インターグローが2015年6月25日に発売を予定しているPS4/PS3/Xbox One/Xbox 360用ソフト「RIDE」。そのゲーム内要素を紹介するメディアブリーフィングが5月14日に東京都内で行われた。
「RIDE」はリアルバイクレースゲーム「MotoGPシリーズ」を開発しているイタリアのマイルストーン社が手がけたリアルライディングシュミレーターだ。
リアルライディングシュミレーターと銘打っているだけあって、本作には実在するバイクが100台以上登場し、すべて実際のエンジン音が収録されている。また、チューン用のパーツやレーサーたちが着るウェアなども実在のメーカーのものとなっている。サーキットも実際のグランプリサーキットのほかにも、都市や観光地をモデルにしたコースでレースをすることが可能だ。
また、本作にはマルチプレイモードを搭載しており、PS4/Xbox Oneなら最大で12人のプレイヤーと対戦することができる。リアルなバイクの挙動とグラフィックにこだわって制作されたという本作のメディアブリーフィングの内容をお届けする。
ローカライズした経緯を語る
まずは、インターグローの代表取締役社長兼本作のローカライズプロデューサーの竹内茂樹氏がライダーウェアを着込んで登場。
本作をローカライズした経緯について、2014年モデルと2015年モデルの中型排気量以上のバイクが多く収録されていたということもあり、モータースポーツに興味が持っているゲームユーザーにアプローチできるのではないかと考えたそうだ。また、竹内氏は本作をバイクに興味を持った人の入門用として使ってもらい、日本でもモータースポーツを普及させるという目的もあったと述べた。
今回のローカライズにあたり、メニューなどの基本的な部分だけでなく、各パーツの名称やナレーションなど約5万ワード以上を翻訳しているのだとか。本ローカライズはかなり苦労しているようで、日本ではマフラーと一括で呼ばれているが、海外ではサイレンやサーマニホールドなどパーツによって細かく名称に違いがあり、それを日本語化するときにビギナーユーザーにもわかりやすくするための工夫をしているそうだ。
元MotoGpライダー中野真矢氏が登壇
ここで今回のゲストに元MotoGpライダーの中野真矢氏が登場。本作の印象について聞かれると、竹内氏に話を聞く前にネットですでに情報を見たことがあったようで「あまりのリアルさに驚いた」とコメント。また、イギリスのドニントン・パークなど中野氏が実際に走ったコースも収録されており、「転倒して痛い思いをしたコーナーは慎重に走りそうだ」と苦笑いしていた。
また中野氏は竹内氏にバイクの接地感にこだわったという説明を受けており、ブレーキをしたときにサスペンションが少し縮む動作や、アクセルを全開にしたときの後輪タイヤのグリップ感などが本物そっくりで驚いたという。竹内氏は「目立たないところもこだわって作っているのでぜひ見てもらいたい」と述べた。
中野氏が2014年の最新モデルのバイクをどうやって実装したのかを竹内氏に聞くと「3月初旬ぐらいまでバイクメーカーからデータを取り寄せて、それを物理演算であわせている」と回答。また、DLCで2015年モデルは14車種ほど追加する予定とのことだ。
本作のこだわりを賞賛していた中野氏だったが、プレイしたときに気になったのがレースを開始する前の40秒のロード時間だという。アバターやバイクのチューニングの反映などに時間が掛かってしまうそうだが、バイクの知識が身につくテキストを表示して飽きさせない工夫をしているとのことだ。
中野氏が本作を実際にプレイ!
続いてディレクターの渡部和成氏が実際にゲーム画面を見せながら本作を説明した。本作ではメニューの“マイライダー”から自由にアバターを作成可能。国籍/顔/性別だけでなく、ヘルメット/ウェア/グローブ/シューズなどの衣装も細かく設定できる。
また、少しマニアックだが、ライディングやスターティングポジションなどの姿勢もカスタマイズできるようになっている。
バイクはメーカーごとに分けられており、1987年モデルのVFR750 RCなどのレトロなバイクから、2014モデルのCB650F ABSなどさまざまなものを選ぶことができる。バイクには、それぞれに加速力/ブレーキ力/最高速度/操作性などのステータスがあるようだ。どのバイクもレースで得られるポイントで購入していくことになり、カウルのついていないネイキッドならかなり安く購入できる。
バイクのカスマイズはエキゾースト/ブレーキ/サスペンション/シリンダーヘッドポートなど細かくいじることができる。バイクによってカスマイズできる項目に違いがあるとのことだが、ネイキッドなら、ほとんどのパーツがカスタマイズ可能だ。
レースの種類も豊富にあり、サーキットは全部で15種類用意されている。サーキットのなかには関東寺社巡りという変わったコースをあった。
一通りのカスマイズを終えたあとに実際に中野氏がプレイすることに。本作にはコースの位置取りを教えてくれる機能があり、まだあまり慣れていない中野氏はそれを辿るように走っていた。転倒したときには少し前の時間に巻き戻す機能があったので、初心者でも安心してプレイできるようだ。
中野氏のゲームプレイ終了後、マイルストーン社の開発陣にスカイプを繋いで質疑応答が行われた。
質疑応答
――スタート前のライダーの仕草で参考にしているものありますか?
開発:プレイヤーのアバターなのでとても重要だと考え、実際のMotoGpライダーの仕草を研究しています。
――コースに関東寺社巡りがはいっているのはなぜですか?
開発:我々は、入念なリサーチをして、日本の文化や自然などを最も表しているのは関東寺社ではないかと思いました。
――日本のファンにメッセージをお願いします。
開発:本作はバイクへの並々ならぬ情熱をもとに作られているので、日本のバイク好きの人にはぜひプレイしてもらいたいです。オンラインのマルチプレイヤーにも対応しているので楽しみにしていてください。
最後に中野氏は「開発陣の技術の高さと、竹内さんの本作への情熱を感じさせてもらいました。本作をプレイしてもらってオートバイ乗りが増えればいいなと思います」と述べてイベントは終了した。