シリーズ1作目が発売されたころと比べると「おネエ」という言葉が一般単語化したため、今なら「おネエ」と「チャンバラ」を合わせた造語だと言い放っても10人に1人くらいは信じそうなことでおなじみ(?)の「お姉チャンバラZ2 ~カオス~」のインプレッションをお届けします。
プレイステーション2のSIMPLE2000シリーズとして2004年の8月に登場した「お姉チャンバラ」も、Xbox 360やWii、PSPにPS3といろいろなハードで続編が発売されて、気が付けば10周年。
今回のゲームはPS4で発売されたタイトルで、当然ながらこの「お姉チャンバラ」シリーズの最新作になりますが、Xbox 360で2012年に発売された「お姉チャンバラZ ~カグラ~」とプレイステーション3で2013年に発売された「お姉チャンバラZ ~カグラ~ With NoNoNo!」からは神楽が主人公になっていて、過去の「お姉チャンバラ」シリーズの主人公だった彩は敵役としての登場。いつの間にか代替わりしていたんですよね。
まぁ、実際のところ、「お姉チャンバラZ ~カグラ~」と「お姉チャンバラZ ~カグラ~ With NoNoNo!」には有料の追加コンテンツとして彩&咲のキャラクターとストーリーが提供されていたので、彩が完全にプレイヤー側から撤退したわけではないのですが……。
しかし、しかしですよ。今回、PS4向けに発売された「お姉チャンバラZ2 ~カオス~」のパッケージには神楽と彩が登場。パッケージの裏側には沙亜也と咲が印刷されていて、神楽&沙亜也姉妹と彩&咲姉妹が同等に扱われているんですよ。
というわけで神楽&沙亜也姉妹はともかく彩&咲姉妹も気になる中、早速ゲームを始めていきましょう。相変わらずたくさんのモードがありますが、迷わず「STORY」を選択。難易度は「CASUAL」と「MEDIUM」などから選べるので、「MEDIUM」で強気に攻めていきます。
最初に前作の説明が入り、結構速いペースでテキストが表示されるので、とにかく頑張ってテキストを読んでいきましょう。簡単な操作説明が入り、いざゲームが始まったと思ったら、彩が果敢に攻めて来てプレイヤーが操作する神楽が吹っ飛ばされてしまいます。
えっ? 何?? と思いながらも操作をしていると、どうやらチュートリアルが始まっているようです。彩と咲に攻められながら簡単な操作に慣れていくと、咲が参戦。そして、画面左上にある沙亜也のゲージの横に「I’M READY」と表示されるとクロスマージコンビネーションを発動できるので、タッチパッドボタンを押すと沙亜也が参戦。神楽&沙亜也vs彩&咲のバトルが展開していき、適度なところで自然とオープニングへと突入します。
どうやらこれは前作のエンディングのシチュエーションのようですね。前作はスタッフロールが神楽&沙亜也vs彩&咲のバトルだったので、まさにその状況からの展開です。
そして、物騒なことに突然棍棒を持った女が登場。
仮面をしているけどこの容姿はミ……たことがあるような気がするも、彼女の攻撃で床が壊れて落下していく4人。前作でボスのカルミラが座っていた椅子に緑の髪の女が座っていたのですが、彼女はいったいどなたなのでしょうか?
落下したときに離れ離れになった4人。しかし、彩と神楽が同じ場所に落ちたので、二人での行動になります。何気に差し込まれるアメコミ的なイラストとコミック的な演出がかっこいいですね。
通信でアンナとのやり取り。前作で神楽と沙亜也がZ.P.Fに所属した後やり取りしていたのってアンナだったのか。そういえば、前作ではZ.P.Fが彩と咲を死んだものと思っていたはずだったけど……この通信でバレてしまったってことですかね。
アンナとやり取りしながらもバトルはすでに始まっています。次々と現れるゾンビを避けて進んでいくと閉じ込められてしまい、ゾンビを一定量倒さないと結界から抜けることができません。敵をロックオンし、攻撃が敵にあたる瞬間などの特定のタイミングでボタンを押すと、青い光とともに発動するCOOLコンビネーションでゾンビを倒していきましょう。
神楽を操作しているときにダメージを喰らってしまっても、体力ゲージが灰色状態になっている部分は×ボタンと□ボタンの同時押しで徐々に回復させることができます。この技はブラッド・リカバリーで吸血族だけが使える技なので、ゲームに慣れていない内は彩よりも神楽を使った方が無難です。
さて、道なりに進んでいき、結界から脱出して、ガケを飛び下りてみると、そこにはモグラのような敵がうじゃうじゃいます。ジョーズが海面から背びれを出して襲って来るような感じでモグラが地中から背びれを出して迫ってきます。モグラが地上に出てきたらすかさず攻撃をして倒していきましょう。
適度に倒していると急きょ神楽がやられる演出。
倒れた神楽を助けようとする彩。その彩の首元の血を吸う神楽。そして神楽が変身。
どうやら吸血族と忌血族のハーフである神楽が忌血族の血液を大量に摂取することでデア・ドライブという能力覚醒を引き起こしたようです。
「お姉チャンバラ」と言えば、ゾンビを倒して血を浴びていくと穢れゲージが溜まり、ゲージが満杯になると暴走状態になり、体力が徐々に減っていく代わりに攻撃力やスピードが増して、通常では倒せない敵にダメージを与えられるようになりますが、今作ではゲージが満タンになった時にR3ボタンとL3ボタンを同時に押すとデア・ドライブを発動できるようになりました。デア・ドライブを発動すると暴走状態よりも強力な状態になり、必殺技エクスタシーコンビネーションのパワーゲージも上昇し続けるというメリットもあります。
ちなみに、今のところデア・ドライブを使えるのは神楽だけですよ。
一方、咲と沙亜也も同じ場所に落ちていたため、一緒に行動を始めます。こっちもアンナとの通信があり、咲もZPFに生存情報が流れてしまったということでしょうか。そんなことよりも、「お姉チャンバラ」というと彩や神楽がベースアクションになっているため、咲と沙亜也を操作するのはちょっと戸惑ってしまいます。
ここでチェイスの説明が差し込まれることで、チェイスの存在自体を知ることになります。R1ボタンを押すと敵に対してロックオン状態になるのですが、今作では×ボタンを長押しするとチェイスを行うことができるため、R1ボタンと×ボタンを組み合わせると遠くにいる敵に一気に詰め寄って攻撃でき、前作と比較してもコンボを決めやすくなった印象があります。
これは本当に気持ちがいいです。ハイスピードな展開でサクサクと敵を倒すことができます。しかし、ペナンガランに囲まれたところで咲も沙亜也もやられてしまってゲームオーバー。やっぱりボクには「MEDIUM」はちょっと早かったかな、という感覚だったので、いつも通り難易度を「CASUAL」に戻して再挑戦して再び同じところまでたどり着きました。
敵に囲まれたときには、広範囲に攻撃できる武器に切り替えて戦えばどうにかなったよな、と思いながらペナンガランを無事倒すと、次の舞台はルーマニアの教会。前作にも登場した教会ですね。
ここでは前作でも登場した、通常攻撃では倒せない敵・マッドマンが登場するので、エクスタシーコンビネーションを覚える必要があります。エクスタシーコンビネーションは敵を倒してエクスタシーゲージを1つ以上溜めた状態で△ボタンと○ボタンを同時に押すことで発動できる強力な技です。他のザコ敵を倒してエクスタシーゲージを溜めたら、通常攻撃で倒せない敵にエクスタシーコンビネーション、この繰り返しで敵を倒して結界を抜けて進んでいきましょう。
巨大な敵に対しては、適度にダメージを与えて画面に印が出たときに×ボタンと□ボタンを押すと、QTK(クイックタイムキル)が発動。
画面に表示される矢印やタッチの指示に従ってタッチパッドをスライドやタッチをして対応していくと、バッサリと敵の腕を切断。前作では左スティックとボタンの組み合わせだったので、ここはあからさまに変更されたポイント。個人的には下矢印が出たときに焦ってスライドした後でPSボタンを押してしまってゲームが中断してしまったので、遊ぶ方で注意が必要だと感じました。
前作では巨大な敵をQTKで倒す時には血を吸って体力を回復できたのですが、今作ではその要素がないので注意が必要。まぁ、今作ではチャプターをクリアしたときに体力が回復しているので、難易度的にはだいぶ抑えられている印象はありますけどね。
ここであの鉄仮面の女が再び登場。やっぱりこの出で立ちはミ……あっ、公式資料だとミーシャという名前なんですね。
このミーシャに沙亜也がやられてしまった後、咲の血を吸って沙亜也がデア・ドライブ状態で復活。
4人でコンボを決めまくってどうにか鉄仮面を倒し、犬(ゾンビ化クローン・ヘルハウンド)も倒してこの場をどうにかおさめました。
ここで事態は急変。世界5都市でゾンビが大量発生しているとの報告。ここからはゾンビの被害が出ている日本、中国、アラブ、ペルー、ロサンジェルスの5都市の中から好きなところを選んで進むことになります。
ステージを選ぶと4人をどの順番に登場させるか選ぶことになります。選ばれたキャラクターは常に画面の左上に表示されて、それがそのまま方向キーを押してキャラを切り替えるときの順番になります。
日本に行くと前作のステージ1で登場した船の上。結界にハマり、ゾンビを倒して進んでいくと、前作にも登場したヘカトンケイルが再登場。「あっ、前作と同じだ!」と思って戦ってみたら、倒したと思った瞬間に予想外の展開がありました。
ロサンジェルスでは、水着になって休憩する4人。ダウンロードコンテンツとして販売されている「アマゾニック・グリーン」のコスチュームを身にまとった神楽のご褒美映像を見せていただいた上でのゾンビ討伐になります。ステージの最後には「お姉チャンバラ」1作目からたびたび出て来るあの女子高生ゾンビ2人組が改めて登場。
ペルーに行くと、前作では飛行機の上でバトルしたケツァルコアトルが登場。ボスかと思って油断をしていたらもっと大きな羽のあるバサルムドラがボスとして登場。なかなかの強敵でした。
中国に行くと、かつてどこかで見たようなアレのゾンビが登場。ボスもかつての中国の映画で見かけたようなちょっと太めの道士でした。
アラブでは、砂漠の中で砂嵐に気を付けながら進んでいくと思ったら、砂嵐に向かって進むようなプレイ。当然ながらピラミッドも登場し、ボスは半分人系半分サソリの強力な敵・アブドゥル。
しかし、こんな強力な敵であっても、COOLコンビネーションの最後の大技を4人で次々と繰り出すアルティメットコンビネーションを決めることができれば、だいぶ楽に攻略できます。
他のボス戦とはちょっと違ったタッチ操作のQTKが出てきてちょっと戸惑いながらも、どうにか5都市を救い、再びブラン城へ。
ブラン城では前作にも出た強敵・ジャバウォックがお迎えしてくれます。ジャバウォックを倒すと、個室に入って雑魚や中ボスを倒しながら上の階を目指すという前作をほうふつさせる展開で、4階の部屋にたどり着くと緑の髪の女と対面。どうやら彼女はエヴァンジュという名前のようですね。
ついにエヴァンジュとの対決。アイテムで体力を回復しながら戦っていたらどうにか勝利。というか、どちらかというと、時間経過もしくは一定の攻撃を当てたから終了という感触。
ここで事態は急変。ロサンジェルスから救難信号。5つの都市のゾンビを討伐している間にZPFの本部が壊滅したとのことなので、4人もZPFの本部に急行。
突然現れた仮面の女にやられた彩と咲が、神楽や沙亜也のデア・ドライブ状態のような能力を覚醒。どうやら、忌血族でもデア・ドライブに似た状態になるようですね。この状態を忘我と呼ぶようです。
これで4人とも同じようなギミックを使いこなせるようになったので、キャラクター選択の際の自由度が増したような気がします。まぁ、□ボタンと×ボタンを押し続けて体力を回復するブラッド・リカバリーは彩と咲には相変わらず使えないんですけどね。
エレベーターを介してのフロア移動でうろうろしながらハマった結界から脱出して進んでいくと、ビルの屋上でエヴァンジュと鉄仮面の女と遭遇。エヴァンジュはヘリコプターで逃げていきますが、鉄仮面の女とは直接対決。この女、絶対にミザ……る聞かざる言わざるですよね。彼女の正体はゲームの中で確認してもらいましょう。
鉄仮面の女を倒すと、ヘリコプターで敵の本拠地の島に向かいます。どうやらこの研究施設が最終目的地のようですね。レイコは出てこないのかな?と思いつつも、ここから先に熱い戦いがあるのは間違いありません。まぁ、真相はゲームをプレイして確認してもらうのが一番なので、苦労の末にどうにかクリアできたとだけ報告しておきましょう。
さて、「CASUAL」でクリアしたけど、ゲームはこれで終わりません。むしろ今始まったという感じです。
「お姉チャンバラ」シリーズには「クエスト」がいくつか与えられていて、達成するとご褒美をもらえるような要素があります。今回は「クエスト」が30個与えられていて、「CASUAL」でクリアした時点でまだ4つしか満タンにできませんでした。
そして、まだ、このゲームの成長要素を全く楽しんでいませんでした。実は、マップにある女神像の近くでOPTIONSボタンを押すとバトルセッティング画面になり、スキルを購入することができたんですけど、メニューから買いたいモノを選んでボタンを押しても反応しなかったので、買えないと思っていたんですよ。ところが、このメニューで欲しいアイテムを選んだら、左スティックを右に倒すことでゲージを上げていき、満額を支払った時点でアイテムをゲットできるようになっているんですね。
「CASUAL」とはいえ、一度はクリアしたのですから、ある程度お金が溜まっています。しっかりとスキルを買っていきましょう。購入できるスキルは、「ITEM」「WEAPON」「SKILL」「RING」の4種類。「ITEM」は消費系のアイテム、「WEAPON」はそれぞれのキャラクターの武器、「SKILL」はそれぞれのキャラクターのコンボに割り当てられるスキル、「RING」は補助装備としてのリング。
個人的には各キャラクターのメインとなる武器を一つずつ買った上で、神楽中心に「SKILL」を細かくそろえていく戦略をお薦めします。場面によってキャラクターの装備を変えるのが面倒じゃなければ「RING」で強力な指輪を買っておくのもいいかもしれませんけどね。
スキルは購入すると新たなスキルが追加されるため、まとめて買うよりはある程度買ったら一度バトルセッティング画面を出て、改めて買い物をするようなスタイルがよろしいかと思います。
さて、ここからが本番ですよ。「CASUAL」をクリアして各キャラを強化したので、「STORY」を「MEDIUM」の難易度でプレイするのもありだし、「CASUAL」の各ステージの評価をプラチナで埋めるのもあり。当然ながら「MISSION」を進めてもOK。プレイを続けてスキルを増やしていき、コスチュームを変えて繰り返しプレイをしていきましょう。
そうそう、1つ話を忘れていました。初回封入特典が「バナナ&ストロベリー」というかなり露出の多いコスチュームなんですよ。最初にこの情報を聞いた時には、「おネエ」がバナナを使って「チャンバラ」をしているビジュアルが頭に浮かんでしまったので勘弁してほしいところですが、世の中にはやっぱり同じ勘違いをしてしまう人がたくさんいるかもしれないので、「バナナ&ストロベリー」のビジュアルをしっかりと示しておきます。
プレイしているところを人に見られない、もしくは人に見られても大丈夫な人は、ぜひぜひ次にお手に取るゲームとして「お姉チャンバラZ2 ~カオス~」を検討してみてはいかがでしょうか?
つくづく携帯ゲーム機向けのゲームじゃなくてよかったと思う次第。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
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