2014年10月29日に5pb.より発売された原由実さんの5thシングル「Crossover」。シングル発売に合わせ、メディアを招いての合同インタビューが行われた。

2012年に1stシングル「HANABI」を皮切りに、わずか2年の間に4枚のシングルと1枚のアルバムをリリースし、声優業と共にアーティスト活動も好調の原由実さん。今回は、遂に自身初ノンタイアップの表題曲となる「Crossover」、カップリングに「Dear blue sky」(ゲーム「この大空に、翼をひろげて CRUISE SIGN(以下、この大空に、翼をひろげて)」イメージソング)、「虹色」の3曲を収録した5thシングルも発売された。DVD付き限定盤には、原さんの出演するMVとメイキング映像も収録されている。

DVD付盤 通常盤

今回はレコーディングのエピソードからMVの撮影秘話まで、さまざまな裏話を聴くことができたインタビューの模様をお届けする。

原由実さん

――まず、5thシングルの発売が決定した時の気持ちを教えてください。

原さん:最初に「この大空に翼を広げて」のイメージソングを担当させていただくことになった後に、表題がノンタイアップの楽曲となることをお聞きしました。タイアップでは、作品の世界観に合ったものであったり、ファンの方々が作品と楽しんで「いいな」と感じて頂けるような楽曲作りを目指すのですが、ノンタイアップは純粋な音楽だけで勝負しないといけないので、本当にドキドキしていましたね。

――「Crossover」はロックでノリのいい、原さん自身も非常に好まれそうな楽曲ですね。

原さん:最初にどんな楽曲にしようかとお話した時、すでに3パターンの曲調を用意してくださっていたんです。今までもロック調の楽曲はいくつか歌ってきたのですが、今回はよりそのイメージを印象づけたいという想いもあって、その中からあえてロックチューンなものを選ばせていただきました。

――今回は初のノンタイアップということで、拘った部分はありますか?

原さん:曲のコンペに関することもそうですし、アレンジの雰囲気に対するこちらの要望もたくさん盛り込んでいただきました。これまで表題曲に関しては、ほぼ出来上がったものをいただいてから歌に集中するという形が多く、本格的に製作に関わったことがなかったので、今回はとても思い入れの強い楽曲になりましたね。もちろん歌に関しても気合いを入れていて、自分が本当に好きだと思っている形に少しでも近づけられるよう、全ての部分に拘らせていただいています!

――レコーディングの際の想い出などがありましたら教えてください。

原さん:今回は作曲を担当された方が現場にいらっしゃっていたこともあって、曲の魅力を最大限に引き出したいという想いが特に強かったです。すごく曲がかっこいいこともあって、最初に歌った時に自分の歌が曲に負けてしまっているなと感じてしまい……納得がいくまで、何度も録り直しましたね。

――そんな大変な苦労もあった「Crossover」ですが、気に入っている部分はありますか?

原さん:実は、今回歌詞もコンペで私が選ばせていただいものなのですが、偶然にも「風のオーケストラ」を担当していただいたワラビサコさんの詩だったので、すごく馴染みやすかったです。先に「Crossover」というタイトルが先に決まっていたので、これが曲の中でどんな風に使われるのか楽しみにしていたら、サビの終わりの一番印象的な部分で使われていて。とても心に残るフレーズになっているので、すごく気に入っていますね。

――PVや詩からは、都会的な印象を受けました。今回、このような曲にしようと考えた理由などはありますか?

原さん:まず自分自身がロックが好きということもあって、これまで何度も歌わせて頂いているのですが、その印象を強くするためにも表題曲としてロックを一度出しておきたい、という意図はありました。偶然なのですが、今回制作陣が日頃お世話になっている方々だったので、いつも歌わせて頂いている時の空気感で安心して収録に挑めたのはありがたかったです。

歌詞に関しては、都会的という制限とかは特に設けてなくて、コンペで上がってきたものも結構バラバラでした。この曲を選ぶ決め手になったのは、全ての曲を一度声に出して歌ってみた時に、すごく印象的なワードが入りつつも、曲のもっている世界観にマッチしていて、違和感を一切感じなかったんです。そうした感覚は実際に歌ってみないと分からないので、歌詞そのものを読んでというよりも、実際に歌にのせた時、自分自身が曲にハマって気持ちよくなれるか、という点を重視して選ぶようにしています。

――それらは、2年間アーティスト活動を経験した結果として、自分がなりにやりたい表現への欲が出てきたということでしょうか?

原さん:多分、そういうことなんだと思いますね。キャラソンの時は基本的にお任せするものというのは変わらないんですが、まだ上を目指せるラインというのが少しずつ見えるようになってきて、今回初めて「こういう風に歌ってみていいですか?」と自分から提案することができたんです。おそらく今後も、少しずつそうした自分なりの表現を思いついたりできるようになるのかな、と感じています。

――ゲーム「この大空に翼を広げて」とのタイアップソング「Dear blue sky」についてはどうでしょう。

原さん:収録前は、歌のお姉さんが歌うような爽やかな曲を個人的にイメージしていたんですが、ゲームの楽曲を担当されているツーファイブさんから「ウィスパーボイスで囁くような感じで」という明確なイメージの指示がありました。最初に自分の想像していたものと180度違っていたこともあって最初は大変だったのですが、いざ仕上がってみれば、曲のもつ爽やかさにブレスならではの可愛らしさという要素も加わり、とてもよくに雰囲気にマッチしているものが出来上がったと思っています。初めてお世話になる方々が多かったこともあり、普段とは違う自分をディレクションしてくださっていたので、非常にいい経験をさせていただけたかなと。

――一方、非常に可愛らしい曲調の「虹色」ですが、テーマや聞きどころについて教えてください。

原さん:「誰しも別れを経験するかもしれないけど、きっと大丈夫だよ」というメッセージが籠もった、応援ソングのようなイメージの楽曲です。Aメロはウィスパーボイスでかわいらしく、Bはそれと普段との中間、サビはいつもの私らしい感じと、場所によって歌い方を大きく変えるといるのですが、これは初めて自分から挑戦したいと提案させていただきました。その辺りは意識して聴いてみて欲しいですね。

――レコーディングで印象に残ったことはありますか?

原さん:Aメロでの入りを何度も間違えてしまったことでしょうか(笑)。「入りたい!」というタイミングからワンテンポ置いて入らないといけないのですが、ついちょうどのタイミングで入ってしまって。頭では分かっていても、反射的に歌いだしてから「あっ……」というのが何度もありましたね(笑)。

――今回のシングルは全体的に爽やかな曲が多いですが、原さんはやはり爽やかな曲を好まれるのですか?

原さん: はい、好きです! これまでキャラクターソングでもバラードやシリアスな曲を歌う機会が多かったのですが、今回は自由に担当できる曲が2曲もあったので、全体として普段とは違う雰囲気の明るい曲を多くして頂きました。

――今回のアーティスト写真は私服のような雰囲気ですね。凄くお似合いです。

原さん:私服っぽい写真がいいなと事前にお話はしていたのですが、当日に初めて衣装を着た時、「緑色の服が似合いますね」というのを何人かに言っていただいて。緑は今まであまり着たことがなかったので、終わったあとすぐ緑の服を買いにいきました(笑)。

屋外での撮影だったので、もっと衣装衣装したものだったら照れてしまっていたと思うのですが、普段着に近いものだったこともあり、比較的リラックスした状態で撮影に臨めました。

―― 今回は特に淡い写真が多いですね。

原さん:アーティスト写真のものが元の色味なのですが、そこから少し黄色が加わったような色合いになっています。その方がアーティスティックな雰囲気になるそうなので。写真は個人的には、通常版の自然な感じの服装での雰囲気も気に入っていますね。

――MVの出来もバッチリでした。

原さん:MVは朝7時頃からの撮影で、千駄ヶ谷のトンネルから始まって、最初の頃こそあまり通行人がいなくてやりやすかったのですが……普段からもよく行っている場所だけに、渋谷のスクランブル交差点での撮影は、本当に緊張しました。できれば他の場所がいいといろいろ提案したのですが、「Crossover」の「Cross」と掛かっているということもあり、結局スクランブル交差点に(笑)。今回、演出の関係で倍速での撮影に挑戦していたこともあって、非常に苦労しましたね。

その後はお台場での撮影になって、「スクランブル交差点の後なら何も恐くない」と思っていたのですが、お台場は観光をされている方が多かったのもあって、渋谷以上に注目が集まってしまいました(笑)。その分、お台場では夕方と夜の2パターンをしっかりと時間をかけて撮影できたので、カット数やバリエーションも増えてなかなか豪華な感じのMVに仕上がったと思います。

――スクランブル交差点では、どのくらいの回数を撮影されたのでしょうか?

原さん:10回はチャレンジしましたね。倍速で歌詞を覚えるというのがまず大変で、そうではないものの2パターンを撮影していたので、本当に何度も録り直していました。また今回、望遠カメラを使っての撮影だったので、カメラが何100メートル近く先にあって、端からみたら「あの人1人で何やってるんだろう?」みたいな状態で(笑)、とにかく緊張していたのを覚えています。

――そうした苦労の末、出来上がったMVを見てのご感想などがあれば。

原さん:勿論今までのMVも好きなのですが、今回はその中でも一番のお気に入りになりましたね。場所を変え、何度もカットを変えながらの撮影で、今までの10倍近い本数をとっていただので、その分素晴らしい仕上がりになっているかなと。夜のイルミネーションの雰囲気も好きですが、個人的には昼のカットが気に入っています。

――今や恐いものなしとなった原さんとしては、次の作品で「ここで撮影してみたい!」という希望はありますか?

原さん: もう一度スクランブル交差点をやるとなったらやはり躊躇しますけど(笑)。「Place of my life」の時も思ったのですが、外で撮影するのって結構好きだなと。地元で想い出の場所とかもたくさんあるので、いつか大阪で撮れたら嬉しいですね。外ロケの場合は天気にも左右されるのですが、「Crossover」の時は前日の予報が雨だったのが晴れたりしていたので、結構晴れ女なのかも(笑)。

――メイキングでは、「原由実の○○ラジオ」でお馴染みの「由実☆シュラン」も行われましたね。

原さん:実は、あの時昼のラーメンと夜のタコ焼きの2回分を撮っていたのですが、お腹がすきすぎていたのか、昼のラーメンを食べ終わった後で撮影をしていなかったことに気づいて、映像として残ったのは夜の分だけになってしまいました(笑)。ただ個人的には、ラーメンを食べていた時から「タコ焼き食べたいなぁ」と密かに思っていたので、食べられて満足です(笑)。

――発売記念イベントについてもお訊きします。原さんのシングルの発売記念イベントというと、ユニークなプレゼントがあることで有名ですが……?

原さん:これまでも私が布を切った名札やティッシュをくるくると巻いた線香花火など、手作りのものを用意していたのですが、今回も何かお渡しできたらなと思っています。是非、それも目当てにして来ていだだければ!(笑)

――今回歌われたものとは違う曲調で、歌ってみたい曲などがあれば教えてください。

原さん:一度、オシャレな雰囲気の曲は歌ってみたいですね。フレンチっぽいというか、洋楽チックな。

――それぞれの楽曲を聴かれる方々には、どんなシーンで聴いて貰いたいなどの想いはありますか?

原さん:1曲ずつ語らせていただくと、まず「Crossover」は曲自体の勢いがあるので「今からいくぞ!」みたいな気合いを入れる時、「Dear blue sky」は休みの日に空を眺めながらのんびりとする時、「虹色」は耳心地がよく寝る前に聴けば気持ちよく眠れそうですが、例えば故郷を離れて頑張っている方々が、昔を思い出して寂しくなった時などに聴いて貰いたいですね。

――初のノンタイアップということで、この後は今の勢いでご自身で曲を作ったり……という可能性はあるのでしょうか。

原さん:その話は以前からちょくちょくさせて頂いているんですが、まだできてないんですよ。最近ちょっとギターもサボりがちで、あまりよくないなとは思っているのですが。曲を作りたいという想いは強いので……来年の目標に掲げましょうか!

――記事になってしまうので、もう逃げられないかもしれませんよ(笑)。

原さん:えーっ!?(笑) あくまで来年の抱負ですが、頑張ります。

――それでは、最後に発売を心待ちにしているファンの方々へメッセージをお願いします。

原さん:今回は初のノンタイアップということで楽曲制作にも深く関わらせていただきました。その分思い入れが本当に強い一曲になったので、多くの方に聴いていただければと思います。よろしくお願いします!

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