アメリカ・ロサンゼルスにて6月16日(現地時間)より開催されている「Electronic Entertainment Expo(E3) 2015」。ここでは、スクウェア・エニックスのEidos MONTREALが送り出すPS4/Xbox One/PC用ソフト「Deus Ex: Mankind Divided」のゲーム概要とインタビューを紹介していこう。なお、日本発売は現在未定。
「Deus Ex: Mankind Divided」は、ウォーレン・スペクター氏の制作した同シリーズを元に、前作「Deus Ex: Humae Revolution(邦題:「Deus Ex(デウスエクス)」)の2年後を舞台にした、近未来サイバーパンクの世界で繰り広げられるアクションRPG。
オーグメンテーション(人体拡張技術)を受けた人間たちが脅威とみなされ、彼らは一般社会から隔離(作中ではメカニカル・アパルトヘイトと呼称)されてしまった。しかし、その脅威たる者たちからの反発により、世界は混沌の時代へと突入してしまう。
硬派な世界観はよりシリアスへと移行しており、同時に前作からの主人公であり、その命をオーグメンテーションにより救われたアダム・ジェンセンもその最中にいた。
そして作中でジェンセンは、自身の所属する国際組織「タスクフォース」が、秘密結社「イルミナティ」の傀儡にされていることを疑い、二重スパイとして行動することになるのだ。
ゲームは経験値制を導入したRPG要素と、シューティングやステルスなどのアクションがおりなすFPSが融合されており、多彩な能力・効果をもたらすオーグメンテーションを強化しながらストーリーを進めていく。
もちろん、プレイ中は銃器による火力で敵を圧倒したり、光学迷彩や壁越しをスキャンして潜入したり、それこそオーグメンテーションを利用してテクニカルに攻略したりと、コンバット、ソーシャル、ハッキングを柱としたプレイングの幅も広い。
さらに新要素として、武器のカスタマイズをはじめ、武器とオーグメンテーションの能力を瞬時に切り替えられる「ガンアーム」、最大4人の敵を同時にスタンさせられる「テスラガン」、短距離を瞬間移動できるオーグメンテーション「イカロスダッシュ」、システムの一新+ロボットやカメラを遠くから操作できる「遠隔ハッキング」の導入など、プレイフィールもさらなる進化を遂げている。
そのほか、ステルスの対比となるコンバット面がより楽しめるよう、遠くから敵を串刺しにしたり、射出後に一定時間経つと爆発する「ナノブレード」や、ジェンセンの耐久力を大幅に向上させる黒い結晶体「タイタンシールド」といった新武器が追加されているので、人間兵器の如きバトルも体感できるようになった。
なお、今回会場で見ることのできたデモプレイでは、プラハの街で起きたテロ事件に巻き込まれたジェンセンに、ARC(オーグメンテッド・レジスタンス同盟)のリーダーを捜索するよう指令が下される場面からゲームスタート。ステルスにフォーカスしたプレイで敵を欺きながら、進化したハッキングのハラハラ感などを味わいながら、潜入が見事に果たされていった。
そして、インタラクティブ・ボスの名が冠されているリーダーに出会うと、彼の発言に対して、プレイヤーはさまざまな選択肢を迫られる。プレイヤーの選択はその後の結果を大きく変え、さらにその次に出会う登場人物たちの態度にも大きく影響を与え、やがて幾通りにも派生していくため、より有機的な姿勢でプレイに望めるようになっている。人間味のあるリーダーの仕草も見どころの一つだ。
その後のプレイの続きでは、リーダーとの会話に失敗したことから、ガードたちが厳重な警戒態勢を敷いてしまった。会話に成功していれば警備は緩いままであったからもしれないし、特別な情報を得ていれば違う結末に辿り着いたかもしれないが、これもまた一度きりの選択の醍醐味であろう。
そうして、大量の敵を相手に辛くも脱出を果たしたジェンセンであったが、その背後には何やら怪しげな影が迫っていた―。
今回この「Deus Ex: Mankind Divided」に関しては、開発・Eidos MONTREALのゲームプレイディレクター・PATRICK FORTIER氏へのインタビューも執り行われた。続編ならではの魅力や強化されたコンバット面について知りたい人は、引き続き目を通してもらいたい。
PATRICK FORTIER氏へのインタビュー
――今回のメインテーマを聞かせてください。
PATRICK氏:前作「Deus Ex: Human Revolution」のテーマは、プレイヤーの行動が自由であることと、選択肢によってその後に大きな影響を与えるという2点がありました。本作「Deus Ex: Mankind Divided」についても、そこは同じです。ただ、今回は意図して作っていたところをさらに強化しており、前作で受けた反省点も活かしているので、そこにぜひ注目していただきたいです。
――前作に比べて進化した部分は何ですか?
PATRICK氏:前作と比べて細かく強化したところについてですが、まずオーグメンテーション「ガンアーム」により、その場で使いたいオーグメンテーションをより流動的に選ぶことが可能になりました。また、前作でステルス要素が強かったことは開発の中でも認識していましたので、プレイヤーの自由をより広げられるよう、コンバット面をステルスと同等に引き上げることで、どちらを選んでも楽しめるようにしています。
加えて、ジェンセン自体を見てもらえればわかりますが、彼のオーグメンテーションもかなり進化を遂げているので、こちらにも期待しておいてください。
――「Deus Ex」の物語はどういう構成になっていますか?
PATRICK氏:「Deus Ex」自体はリアルさに焦点をおいた作品です。物語の進行も辻褄が合うようにきっちりと練り上げています。ちなみに本作は前作から2年後の話で、前作のジェンセンが背負っていた「なんで自分がこんな目に合わなければいけないんだ」という被害者意識はなくなりました。本作のジェンセンは色々な経験を積んできているので、自信も十分にあります。
――インタラクティブ・ボスについて教えて下さい。
PATRICK氏:インタラクティブ・ボスと相対した時は、それぞれ違った会話などが展開されます。会話の選択肢によって結末が変わり、その後も色々な細かい分岐が続いていくのです。
――コンバット面の強化につながる新武器について教えて下さい。
PATRICK氏:今回登場するオーグメンテーションの殆どは、2つの機能を備えています。新たなオーグメンテーション「ナノブレード」は、ステルス面では腕から放たれる投射ブレードによりサイレントキルが可能で、コンバット面では投射前にチャージすることで壁に刺さり、一定時間後にグレネードのように爆発します。
「タイタンシールド」は自身の耐久力が大幅に向上するので、敵に囲まれたとき、ゴリ押ししたいときなど、困難な状況を切り抜けるのに有用で、「テスラガン」は敵をロックオンすることで、最大4人まで同時に気絶させることができます(最大アップグレード時)。どのオーグメンテーションを強化するかで、ステルスとコンバットの特徴をよりフォーカスできる仕組みです。
また、新たなガンアームの特徴については、例えば1人の敵と銃で戦っている最中、もう1人の敵が視界に入った時にその場でボタンを放すことで、かなりのエイムアシストが効きます。そのため、その場からすぐに投射ブレードを出して別の敵に戻ったりと、以前よりも流動的に対応できるように仕上げました。
――ステルスとコンバットのどちらか一方に特化することで不利になることはありますか?
PATRICK氏:どちらか一方に特化したアップグレードをしたとしても、そのプレイヤーが不利になることは絶対に無いです。また、物語の最初から最後まで一人も殺さずに終えることも可能です。
――前作で難点であったオーグメントのエネルギー切れの早さは解消されていますか?
PATRICK氏:今回はエネルギーのシステム自体が変わっていまして、前作のようなエネルギーバーのようなものはなく、最初からジェンセンが有しているエネルギーを使用することになります。確かにバシバシとオーグメンテーションばかり使っていてはエネルギーが無くなってしまいますが、時間が経つと回復するので、前作よりは高い頻度で利用していけると思います。
――前作プレイヤーへの特典はありますか?
PATRICK氏:ベースとなるシステム同じなので、戦っていくことで経験値が得られるため、どのオーグメンテーションをアップグレードしていくかが少し把握しやすいかもしれません。ただ、データの引き継ぎや特典といった要素はないです。
――最後に日本のファンへメッセージをお願いします。
PATRICK氏:私を含む開発陣は、幼少期に日本のゲームを通して育ってきたので、その影響を大きく受けています。「Deus Ex: Mankind Divided」にもそれらが散りばめられていますので、日本で待ってくれている人たちがいればとても嬉しいです。
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※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
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