スクウェア・エニックスは、2014年12月21日、千葉・幕張メッセで行われた「ジャンプフェスタ2015」にて「ファイナルファンタジーエクスプローラーズ~初心者の館~外伝」を実施した。
ニンテンドー3DS「ファイナルファンタジーエクスプローラーズ」(以下、FFEX)は、2014年12月18日に発売されたばかりの「ファイナルファンタジー」シリーズ最新作。最大4人でのマルチプレイに対応したアクションRPGで、歴代FFシリーズに登場したキャラクター達に変身してその力を使うことも可能という、FFシリーズファンにとってサービス満点の作品だ。
今回、宣伝担当の村上洋平氏、ディレクターの橋本厚志氏、プロジェクトマネージャーの阿部貴博氏ら開発陣が駆けつけて行われた「FFEX」のステージイベントの模様をお届けしていく。
まずはゲームの概要についておさらい
ステージがはじまり開発陣の3人が登壇すると、まず現在発売中の「FFEX」についての概要説明が行われた。4人でプレイするFFである本作では、それぞれのプレイヤーごとにジョブにあった役割分担をしていくことがポイントになる。本作はアクションとRPGの良い所取りをしたような作品となっているのだが、村上氏から「アクションとRPGのどちらに寄せているか?」というユーザーとしても気になる質問が飛ぶと、橋本氏は「どちらかを重視しているということはないですが、個人的にはRPGの比重が高いのかなと思っています」との回答をしていた。
また本作には実に20ものジョブが登場するが、その中でも開発陣がオススメとして挙げたのが、橋本氏は成長の自由度が高くなんでもこなせる「機工士」、阿部氏は堅実に遊べるファーストプレイに向いた「ナイト」というチョイス。機工士ならアタッカー、ナイトならいわゆるタンクなどの得意な役割が概ね決まってはいるが、「FFEX」ではMMORPGと異なり4人パーティであるため、ヒーラーやタンクもある程度攻撃に参加して様々な役割を同時にこなしていく必要があるという。
なおゲーム中の主な敵となるのは、FFシリーズでもお馴染みの召喚獣達。気になる召喚獣の選抜基準については、まずは人気や知名度を考慮した上で数を絞り、その中からどのようなアクションを付与させて面白くすることができるかということを検討した結果、現在の形になっているそうだ。
あのシリーズ屈指の人気モンスターの討伐にも挑戦!
ここからは今後のアップデートで実装されていく追加コンテンツが紹介された。まずは12月25日のアップデートにて配信される追加ジョブ「青魔道士」についてで、青魔導士は他のシリーズ作品と同様、「ラーニング」によって敵の一部の技を習得して使用することができるという唯一無二の特徴をもっている。青魔導士のデザインは「FF5」のイメージに近いそうだが、ラーニングは敵の攻撃を受ける必要はなく、その技を見た状態でモンスターを倒せば条件が満たされる近年のFFに近い仕様となっている。
ユニークアビリティである「反撃の狼煙」は、ラーニングの瞬間に攻撃を無効化しながら自分の能力を強化するというこれまた変わった効果をもち、非常にテクニカルだが使いこなせば攻撃を凌ぎつつカウンターのように大ダメージを与えることも可能になるという。
加えてプレイヤーの前に立ちふさがる新たな敵として、現在登場している召喚獣達が強力な姿となった「変異体」が新たに登場。いわゆるクリア後のお楽しみ要素であるエンドコンテンツとして配信されるだけに、どれもかなりの強敵として調整がされているという。見た目やパラメーターだけではなく戦い方も変化するそうなので、既存のモンスター達とは認識を改めて一から戦い方を考える必要がありそうだ。
追加されるのは、変異体だけではない。会場にFFシリーズ屈指の人気曲である「ビビッグブリッヂの死闘」が流れ始め、続けてスクリーンに映し出されたのは「FF5」の名ライバルキャラ・ギルガメッシュ! 既にPVでもその姿が確認できていたため予想していた読者も多いと思うが、ギルガメッシュは変異体とは別の完全な新規ボスモンスターとして登場する。
また今回は折角の機会ということで、そのギルガメッシュを相手に開発陣による実機プレイをすることになったが、ステージにいる開発陣は3人のみ。ギルガメッシュは非常に強力な敵であるため、人数が少ない状態で戦うのは厳しいということで、なんと助っ人としてはるばる大阪からプロデューサーの三浦宏之氏が登場。三浦氏を加え、青魔導士(橋本氏)、機工士(阿部氏)、パラディン(村上氏)、賢者(三浦氏)の4名のパーティによる協力プレイで、ギルガメッシュに挑むことに。
バトルがスタートすると、開発陣が口を揃えて「強い」と評する通り、ギルガメッシュの繰り出す攻撃は非常に熾烈であることが分かる。ジャンプで姿を消し、一定時間経過後に強烈な一撃を繰り出してきたり、武器を剣と斧に持ち替えて攻撃パターンを変化させるなどバリエーションも豊富だ。中でも強力なのが高速で回転しながらの攻撃で、攻撃範囲が非常に広い上に動きながら攻撃を行うため、近くにいた魔法職が攻撃を受けて一気に戦闘不能に追い込まれてしまうという光景も多々見られていた。
戦いはタンク役であるパラディンの村上氏がギルガメッシュの近くでターゲットを取り、青魔導士の橋本氏と機工士の阿部氏が攻撃、賢者の三浦氏が支援や回復を主に担当するという戦術でバトルは順調に進行していく。
このまま行けば倒せそうな流れになってきた所で、しばらくダメージを与えていくとギルガメッシュが他の召喚獣でいう所の怒り状態に近い効果となる「ギルガメッシュチェンジ」を使用して自身を強化した後、ギルガメッシュの必殺技とも言える「究極幻想」が炸裂。これによって攻撃を行っていた3人が一気に戦闘不能にさせられるという事態に陥りつつも、なんとか難を逃れていた三浦氏の回復で体制を立て直すことに成功。ついにギルガメッシュのHPも残り僅かという所まで追い詰めていく。
だがここで突如ギルガメッシュの「急用を思い出した」というメッセージが出現。実はこれはフィールド中の別のエリアにランダムで逃げて移動するという、いかにもギルガメッシュらしい行動の前兆で、逃げられるとHPも回復されてしまうかなり厄介なもの。4人も発動される前になんとかトランスなどの切り札を使用して一気に落としきろうと猛攻をかけるも一歩及ばず、なんと運が悪いことにかなり遠くの火山エリアまで逃げられてしまう。
とはいえ、表示されているクエストの制限時間は残り30分以上。まだまだ余裕がある……かと思いきや、なんと今回のステージでのスケジュールという、リアル時間のタイムリミットがそろそろ近づいていることが判明。
だが1度逃げられてしまったとはいえ、既にギルガメッシュは虫の息。万全に準備を整えていざトドメを刺すべく火山エリアへと足を踏み入れた瞬間、ギルガメッシュが再び「逃げる」を使用して姿を消してしまうという最悪の展開に。さすがにもう1度追いかけて倒すまでの余裕はないということで、残念ながら今回の討伐はまさかの失敗という結果に終わってしまった。
今回の敗因として橋本ディレクターはアビリティの構成がなるべく全滅を避けるためやや防御寄りだったことを上げ、ギルガメッシュ戦の対策として攻撃を重視したアビリティ構成やオリジナルアビリティで攻撃力を強化してできるだけ逃げられる前に倒したり、開きなおって帰ってくるのをその場で待つなどの戦術をとるのもアリなのだそうだ。(ちなみに、ここまで頻繁に逃げることはそれほどないのだとか)
なおギルガメッシュ戦は逃げる際の合図の他にも、攻撃やダメージを受ける度にFF5本編を連想させる台詞が表示されるという賑やか画面になるなど、他の召喚獣戦にはないコミカルな要素も満載で一風変わったバトルを楽しめそうだ。ギルガメッシュを倒すとFF5の強力防具「源氏シリーズ」などの様々な装備の素材が入手できるとのこと。
さらに追加モンスターはギルガメッシュだけではなく、今後他にも登場することが判明! 橋本氏曰く「分かると思いますが、おそらくあいつです」と意味深な発言をしており、歴代のFF作品に登場したいずれかの敵キャラクターが登場するのは間違いなさそうだ。
青魔導士のアビリティの一部を改めて紹介!
その後は、実はバトルの最中に橋本ディレクターの操作する青魔導士が何度も戦闘不能になってしまっており、折角の追加ジョブである青魔道士の活躍を見せられなかったということで、改めて一部のアビリティを紹介することに。
「ホワイトウインド」「エアロ」「臭い息」などが並ぶ中、お馴染みの「針千本」も健在。最初はクリティカル時には歴代作品と同じく10000ダメージを与えるというものだったのだが、開発から勘弁してくれという声が上がり2000に落ち着いたという裏話も明かされた。また青魔法の1つであるゴブリンパンチは、自身の物理攻撃力によって威力が決まるため、杖ではなく短剣を装備しておくと攻撃力がかなり高くなり強力なアビリティになるという役立ち情報も教えてくれた。
ただし、アップデートを行っても全員が青魔導士にすぐになれるわけではなく、試験的なクエストをクリアすることでジョブチェンジができるようになる。このクエスト自体の難易度はそれほど高くないそうだが、むしろ大変なのは青魔導士になってから、ラーニングで敵の技を覚えさせていく方とのことで、青魔導士が苦労することになる点はやはり歴代作品と同様のようだ。
そうしている内に、あっという間にステージの時間が終了。エンディングトークではディレクターの橋本氏から「製品版が発売されて数日経ちましたが、既にたくさんの方に買ってプレイしていただけているようで嬉しいです。年末をこのゲームで過ごして貰えればと思います」とファンに向けたメッセージも送られ、ステージを締めくくった。
なお、現在は製品版の他にもデータの引き継ぎが可能な無料体験版も配信中。橋本ディレクター曰く、アビリティは勿論ながらギルの引き継ぎがあると序盤の進行がかなり楽になるとのことなので、興味がある方は是非体験版をダウンロードし、新たなFFの形を体験してみて欲しい。