カプコンより、2013年8月29日に発売となったシリーズ最新作、PS3/Xbox 360「ロスト プラネット 3」。イベントや動画にも登場している本作のプロデューサー「アンドリュー・サマンスキー」氏に聞くインタビュー後編をお届け。

カプコン情報サイト「まるカプ!」で展開してきた「ロスト プラネット 3」総力特集。2013年8月29日についに発売を迎え、本作のプロデューサー「アンドリュー・サマンスキー」氏に、ゲーム全般についてとことん聞いたインタビュー後編をお届けしよう。
極寒を極めたグラフィック、緊張と安堵の連続
――Q:極寒の惑星「EDN-3rd」を再現するグラフィックを制作する際に苦労した点は?
アンドリュー氏:本作では地球では絶対にありえない、極寒惑星のリアリティーのある風景を作ることに気を使いました。実際にカナダの氷山にチームで取材に行き、永久凍土層なども見てきましたが、何年も溶けていない氷は青白くて、透き通っていないんです。それをどのようにゲームのグラフィックに表現するか苦労しました。
また、EDN-3rdは永久に水が溶けない惑星なので、何万年も風雪にさらされて変形した大地などを見ることもできます。岩場もありますが、基本的に硬く凍りついています。
――Q:吹雪や氷山など「極寒の自然」の表現や天候の変化など苦労した点は?
アンドリュー氏:吹雪になるとジムのモーションも変わります。極寒の惑星というのは一歩外に出れば死ぬかもしれない、といったリアリティーはぜひ表現したかったのですが、リグから10秒離れただけで死んでしまうとなると、ゲーム性が破綻してしまいます。それをどのように表現するかと考えた時に、ジムのモーションで表現することに決まりました。
――Q:場所によって通信できなくなったり、マップなどのモニタリングができなくなったりしますね。
アンドリュー氏:探索する中で危機感や孤独感を与えたかったんです。外に出ればリグしか頼れない、何が起きても不思議ではない場所に足を踏み入れ、基地やリグに戻ってきたときの安堵感も味わえるようになっています。リグの近くではマップ情報や通信も可能ですが、離れればだんだんと使えなくなります。開発当初は無線ではなく、ジムに有線をつけて探索することも企画していましたが、無理でした…(笑)。
――Q:本作で新たに導入された接近戦・ストラグルモードについて教えてください。
アンドリュー氏:本作はシューターなので、エイミングが非常に大事になってきます。ストラグルモードはジムの体力が減って弱った際に発動します。ですが起死回生のチャンスでもあり、うまく倒せれば体力が回復します。最初は難しく感じますが、慣れれば大丈夫だと思いますよ。またジムの体力が減らなければ発動しないので、回避などでダメージを食らわないようにすれば、ストラグルモード発動の確率は少なくなります。
――Q:難易度の調整はできますか?
アンドリュー氏:はい。Easy/Normal/Hardの3種類の難易度をゲーム中でも変更できます。難易度によって敵の体力・攻撃力とジムの回復スピードに違いがあります。でも敵の数は変わりませんから群れで襲ってきます。本作のエイクリッドでは「生態系」の表現を目指しました。過去作ではプレイヤーの敵としてだけ登場しましたが、今回は探索がテーマであり、エイクリッドによっては一切ジムに手を出してこない種、共食いをする種なども登場します。原住生物としてEDN-3rdに生息しているだけで、侵略してきた人間をしかたなく排除しようとしているのが垣間見えると思います。
――Q:シリーズおなじみのアンカーは今作でも健在ですか?
アンドリュー氏:ゲームの途中でもらえるアンカーの試作機は絞ったポイントに、アンカーを撃ちこんで移動できます。過去作のようにどこでもアンカーを撃って移動できないようにしたのは意図的で、不便さや孤独感を表現するため、孤独に頑張るジムがスムーズにアンカーで飛び回るのも矛盾していると感じたためです。ちなみに、アンカーを使って歩いては行けない場所を探索してみると、隠し部屋が見つかるかもしれませんよ。マルチプレイの方でははじめからアンカーでの移動ができるようになっています
――Q:T-ENGの役割は前作までと、どう変わりましたか?
アンドリュー氏:本作では通貨の扱いです。理由は、シナリオ的にはまだハーモナイザー(T-ENGを体力に変換する装置)が開発されていないからです。原型をちらっと見れるシーンもありますが…。ジムが重傷を負ってミラが蘇生をしてくれるシーンがあるので、そう言ったテクノロジーがハーモナイザーの基礎になっているのかもしれません。
――Q:ユーティリティ・リグのデザインなど(コクピット内部も含めて)で苦労した点は?
アンドリュー氏:ユーティリティ・リグはもともと兵器ではなく、民間のコロニー建設用の重機なんです。映画「エイリアン2」のパワーローダーのようなメカにインスピレーションを受けて「デカくて無骨」「動きは遅いが頑丈」なデザインになりました。過去作のVS(バイタルスーツ)は乗り込んでも、結局銃を撃つ動作になってしまっているので、そこを逆転の発想でリグに乗り込んだら肉弾戦になる仕様にしました。
Spark Unlimited社とカプコンで話し合ったときに、メカをただ大きくするだけではカメラの問題で結局キャラクターと変わらない視点になってしまうので、Spark側が「じゃあ乗り込んだら1人称視点にしよう」と提案したアイデアを採用しました。ジムの視点でコクピットが見えるようになるので、コクピット内も凝ったデザインにしました。
リグは戦闘兵器ではないので、作業中も快適に過ごせるように寝泊まりができたり、コーヒーを淹れることもできるんです。愛する奥さんの写真なんかも貼ってあるので、よく観察してみてください。
――Q:ユーティリティ・リグで「つかむ」「ドリルで攻撃」など多彩なアクションを採用した理由は?
アンドリュー氏:単純に操作できるようにしたかったからです(笑)。もともとジムはリグを使ってプレハブなどを建設したり、機材を溶接して入植作業を進めるためにEDN-3rdに来たわけで、その中でエイクリッドに遭遇してしまい、リグを使って戦うことをプレイヤーも一緒に悩みながらプレイしてもらいたかったんです。
序盤でリグが凍りついてしまったときにも、素早く氷を破壊してリグに乗り込めば、グンロの群れはつかみ攻撃であっけなく倒せるんです。中型以上のエイクリッドはリグにダメージを与えてきますが、基本的にはリグに乗れば安心です。1人称視点については悩んだんですが、より操縦している感じを味わえるはずです。
――Q:ユーティリティ・リグは何種類くらい登場しますか?
アンドリュー氏:プレイヤーが操作できるのは、ジムの私物の一機のみです。ゲイルが最初に断りなしにジムのリグを組み立てると激怒するんです。でもゲイルの腕の良さに気付いて、その後2人の信頼関係は強くなっていきます。
――Q:エイクリッドは前作までのデザインを踏襲していますか?
アンドリュー氏:「セパイア」や「ドンゴ」など何種類かは、今までのシリーズのデザインを踏襲しています。ただ、大型種や新しいエイクリッドはすべてデザインを新たに描き起こしています。今まで昆虫型がメインだったんですが、星1つ分の生態系を作るので、哺乳類や甲殻類に似ているエイクリッドも登場させました。地球上の実際の生物の生態からヒントを得て作られたエイクリッドもいますよ。
――Q:エイクリッドは普段どのように生息しているんですか?
アンドリュー氏:T-ENGを吸収したり、他のエイクリッドを捕食して生きています。
――Q:「カテゴリーG」のエイクリッドを制作・登場させる際に苦労した点は?
アンドリュー氏:とにかく怖そうで強そうなデザインを意識しました。カテゴリーGは倒すまでのプロセスが1つのステージになっているほど、倒すのに苦労します。
――Q:キャンペーンモードで使える武器はどのくらいありますか?
アンドリュー氏:11種類ほどです。
――Q:キャンペーンモードでの武器は購入したり、カスタマイズするほかにフィールドで拾ったりはできるんですか?
アンドリュー氏:もちろん拾うこともできます。メインルートではなく、隠し部屋に限定の武器が置いてあることもあります。雪賊の基地では品揃えの異なるショップを利用可能です。コロニスの武器は地球から持ってきたもの、雪賊の武器は寄せ集めで作った手作り感のある武器が多いです。
――Q:キャンペーンモードだけでプレイ時間はどのくらいになりますか?
アンドリュー氏:寄り道をまったくせずに進めば12時間くらい、寄り道をしてアイテムをフルコンプ、トロフィー全開放で約20時間くらいを想定しています。シューターとしてはボリュームが多い方ですね。
今までのシリーズにおけるマルチプレイの集大成
――Q:ロストプラネットと言えばマルチプレイですが、本作ではどんな遊び方ができますか?
アンドリュー氏:「ロストプラネット」らしさを残しつつ、シューティングにより特化した「照準を合わせて撃つ」スキルが重要になるモードになっています。過去作のマルチプレイでは、回避やアンカーで移動しながら軽快に撃つイメージでしたが、本作ではよりシューティングがうまい人が有利なやや競技的な調整になっています。
――Q:マップにはどんなギミックが用意されていますか?
アンドリュー氏:扉があったり、スイッチで通路が出現したりと、マップやモードで変化し、バラエティ豊かです。
――Q:マルチプレイ専用の武器はどんなものが、何種類ほど実装されますか?
アンドリュー氏:シングルプレイで登場する武器はすべて登場し、マルチプレイ専用の武器も多少登場します。
――Q:マルチプレイ専用にカスタマイズ用のアイテムスフィアを採用したのは?
アンドリュー氏:アイテムスフィアとパワーアップシステムはすべて本作からの登場で、プレイヤー好みのカスタマイズが可能です。見た目はスキンで切り替え、武器やアップグレードパーツの解放、アイテムとアビリティの設定が新機能で入っています。
アイテムにはシールドを展開するもの、仲間を回復するもの、敵を自動的に攻撃するターレットなどが用意されています。対戦ごとに入手できるクレジットで解放していくことができます。
アビリティは「リロード時間の短縮」や「防御力アップ」「敵の設置アイテムをハッキングする」など機能もさまざまなものが用意されています。アビリティは攻撃タイプ、トリッキータイプ、サポートタイプなど役割が分かれており、既存のFPSのクラス分けのような意味合いを持っています。
――Q:マルチプレイではバイタルスーツ(VS)は登場しますか?
アンドリュー氏:バイタルスーツ(VS)は過去作で登場したものとほぼ同じで動きも早く、ダッシュ機能などもついています。ただ本作では乗り込むとコクピットビューに切り替わるのが特徴です。デザインも新しく作っています。
発売後のDLCやコラボレーション
――Q:アンドリュー氏が登場する詳しいプレイ動画を配信した理由を教えて下さい。
アンドリュー氏:本作は触ってもらうのが一番のタイトルなんですが、体験会などだけではどうしてもすべてのユーザーさんに触ってもらうことができません。それを実況付き動画で見てもらうことで「ああ、そういうことだったんだ!」と設定や開発思想などが伝わればいいなと思って作りました。
――Q:体験版の配信の予定はありますか?
アンドリュー氏:今回はないんです。いろいろ悩んだんですが、本作には探索と物語が続き、切れ目があまりなく、操作などもチュートリアルを進めながら飲み込むことが多いので、10~15分だけ遊ぶ体験版が作れませんでした。また無理にそれを作ってしてしまうとこのゲームの良さを失ってしまいそうだったので、まずはぜひ動画で感じてもらえれば嬉しいです。
――Q:映画「パシフィック・リム」とコラボした理由を教えて下さい。
アンドリュー氏:同じくロボットと怪獣を扱っている作品ですし、僕自身がこの映画のファンだから、ということもあります。なので実現が本当に嬉しい限りです。
――Q:予約特典・購入特典などは用意していますか?
アンドリュー氏:数量限定特典として、豪華なDLCがついてきますよ。海外ではこんなに豪華な特典は付きません(笑)。武器やキャラクタースキンなど、マルチプレイではかなり有利になります!しかもゲーム内では入手不可能なので、ぜひ手に入れてもらいたいです。ジムの奥さんやバイオハザードシリーズのハンク、オールドゲイルも登場します。
――Q:最後にこれから本作を購入しようと思っているファンに向けてメッセージをお願いします。
アンドリュー氏:本作は、時系列的にも第一作「ロストプラネット エクストリーム コンディション」より前の時代の物語で、まったく予備知識を必要としませんし、今までシリーズに触れたことのない人も取っ掛かりとしてぜひプレイしてもらえればと思います。もちろんシリーズが好き、シューターが好きという人、SF大好きの人にも楽しめるようにオマージュも散りばめていますので、一度手にとってもらえると楽しめると思いますので、よろしくお願い致します!
――ありがとうございました。
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