of the Night」をプレイ
  2. 水口哲也氏と西健一氏によるトークセッション

7月9日と10日の2日間にわたって開催された「BitSummit 4th」。1日目のステージに続き、2日目もさまざまなクリエイターが登壇した。五十嵐孝司氏、水口哲也氏と西健一氏のステージの模様をお届けする。

五十嵐孝司氏が「Bloodstained: Ritual of the Night」をプレイ

五十嵐孝司氏
五十嵐孝司氏

会場で「Bloodstained: Ritual of the Night」を出展していた五十嵐孝司氏のステージでは、五十嵐氏自らが本作のデモにチャレンジした。

これはTwitchの配信と連動したもので、「目をつぶってプレイ」「コントローラーを逆さまにしてプレイ」「片足で立ちながらプレイ」「通常の敵を倒さずにボスのみを倒す」という4つのお題が出され、視聴者が「通常の敵を倒さずにボスのみを倒す」を選択し、挑戦することとなった。

さらに、5分以内、ポーション使用不可の縛りが追加されてチャレンジした五十嵐氏だったが、残り1分30秒でボスに到着、ボス戦ではHPがギリギリになりながらも4分50秒で見事クリアした。

プレイ終了後のトークでは、デモのできに満足していると話し、グラフィックや操作感の基本的な部分を見せることができたとしていた。もう少し手を加えたかった点としては、デモではチュートリアルを丁寧に作りたかったと振り返ったほか、敵のチューニングを行いたかったとも語っていた。

ブースでは来場者のプレイを見守っていた
ブースでは来場者のプレイを見守っていた

デモのボス戦が簡単なのではないかという指摘については、あえて簡単にしているのだという。本来であればボス部屋の前でセーブができるそうなのだがデモでは用意されていないため、20分程度のプレイをしてボスで負けるのは悔しいのではないかと考えた結果とのことだ。

今回のデモについて、ユーザーから多くのフィードバックが寄せられていることに触れ、通常であればこれほど早い段階で作品を公開することはなく、今までは終盤で判明するようなことが今の段階で発覚することがあると驚いている様子だった。

水口哲也氏と西健一氏によるトークセッション

この講演ではEnhance Games 水口哲也氏とRoute24 西健一氏が対話する形で行われた。

冒頭、水口氏がPS VR対応タイトルとして開発中の「Rez Infinite」に関して聞かれると、ローンチに間に合わせるために開発の真っ只中だという。PS VRタイトルの開発において、PS VRを装着してのデバックが大変ではないかと聞かれた水口氏は、苦労しているエピソードを披露。リリース時にはVR酔いなどが発生しないよう調整されたバージョンになるわけだが、開発中のバージョンではVR酔いにも遭遇するそうで、体に負担がかかるのだという。気持ち良いゲーム体験の提供を目指しているが、デバック中のバージョンの90%はつまらないもので、そこに調整を加えていき面白い形に仕上げていく。VRタイトルでは、そこに前述した身体的な負担が加わるため辛いのだそうだ。

対する西氏は、iOS/Android用アプリ「ルナたん」を開発中であると近況を報告。まだ、おもしろいと感じてもらえる段階までブラッシュアップできてないそうで、会場ではパネルのみの出展となった。ルナと呼ばれる巨人の力を借りて穴を掘り文明を発掘する内容で、ベテランがまじめに丁寧に作ったタイトルだと紹介していた。9月中旬のリリースを目指しているそうだ。

左から西健一氏、水口哲也氏

セガにて「Rez」を開発した時には、すでに頭のなかにVRのイメージがあったという水口氏。当時は、それを苦しみながら四角い画面に落とし込まなければなかったが、最近になってVR端末が発表されると、すぐに作ろうと思ったそうだ。

「Rez Infinite」ではセガゲームスと権利関係の交渉を行い、ライセンスアウトをしてもらったのだという。このようにゲームを作るだけでなく、権利関係の対応や資金調達、リスク管理、パブリッシングなどさまざまなことを学んでいかなければならないと、自身の経験からインディーデベロッパーに向けてアドバイスをおくった。

アメリカに会社を登記した理由も明かした。会社を設立した1年半前は、日本でVRが今ほどメジャーではなくアメリカのほうが温度感もスピードもよかったため、資金を集めやすかったのだそうだ。今は日本にこだわる必要はないと持論を展開していた。

両氏がゲーム業界に入った当時と今を比較すると、デジタル流通になったことで在庫リスクを抱えずに誰でもゲームを世界に届けられるようになり、インディーデベロッパーにとって大きなチャンスであるとともに、VRのパイオニアになることが可能だと語っていた。

水口氏は、今まで頭のなかでイメージできても、最終的に四角いモニターに押し込めなければならないことがストレスだったと振り返る。VRの登場でこの四角い枠が取り払われることは相当な変化であると熱く述べ、5年後、10年後になれば、グラフィックの性能が向上し、現実と区別ができないほどになるのではないかと予想。今、カセットテープを知らない人がいるように、スマートフォンを古いと感じる時代が来るだろうと楽しそうに話していた。

最後に、「Rez Infinite」に対応したスーツ「シナスタジア・スーツ」を紹介。このスーツは26個のバイブレーションを搭載したもので、音にあわせて振動し、体全体でゲームを楽しむことができる。水口氏は、振動が重要な要素と考えており、本作でも何らかの形で実現したいと述べ、コントローラーのほか、他の形も考えているとのことだった。このスーツを体験した西氏もVR画面で起きたブレイクを体の皮膚感覚とあわせて感じるのはものすごい体験だったと説明していた。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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