アークシステムワークスは本日8月9日、東京・クラブセガ秋葉原 1号館にて、アーケードゲーム「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-(ギルティギア イグザード -サイン-)」のロケーションテスト開始と合わせてオープニングイベントを開催した。

目次
  1. ロケテストに登場するキャラクターのコンセプト
  2. 石渡氏&関根氏へのショートインタビュー
関根一利氏(左)とセクシー斎藤氏(右)
関根一利氏(左)とセクシー斎藤氏(右)

オープニングイベントでは、セガのセクシー斎藤氏とアークシステムワークスの関根一利氏が司会進行を担当し、まずはロケテストの概要説明を行った。今回のロケテストは、8月9日から8月12日の4日間行われる(詳細はこちら)。

期間中は、会場となるクラブセガ秋葉原 1号館の4階フロアが全て本作のための貸切となっており、ロケテストとしてはかなり規模の大きいものとなっている。

筐体数やオープニングイベントに訪れた来場者の数を見た関根氏は、「ロケテストと言えば多くても5セットぐらいなので、ワンフロア全部を使ってロケテストをやろうとなった時、正気の沙汰ではないと思いました(笑)」とコメント。規模の大きさに驚きつつも、訪れた人の数を見て嬉しい様子を見せていた。

8月9日のレギュレーションは上記の通り。
混雑状況によって変わる可能性があるので、10日以降に訪れる人は参考までに覚えておこう。
会場ではアンケートも用意されており、プレイした人は積極的に協力している様子が伺えた。

イベントの説明が終わると、「ギルティギア」シリーズ生みの親であり、「ギルティギア イグザード -サイン-」の総監督・ゼネラルディレクターを務める石渡太輔氏が登場。5月に行われたアークフェスでの発表から3ヶ月足らずでロケテストが実施されることについて「正直なところ、発表時のPVを作るだけでもスタッフは必死でした。まだまだ開発途中なので見苦しい点があるかもしれませんが、楽しんでいただければと思います」と述べた。

石渡氏はステージの裏に置かれたポスターの隙間から登場。
30分近く隠れていたため「暑い!」と言っていたが、ちょっとしたサプライズは無事に成功を収めた。

タイトル発表後の反響は、日本だけでなく海外ユーザーからも反応があり、YouTubeで公開しているPVの再生数が間もなく100万に届きそうだという。それほど大きな反応があったわけだが、ワンフロアすべて使ってロケテストをやることについては、関根氏と同じく「正気の沙汰じゃないですね(笑)」と話していた。

肝心のゲームについては、より多くの人に遊んでもらうため「格闘ゲームの一番面白いところ、根本は何だろうと見つめ直して制作しています」とコメント。キャラクターのビジュアルについても、今の時代に合わせたという。ちなみにロケテストでは7キャラクターが使用でき、使用キャラクター数は今後「もちろん増えます」と言っていたが、詳しい数や新キャラクターについては、さすがにまだ秘密となっていた。

関根氏からは、格闘ゲームとしてシステムのキーポイントとなる部分の紹介も行われた。「ギルティギア」シリーズと言えばロマンキャンセルが特徴だが、今までは攻撃を当てなければできなかったものが、今作では飛び道具やジャンプ中など、攻撃しているあらゆる状況でロマンキャンセルが可能となっている。

ロマンキャンセルを使うと自分以外の時間の流れが遅くなる効果もある。状況によってロマンキャンセルを発動した際のエフェクトの色が異なるのだが、関根氏は「赤色と黄色…だけかな?」と匂わせる発言をしていたので、詳しいシステムが発表されるのを楽しみにしていよう。

レスポンス面など細かいところにも手が加えらえていたり、ボタン配置も5種類用意されていることが明かされた。違うタイトルの操作に慣れている場合でも、ボタン配置の設定を選ぶことで、すんなりと本作を遊べるようにしたという。

また、ロケテストで使用できた各キャラクターのコンセプトについても語られたり、イベント終了後に行われた関係者向けの取材では、短い時間ながらさまざまな話を聞くことができたので、その内容もお届けしよう。

ロケテストに登場するキャラクターのコンセプト

ソル=バッドガイ

石渡氏:ソルは主人公キャラクターということもあり、必殺技を順番に出していくだけである程度暴れられる、扱いやすいキャラクターを目指しました。

カイ=キスク

石渡氏:カイはグラインダーというものを設置し、そこにスタンエッジを撃つとスタンエッジがパワーアップします。飛び道具による牽制がカイのメインとなる戦いだと思いますが、そこにもうひとつアクセントを加えて新しい戦い方ができるようにしています。

メイ

石渡氏:メイはとにかくキャッチーにしたいなと考えました。ほかのキャラクターに比べて少ない手数で十分に戦えるキャラクターを目指しているのですが…、正直なところまだ未調整のところがあります(笑)。

関根氏:いろいろと試行錯誤をしている部分があります。ロケテストから結構変わる可能性もありますが、今回はアクロバティックな動きができる部分を意識しています。

石渡氏:せっかく動物たちを呼び出せるので、彼らと楽しく遊んでいるような風景を見ながら戦えるようなキャラクターですね。

チップ=ザナフ

関根氏:チップは忍者なので、忍者と聞いてイメージするような動きができるようにしました。単純に動きが早いとか、壁に張り付いてから多彩な攻めができることで面白くなるんじゃないかなと。

石渡氏:いろいろ試していただきたいところなんですが、肝心なのは紙装甲なのかどうかですよね(笑)。

関根氏:紙装甲かどうかは…チップですから。チップと言えばその通りですよ(笑)。

ミリア=レイジ

石渡氏:チップの忍者の部分と少し被りますが、ミリアもスピードが命といったところがあるので、キャラクターの特性であるスピードを活かした遊び方ができるかを、従来のミリアよりも突っ込んだ形でカスタマイズしています。

ポチョムキン

関根氏:ポチョムキンは見た目がよりすごくなりましたね(笑)。I.C.P.M.とトリシューラという必殺技や、ヘブンリーポチョムキンバスターが見どころなので、そこを見てほしいです。

ヴェノム

関根氏:一見するとあまり変わってないですが、遊び方のバリエーションが増えています。ビリヤードがテーマになっているので、今まで以上にビリヤードっぽい玉の弾き方ができるようにしています。

石渡氏:従来だと、球を設置してから球を打つ機会が少なかったこともありますが、一回の試合の中で球を打つアクションを行える頻度が高くなるように調整したり、新しい技を作ったりしています。

石渡氏&関根氏へのショートインタビュー

――今回東京で大規模なロケテとなりましたが、ほかの地域での開催予定はあるのでしょうか?

石渡氏:できればいろんなところでやりたいですね。今回は12日までの日程ですので、コミケに行くために地方から出てくる方もいらっしゃると思いますし、そういう方のフォローが少しはできているのかなと思います。

関根氏:今回は時期もかみ合いましたし、秋葉原のセガさんが「ギルティギア」の聖地ということもあり、やるなら徹底的にやりたいということがあり、ワンフロア貸切で実施させていただきました。もちろんほかの都市でもやりたいと思いますので、その時は貸切という規模ではないかもしれませんが、ニーズに合ったやり方を模索していきたいなと思っています。

――「ギルティギア」シリーズはストーリーも人気の作品ですが、今回のストーリーはどこに位置する内容になるのでしょうか?

石渡氏:基本的にパラレルワールドということではないので、今回の「ギルティギア イグザード」は家庭用の「ギルティギア2」以降の話になります。

――「イグザード(Xrd)」というタイトルになった経緯を教えてください。

石渡氏:「ギルティギア」は家庭用から始まり、アーケードで「ゼクス」と付きました。そこから家庭用に戻って「2」になり、今回出すものは何の系譜になるのかが注目されるところだと思ったので、「ゼクス」を基調とした3番目の作品ということで、3rdとゼクスを掛け合わせて「Xrd(イグザード)」という造語を作りました。

――2Dの格闘ゲームながら、演出などで3Dを採用した理由は何でしょうか?

石渡氏:2D格闘ゲームの5年後、10年後の未来はどういう形なんだろうと考えたときの、僕らとしてのひとつの答えとして捉えていただければいいかなと思います。「ギルティギア」「ブレイブルー」の各シリーズでいくつも作品が出て進化を続けてきましたが、ドット絵の魅力、2Dの魅力がもしかしたら頭打ちにきているのかなと。もし次は4K(4K解像度)なのかという話になると、それはもうドット絵なんだろうか?と。あくまで個人的な話ですが、3Dを利用したスタイルで新しいことを取り入れることが出来たら、2D格闘ゲームの新時代と言えるのかなと思い、ビジュアルインパクトを目指して採用しました。

――3Dであることを活かした遊びの要素は入っているのでしょうか?

石渡氏:それは今のところあえて入れていません。これも個人的な考えですが、やはり2D格闘ゲームはデジタルな部分が多いので、3Dを取り込むとゲーム性のアナログ要素が強くなってくると思います。そういったものはシステムから徹底的に排除しているので、あくまで演出面であったり、ちょっとしたユーザーさんの遊び心を目指すようなところで活躍できればと考えています。

――家庭用版の展開は考えていますか?

石渡氏:考えていないことはないですが…今はその程度ですね(笑)。

――3Dにしたことでコスチュームチェンジの要素を入れるといったことは考えられていますか?

石渡氏:比較的ですが、そういったところは2Dよりも3Dの方がやりやすい部分があるので考えていますが、可能性があるというぐらいです。

――ロマンキャンセルには赤色と黄色ともうひとつあるようですが、それぞれの条件や効果はどうなっているのでしょうか?

石渡氏:こちらで指定しているNGポイント以外は、どんなところでもロマンキャンセルが出せるというのがウリですが、出した結果がエフェクトの色によって変わってきます。まだロケテストの段階なので、システムに突っ込んだ話は控えさせていただきますが、その色によって仕様が若干異なっている、というところで想像を膨らませていただければと思います。

――「ギルティギア」シリーズといえば一撃必殺が見どころだと思いますが、製品版では入っているのでしょうか?

石渡氏:今回のロケテストではまだ皆さんにお見せできる段階ではないので入っていませんが、製品版では当然入っています。

――関根さんは「ブレイブルー」と「ギルティギア」どちらも担当されていますが、違いを出すうえでこだわったことはありますか?

関根氏:石渡さんと森さん、どちらも作り方も方向性もオーダーも違います。それぞれのシリーズには“らしさ”の不文律があり、システムや仕様を考える時はその不文律があって、各プロデューサーのオーダーを基に「こうしたらどうですか?」とアイディアを揉んでテストを繰り返す、ということをやっています。

――本作でゲームセンターを盛り上げたいという気持ちはあるのでしょうか?

石渡氏:それはすごくあります。ゲームセンターがひとつのコミュニケーションの場所として活躍してほしくて、そういう場の空気を作れないかと思っています。ネット全盛期のこの時代に、改めて横丁みたいなものが流行っていたりするので、遊んでいる人の後ろからゲームを眺める、ノートに何かを書き込む、Twitterでつぶやくといったことが面白くなるような仕掛けは、ぜひやっていきたいなと。やっぱりアーケード作品なので、ゲームの内容だけでなく、もっと周りのコミュニティを育てていくアイディアを考えているところです。

関根氏:もちろん家庭用も大事ですが、アーケードにはアーケードの場があります。僕もそういう場で育ってきましたし、会社もこだわりを持ってくれているので、大会を企画するほかにも、ユーザー同士が繋がれるような場所であったり、あるいはオペレーターとユーザーが繋がるようなイベントを今後やっていきたいです。

――今作は敷居が低くなったような気がしますが、そういったテーマがあるのでしょうか?

石渡氏:そうですね。従来のシリーズは継ぎ足し継ぎ足しのような形で新システムを搭載していったので、あとから入ろうとしても付いていけない側面があったと思います。それはそれでひとつストイックに突き詰めたゲームとして完成していていいと思うのですが、新作を出すということで、もう少し新しい世代にも遊んでいただきたいという思いがあります。今まで遊んだことがない感覚を呼び起こす形で、基本的にはあるものを拡張していくというコンセプトで作っています。

――ありがとうございました。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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