日本マイクロソフトは、「東京ゲームショウ2013」開催中の9月20日に、Xbox Oneダウンロード専用タイトル「D4:Dark Dreams Don’t Die」タイトルセッションを実施した。
「D4:Dark Dreams Don't Die」は、株式会社アクセスゲームズの日本人ゲームクリエイター「SWERY」氏が手がける、エピソード形式のXbox One専用サスペンスアドベンチャー。妻を殺害された主人公が、過去に飛べる特殊な能力を駆使して事件の真相を解き明かし、できることならその事件の発生を未然に防ごうとする。
「東京ゲームショウ2013」開催中の9月20日に開催されたタイトルセッションでは、開発を担当する株式会社アクセスゲームズ「SWERY」氏より、ゲームの概要を実機デモンストレーションで紹介してもらったので内容をお届けしよう。
「D4:Dark Dreams Don't Die」は、サブタイトルの単語の頭文字を取って「D4」と名付けられており、Xbox One専用のダウンロードタイトル。特にXbox One Kinectで遊べるようなチューニングをしており、エピソード形式でTVドラマのように各話が配信される予定となっている。
本作の主人公「デイビッド・ヤング」は特殊能力を持つ探偵で、「メメント」と呼ばれる記憶のこもったオブジェクトに触れることで実際に過去の世界を行き来することができる。彼はその能力を使い、過去に殺害された妻の事件を追っているが、2年経っても未だ犯人はおろか、真相にもたどり着けていない、という物語だ。殺された妻は死の間際に「Look for D(Dを探して)」という言葉を残したため、そのキーワードを重要視しているようだ。
SWERY氏による実機デモンストレーションは、飛行機のトイレ内部からスタート。本作では座った状態でKinectを使ってすべての操作ができるようになっており、プレイヤーが手を開いた状態でかざすと画面内を選択、手を握ってグーの状態ではアクションを実行する。また行動するためにはスタミナを消費する。Kinectでは姿勢も感知してキャラクターの視点も変わる。
洗面台で顔を洗ったり、トイレの洗浄ボタンを操作したり、ドアを開いたり、キャラクターが何気なくする人間の動きもKinectの機能を使用して直感的にコントロールが可能。しかも無理に動くわけではなく、さりげなく操作できる印象を受けた。
トイレを出ると、CAの女性「Olivia Jones」とぶつかってしまうデイビッド。もちろんボイスコマンドにも対応しており、カットシーンで表示された選択肢のフレーズを実際の声で話すことができる。選択肢によって相手の反応も変わるようだ。任意のキャラクターにこちらから話しかけることもできる。
ちなみにゲーム内でデイビッドがチューイングガムを噛んでいるが、もともと彼はガムが嫌いだが、死んだ妻が好きだったガムをずっと噛んでいるという少し切ない設定も散りばめられている。
次のシーンでは、過去の飛行機に飛んできたデイビッドが「D」にまつわる怪しい人物を追っていく。飛行機の中の電子レンジや荷物入れなどいろいろな箇所を探すとゲーム内で衣装やフードなどアイテムと交換できる「クレジット」を入手することも。
座席に座っている、強面で顔に傷のあるキャラクター「Derek Buchanan」は、デイビッドがこの飛行機に飛ぶ理由となったメメントを持っていた人物。彼の体を触れれば持っているものを落とさせるようなイタズラもできる。
会話シーンやアクションシーンなどさまざまな箇所で「シンクロ率」が表示され、デイビッドが取るべき行動とプレイヤーが選択した行動が近いと(シンクロする)と数値が高くなる。
また、こめかみを触れるようなアクションをすると、ビジョンモードになり、怪しい場所や調べるべき場所などがハイライトで表示される。どこを調べればいいか迷った時に重宝する。
謎のファッションデザイナー「Duncana&Sukey」や、見るからに怪しげな「Antonio Zapatero」など個性的すぎるキャラクターも登場するが、物語にどのように絡んでくるか楽しみである。
本作ではトラブルもつきもののようで、時には戦わなければならないことも。コンバットシーンでは画面のアイコンに従ってさまざまな方向に片手や両手をスライドさせて展開を進める。入力に失敗しても分岐をしながら話は進んでいく。
また重要なシーンではダイナミックなQTEが発生。今回はデイビッドがマネキンの足でバット、相手はボールを投げつけ、野球の対決がスタート。ここではプレイヤーがバットを持つような仕草をして、球が飛んできた時にはタイミングを合わせてバットを振る。
デモはここで終了。本作はKinect対応タイトルだが、コントローラでももちろんプレイも100%サポート。SWERY氏によれば絶対にKinectで遊んだほうが面白さを感じることができるとのことだ。さまざまな個性的なキャラクターとデイビッドの妻の死の真相、果たして犯人は存在するのか?先が気になってしょうがないが、ひとまず続報を待ってもらいたい。
質疑応答
――レンダリングにカートゥーンを使用した理由は?
SWERY氏:次世代機でゲームを開発するにあたっていろいろなスタイルを研究しました。グラフィックは向上してトレンドになっていくと思いますが、本作はエピソード形式で配信をしていくので、ユーザーさんが今後遊ぶ際に過去のグラフィックが古いと感じないように採用しました。
――バッドエンドなどはありますか?
SWERY氏:マルチエンディングではありません。メインストーリーはひとつで分岐してもメインのシーンに戻るようになっています。ただ他の選択肢も力を入れて作っているのでぜひ見てもらいたいですね。
――なぜXbox Oneでリリースしようと思ったのですか?
SWERY氏:いろいろな選択肢があったんですが、本作の重要なコンセプトとして「物語への感情移入」がありました。ゲームの構想は2010年頃にあったのですが、その頃にXbox 360のKinectを初めて見たのがきっかけでゲームデザインと一致したのでMicrosoftさんにお話を持っていきました。
――Xbox 360には対応しないのでしょうか?
SWERY氏:その予定はありません。座った状態の操作や、手の形の認識、音声認識機能などXbox OneのKinectでないと実現できないことも多かったからですね。
――マルチプレイの要素はありますか?
SWERY氏:他のユーザーさんとマルチプレイなどを楽しむことはできません。その代わりXbox Oneのクラウドサービスにはすべて対応する予定です。
――本作はTVシリーズのようにエピソード形式で配信されますが、最終話があるとしてどのくらいの期間で物語は完結するのでしょうか?
SWERY氏:メインストーリーはほぼ完成しているのですが、それをどのような本数で配信するのかなどは現在調整中となります。サイドストーリーや自分の家でのちょっとしたエピソードも存在します。
――現在の完成度はどのくらいでしょうか?
SWERY氏:80%くらいとなります。
――発売後のDLCなどは予定していますか?
SWERY氏:はい。内容は調整中ですがキャラクターの衣装やサイドエピソードなども可能性はありますね。
――1つのエピソードは何時間くらいでしょうか?
SWERY氏:メインストーリーの1つのエピソードで2時間です。そのほかのやりこみ要素なども入っています。
――ありがとうございました。