スクウェア・エニックスとエヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)は本日9月30日、CEATEC JAPANの会場内にて共同記者会見を実施し、クラウドゲーム版「ドラゴンクエストX」の発表を行った。

前田義晃氏
前田義晃氏

会見ではまず、NTTドコモのマーケットビジネス推進部長 前田義晃氏が登壇し、同社のプラットフォーム「dゲーム」や、そこで提供されるクラウドゲーム版「ドラゴンクエストX」の概要について説明を行った。

dゲームは2012年12月からサービスが始まり、現在は約40タイトルが提供されている。タイトルラインナップはソーシャルゲームを中心としたブラウザゲームが多いが、クラウドゲームに対応していくことで、前田氏は「さまざまなデバイスで、リッチなゲームも楽しんでいただけるよう取り組んでいきたい」とした。そしてdゲームでの初クラウドゲームタイトルが「ドラゴンクエストX」となる。

クラウドゲーム版「ドラゴンクエストX」は今冬(2013年12月から2014年2月)の配信予定で、まずはNTTドコモのタブレット「dtab」向けに提供される。それ以外の端末には順次対応予定となっている。

また、前田氏からはメタルスライムをモチーフにしたコラボ端末も披露された。この端末には、限定アプリ「ドラゴンクエスト いつでも冒険ダイス」がプリインストールされるなど、随所に「ドラゴンクエスト」の世界観を盛り込んでいるとのこと。

コラボ端末専用アプリは会場にて先行展示されていた。

この後は「ドラゴンクエストX」プロデューサーの齊藤陽介氏と、ゲームデザイナーの堀井雄二氏が登壇。2012年8月のWii版を皮切りに、2013年3月にWii U版、9月にWindows版を発売したという、本作のこれまでの展開を説明した。それに続くクラウドゲーム版の紹介では、タブレットでの実演が行われた。

デモプレイはサーバー21番(取材撮影OKの人向け)で行われたため、一般のプレイヤーが集まり賑やかな状況だったが、戦闘シーンを始め、タブレット向けに開発されているメニュー画面などを見せてくれた。UIは今後も改良を続けていくようで、ボタン配置に慣れたプレイヤーは余分なUIを非表示にして、すっきりした画面で遊べることも明かされた。

反応速度については会場のスクリーンの映像を見ている限りストレスなく遊べそうで、齋藤氏も「現在提供している3つのプラットフォームと変わらないぐらいで遊べます」と自信を見せていた。

齊藤陽介氏

さらに堀井氏からは、スマートフォン版のデモプレイが行われた。こちらは有線で繋いでいたタブレットと異なりWi-Fiを使用していたせいか、視点移動の際にはカクついている様子だったが、操作キャラクターをジャンプさせるといった既存のアクションを行い、実際にスマートフォンで動いていることを披露してくれた。

会場では多くのWi-Fiが使われていたことや、そもそも開発中であることを考えると、今後どれだけ最適化などが行われ、一般的な利用環境ではどれだけのパフォーマンスを発揮してくれるのかが注目どころだろう。堀井氏も「皆さんが持っているスマートフォンでMMOが遊べるというのは、未来的な感じだと思います」と述べていた。

堀井氏は実物のコラボ端末も披露。近いうちに発売日などを発表できるのではと話していた。
会場には参考出展として、Bluetoothでゲームコントローラと接続した状況の実機が展示されていた。

会見での発表内容は以上となるが、最後に質疑応答が行われたので、その内容もお届けしよう。

――クラウドゲーム版はすでにサービスされているWii/Wii U/Windows版と一緒に遊べるのでしょうか?

齊藤氏:デモプレイだから公開サーバーを使ったのではなく、製品としてdゲームで提供が開始されてからも同じサーバーで遊ぶことができます。これから始める方も、友達と別のサーバーになってしまう心配はないので、ご安心ください。

――ゲーム内容はほかのプラットフォームと同じになるのでしょうか?

齊藤氏:クラウドゲーム版はWindows版をベースにカスタムしたものとなっていますので、全く同じ内容を遊ぶことができます。

――Wii/Wii U/Windowsのほかにもまだ多数のプラットフォームがあるなかでNTTドコモを、スマートフォンを選んだ理由は何でしょうか?

齊藤氏:いろいろとお話をさせていただいた中で、dゲームというプラットフォームで積極的にゲームタイトルのラインナップを揃え、お客様に楽しんでいただきたいという話がありました。私たちもなるべくたくさんのお客様に遊んでいただきたいという思いは同じで、その積極的な部分でお互い目指すべきところが合致したので取り組ませていただきました。

――dゲームはほかの携帯電話キャリアのユーザーもドコモIDを取得すれば利用できますが、他社のスマートフォンユーザーもdゲームを介して遊べるようになるのでしょうか?

前田氏:マルチキャリアでサービスを提供するというdゲームの方針はこれからも変わらないと思っておりますが、dtabから対応すると申し上げた通り、しっかりとしたクオリティでお客様に届けられるようにやっていきたいと思っております。そのため、まずはドコモの端末でクオリティチェックをしたうえで、魅力あるゲームをお使いいただきたいと考えております。ただ、将来的な方向性としては、スクウェア・エニックス様を通じてさまざまな方に広くお使いいただけることを目指しております。

――対応端末がdtabからなのは何か理由があるのでしょうか?

前田氏:これだけのクオリティを誇るゲームなので、まずはそのインパクトを余すことなくお伝えできるよう、大画面のタブレット端末から提供させていただこうと考えました。ただ、この端末に限定されるものではありませんので、新しい端末への対応もなるべく早いタイミングで拡大していきたいと思っております。

――利用権チケットの価格や形態、キッズタイムなどの料金形態はどうなるのでしょうか?

前田氏:こちらはさまざまなプランを考えておりますので、詳細は追ってお伝えさせていただきたいと思います。

齊藤氏:利用権のチケットについては、現在30日、60日、90日ですが、クラウドゲームでは短くて安価なプランも検討しております。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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