ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンは、「SOUL SACRIFICE」共闘サミットin秋葉原を、3月9日にベルサール秋葉原で開催した。会場の様子やクリエイターによるトークセッションをレポートする。

PS Vita「SOUL SACRIFICE」発売後、初の週末となる本日3月9日に開催された「共闘サミットin秋葉原」には、多くの人が来場。男性にまじり、多数の女性来場者も見受けられた。

会場には、「ハーピー」「ケルベロス」を相手に共闘マルチプレイが楽しめる試遊台が多数設置。試遊した人には抽選で、魔物たちのステッカー、救済グローブ/生贄グローブ、リブロムブックカバーなどのグッズがプレゼントされていた。

さらに、稲船敬二氏をはじめ、豪華クリエイター陣が一同にあつまる豪華なトークセッションも実施。今だから言えることや開発秘話などが明かされた。

共闘サミット クリエイタートークセッション

本トークセッションでは、稲船敬二氏をはじめ、株式会社comcept、株式会社マーベラスAQL、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの3社から8名のクリエイターが参加する豪華なものとなった。

  • 稲船敬二氏(コンセプター 株式会社comcept)
  • 下川輝宏氏(ディレクター 株式会社comcept)
  • 伊藤亜紀子氏(プロデューサー 株式会社comcept)
  • 岡村光氏(デベロップメントディレクター 株式会社マーベラスAQL)
  • 鈴木一徹氏(デベロップメントディレクター 株式会社マーベラスAQL)
  • 本村健太郎氏(プロデューサー 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)
  • 鳥山晃之氏(アソシエイトプロデューサー 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)
  • 菅野有造氏(クオリティマネージャー 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)

命を賭けて、駆け引きが楽しめるプレイを目指した

稲船敬二氏
稲船敬二氏

本作で目指したことについて聞かれた稲船氏は、みんなで仲良く遊ぶゲームではなく、命を賭けて駆け引きをしながら遊べる世界観を目指したと回答。王道でありつつも、普通に楽しいだけではないゲームを目指したという。

ディレクターとしてキャラクターやステージなどの世界観を作り上げた下川氏は、「稲船氏から高い要求があったのでは?」との質問に対し、「王道だけど新しい、という矛盾しているものをつきつけられ、その矛盾をどう解決するかに四苦八苦しましたね。」と振り返っていた。

さらに、苦労した魔物について聞かれると「最初のケルベロスですね。手探りだったので、設定からデザイン構築までをやり取りしながら完成に近づけました。ケルベロスの完成形がみえてからは、はやかったです。」と答えていた。

開発ディレクターである鈴木氏は、こだわった点を聞かれ、「通常、ゲームを作るときは、仕様書などからはじめるのですが、SOUL SACRIFICEは世界観ありきではじめ、そこから、どうゲームに落としこむかという流れでした。普通のやり方と違うので、最初は苦労しましたね。ケルベロスが生まれ、動かし、これがSOUL SACRIFICEのアクションかなと思ってからは、はやかったです。」と、こちらもケルベロスの誕生がポイントになったようだ。

続いて、世界観から制作をはじめるやり方について聞かれた稲船氏は、「ゾンビ映画でゾンビに囲まれて仲間を守る際に、「ここは俺に任せてお前らは先にいけ」と死を覚悟して言うシーンは絶対かっこいい。こういうかっこいいシーンが出てくるゲームは少ないんです。デモシーンではあるけど、システムに組み込まれたゲームはない。これだ!と思ってそのシチュエーションをゲームにするんです。」と、もともとキャラクターデザイナーである同氏が絵やシチュエーションから制作するやり方を明かした。

下川輝宏氏 鈴木一徹氏

ユーザーの反応を感じられた東京ゲームショウ

菅野有造氏
菅野有造氏

共闘マルチプレイを盛り上げる上で注意した点を聞かれた菅野氏は、稲船氏のコンセプトに近づける際に「一人ぼっちにさせない」「役割分担をできるようにする」といったテーマがあり、それらをチューニングするためにテストプレイを繰り返し、その最終形態が東京ゲームショウのバージョンであったと語り、そこでのユーザーの反応を見て、「これは大丈夫だ、いけるぞ。」とチームのテンションが上がったエピソードを披露した。

バランス調整では、「初見では絶対クリアできないシビアなゲームにしたかった」という鈴木氏と頻繁にやり取りをしながら進めたそうだ。

ゲーム画面にのったとき、鳥肌が立った音楽

続いて、個性的な制作陣をまとめる役割を担うプロデューサーへの質問が行われた。

稲船氏と現場をつなぐ役割を担った伊藤氏は、ゲームを制作していく上で行き詰まったとき、稲船氏が方向性を示すことでスタッフが安心できる場面が何度もあり、さらに、稲船氏の考えが下川氏にしっかりと伝わっていたと語っていた。

岡村氏は、「下川さんと一徹(鈴木氏)が逆の方向に行くことがあるので、それを同じ方向に向いてもらうのが大変でした。」と当時の苦労を振り返っていた。

伊藤亜紀子氏 岡村光氏

本村氏は、ゲームを崩さないように各社をつなぐ役割として気を使ったそうで、「一徹さん(鈴木氏)がちっちゃくなってたらヤバイ。」「下川さんは、水をよく飲まれるんですが、飲まないとヤバイ。」と独自のバロメーターがあったことを冗談交じりに語っていた。

東京ゲームショウが大きなターニングポイントになったのではないかという質問に対し、稲船氏は、「続編であれば、ファンがいるので、どのファンに向けて作ればよいかわかるんです。新しいゲームなので、どこにもファンがいない。ファンがいないということは、おもしろいかどうかも分からない。そんな中、東京ゲームショウで一般ユーザーの方に手にとってやってもらって、「おもしろい」って言葉を聞けたことはすごい自信になりました。たくさんの人に並んで、遊んでもらって、アンケートをとって、「いけるこれ」ってスタッフのモチベーションが一気にあがりました。」と、ユーザーの反応がスタッフのモチベーションをあげたと回答。

鳥山氏は、世界観を演出する音楽について、「すごくよい曲になりました。音楽に関してはゲームにマッチしたなと思います。」とゲームの世界観にマッチした音楽に仕上がったと語っていた。これには、稲船氏も「最初に音楽があがってきて、ゲーム画面にのった時に鳥肌がたったんです。素晴らしいです。」とコメントしていた。

本村健太郎氏 鳥山晃之氏

プレコミュで募集されていた質問では、「開発途中で一番勇気が湧いたのはいつですか?」と聞かれ、「やっぱり東京ゲームショウのユーザーの反応で勇気がわきました。もうひとつは、体験版ですね。体験版の配信の時、香港に行ってたんですが、ユーザーの意見が知りたくてずっとネットを見てました。すごく良い反応がたくさんあって勇気をもらいました。」と稲船氏が答えた。

「SOUL SACRIFICE」第一弾アップデート情報も解禁

続いて、稲船氏より、4月上旬に配信されるアップデート情報が公開された。本アップデートでは、魔物「デュラハン」「ベヒモス」や新マップ「ゴリアテ」の追加、さらにクエスト追加やアドホックパーティへの対応などが予定されている。

アップデートで追加される魔物

デュラハン

自分を傷つけたいという欲望を持ったある騎士がその欲望故に魔物化した。自らの首を掴み、それを使って攻撃をしかけてくる。

ベヒモス

食欲旺盛で食費がかさみ過ぎた結果、親に勘当された少年が、せめて美味しいりんごを食べたいという欲望故に魔物化した。身体中に実ったりんごをばらまいて攻撃をしかけてくる。

アップデートで追加されるマップ「ゴリアテ」

巨大化したある兵士の体内がマップになっている。体力を奪う消化液等、体内という設定ならではのギミックが仕掛けられている。

アップデートで追加されるクエスト

上記の魔物とマップを使用するクエスト「琥珀の刻」が、アヴァロンでの活動/アヴァロンの要請録/忘れられた要請で、プレイ可能となります。

アップデートで追加される機能

アドホックパーティへの対応、等多数。

開発陣が共闘マルチプレイでデュラハンに挑戦

アップデート情報でも発表された魔物「デュラハン」に鈴木氏、下川氏、本村氏、鳥山氏の4名が挑戦することに。新マップ「ゴリアテ」が舞台で、プレイヤーの体力を奪う消化液など非常にシビアな環境になっている。

控え室で、2度挑戦して、1度も勝てていないそうで、不安の残るなかスタートとなった。腕に自信のある鈴木氏がデュラハンの攻撃を華麗にかわし、下川氏が遠距離から攻撃をする連携を見せていたが、開始早々、本村氏と鳥山氏が瀕死状態になってしまう。2人をなんとか救済し、デュラハンに攻撃を繰り出していく。

中盤、デュラハンが本気になったところで、再び、本村氏と鳥山氏がやられてしまうと、今度は生贄を選択。残った鈴木氏と下川氏がデュラハンの体力を半分のところまで減らすが、素早い動きと強力な攻撃に耐えられず、失敗となってしまった。

真剣なプレイを見ていた会場からは、「おもしろそう」という声もあがり、来場者は、強力な魔物に圧倒されながらも、今すぐにでもプレイしたいといった様子だった。

戦いを終えた鈴木氏は「みなさん、この難易度にびっくりしたかと思います。昨日、開発の上手いメンバーを集めてやったんですが、それでも作戦を立てないと勝てないです。」と振り返っていた。

稲船氏は、「本村さんも鳥山さんもうまいんです。でも、一瞬で死んでましたよね。これが、このデュラハンの難易度なんです。こういう強大な敵が出てきた時こそ、力をあわせて、命をかけてでも倒そうというゲームなんです。それが共闘なんです。」と、上級者同士であっても力をあわせて共闘しなければ勝てないとコメントしていた。

トークセッションの最後に稲船氏は、「SOUL SACRIFICEは楽しく遊べるゲームになっています。世界観にも浸ってもらえるので、みんなで共闘して下さい。」と語り、セッションを締めくくった。

SOUL SACRIFICE

ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2013年3月7日
  • 18歳以上のみ対象
  • PS Store ダウンロード版
SOUL SACRIFICE

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(C)Sony Computer Entertainment Inc.

※画面は開発中のものです。

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