【TGS 2013】アークシステムワークスブースで行われたPS3「ブレイブルー クロノファンタズマ」のステージイベントを紹介―第七機関の天才科学者「ココノエ」がプレイアブルとしてついに参戦

当日、「アークシステムワークス」ブースではプロデューサー・森利道氏によるステージイベントが行われた。ステージに夏らしい爽やかな姿で登場した森氏。当日履いて来たサンダルが、PS3「ブレイブルー クロノファンタズマ」の出演や、同社が発売予定のPS Vita「月英学園 -kou-」にて原作を務める声優・杉田智和さんからの誕生日プレゼントだと嬉しそうに語る場面や、先日結婚されたタオカカ役・斎藤千和さんへの祝辞などもあった後、メインスクリーンにて本作の紹介PVが映された。

PVでは、飛蘭さんの歌う新オープニングテーマ「Blue sanction」をバックに、これまでのシリーズにおけるストーリー展開を示唆するようなパノラマが流され、PS3版からのプレイアブル新規参戦キャラクター（およびシリーズ跨ぎの復活キャラ）となる「カグラ=ムツキ」、「ユウキ=テルミ」の他、アーケードでは時限解放となった「イザヨイ」、前々シリーズにて物語の核となっていた「ν-13（ニュー・サーティーン）」が登場した後、本作からの新規技や見どころ満載のキャラクタースチルが紹介されていた。

壇上では、格闘ゲームにも関わらず「なげえよ！」と関係者に突っ込まれたという従来のシリーズのストーリーモードについて、今回はどうにか20時間にまとめようとしていたら、気が付いたら30時間になってしまった語る森氏。ゲーム中に登場する選択肢や、バトルの結果によって分岐していくシリーズお馴染みのシステムも備わっているようなので、純粋にやり応えだけがアップした作りであるのが感じ取れる。

本作では、新たな試みとして「クロノファンタズマ編」「六英雄編」「第七機関編」という全3篇で構成されており、「ブレイブルー カラミティトリガー」や「ブレイブルー コンティニアムシフト」に至っても今だ謎の多い「ブレイブルー」シリーズの物語を、本作にて「出来る限り謎を解明していく」とのこと。個々人の思惑や所属、世界観における複雑な設定をなるべく分かり易く、どのキャラクターが何をしたいかを同時並行させながら、明確に判明させていくというので、今までのプレイヤーの人はぜひ期待しておこう。

クロノファンタズマ編では、前作のラストで階層都市を連ねる「イカルガ連邦」へと赴くこととなった面々たちと新規参戦となる「カグラ=ムツキ」を中心に、「世界虚空情報統制機構（通称：図書館）」や「第七機関」、そして物語の黒幕とも示唆されている人物など、様々な勢力が暗躍するストーリーが描かれていく。なお、本編のシナリオは森氏直々の執筆となっている。

六英雄編は、富士見ドラゴン・ブックより発売されている小説版「ブレイブルー フェイズシフト」シリーズに登場するメインキャラクター「セリカ=A=マーキュリー」を始めとする、シリーズ時間で約100年を遡った「第一次魔道大戦（暗黒大戦）」時代の「過去の人物達」に焦点があてられている。本編では、前作の物語後半にも登場した、セリカの姉であり後に六英雄として名を連ねることになる魔法使い「ナイン」や、「プラチナ=ザ=トリニティ」の内にある人格で、現在の姿を取る前の「トリニティ」などが登場し、「蒼の物語」の原点が語られることとなる。

小説版からはゲームシリーズとはまったく異なりながらも一つに繋がっている、本シリーズのシナリオの深さを読み取ることができるので、気になる人はゲーム発売前に読んでみてはいかがだろう。なお、本シナリオの執筆は小説版の著者である駒尾真子氏が担当しているぞ。

さらに、本シナリオにも大きくかかわり、今回初回封入特典にて新規プレイアブル参戦が決定した「ユウキ=テルミ」は、初回以降に有料での配信が予定されている。後の六英雄の一人であり、いまだにその存在と目的に謎も多い彼が、本作でどのように描かれるのかにも注目だ。

第七機関編は、これまでのストーリーで主軸であった統制機構と対立し、魔法や化学といった点から物語に大きく関わる組織「第七機関」の行動を描くシナリオ。

そして今回、当組織に所属し、名前だけでは「ブレイブルー カラミティトリガー」から登場していた「ココノエ」の新規プレイアブル参戦が発表された。ココノエは、テイガーやΛ-11の生みの親であり、今までの第七機関に絡む話の殆どに関わっていながらも、今までプレイアブルとして触ることはできなかった。しかし、「いつかプレイアブル化したい！」とラジオなどで苦節数年語っていた担当声優・松浦チエさんの活躍もあり、ついに本作にて参戦することが明かされた。

なお、ココノエはダウンロードコンテンツによる配信となり、配信時期は未定とのことなので続報に期待しよう。

本作では、従来よりも格段にパワーアップしたネットワークモードが搭載されている。プレイヤーマッチの新機能や、ゲーム内の世界である階層都市をモチーフにした家庭用格闘ゲームでは類を見ない「オンラインロビー」など、「バーチャルゲーセン」を作りたいという想いをコンセプトに作り上げたと森氏は語った。

簡単な例を挙げると、8人部屋の内2人の対戦を6人が観戦するといった格闘ゲームのコンシューマ版にありがちな仕様も、本作では8人が全て2人ずつに分かれての同時対戦が実現するという。そのため、これまでにあった観戦時間を削り、自由な組み合わせで対戦することが可能となるため、勝ち抜けや負け抜けであまり手番が回ってこないという自体を避け、より手軽に気軽な対戦環境が実現されているぞ（詳細についてはこちらをチェック）。

TVアニメ「ブレイブルー オルタ―メモリー」について森氏は、「いつかブレイブルーをアニメ化したい！」「絶対にゲームのオリジナルのキャストでやりたい！」という想いをシリーズ立ち上げから持っており、今回ようやく実現したと語った。本アニメでは、前述したようなゲーム版の複雑さをある程度分かり易く、尚且つ今まで培ってきた原作の色を損なわないよう構成したというので、本作から入る人や、アニメから入ろうと思っている人は忘れずにチェックしておこう。

森氏は最後に、「今後もブレイブルーという作品をこれまで以上に幅広く展開させていきたいが、やはり格闘ゲームというシリーズの中心を大事にし、これからも格闘ゲーム界を盛り上げていきたい」と語り、ユーザーやスタッフ、関係者皆の愛が詰まったこのステージのテーマを「愛」とし、大きな号令のもとステージを締めた。