スクウェア・エニックスが12月20日、東京ビックサイトにて開催中の「ファンフェスティバル 2014 東京」。ここでは、会場の様子と開発メンバーが開発の裏側などを語る「開発パネル」の模様をお伝えしよう。
本イベントは、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」の大規模なオフラインイベントとなっている。バトルチャレンジ「オーディン討滅戦」やエオルゼアカフェなどさまざまな催しが行われていた会場の様子と、開発メンバーが開発の裏話などを語る「開発パネル」の内容をお届けする。
会場入口でモーグリがお出迎え
本日はあいにくの曇り空だったが、多くのプレイヤーたちが集結し盛り上がっていた。会場に入ると、まず目につくのはモーグリのバルーンだ。「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」のモーグリを再現しており、その下ではコスプレイヤーたちが記念撮影を行っていた。
会場で最も熱気があったのはバトルチャレンジエリア。耐熱装備を着た状態で真イフリートなどに挑むことができる「蛮神ルーレット」やF.A.T.E.に出現するオーディンがボスとして登場する「オーディン討滅戦」などが行われた。「蛮神ルーレット」で勝つと討伐した蛮神をモチーフにしたステッカー、「オーディン討滅戦」で勝つと特製Tシャツが贈呈される。やはりゲームで吉田プロデューサーが実装予定と発表した「オーディン討滅戦」がどうなっているのか気になっているプレイヤーが多いのか行列が出きていた。
東京・秋葉原のパセラリゾーツAKIBAマルチエンターテインメントが「出張エオルゼアカフェ」も出店されていた。龍神バハムートのギガフレアカレーや水神リヴァイアサンの冷やし大海嘯麺など、実際にお店で提供されているメニューを食べることができるぞ。
イベント会場にはアクティビティコーナーがあり、制限時間内に魚を釣り上げる「太公望への道」やタイタンになりきって冒険者を吹き飛ばす「落とせ冒険者!ランドスライド!」など無料で遊べる場所だけでなく、自分だけのオリジナルアクセサリーがクラフトできる「彫金ギルド」やオリジナルトートバックが作れる「錬金術師ギルド」などの有料で体験できる催しも実施されていた。
物販コーナーでは事件屋ヒルディブランドのTシャツやクッキーなどが販売されていた。 | |
「シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール」の試遊台も設定されているぞ。 | |
会場の外には基調講演で公開された天野氏が描いた「蒼天のイシュガルド」の画像なども展示されていた。 |
12月21日には「FFXIVプロデューサーレターLIVE」や抽選会などの実施も予定となっているので、興味がある人は足を運んでみてはいかがだろうか。
「開発パネル」にはアイテム制作班リーダー・林洋介氏が登場!
「開発パネル」ではアイテム制作班リーダー・林洋介氏とMCの望月一善氏が登壇し、アイテムを作る工程などを語った。アイテムができるまでには“予定を知る”、“デザイナーのコストを確保する”“デザインの方向性を決める”“調整”“実装”の工程が必要だという。
実装予定のものが細かく記載されているロードマップのようなものが開発チームにはあり、まずはそれを見てアイテムが必要なコンテンツがいくつあるのかを計算していくのだとか。続いていつ、どこに、どんな報酬を入れるかを決めて、デザイナーにアイテムをデザインしてもらう量を考えるそうだ。アイテムにはそれぞれ別々のグラフィックがあるのがベストなのだが、デザイナーのコストも考えなくてはならないため、さまざまなコンテンツに新しいグラフィックが分配できるように色違いの装備を用意しているのだという。
ここまでの工程ができたらはじめてデザインの方向性をどんなものにしようかをきめていく。林氏はここで「大迷宮バハムート」の元になっている衛星「ダラガブ」を例にして詳しく教えてくれた。開発当初の衛星「ダラガブ」は内部がダンジョンになっているということしか決まっておらず、バハムートの拘束具の内部構造が古代アラグ帝国の建築様式だという設定にしたことが明かされた。
そこからキャラクターの頭装備を考え、アラガントームストーンのアイコンデザインを決めたのだとか。頭部の装備とアラガントームストーンのアイコンデザインをもとに、それを「大迷宮バハムート」に反映し、ダンジョンの外観ができたところで武器のデザインを作ったそうだ。ただ、「大迷宮バハムート:真成編」だけは最後のボスがはじめから決まっていたということもあり、装備のデザインが先にできたのだという。
アイテムのデザインができたあとはスケジュールを調整。ある程度日程は決めているのだが、オンラインゲームということで状況に応じて変える必要がある。ここで望月氏が突然「プレイヤーにプレゼントするアクセサリーやヘルメットが欲しい」という話題を林氏に振り、ニコニコ生放送と会場でアンケートを実施。アクセサリー4種類、ヘルメット、ミニオンの中から選ぶことに。ミニオンが圧倒的多数という結果だったがヘルメットも多かったので2種類作られることになった。林氏は「今は厳しいので、実装は3.0の後ですかね」と苦笑いしていた。
最近。調理士に夢中だという望月氏から「なんでバナナがないの?」と質問すると林氏は「バナナはないですけど、バナナの木なら実装される予定ですよ」と庭具のバナナの木の画像を披露した。
実装直後まで漕ぎ着けたら性能、名前、アイコン、SEなどを決めるそうだ。名前は日本語、英語などを先に決めたあとにドイツ語、フランス語、中国語で統一しているらしい。以上がアイテムを作るときの工程だ。ここで林氏が「これがそういう工程を経てできたものです」とバニーガールのような衣装を着たキャラクターの画像を公開した。何に使われるかはいえないそうだが、今後新しく実装される装備の画像だという。
ミニオン同盟のメンバーが明かされる!
アイテムの工程を説明し終えると林氏は「実はこれは前説なんです」と言うと自分がミニオン同盟の一員であることを明かした。ミニオン同盟とはプロデューサーやディレクターの確認を得ずに隠れてミニオンの種類などを増やしている集団で、今までにブルーバードやタイニークァールなどさまざまなミニオンが実装されている。
そんな集団の一員だと話す林氏は、今まで明かされなかったミニオン同盟の構造を教えてくれた。開発はプログラマー、デザイナー、プランナーの3種類に大別されており、それを統括しているのが吉田プロデューサーなのだという。ミニオン同盟はプログラマー、デザイナー、プランナーの垣根を越えた存在で、それぞれの部署に所属する人間たちが集っているということで、独自にどんなことでもできるそうだ。ミニオン同盟という名前は勝手に名乗っているだけでチームのようなものではないという林氏だったが「業務用に専用のメーリングリストがあるんですけどね」と笑いながら語った。
続いてはミニオン同盟のエピソードをあいうえお作文にして語った。「逆襲要害 サスタシャ浸食洞」で入手できるアントーキング・コリブリについて。アントーキング・コリブリは実はパッチ2.2で完成しており、実装する予定だったということが明かされた。「逆襲要害 サスタシャ浸食洞」を作ったプランナーに頼まれてパッチ2.4まで実装を延ばしたそうだ。
そのほかにも、シリウス灯台のボス・ズーの子供のミニオンのデータがすでに実装段階にあるのだが、どこに入れればいいのかわからず放置しているのだとか。望月氏が「データがあるんだったら実装しましょうよ」というと林氏は「うーん……パッチ2.5辺りで入れます」と少し考えながらコメントした。
時間がないなかで掻い摘んであいうえお作文の内容を語った林氏だったが、ついに時間切れとなってしまい望月氏があいうえお作文の内容だけを全部見せてくれた。林氏は「“ん”の項目だけ紹介したい」と言うと事件屋ヒルディブランドと助手のナシュのミニオンが公開された。ふたりで1つの珍しいミニオンとなっており、入手方法は明かされなかったが林氏は「想像している通りの場所で入手できると思います」と語った。
最後に林氏は「ファンフェスタは開発チームの人たちがたくさん来ているので、みなさんぜひ声を掛てください」とコメントしイベントは終了した。