セガは本日12月6日、東京・ヨドバシカメラマルチメディアAkibaにて、PS3用ソフト「龍が如く5 夢、叶えし者」の発売記念抽選会および、シリーズ総合監督・名越稔洋氏のサイン会を実施した。
本日12時より開催された「龍が如く5 夢、叶えし者」の発売記念抽選会には、特賞の麻雀牌のほか、オリジナルTシャツやチンチロリンセット、タブレットケースなどが用意されていた。正午から開始となった抽選会には、早速ゲームソフトを購入したファンが詰めかけ、盛況を見せていた。
また、会場には「龍が如く」シリーズ総合監督・名越稔洋氏と本作のプロデューサー・横山昌義氏も登場し、訪れていたファンは大盛り上がり。早速、名越氏によるサイン会が開催されていた。
サイン会も抽選会と同じく盛り上がりを見せ、わずかな時間ながら多数のファンが列を作っていた。すでにゲームソフトを購入しているファンが多かったようで、パッケージにサインをしてもらう人が多かった。
また、今回の抽選会では名越氏と横山氏からお話を伺うこともできたので紹介しよう。
――いよいよ発売日を迎えた現在の率直な感想をお聞かせ下さい。
名越氏:やるべきことをすべてやれた清々しさがありますね。今回はこれまでのシリーズ以上に多く売ることを意識して作ってきたので、毎回そうですが「売れてほしい」という気持ちです。
スタッフは常にベストを尽くしてくれるし、今回も間違いないものを作ってくれました。それに相応しいだけの数を売らなければいけないというプレッシャーも当然ありますが、幸いシリーズ最高の受注をいただいていますし、ここまできたら突き抜けた記録を作りたいですね。
横山氏:作り手としては今日からが第二の勝負だと思っています。昨日の夜あたりから徐々に、ユーザーさんからどのような評価を受けるのかとプレッシャーを感じているところです(笑)。
今回考えられる仕掛けはすべて施したつもりなので、それがユーザーさんにどう受け入れられるか楽しみにしています。
――「龍が如く5 夢、叶えし者」の完成度について、どのような手応えを感じていますか?
名越氏:僕は100点満点中の150点をあげてもいいと思っています。物量も企画段階の予想を超えるものになりましたし、ゲームとして、ドラマとして楽しめるものになっています。ですから、100点満点のメーターを振りきり、どこから見ても隙のない作品といえますね。
――横山さんは本作が初プロデュース作品となりますが、大変だった部分はありますか?
横山氏:どこが、というよりも全部が大変でしたね。今までですとプロデューサーに無理を言って多くのものを作らせてもらう立場でしたが、今回は逆に自分からスケジュールを調整しなければいけませんでした。もっと作りたい、でもこれくらいがちょうど良い…という正反対の目線からゲームを見ていくのは難しかったですね。
――今年は「バイナリードメイン」や「龍が如く5」など数多くの作品を発売し、「龍が如くスタジオ」の初年に相応しい1年になったと思いますが、今年を振り返っての感想をお願いします。
横山氏:僕はちょうど辰年なので、もしかしたら良いことあるかもなと思いながら駆け抜けてきましたが、本当に良い1年だったと思います。人生で忘れられない年になると思います。
名越氏:僕自身の立場や、会社の事情は日々変化していきますが、その中でも大きな仕事やり遂げることができたのはよかったと思います。「龍が如くスタジオ」は元々ポテンシャルの高いチームなので、来年以降も良い仕事ができると信じています。
――本作で「龍が如く」シリーズを始めて遊ぶ人もいると思いますが、そのようなプレイヤーに対して一言あればお願いします。
横山氏:シリーズ物の宿命ですが、新規で入りにくい部分はどうしてもあると思います。ですが、新規のユーザーさんが遊びやすくなるように常に考えていますし、ストーリーも入り込みやすい作りになっています。ナンバリングされていますが、毎回新規タイトルを作る気持ちでいるので、まずは買って、プレイしてもらいたいですね。
――今回は100を超える企業とタイアップしていますが、そちらに対してのコメントがあればお願いします。
名越氏:企業とのタイアップはシリーズを通して粛々と積み上げてきたもので、今回僕は「収録する企業数を3桁に乗せよう」と目標を掲げていたんです。3桁ともなると、参加する企業を探すのも、それをゲーム内に収録するのも大変なことですが、目標とはそういうものだと思うんですよ。難しい目標を掲げたときに、初めて人間は努力すると思いますし、目標がないと今が自分の限界になってしまう。「龍が如く」シリーズが短い期間で成長できたのは、難しい目標があったからこそですね。
横山氏:社内プレゼンの際に「100社目標」と書いていたのですが、いつの間にか「100社必達」に変えられていて、それを見たマーケット担当のスタッフが震えていたのを覚えています(笑)。しかし現実として約130の企業さんがタイアップしてくれて、そこは本当にありがたい話ですね。
――本作には5大都市がすべて収録されていますが、地方のユーザーさんからの反響はいかがでしたか?
名越氏:まずは「自分の住む都市を収録してくれてありがとうございます」という声をいただきましたね。また、今は東京に住んでいても出身地はまた別というユーザーさんもいて、例えば「福岡の風景に懐かしさを感じた」という反応もありました。
横山氏:プレミアム上映会で全国を回ったときも喜んでいただけましたし、地元の方ならではの反応を確認できたことは嬉しかったです。
――最後に、ファンへ向けてのメッセージと、来年に向けた抱負をお願いします。
横山氏:来年は巳年生まれの名越さんが何かでかいことをやってくれるんじゃないかと期待しています(笑)。来年以降もゲームを作り続けていくことが僕たちの使命ですし、「龍が如く5」の評価を聞き、次のゲーム作りに活かしていきたいです。まずは皆さんに「龍が如く5」を遊んでもらいつつ、来年にはまた大きなことを発表できればと考えています。
名越氏:月並みですけど、「龍が如く5」は買ってもらって損はない作品になっていますので、1人でも多くの人に手に取ってもらいたいですね。
今僕が歩いている道は、さまざまな先輩方が導いてくれたものなので、来年以降は僕が若いクリエイターを導けるような存在になりたいですね。今の時代はゲームを作る環境が複雑になり、若いクリエイターが五里霧中の状態になっていると思うんですよ。その中で僕も一緒に迷っている場合じゃないですし、どうやったら面白いゲームが作るための道を切り開いてあげたらと考えています。
――ありがとうございました。
なお、発売記念抽選会は本日12月6日の20時まで実施されているので、購入を考えている人は参加してみてはいかがだろうか。