ゲームオンは本日6月20日、Fincon(フィンコン)が開発したスマートフォンアプリ「HELLO HERO(ハローヒーロー)」の日本における独占ライセンス契約を締結することに伴い、調印式を開催した。
調印式の冒頭では、ゲームオン代表取締役社長のイ・サンヨプ氏が登壇して挨拶を行った。イ・サンヨプ氏は、同社ではこれまでPCオンラインゲーム「新・天上碑」や「レッドストーン」といったタイトルの運営実績があり、そうした経験を活かして「日本のユーザーさんが満足できるサービスをモバイルでも提供していきたいと思っています」と述べた。
なお、本作の開発を手掛けたフィンコンは、ゲームオンが運営している「Continent of the Ninth(C9)」をプロデュースしたユ・チョンギル氏が代表取締役社長を務めており、イ・サンヨプ氏とユ氏は「C9」の頃から関係があったという。そのユ氏からは「『ハローヒーロー』は、オンラインゲームをモバイル化してはどうかという考えて誕生したタイトルです」と開発の経緯が語られた。
この後は、フィンコンの事業開発部長であるイ・シウォン氏が韓国での実績について説明。「ハローヒーロー」はフィンコンの第1弾タイトルであり、同社が2012年7月31日に設立されてから、約6ヶ月間開発をしてきたいという。
そして韓国では2013年2月にAndroid版がリリースされ、その翌月にiOS版がリリースされている。サービス開始から4ヶ月程立っているが、全世界のGoogle Playランキングでは、売り上げ順位が3月で8位、4月は5位を記録したとのこと。
継続的にゲームのアップデートを続けていくほか、コラボレーション企画も考えているため、実績はさらに伸びていくと考えているようだ。日本だけでなく、中国や台湾、アメリカにも進出する予定ということからも、自信のほどが伺える。
続いては、ゲームオン マーケティング部 部長の新倉敬二郎氏が今後のモバイル戦略について語った。新倉氏はまず、同社ではPCオンラインゲームの運営で大きな成功を収めた一方で、ソーシャルゲームに出遅れているという認識があったと話す。
そしてモバイルにも力を入れていく方針が立てられた後は、スマートフォンで勝負することを選び、第1弾タイトルとしてネイティブアプリ「クックと魔法のレシピ」のiOS版を2012年5月に、Android版を同年10月に配信した。
「クックと魔法のレシピ」はダウンロード数が50万超、App Storeの売上ランキング30位台にランクインしたこともあり、新倉氏は「一定の成功を収めたと思います」とコメント。それを受け、スマートフォン向けアプリにも注力していくことになったという。
現在ゲームオンでは「聖魔爛戦(せいまらんせん)!イクサヒメ」が制作中となっているが、モバイルの展開はこれらの自社開発ラインに加え、今回調印式を開いた「ハローヒーロー」のように、海外の有力タイトルをパブリッシングしていく、パートナーシップによるタイトルの提供という、2つのラインで進めていくとした。
アプリの配信後も、10年以上オンラインゲームを運営してきただけでなく、「Alliance of Valiant Arms(AVA)」といったFPSタイトルではオフライン大会も行っているため、イベント開催を含めた運営力を活かしてゲームを盛り上げていきたいとのこと。
また、タイアップも同社の強みであるとしている。例として、「レジェンド オブ ソウルズ」で、アニメ作品「サイコパス」「翠星のガルガンティア」とのコラボを行っていることが挙げられた。ほかのタイトルにおいても、アニメ作品を中心に積極的にタイアップが行われており、モバイルでもこの強みを生かしていく方針のようだ。
実際に「クックと魔法のレシピ」では、熊本県のマスコットキャラクター・くまモンをはじめ、レストランを運営するというゲームの内容に合わせて、飲食店や食品業界とのコラボレーションも行われている。
新倉氏の説明後には、「ハローヒーロー」の日本運営プロデューサーを務める池亀泰宜氏から、ゲームシステムの紹介が行われた。本作は、キャラクターも戦闘シーンも全てフル3Dで開発されたRPGとなっている。ゲームの舞台は銀河の果てにある、とある星。そこに悪の軍団が攻めてきて、プレイヤーは惑星を守る防衛隊の指揮官となって戦う…というのが概要だ。
ゲームの進行は、銀河を守るヒーローたちを集めて最大5人のパーティーを組み、さまざまなバトルモードをプレイするという流れ。バトルモードは、ヒーローや装備品を集められる基本的な「ミッションモード」をはじめ、1パーティーで底なしのダンジョンにチャレンジして深い階層を目指す「ダンジョンモード」などがある。
戦闘は、フル3Dと言えどシンプルな作りになっており、画面右側に表示されたスキルアイコンを発動させるだけで戦えるようになっていた。ただ、ヒーローには攻撃、防御、回復、万能といった4つのタイプが存在するので、パーティー編成でどういったキャラクター構成にするのかを考えることがポイントとなりそう。
また、家でじっくりスマートフォンのゲームを遊ぶ機会が少ないことを見越して、戦闘はオート進行や2倍速プレイといった機能が搭載されている。このシステムはある程度ゲームを進めて、レベルが上がった段階で使えるようになるという制限つきではあるものの、空いた時間や何かの作業と並行しつつ遊ぶこともできそうだ。
ゲームモードはほかにも、レベルで自動的にマッチングされたほかのプレイヤーと戦う「アリーナモード」や、巨大なボスにワールド全員で立ち向かう「ワールドボスモード」といったモードも存在する。アリーナモードでは、対戦で負けても、便利なアイテムが買える応援ポイントが獲得できるので、気軽に対戦が楽しめるという。
もう一方のワールドボスモードでは、ボスの出現時に10枚まで戦いを仕掛けることができ、ワールド内のプレイヤーたちと、合計でどれだけダメージを与えたか競うことができる。ワールドボスとの戦いでは、単純にキャラクターの能力を上げるだけではなく、長期戦に持ち込めるようなパーティーを組まなければランキング上位を目指すのは大変なようで、本作におけるやり込み要素のひとつになっているとのこと。
ここまで紹介が行われてきた本作だが、肝心のサービス開始時期は2013年夏の予定となっている。プラットフォームはiOS/Androidの両対応だが、どちらかが先に配信されるか、もしくは同時に配信されるかはまだ未定だという。池亀氏は「夏休みが始まる前に出せればいいなと思っています」と話していたので、配信日に関しては続報を楽しみに待っていよう。