2014年8月23日、スクウェア・エニックスは、「ガンスリンガーストラトス2」の公式大会「GUNSLINGER’S BATTLE ARENA -HOPE-」の決勝トーナメントを東京国際フォーラムにて開催した。激闘が繰り広げられた大会の模様をお届けする。
「ガンスリンガーストラトス2」は、「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」シリーズでも知られるバイキングが開発を担当したオンラインマルチ対戦型ダブルガンアクションゲーム 。「魔法少女まどか☆マギカ」などのヒット作を手がけた虚淵玄氏が世界観構築を担当したことでも話題を呼んだ。
本作ではダブルガンデバイスと呼ばれる銃を模したコントローラーを使って操作する。ダブルガンデバイスは通常の2丁持ちだけではなく、それぞれに横と前後に連結させることで、使用する武器に応じたスタイルに操作方法をガラリと変えることが可能になっている。4人チーム同士による全国対戦モードでの対人戦がメインだが、他にも一人でも楽しめるストーリーモードや他プレイヤーとの協力ミッションなど、プレイスタイルに応じた豊富なゲームモードが用意されているのも特徴だ。
「2」になってから初の公式大会となる本大会では、総勢1392名ものプレイヤーによるエントリーが行われ、用意された賞金総額はなんと500万円。国内最大規模となる賞金をかけて、全国各地から集まってきた猛者たちによる激闘が行われた。
まず大会が始まると、ナビゲーターを務めるブンブン丸さんに加え、阿部敦さん(風澄徹役)、植田佳奈さん(竜胆しづね役)、西田雅一さん(片桐鏡磨役)ら3人とも熱心な「ガンスリンガーストラトス」のプレイヤーとして知られる出演声優3名が登場。本作はコストの管理や武器の特徴、状況に応じた戦術の変更などとにかく戦闘中の情報量が多くそれを把握するだけでも大変なゲームなのだが、既に何度も大会のレポーターとして参加しているだけはあり、しっかりと試合の内容を分析しながら適切に状況を会場に伝えるという見事な解説を披露してくれていた。
続いてここまで厳しい予選を勝ち抜いてきた猛者16チームが登場。それぞれに個性的なパフォーマンスで会場を沸かせつつ、大会の結果を大きく左右することになる組み合わせ抽選会も行われた。
さすがにここまで勝ち進んできたチームだけあり、1回戦からいきなりハイレベルな戦いが繰り広げられた。その中でも大きな盛り上がりを見せたのが、プロゲーマーとしても知られるふーどさんが参加している、前回大会の優勝チームである「勝ちたがり」と、「日帰りミャンマー遠征」との対戦だ。
同じ池袋をホームにもつ有名チーム同士の対戦ということもあり、既に抽選の段階から会場のボルテージは最高潮だったのだが、試合もそれに相応しい熱戦が展開。「日帰りミャンマー遠征」の超攻撃的な編成による全員での突撃が完成された「勝ちたがり」の完成された連携を見事に荒らして崩し、対する「勝ちたがり」も負けじと粘るも、最後は「ミャンマー遠征軍」の果敢な攻撃が相手の戦術を見事に封じて勝利。優勝候補の筆頭を倒すという大金星と素晴らしい名勝負に、勝利の瞬間割れんばかり歓声と拍手が両チームに送られていた。
続く2回戦でも、それに負けない接戦が展開。今回は全3戦中2勝を先取した方が勝者となるルールとなっており、1回戦では全ての組み合わせで勝利チームが早々と2勝して勝ち上がりを決めていたが、ここからは互いに1勝を決め3戦目までもつれ込むという展開が続出。「勝ちたがり」と並んで優勝候補と目される「にょん」チームと「ピクピクしてるよエアバさん」チームの戦いでは、互いに1勝ずつ勝利しての3戦目に突入。「ピクピクしてるよエアバさん」チームが優勢を作りあと一歩の所まで追い詰めるも、「にょん」チームはラストの起き攻めからのワンチャンスをもぎとって逆転勝利を決め、土壇場での勝負強さを見せつけるなど、最後の最後まで試合結果が読めない互角の勝負が繰り広げられていた。
そうして激闘の1・2回戦を終え、勝ち上がってきたのは以下の4チームだ。
- にょん(真加部主水、風澄徹、篠生茉莉、ジョナサン・サイズモア)
- 日帰りミャンマー遠征(羅漢堂旭、真加部主水、ジョナサン・サイズモア、竜胆しづね)
- ヤフミファントム(蘇芳司、片桐鏡華、リカルド・マルティーニ、ジョナサン・サイズモア)
- お前、撃ち勝ったら俄な(羅漢堂旭、ξ988、レミー・オードナー、篠生茉莉)
ベスト4が出そろった所でいよいよここから準決勝が行われることになる……かと思いきや、試合前に阿部さん、植田さん、西田さんら声優陣の熱演によるスペシャルミニドラマが上映されるというまさかのサプライズ。内容は風澄、しづね、鏡磨の3人が、適格者育成のためのプログラム「ガンスリンガーストラトス」の進行状況を確認するために過去(つまり大会が行われている現在の会場)にやってくるというユニークなもので、大一番での戦い前に、笑いで緊迫が高まる会場の雰囲気をほぐすのに一役買っていた。
そんな小休止を挟みつつ、準決勝からはそれぞれのチームから試合に向けての意気込みなどが語られると、戦いの舞台はクライマックスへ。どのチームが勝ってもおかしくない素晴らしい試合の連続の中、準決勝を勝ち抜いたのは優勝候補「にょん」と、本大会では数少ないジョナサン抜きの編成で勝ち進んできた「お前、撃ち勝ったら俄な」の2チーム。お互いに相手のホームステージでの試合に勝利し、3戦目にもつれ込むというまさかの展開に。
見ている側も手に汗握る互角の戦いとなったが、序盤の不利を巻き返して逆転、見事栄光の座を手にしたのは「にょん」チームに決定!
決勝戦で惜しくも敗れた「お前、撃ち勝ったら俄な」は2位、3位決定戦に勝利した「ヤフミファントム」が3位となり、試合後には互いの健闘を称えて固い抱擁と握手を交わすという爽やかな一幕も見られていた。
大会後に行われた表彰式では、スクウェア・エニックス プロデューサー 門井信樹氏の手から優勝チームである「にょん」に優勝賞金・300万円とトロフィー、優勝チームのみに許されたEXアイコン「CHAMPION」に、レッドブル1年分、そして称号「夜明けを呼ぶ一筋の光」と盛りだくさんの賞品が授与された。2位と3位のチームにもそれぞれ賞金150万・50万円が手渡され、更に決勝トーナメントに出場した全チームに「数多の悲しみを狩る者」という称号が贈られると、そのカッコイイネーミングに会場からは大歓声が上がっていた。
その後はスクウェア・エニックス 代表取締役社長 松田洋佑氏も会場に駆けつけ「逆転に次ぐ逆転、非常に熱い戦いをみせていただきました」とプレイヤーたちの健闘を称えると、最後は門井氏が「HOPEというサブタイトルに相応しい、素晴らしい大会ができたと思っています。これから、皆さんと一緒にゲームも成長していければ」と「ガンスリンガーストラトス」の今後の更なる盛り上がりを示唆しながら総括し、数々の名勝負を生み出した大会を締め括った。
そうして幕を閉じた本大会だが、その中でも特に印象的だったのが、あと一歩が届かず敗退してしまったチームのとあるプレイヤーが悔しそうにするチームメイトに「すげぇ楽しかったからいいって!」と声をかける姿だった。試合の最中は勿論全員が真剣そのものなのだが、全員がその試合を心から楽しんでいる様子が伝わってくるほど生き生きとプレイしており、試合が終われば例え負けても素直に相手のプレーを拍手で称えて勝利を喜び合える。そんな爽やかな光景こそ、門井プロデューサーのいう「HOPE」というタイトルに込めた意味なのかもしれないと考えさせられる、素晴らしい大会を目に焼き付けることができた。
さらに大会後のスペシャルイベントでは新キャラクター「羅漢堂凛」の参戦に、次なる公式大会である「スーパー勝ちたがりGP」の開催も発表され、更なる広がりを見せること間違いなしの「ガンスリンガーストラトス2」。今後の展開に要注目だ。