バンダイナムコゲームスより、2012年9月13日に発売を予定しているPS3/Xbox 360「鉄拳タッグトーナメント2」。メディア向けの体験会では試遊はもちろん、原田氏と米盛氏へのインタビューやプレゼンも実施されたのでお伝えしよう。Tシャツプレゼントもあるぞ!

目次
  1. 「鉄拳タッグトーナメント2」とは
  2. 発売に先駆けてメディア向け試遊体験会が実施!
  3. 日本でもっと格闘ゲームを盛り上げたい!と語った原田氏からのプレゼン
  4. さっそくプレイしてきました!
  5. 発売が待ち遠しいファンにスタッフTシャツとポスターをセットにしてプレゼント!

「鉄拳タッグトーナメント2」とは

PS3/Xbox 360「鉄拳タッグトーナメント2」は、バンダイナムコゲームスが贈る、累計出荷本数4,000万本以上を誇る対戦格闘ゲーム「鉄拳」シリーズの最新作だ。

使用可能キャラクターはシリーズ最大の50キャラクター以上を収録し、1画面に最大4体のキャラクター表示も実現。2体のキャラクターで同時に攻撃する“タッグアサルト”や、2体のキャラクターで同時に相手を投げる“タッグスロー”などを駆使した新しいタッグ対戦が可能になっているほか、最大4人での同時プレイにも対応している。

また本作では、通常の2vs2のタッグ対戦や「鉄拳」の基本である1vs1の対戦に加え、格闘ゲームの常識を覆す新しい遊び方として、1vs2対戦などあらゆる対戦スタイルに対応し、自分の好きな戦い方で白熱の対戦を楽しめるぞ。また、PS3、Xbox 360ともに3D立体視の環境が整っていれば、3Dでゲームプレイを楽しむことも可能なのだ。

発売に先駆けてメディア向け試遊体験会が実施!

8月25日にバンダイナムコ未来研究所において、「鉄拳タッグトーナメント2」メディア向け体験会が実施された。ファンシアターではシリーズのプロデューサーで、さまざまなイベント・ゲームショウにも出演している原田Pこと、「原田 勝弘」氏から本作についてのプレゼンテーションが実施されたので紹介していく。

日本でもっと格闘ゲームを盛り上げたい!と語った原田氏からのプレゼン

世界各国でプレイされている格闘ゲーム「鉄拳」

会場を笑いに包んだ本人紹介のスライドのあと、「鉄拳」シリーズの市場の特性について発表がなされた。総計で全世界4000万本以上をセールス、格闘カテゴリー市場No.1のシェアを誇り、家庭用ユーザーの約90%が欧州・北米が占め、アーケード版ユーザーの約90%がアジア圏といった数字が現在出ているとのこと。「鉄拳」シリーズが売れている国については40カ国以上、イラクなどでも「鉄拳」ファンコミュが形成されており、世界中でプレイを楽しむ人がいることが分かる。

ゲームの特徴について

「鉄拳タッグトーナメント2」では、「1対1」「2対2」「1対2」といったキャラクターの組み合わせを自由に選択できる機能を導入している。この機能について原田氏は、これまで「鉄拳5」「鉄拳6」から始めたプレイヤーの約3割はメインの1キャラクターはマスターしているが、2人目は現在練習中という人も多く、「1人のキャラで戦いたい」というニーズにも応えていけることが導入の理由としている。もちろんどの組み合わせでも楽しめるようなバランス調整をしているとのこと。

本作で復活したキャラクターについては、TAGを組んで遊ぶ人が「パートナーを誰にするか?」と悩む人向けに、比較的操作系統が似ているキャラクターを意図的に増やしており(マーシャル・ロウとフォレスト・ロウなど)、よりTAGで遊べるように考えられたラインナップのようだ。ただ、キャラクターが増えたことでゲームが複雑になることはない。
また、50体以上のキャラクターそれぞれにエンディングムービーが実装されており、総時間90分以上を超えるとのこと。3分ほどの長いムービーを持つキャラクターも存在。描写に関してもさまざまな手法が使われている。

本作の最大の魅力と言えるのが「オンライン機能」だが、今回は重点的に調整・開発されている。2月に発売された「ソウルキャリバーV」チームと開発協力もしながら、とにかく快適に遊べるように作られているとのこと。また対戦を待ち受けながら練習できるモードも導入、ロードや処理も軽く、相手を待ちながら技の練習が可能。

コンボットに技を組み込んでオリジナルファイターを作る「ファイトラボ」

コンボットと呼ばれるロボットに技を組み込んで自分だけのファイターを作ることができる「ファイトラボ」について、開発当初「チュートリアル」を作ろうと思っていたが、「鉄拳2」で実装した「プラクティス」が最初は初心者のためのものだったのだが、最終的に上級者用のモードになってしまったと原田氏は感じ、ユーザーが格闘ゲームを購入してからどんな動きをしていくのかと分析した結果、はじめから初心者が「プラクティス」モードを選ばない傾向があることがわかり、「ミニゲーム」や「ユニークなストーリー性」があれば逆に遊んでくれることは明白で、初心者から上級者まで誰でも楽しめるモードを作れたと語っている。

さらに、ファイトラボで手に入るポイントで技を手に入れることはできるが、「評価システム」のランクによってアンロックされる技もあるので、上級者はさらに腕を磨いたり、稼ぎ方を編み出したりと長く遊ぶことが可能になっている。

BGMをカスタマイズ可能な「TEKKEN TUNES」

「鉄拳」では自分のキャラクターの服装やアクセサリーを変更して楽しむことができるが、「鉄拳タッグトーナメント2」では音楽もプレイヤーの好みにカスタマイズできるようになった。ステージやキャラクターセレクト画面などのBGMを変更できることはもちろん、PS3やXbox 360本体に転送した音楽データを設定することもできるのだ。ただ、市販されている音楽などに関しては、自分で楽しむ以外の使い方は著作権法に抵触するので「対戦相手に聴かせる」ことは不可能だ。

充実の初回封入特典

初回版に封入されている特典「プレイアブル4キャラクターパック」については日本のバージョンが一番お得になっているとのこと。また「SNOOP DOGG」ステージについては、アーティスト本人が「鉄拳」シリーズのファンということだったが、現地のTVでのインタビューで「TAGでパートナーとピンチになったら交代できるところがハマる格闘ゲーム」と製品をアピールしてくれたが、MCの「いつからのファンですか?」との質問に「1980年の頃からファンだぜ」と答えてしまったというエピソードもあったよう。近年の鉄拳ファンのようだ。

アーケードの称号は、アミューズメント施設が多い日本ならではのものになっている。またTwiiterコメントの冗談から生まれたというアイデア「水着コスチューム」は、全キャラクター100種類以上完成しているとのこと。またDLCに関して「鉄拳」プロジェクトでは「キャラクター・技・ステージ」に限っては「有料にしない」という信条があり、水着も無料で使うことができるようにすると原田氏は話した。「TEKKEN TUNES」で使えるようなシリーズのサウンドトラックなども将来配信したいとも語っていた。

また、カスタマイズアイテムの「リリのふわふわスカート」については、今まで「鉄拳」シリーズでは「Havok Cloth」の技術を主に布に対して使っていたが、その技術を応用し、長めのスカートに実用。人気のあるキャラクター「リリ」のスカートとして完成させたもの。かなり「ふわふわ」らしいぞ。

さっそくプレイしてきました!

試遊会場ではPS3・Xbox 360版の試遊台が用意されたので、手触りや遊びながら聞けた話をお届けしていこう。まずはオンラインモードでプレイしたのだが、マッチングの待ち時間も少ないことに驚いたが、対戦中のラグもなく、オフラインで遊んでいるのとほとんど変わらない印象だ。キャラクターのロード時間もほぼないといって良いくらい快適。

また、最大で6人が入場してどんどん対戦を繰り返すこともでき、観戦中はテキストチャットでも楽しむことができる。ボイスチャットも可能。対戦していたプレイヤーは自分の戦いが終わった後にログを確認できる。カスタマイズに関しては、ゲーム内でゲットしたマネーで服やアクサせりーなどを購入してセッティング、対戦用のスクリーンショットを撮ることもできる。1キャラクターに10パターンのカスタマイズを保存可能。仲の良い友達とオンライン上でルームを作って楽しむこともOK。

オフラインで遊ぶ場合、アーケードモードではメインキャラクターを選んで勝ち抜いていく。終盤にはあのキャラクターが…!?クリアすると選んだキャラクターのエンディングムービーが入手できるのだ。またゴーストモードで遊ぶと、1対戦後に次の挑戦者リストが表示されるが、アイコン枠がゴールドに光っているキャラクターを倒すと、そのキャラのエンディングムービーがもらえちゃうのだ。忙しくてアーケードモード全部クリアできない!という人にオススメ。あ~!早く全部見たい!ちなみに終盤の○○○は結局倒すことはできなかった…悔しいぜ…。

質疑応答

試遊会の最後に、開発チームの「原田 勝弘」氏と「米盛 祐一」氏にお話を伺うことができたので紹介していこう。

――家庭用の本作でカスタマイズパーツなどはどのくらい増えていますか?

米盛氏:業務用にいなかったキャラクターはごっそり増えていますが、アイテム技も増えています。当たると相手に色が着く銃や、使うと声が高くなったり低くなったりするステッキなど「遊びアイテム」が多めに実装されます。

原田氏:ステージによってはキャラクターが汚れるようなギミックもあります。色が着く銃なんかは終わった後に見ていて勝ったのか負けたのか分からないですよ(笑)。

――こんなにスムーズに遊べるオンラインモードをなぜ実現できたのですか?

原田氏:「鉄拳」がオンライン対戦が難しい明確な理由があります。通常格闘ゲームでは、入力してから描画までに3フレームくらい遅延があるんですが、「鉄拳」ではコマンドの仕組みや処理が変わっており、レバーやボタンの入力が発生すると1フレームで処理が完了するように開発されており、非常にシビアなものとなっています。詳しい人からは「鉄拳はオンラインに向いていない」と言われることもあります。また、世界のネットワークのコードに関してはあまり種類が少なく、今回かなり頑張って開発しています。ラグが発生したりパケットロスがある場合は巻き戻す、など処理を割けるような作りにしています。ネットワーク対戦している際のCPUの処理能力はかなり上がっており、業務用を開発している時から考えて設計をしていました。サービスインの際にサーバーが落ちないようにしないとですね。

米盛氏:本当にオンラインまわりに重点をおいて開発しました。かなりチームは殺気立ちながら頑張っていましたよ。

原田氏:海外の回線でテストもしており、北米のプレイヤーも満足してくれたみたいです。もちろん回線の状況やどのアクセスポイントを通るかにもよりますが、動作が重たいといったことはないです。通常のインフラが整った国ならほぼ大丈夫だと思います。

――キャラクターのエンディングムービーは描き下ろしですか?

米盛氏:アーケード版にはエンディング自体がないので、すべて考え、新規で制作しています。

原田氏:開発費用がかかってしょうがないんですが…(笑)。

米盛氏:でも、もうやめられないですよね…(笑)。

――発売後のアップデート・DLCなどのスケジュールを教えてください。

原田氏:製品版に入っているコンテンツだけでもかなりのボリュームがあります。「鉄拳」ならではの意見だと思いますが「キャラクターの数が多すぎる!」という声がここ2年くらい多く、「キャラクターは多い方がいいけど、最初から全部出して欲しくない」という要望が多いことが分かりましたよ。初めてのアップデートは発売後数週間、頻度は月一度くらいをイメージしています。

――チャットシステムなども「ソウルキャリバーV」に似ていると感じたのですが、技術協力なども?

米盛氏:はい、しています。というより同じフロアですから…。

原田氏:正直言いますと「鉄拳5」の開発の途中までスゴイ仲が悪かったんです(笑)。ただ同じフロアになり、自分も「ソウルキャリバー」を担当するようになって、「ここは鉄拳の開発時に良かった、悪かった」など技術面やノウハウをお互いに共有したり。プログラムそのままはもちろん使えないので、概念だけ共有しあって個々にプラスしていったイメージです。

――「鉄クロ(鉄拳×ストリートファイター)」の発売はどうですか?

原田氏:最近は2026年発売と言っています(笑)が、「鉄拳タッグトーナメント2」のアップデートに関しても今はこれからのコンテンツに注力していますし、プロモーションからも言われていますが、今「鉄クロ」の話をすると「鉄拳タッグトーナメント2」からユーザーさんの気が逸れるので言ってはいけないんです(笑)。

――本作のストーリーラインの主役はやはり平八なんですか?

原田氏:それがそうでもなくて…。エンディングムービーを見てもらうといろいろ分かるんですが、本編の鉄拳では語られないようなものや、違う視点で見ているものも収録しています。世の中の人が「鉄拳」の世界を見た時にどう感じているか、といったことを体現したムービーもあるので、ぜひ全部見てもらえたらと思います。

米盛氏:世代を考えずに単純に楽しめるバリエーションを盛り込んでいます。全体としては「タッグトーナメント」というお祭り感を出しているんです。

原田氏:実は「鉄拳タッグトーナメント」ではストーリーがあったんですよ。あれは巌竜の夢の中の物語だったわけで、「鉄拳タッグトーナメント2」のオープニングで巌竜がガバって夢から覚めるところから始めようと思っていたんです(笑)。

米盛氏:冗談みたいに言っていますが、本気でしたよね(笑)。

――もっと日本で格闘ゲームを盛り上げたいと仰っていましたがなにか企画を考えていますか?

原田氏:格闘ゲーム自体、現在では作っている会社やクリエイターも少なくなっているので、国内外含めて、そのような人と交流を深め、ゲームの中と外で施策を考えようと思っています。板垣さんが格闘ゲーム開発の現役の時に一緒に何か作りたかったですね(笑)。またオフライン格闘ゲーム大会だと勝者以外は全部敗者ですからね、みんな落ち込んで帰るんですよ。こんなひどいゲームってないですよね…。海外では反応は全く違いますが。

――コンボットはチュートリアルとしても本当によくできていましたね。

原田氏:コンボットのようなシステムは、バンダイナムコゲームスのこれからの格闘ゲームの定番としてぜひ搭載していきたいですね。

米盛氏:考え方として本当に良いものができたと思います。チュートリアルとしてではなく、ミニゲームとして動かしながら楽しめて、気付いたらゲームの操作を覚えてしまった!というものが完成したので嬉しいですね。

原田氏:僕の中ではもっともっとチュートリアル色をなくして、遊んでたら体が勝手に覚えてしまえるような、もっとゲーム性の高いものを作りたいです。うちのデバッガーで「鉄拳」を知らない人が仕事を通じて「鉄拳うまくなりました!」という声は嬉しかったですね。

――これからもチュートリアルを導入していきたいと?

原田氏:チュートリアルという言葉を世の中から消したいんです。

米盛氏:「今回のチュートリアル良かったね」ではなくて「今回のミニゲーム面白かったね」というコンテンツを実現したいですね。

原田氏:ストーリーを追いながら、チュートリアルと気づかないように、ミニゲームや会話などに没入させたものを格闘ゲームに根付かせたいんです。昨今は、カジュアルでいつでもやり直せるゲームが多い中、自分の知識・テクニックを全力で駆使して勝敗を賭けて楽しむゲームは、とても貴重だと思っており、「キミだって覚えたら絶対に楽しい!」といううまく今まで伝わらなかった「もどかしい要素」を楽しみながら自然と身に付けることができるものを提供していきたいです。

――オン・オフの段位に差はあるのでしょうか?

米盛氏:計算方法のアルゴリズムはまったく一緒です。オフラインモードではゴーストを相手として、自分とゴーストの差を計算して段位が上がるので差はありません。適切な対戦相手がいればオンラインでも段位は上がりやすいです。

原田氏:「鉄拳6」では段位が一本道で、オフラインでは初段までしか上がらず、それ以上上げたかったらオンラインで対戦して、というシステムだったんですが、かなり評判が悪かったんです。格闘ゲームに関して購入する人多くは、家族の中や友人の中で強ければいい、オフラインで鉄拳王になれないのはとてもストレスになるという意見をもらったので分けました。とにかくユーザーさんからのフィードバックだらけで本作は完成しました。

――ありがとうございました。

発売が待ち遠しいファンにスタッフTシャツとポスターをセットにしてプレゼント!

早く対戦したくてウズウズしている鉄拳ファンに特別にバンダイナムコゲームスよりステキなグッズが提供されたぞ。鉄拳キャラクターがプリントされたスタッフTシャツ(もちろん非売品!)と、ゲーム販売店などで目にすることができる大型ポスターをセットにして3名に。なお、巌竜(サイズ:S)、シャオユウ(サイズ:M)、アリサ・ボスコノビッチ(サイズ:L)の3パターンあるので欲しいキャラクターを明記して送ってもらいたい。

賞品

「鉄拳タッグトーナメント2」スタッフTシャツ&ポスターセット

提供

株式会社バンダイナムコゲームス

当選数

3名

応募期間

2012年8月25日~2012年9月1日

※2012-08-26 01:30 本文を一部訂正しました。

※画面は開発中のものです。

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