セガが本日1月15日に実施したPS4/PS3用ソフト「龍が如く0 誓いの場所」の完成披露記者会見。本稿ではメインキャスト陣を迎えてのトークショーや、PS Vita限定刻印モデルなどの新発表も飛び出した会見の模様をレポートしていく。
2015年3月12日のゲーム発売に先駆けて行われた本会見では、「龍が如く」シリーズの生みの親である総合監督・名越稔洋氏をはじめ、ゲストに登場人物たちのキャラクターボイスを担当している黒田崇矢さん、宇垣秀成さん、竹内力さん、小沢仁志さん、鶴見辰吾さん、中野英雄さんが迎えられた。
「ビックリするほどの迫力」と名越氏が言う通り、壇上は強面揃い、ゲームに負けず劣らずの雰囲気を醸し出す関係者が一同に集結していた。ただし、MCのお笑い芸人・ほたるゲンジさんの合いの手や、登壇者たちの意外な一面が垣間見えたこともあり、終始和やかなムードで進められたのでご安心を。
まずは話の前に、本会見のために制作したというロングPVが流されることに。本作は役者のリアルな姿をキャラクターモデルとして取り込んでいるため、俳優陣とゲームキャラクターたちの姿形は、近似というよりもはや“一緒”である。顔面の表皮までもがしっかりと描かれているため、大スクリーンで見るとかつてないほどのリアリティを感じられた。
また、PV自体も本作の奥深いストーリー性が想起されており、ラストカットでは10年前に発売されたシリーズ初作品「龍が如く」のパッケージビジュアルに使用されていた、主人公・桐生一馬のキックする姿も再使用され、上映後には会場から拍手が湧きあがった。一般ユーザー向けのイベントとは違い、こういった場で流したPVに拍手をもらえたことが初めてのことでとても嬉しいと、名越氏は語っていた。
そんなPVを見てからのトークショーは、まず桐生一馬役の黒田さんへ「20歳の桐生を演じるうえで気を付けたことは」という質問から。第1作目より桐生を演じている黒田さんは、「自分が20歳の時には既にこの声だったので、声を高めにしたり、変えたりといったことは考えずに演じてみました。また、自分の若い時はキレやすい性質だったので、その辺を思い返したりもしました」とコメント。当時は毎日のように新宿・歌舞伎町に足を運んでいたことから、ゲームに出てくる昔の神室町の様子を見た時、タクシーを一万円札で止めてる当時の風景が鮮明に思い出されたと語る黒田さんであった。
続いて間島吾郎役の宇垣さんへは、「間島が初めて主人公になった時、どう思いましたか」という質問。「間島というキャラクターは登場当初、いつ死んでしまってもおかしくないキャラクターだったのですが、ファンからの熱い支援で、ついにここまで登り詰めました。感激です」というコメントに対し、名越氏は「長生きする予定はなかった(苦笑)」と、こちらも意外性を感じていたようだ。今回の真島は色々な人物たちと関わることで変化していく心情が見所であるとしていた。
次は竹内さん演じる阿波野大樹役のキャスティングについて。名越氏は「阿波野大樹という男はファンキーさとチャーミングさの二面性を持ち合わせているので、それには竹内さんがバッチリだと思い、オファーさせて頂きました」と語るも、竹内さんは「それでオファーされたのか」と今になって知った様子。「龍が如く」シリーズには、今まで竹内さんの大先輩にあたる人なども出演しており、話をもらった当初は不安とは違う「俺でいいのかなあ」と遠慮気味に考えていたと語る竹内さん。しかし、できる限りのことを一生懸命やるという思いから今回挑戦したとのこと。
さらに、普段の俳優業とは違う“声の演技”ということから、「ちょっと物足りなかった、もうちょっとやりたかった、次はもっとやりきりたい」と今後も意気込みが語られた。「阿波野は今回死んでないよね?」という発言には、檀上者一同思わず口をつぐむことになったが。ちなみに阿波野のスーツは当初黄色だったのだが、らしさをより際立たせるために紫色にしてほしいと竹内さんが要望し、デザインが変更されたとのことだ。
小沢さんの演じる久瀬大作は、本作のなかで主人公2人を最も苦しめる武闘派として出現。この執念深い男について小沢さんは「ゲームの声をやるのも初めてだし、自分の顔がでてくるってのにも興味あったが、いくらなんでも怖すぎんだろアレ(PVでは凶悪な表情+上半身裸+バイクに乗って凶器を振り回すという、パンチの利いた姿を見せたため)。収録の時は姿見れなかったけど、あんな怖かったら声当てれてないよ」と会場をドッと沸かせた。声にあわせてキャラクターを形作っていく、本作ならではの裏話だ。
ゲームでは執念深く、何度も何度もプレイヤーに迫ってくるというこの久瀬。「ほかのキャラクターは皆スラッとした立ち姿なのに、なんで一人だけがに股なんだよ。俺本当は内股なんだよ」とカミングアウトする小沢さんであったが、彼にしっかりと愛着を持っていることが覗えた。ちなみに小沢さん、怖いものが苦手で、好きなアトラクションは「イッツ・ア・スモールワールド」であるとか。久瀬が怖すぎた際は、少しだけ思い出してみよう。
続いて佐川司については鶴見さん本人から「飄々としており、腹に一物を持った人物です。主人公を追い詰める敵の一人ではあるものの、敵なのか味方なのか、非常にナイスガイな、粋な極道という役柄でした」と述べられた。どこまでとぼけていて、どこまで真面目なのか分からないこの佐川。静の怖さを持つ知性派という面も演じていて楽しかったという鶴見さんは、こういう不良に憧れているとか。映画やドラマでは味わえない、プレイヤーという立場から作品に入り込める、ゲームならではの楽しみを味わってほしいとし、質問を締めた。
続く渋澤啓司を演じる中野さんもキャラクターについては「先程の佐川と同じように知性派な人物ではあるのですが、その沸々と持っているとんでもない過去や、野心のために自分を完璧に殺し切れるという面を持っている、非常にかっこいいキャラクターです」とした。しかし、こういう方面のキャラクターについてはずっと演じてみたかったようで、今回は充分な意気込みで臨めたようだ。
なお、中野さんもゲームキャラクターを演じるのは初めてだったことから、俳優業との違いを感じたという。目の前に人がいないこと、アイコンタクトができないことで、現場の熱を捉え辛かったとする中野さん。竹内さんと同じく現場の空気感に物足りなさを感じていたのだが、実際に完成したものを見てみると、しっかりと仕上がっていることに驚いたと述べ、ゲーム制作ならではの不思議な感動を覚えたとコメントした。
さらに、今回は会場に来れなかった立花鉄を演じる井浦新さんからのビデオコメントも公開。会場に来れなかったことや、先輩と会えなかったことを残念がる井浦さんであったが、本作については複雑な伏線やドラマチックな展開に目を見張るとし、自分でも実際にプレイして楽しみたいと自身の思いを語ってくれた。
そして、本作のテーマソング「バブル」を、楽曲を使用した最新TVCMとともに紹介。湘南乃風が歌うこの「バブル」はその曲名通り、ゲームの時代背景を彷彿とさせるアッパーな勢いと、そこに滲む儚さが見え隠れしており、これ以上ないというほどに本作とマッチアップしている。
湘南乃風は2012年に発売されたPSP「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」の主題歌も務めていたが、これについて名越氏は「クロヒョウ2の時から彼らとはプライベートでも付き合いがあり、いつも何か一緒にやりたいなと考えていました。今までの作品はどれも一回頼んだアーティストさんに2回目を頼むことはせず、ユーザーにも新鮮な気持ちを感じて欲しいと考えていたのですが、せっかくいい関係が出来て、そのままで終わってしまうのは非常に勿体ないことです。それなので、本作の複雑なドラマに見合った、それでいてパンチの聞いた楽曲を仕上げている人を探した時、湘南乃風にお願いしたいと思いました」と語り、その出来については想像以上の手応えとなったようだ。
「龍が如く0 誓いの場所」×SCEグループとのコラボ発表も
ここでは、今回の新発表となるソニー・コンピュータエンタテインメントグループとのコラボレーション企画が紹介された。
壇上にはソニー・コンピュータエンタテインメント 取締役 ジャパンアジアプレジデント・盛田厚氏、ソニーマーケティング 代表取締役 執行役員社長・河野弘氏、ソニー・ミュージックエンタテインメント 代表取締役・北川直樹氏と、名越氏をくわえた計4名が登場。
プレイステーションプラットフォームとは縁が深い「龍が如く」シリーズ。森田氏はPS4発売時にも「龍が如く 維新!」をローンチタイトルとして発売してくれたこと、シリーズを通してPSプラットフォームを牽引してくれていることなどを含めて、まずは名越氏への感謝の念を表した。
さらに、年末年始を返上して頑張っているらしい開発チームの情熱に応えるべく、現在ソニーストアにて予約受付中のPS4限定刻印モデルに加え、新たに「PlayStation Vita 龍が如く0 Edition(ホワイト/ブラック)」と「PlayStation Vita TV Value Pack 龍が如く0 Edition」の存在を明らかにした。
桐生と間島をイメージしたオリジナルデザインがあしらわているこの両機は、2015年2月26日に発売が予定されており、本日1月15日20時からはソニーストアにて予約受付が開始される。
「PlayStation Vita 龍が如く0 Edition」予約サイト
http://store.sony.jp/Special/Game/Ps4/Ryugagotoku0/
なお、両機が発売される同日より、PS Vita(PS Vita TV)向けアプリ「龍が如く0 基本無料アプリ for PlayStation Vita」が配信されることもあわせて発表。
本アプリではバトルアクションを楽しめる「闘技場」や、PS4/PS3で遊べる本編の要素として不可欠なゲーム内マネー&アイテムを稼ぐことができる「賭場」「カジノ」が遊べるほか、「スーパーモンキーボール」や「SF特効空母ベルーガ」など往年の名作が遊べる5つのゲームパックを配信していくとのことだ。
続いての河野氏からは、同社のハイレゾ展開の一翼を担ったポータブルオーディオプレーヤーウォークマンとのコラボ製品「ウォークマン Aシリーズ 龍が如く 10th Anniversary Edition」が発表。
ハイレゾ音源は、スタジオで制作したマスター音源を元に制作する高解像度の音源を指す。CDおよび配信サイトなどで提供される際、音源は提供規格にあわせて圧縮されてしまい、その情報量の大半を削ってしまう。しかし、ハイレゾに対応した機器と音源を有することで、制作現場が本来届けたかった表現力をそのままに味わうことができるのだ。
今回の製品は、人気製品「Aシリーズ」とのコラボということで、パッケージにはオリジナルデザインモデルに加え、歴代「龍が如く」シリーズのハイレゾ音源プリインストール(全12曲)、PS4/PS3「龍が如く0 誓いの場所」で使用できるプロダクトコードが同梱される。
作品を制作する上で、音には一等のこだわりをかけているという名越氏。スタッフによっては、1デシベル(音の大きさ)の違いを一晩かけて上げ下げしながら思索するという人もいるそうで、そういった人たちの頑張りがオリジナルの形で、ユーザーの元へダイレクトに伝わるのはいいことだと思いを露わにした。
「ウォークマン Aシリーズ 龍が如く 10th Anniversary Edition」予約サイト
http://store.sony.jp/Special/Audio/Walkman/Ryugagotoku10th/
最後となる北川氏からは、毎年毎年10%前後でシェアを落としているCD業界の復権を念頭にした、限定コンピレーションCD「龍が如く0 80’s Hits! Collection」が発表された。本商品はコンピレーションCD(特定のテーマに寄せた収録内容)ということで、開発スタッフとじっくり打ち合わせを行い、80年台を思い起こしてもらえるよう、当時の名曲ラインナップを追求したという。
「あの時を即座に思い返す」をキーワードにしたこのCDには、矢沢栄吉さん、氷室京介さん、浜田麻里さん、TM NETWORKにプリンセス プリンセスなど、アーティストと年代が直撃している人は思わず「ああー!」と言ってしまうような名曲が、揃ってピックアップされている。
また、本商品には桐生と間島が歌うボーナストラックに加え、こちらにもプロダクトコードが付属。「Aシリーズ」にも付属するこのプロダクトコードだが、両商品のコードを使用すると、なんとゲーム内の「ウォークマン」で、上記の歴代楽曲や80年代の名曲たちを自由に聞けるというのだ。
当時の街並みを作るにあたって、“音楽と時代”というアプローチから、さらなる世界観の広がりを持たせた名越氏ならではの戦略。ゲーム中ではウォークマン以外に、店の中で有線からの音楽が流れてくるとのことなので、何気なくプレイしていても、がっしりとゲーム内の世界観に浸れそうで一層期待がかかる。
会見の最後は名越氏より「繰り返しになりますが、『龍が如く』シリーズは今年で10周年を迎えることになります。毎年開発を続けてきて、必ず間に合わせて、ファンの方々に応えてきたという10年間は非常に充実していました。開発スタッフの頑張りと、ファンの皆様がついてきてくれたことが大きいです。『龍が如く0 誓いの場所』はシリーズ最高峰の出来だと私自身思っています。シナリオもゲーム内容もこれでもかというほどこだわりを詰めましたので、期待を存分にして頂き、それに答えられる作品になっていると思います。本日はありがとうございました」と締めの挨拶。
本作の期待と仕上がり、そして新たなる試みなども込められた会見であった。
(C)SEGA
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