11月19日、スクウェア・エニックスは東京・品川インターシティホールにて、PS3/Xbox 360/PC用ソフト「コール オブ デューティ ブラックオプスII」の発売直前パーティを開催した。本イベントには吹き替え版の声優陣が特別ゲストとして参加、実機プレイを交えて本作の魅力をアピールした。
「コール オブ デューティ ブラックオプス II」は全世界で圧倒的支持を集める人気FPSのシリーズ最新作で字幕版は11月22日、吹き替え版は12月20日発売予定。また、Wii U版も12月20日に同時発売される予定だ。
本イベントではトレーラームービー上映のあと、まず小林大介プロデューサーが挨拶。小林氏は「今回は遊び要素がいっぱいで、こんなに面白かったらほかのゲームが売れないんじゃないのと心配になったほどです。ローカライズのほうも自信のある作品になっているので楽しみにしてください」と、力強いコメントで作品の出来をアピールした。
重厚かつ変化のあるストーリーを楽しめる「キャンペーンモード」
続いて、開発元であるトレイアーク シニアプロデューサーのパット・ドゥワイヤー氏が登壇。本作のポイントのひとつであるキャンペーンモードについて紹介を行った。パット氏によると、今回は2025年という近未来と1980年代のふたつの時代が舞台となっており、これが「ブラックオプスI」と「II」を繋げる重要な要素になるという。
さらにパット氏は「2025年の舞台では現実に開発できそうな技術を投入しています」と語り、決して絵空事ではないリアリティのある世界になっていることを強調。その一例として「ミリメーターウェブスキャナー」を紹介した。これは遮蔽物の向こうにいる敵が見えるというもので、空港などで使用されているセキュリティ技術をもとに考案されたとのことだ。
ストーリーの監修を「バットマン」シリーズ3部作などを手がけたデイヴィッド・ゴイヤー氏が担当したことも紹介された。ゴイヤー氏起用の理由についてパット氏は「複雑なバックグラウンドを持った、単なる悪者ではない悪役を作りたかったから」と説明。そうして生み出されたキャラクターが今回登場するラウル・メネンデスで、「ゲームが進むにつれて彼に共感してしまうかもしれません」とも語るなど、奥の深い設定になっていることが明かされた。
マルチストーリー要素にも注目してほしいそうだ。あるキャラクターを殺すか、逃がすかなど、プレイヤーの行動や選択によってストーリーが変化。さらに、「ストライクフォース」という新モードもあり、これをプレイしたかどうか、プレイして成功したか失敗したかなどでも展開が変わってくるとのことだ。
ここで、キャンペーンモードの主人公であるデイビッド・メイソン役の藤真秀さん、ラウル・メネンデス役の白熊寛嗣さん、アンダーソン役の竹達彩奈さんがステージに登場。本作に参加した感想を聞かれた3人は「こんな大作に使っていただけるとは光栄で、ものすごく興奮しました」(藤)、「悪役なんですが、気持ちよく演じさせてもらいました」(白熊)、「普段言えないような“クソが!”みたいな汚いセリフを思いっきり言えるのが楽しかったです(笑)」(竹達)とそれぞれコメント。ちなみに、井上和則宣伝プロデューサーによると、声優陣がもっとも苦労していたのが「敵迫撃砲(てきはくげきほう)」というセリフで、藤さんと白熊さんも「スゲエ難しいんですよ!」とこぼしていた。
キャンペーンモードのデモプレイも行われた。メネンデスの陰謀によって壊滅状態になった2025年のロサンゼルスが舞台のステージで、主人公のメイソンはアメリカ大統領を護衛しながら戦っていくのだという。プレイ時にはパット氏の紹介にもあった、遮蔽物が透けて向こう側が見えるスコープの付いた武器も登場。これは最大まで威力をためると、カベなどを貫通することもできるキャンペーンモードのみの武器で、残念ながらマルチモードでは使用できないとのことだ。
大幅にボリュームアップした「ゾンビモード」
次に、襲い来るゾンビの群れと戦うゾンビモードのポイントを紹介。再び登壇したパット氏によると、今回は従来のシリーズでおなじみの最大4人で協力して戦う「サバイバル」のほか、新たに「グリーフ」と「トランジット」というふたつのモードを搭載しているという。「グリーフ」は4人1組の2チームで共通のゾンビと戦いながら相手チームの邪魔をするなどして、どちらが生き残れるかを競うというもの。「トランジッド」はプレイヤー同士で協力し合いながら物語を進めていくストーリーを重視したモードであるとのことだ。
パット氏の説明に続いて、ゾンビモードの登場キャラクターであるミスティ役の植田佳奈さん、マールトン役の岡林史泰さん、ストュリンガー役の白熊寛嗣さん、ラスマン役の高橋研二さんがステージに登場。収録を振り返って岡林さんは開口一番「カオスでしたね(笑)」とコメント。これは海外版の役者さんがアドリブ満載で翻訳テキストと収録されている音声がまったく違うことが多かったためで、植田さんも「ゲップとかそういうアドリブがたくさんあったので、どうやったら日本語でおもしろくできるか考えながら演じました」と笑いを交えつつ語った。
キャンペーンモードに続いての登場となる白熊さんは、ストュリンガーが重厚なメネンデスと真逆のキャラクターだったことから「メネンデスでおさえつけていた感情を全部解放しました。“ほじくられるぞー”とか大きい声を出せてチョー気持ちよかったです」と力説。最年長のラスマンを演じた高橋さんは「豪快なおじいさんの役なので大変でした」と語りつつ、「楽しい収録でしたよ」とフォローもしっかりしていた。
声優陣による「トランジット」のデモプレイも見ることができた。今回はマップ上にいろいろなアイテムが落ちていて、それらを使ってゾンビをまとめて撃退する装置などを作ることができる。さらに、バスに乗って移動したり、ゾンビを倒すことで得られるお金で武器を手に入れたりすることも可能なので、かなり自由度の高いプレイを楽しめそうだ。
初心者も上級者も楽しめるように改良された「マルチプレイ」
最後にマルチプレイについて説明。パット氏によると、今回のマルチプレイはたくさんの改良がなされているとのことで、そのひとつが「ピック10」と呼ばれるシステム。これはスキルなどを自由に追加してプレイヤーをカスタマイズできるというもので、自分のプレイスタイルに合わせた細かな設定ができるそうだ。
「コンバットトレーニング」という初心者用の練習モードも用意。経験値の入手やさまざまなアンロックも可能になっているので、「マルチプレイが怖いなという人はここから始めてみてくださいと」パット氏は語った。また、「リーグ」というモードでは、くり返しプレイしてスキルレベルを上げていくことによって対戦できるプレイヤーのランクもアップ。上手くなればなるほど、強い相手と戦えるようになるとのことだ。
デモプレイでは声優陣にパット氏が加わったチームとイベントの参加者から選抜されたチームが「ハードポイント」という新ルールで対戦することとなった。これはマップ上にあるハードポイントと呼ばれる地点を占拠するとポイントが加算されていくというもの。ハードポイントの位置は一定時間が経過するたびに移動するため、いろいろな場所でポイントをめぐる攻防が展開されることになる。
バトルのほうだが、イベントに来ているだけあって参加者はいずれ劣らぬテクニシャン揃いで、おおかたの予想どおり声優陣はまったく歯が立たず。開始直後からみるみる差が広がっていき、圧倒的大差で参加者たちが勝利をおさめた。
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対戦マップは豪華客船上で戦う「ハイジャック」。さほど広くないので、多数のプレイヤーが入り乱れての接近戦を 楽しめるとのことだ。 |
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最初は緊張していた参加者チームだったが、声優チームのふがいなさに安心したが次第にリラックス。 後半は会話をかわしながらプレイするなど、余裕の戦いぶりを見せた。 |
デモプレイの終了後、パット氏が「ファンの皆さん、開発現場のメンバーが心を込めて作ってきました。ぜひぜひエンジョイしてほしいと思います。よろしくお願いします!」と日本語で挨拶。声優陣も「世界的に注目されている大作に出演できて本当に光栄です」(高橋)、「また戦いたいですね、悔しかった~(笑)」(植田)、「ホントおもしろいですね。今回いっぱいモードがあるので、いろいろな戦略や戦術が出てきそうで楽しみです」(岡林)、「マルチのほうにも参加してみて、1本のゲームで2作品やっているような感覚を改めて感じました」(白熊)と、それぞれコメントを述べた。
最後に、字幕版早期購入キャンペーンの実施や賞金総額100万円の全国大学対抗戦の開催、PSVita向けの「コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド」の発売日などの情報が紹介。ニコニコ動画の大型ゲームイベント「ニコニコゲームマスター」とのコラボ企画を以下のスケジュールで行うこともあわせて発表された。
「ニコニコゲームマスター」コラボ企画
35時間ぶっ通しゲーム実況:2012年11月22日(木)
Web予選大会応募開始:2012年12月12日(水)
Web予選大会開催:2013年2月2日(土)
ニコファーレ本選開催:2013年2月16日(土)
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2012年12月20日発売予定のPS Vita版「コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド」のムービーも上映。 | |
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会場内には試遊台も設置。イベント終了後、多くの参加者たちが体験プレイを楽しんでいた。 また、来場者には発売に先駆けて字幕版もプレゼントされた。 |