ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアが、本日2月20日に発売したPS4用ソフト「The Order: 1886」。ここではクリエイティブディレクターのルー・ヴェーラスリヤ氏によるメディアセッションや新ステージの体験プレイの模様をお届けする。
「The Order: 1886」は、「Daxter」、「ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印」などを制作したReady at Dawn Studiosが手がける最新作。2013年のE3で発表されて以来、さまざまな場所で注目を集める本作だったがついに2月20日に発売された。
ここでは本作の発売を記念してクリエイティブディレクターのルー・ヴェーラスリヤ氏が本作の魅力を語ったメディアセッションや今回初公開となったステージの体験プレイの模様をお届けしよう。
プロモーション映像で公開された謎の生物の骨も展示されていた。 | |
先日公開されたPR映像「19世紀の武器を再現した大学院生 逮捕される」のなかに登場したアークガン の設計図も展示されていた。 |
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アークガンやサーマイトライフルなどの実物もあった。 |
本作の世界観を解説
まずは本作の世界観やストーリーが解説された。本作は19世紀末ビクトリア時代のロンドンを舞台にしており、人類とは違う進化を果たした”半獣”と呼ばれる存在から人々を守るのが目的となる。
ライカンは人間と獣の要素が混じっており、人類との違いから狩られる対象となってしまった存在だ。人類に対抗するためにライカンは数を増やしていき、やがて全面戦争が勃発してしまう。ライカンの圧倒的な力で蹂躙されてしまい劣勢に立たされた人類だったが、アーサー王が円卓の騎士を召集して騎士団”オーダー”を結成。彼らが戦うことで人類とライカンの戦争は均衡が保たれていた。
また、そのときにライカンとの戦いにあたり円卓の騎士たちは寿命を延ばす”ブラック・ウォーター”と呼ばれる液体を使用。騎士たちは“ブラック・ウォーター”を飲むことで数世紀のときを生きてライカンと戦い続けているが、寿命が延びるだけで不死になるというわけではなく、ライカンの攻撃で死ぬこともある。
そんな長きに渡って戦ってきたオーダーとライカンだが、産業革命を期に劇的な変化が訪れる。技術的な進歩により人類がライカンに勝てる力を手に入れ、人類が有利な立場になることができた。だが、産業革命の影響で、階級格差に苦しむ市民が反旗を翻し反乱軍が結成されてしまい、新たな脅威が浮上してしまう。
アーサー王や円卓の騎士と聞いて理解した人もいると思うが、本作は、伝説と歴史が混在しており、さらに現実の人類が実現し得なかった技術が普及している世界が舞台となっている。「本作では歴史のifを根幹としており、歴史上にはないものでもリアルに作ることをコンセプトにした」とルー・ヴェーラスリヤ氏は語っていた。
伝説の人物や歴史上の偉人も登場!
登場人物たちも伝説で登場する人物や実在する人物が混在している。本作の主人公はアーサー王伝説などに登場する円卓の騎士のガラハッド卿となっており、オーダーのなかでも最強の騎士という設定だ。そのほかにもパーシヴァル卿やルーカン卿などアーサー王伝説のなかでも有名な騎士たちが多数登場する。また、現実世界の偉人としてアメリカ独立革命とフランス革命で英雄となったラファイエット侯爵や、テスラコイルで有名な発明家のニコラス・テスラなどがガラハッド卿に手を貸してくれる。
デモプレイではライカンと対決!
ここで、ルー・ヴェーラスリヤ氏が実際にデモプレイを披露してくれた。E3と東京ゲームショウのプレイではロンドン市街にあるホワイトチャペル地区で反乱軍の攻撃を防ぎ、ライカンが姿を見せたところで終わったが、今回はその続きとなっている。
廃墟のようなビルのなかで銃が弾かれナイフだけでライカンと対峙するガラハッド。ここでの戦闘は銃撃戦とは少し違い、L2で素早く攻撃、R2で強力な攻撃を繰り出してダメージを与えていく近接戦となっており、ライカンの攻撃はスティックを特定の方向へ倒すことで回避可能だ。攻撃の瞬間に特定のボタンを押すので、QTE(クイックタイムイベント)のように思えるが、本作独自のシステム「シネメーレー」を採用しており、ライカンの周りを自由に移動して攻撃できる。
続いては、ガラハッド卿の小隊が反乱軍と交戦しているシーンとなっており、本作のメインとなる銃撃が繰り広げられた。銃撃戦では従来のTPSのように遮蔽物に隠れて銃を使うというベーシックなものだが、本作では時間の流れがゆっくりになる“ブラックサイト”が使用できる。敵が銃を撃つ前に連続で攻撃することが可能となっているため、敵が多いときに使っていくのが有効なようだ。
また、敵を全員倒し終えたあと電子回路に影響を与える装置“TS-27インバーター”を使うことにより、通常はアクセスできない部屋に侵入することができる。“TS-27インバーター”の使用方法は左右にあるチューブをホールドしてロックしていくミニゲームのようになっていた。
デモプレイ後の質疑応答コーナー
――デモプレイではライカンと反乱軍で違う戦い方をしていましたが、敵によって戦い方が変わるという認識でいいのでしょうか?
ルー氏:本作をプレイするにあたってさまざまな戦い方があります。ですので、ライカンと銃撃を使って対戦するところもあります。
――東京ゲームショウ2014では“アークガン”などの特殊な武器を使えましたが、特定のシーン以外で使うことはできないのでしょうか?
ルー氏:ステージによって備え付けられている武器が変わっているので、状況にあわせて拾って頂ければと思います。ですので、ほかのシーンでも特殊な武器を使用することが可能です。
――ライカンとの戦いでボタン入力に失敗した場合には即死なのでしょうか?
ルー氏:それもシーンによって異なります。今回お見せしたシーンでは特定のボタン入力ができなければ一発で死ぬというわけではなく、単純にダメージを受けたことになっています。ですが、ほかのシーンでは即死することもあります。
――建物のディテールがきれいですが、景色を眺めるようなミッションはありませんか?
ルー氏:今回のデモでは素早く動くことが多かったですが、もっとゆっくりと周りの風景などを見ることも可能です。
――ゲーム全体のプレイ時間はどのぐらいを想定していますか?
ルー氏:プレイヤーの選ぶ難易度によって変わってきます。大体現在発売されているTPSゲームの平均的なプレイ時間を想定して頂ければと思います。
新ステージをプレイ!橋の上で反乱軍から陣地を守れ!
デモプレイ終了後、実際に本作に触れることができた。今回プレイできたのはロンドンの中心地であるウェストミンスターの橋にいる反乱軍から陣地を守るというもの。しばらくムービーが入ったあとにいきなり戦闘となるが、今回は特殊な銃として電撃を放つ“アークガン”が使用できた。
“アークガン”の使い方は射撃ボタンを押しっぱなしにして電気を溜め、離すことで攻撃する。従来の銃とは使い方が異なるため、壁に隠れて撃とうとして電気が溜まっておらず、一方的に攻撃されてしまうこともある。電気は移動中でも溜めることができるので、なるべく溜めておくといいようだ。“アークガン”の照準はかなり広めに設定されているので、敵が画面の中心にいるときを狙うと当たりやすい。
そのほかにも“M85自動小銃”、“3連式ショットガン”、“C-78自動拳銃”、“M82カービン”などさまざまな銃を使うことができた。銃の種類は今回のもので全てというわけではなく、まだまだ多くの種類があるようだ。また、銃の形は現実の19世紀末ビクトリア時代に使われていたものをモチーフに制作されているので、「どこかで見た銃だな」と思うことがあるかも知れない。
反乱軍と戦ってみると敵は遮蔽物に隠れながらプレイヤーを攻撃してくるのだが、隠れる位置を変えてみたり、こちらが敵に照準を合わせていると急に回避行動を取ったりする。狙いにくいうえに射撃も正確なので、遮蔽物に隠れて攻撃する“ブラインドファイア”を使いながら少しずつ倒していくのが良いようだ。
また、反乱軍の兵士にはアサルトライフやハンドガンを使う一般的な兵士だけでなく、ショットガンを持ち鎧をつけた兵士も存在する。一般の兵士とは違い、遮蔽物に隠れることなくプレイヤーに近づきショットガンで大ダメージを与えてくる。銃を何発も撃たないと倒せない敵なので、一定距離を取りながら戦うとダメージを受けにくい。倒されてしまっても“ブラック・ウォーター”があるおかげで一度だけ起き上がれるが、敵の目の前で飲んでしまうとすぐに攻撃されるので遮蔽物に移動してから飲むようにしよう。
体験プレイでは要人を助けて少し先に進んだところで終了となってしまった。筆者は敵に突っ込む傾向があるせいか全体的に難しい印象を受けた。ほかの人のプレイを見ているとしっかりと遮蔽物に隠れたり、敵がリロードをしているときを狙って攻撃をしていたので、さまざまな対処法があるようだ。