ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは、明日12月10日に発売されるPS4用ソフト「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」に向けて、27時間生特番内にてメディア向け記者会見を実施した。

目次
  1. まずは明日発売のPS4「GRAVITY DAZE」をおさらい
  2. 「GRAVITY DAZE Project」の新情報
  3. 「GRAVITY DAZE 2」の概要が明らかに
  4. ここからいよいよ実機プレイがお披露目!
  5. 外山氏への質疑応答コーナー

明日2015年12月10日にPS4「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」が発売されることを記念し、ニコニコ生放送にて「愛と重力の27時間生特番!PS4『GRAVITY DAZE』発売カウントダウン生放送~あなたにゲームが届くまで~」が、12月8日21時から12月10日0時まで配信されている。

本番組ではただ単にゲームをプレイするのだけではなく、「いかに『GRAVITY DAZE』が発案されたか」「実際のゲーム制作風景」「ゲームショップの店員さんの意見」「クリエイター座談会」「メディア記者会見」「プラチナトロフィー挑戦企画」「りんご農園直撃取材」などなど、さまざまなキーワードをもとに、バラエティ豊かな企画が多数進められている。

そして今回、本企画内にて「メディア&視聴者合同記者会見」が実施され、筆者も現場へと伺う機会に恵まれた。本稿では「GRAVITY DAZE 2」実機プレイ、「GRAVITY DAZE Project」の進捗、ディレクター・外山圭一郎氏への質疑応答コーナーの様子などをレポートしていく。

まずは明日発売のPS4「GRAVITY DAZE」をおさらい

番組開始から17時間が経過した本日午後4時。深夜の大喜利や、時には猫を眺めたりなど、さまざまな催しが行われてきた中、いよいよ注目の「GRAVITY DAZE 2」に関する情報発表の場が持たれた。イベントをニコ生で中継することはあれど、ニコ生を中心とした記者会見といったのは、これが初の試みだというSCE宣伝担当・北尾泰大氏(司会)。

記者会見にはもう一方の司会・遠藤舞さん、プレゼンテーターのSCE JAPANスタジオ クリエイティブディレクター・外山圭一郎氏、プロデューサー・五十峰誠氏が登場し、和やかなムードで進行。

左から外山圭一郎氏、五十峰誠氏、北尾泰大氏、遠藤舞さん

最初は明日12月10日に発売日を迎えるPS4版「GRAVITY DAZE」の簡単なおさらいから。記憶を失った少女・キトゥンと、重力を操る黒猫・ダスティが出会い、“重力の向きを変えて、空間に落ちていく”重力アクションが展開していく本作のPS4版では、大画面+60fps描画により、次世代機ならではの滑らかな重力アクションが楽しめる。

キトゥンの成長を巡る物語、キャラクターモデルや背景の気になるポイントの改修、PS Vita版にて提供されていた3種のDLCの収録、600点以上のイラストを盛り込んだギャラリーモードの搭載と、進化したポイントもたくさんだ。

「GRAVITY DAZE Project」の新情報

「GRAVITY DAZE Project」の進捗として、まずはソニーのウォークマン「NW-A25HN(16GB)」と、ステレオヘッドホン「MDR-100A」のコラボレーションモデルが、昨日12月8日より予約受付が開始されたことが明かされた。

両モデルにはキトゥンの鮮やかなイラストが刻印されており、またウォークマンには田中公平氏の手掛けた「GRAVITY DAZE」の楽曲が全曲収録されている。

ちなみに、本製品を一足先に試したという五十峰氏は、これまでハイレゾというものを体験してこなかったとのことで、“自身がさんざん聞いてきた「GRAVITY DAZE」の楽曲”を初めてハイレゾ仕様で聞いてみたところ、思わず声を上げてしまうほどの衝撃に出会ったのだとか。

続いて「GRAVITY DAZE」アニメーションプロジェクトとして、オリジナルアニメの制作が発表された。本アニメは、「GRAVITY DAZE」のエンディング後から「GRAVITY DAZE 2」に至るまでの数ヶ月間の空白のエピソードを描いているという。現段階では提携しているアニメ制作会社の名は明かせないというが、国内でも優秀な制作会社とともに企画を進めているとしていた。

なお、公開については2016年中で、詳細な時期に関しては「1をやった後、2をやる前に見てもらうのがいいのか」「2をやった後、補完してもらう形で見てもらうのがいいのか」などなど、どのタイミングが最良なのかを鋭意検討中だとか。

「GRAVITY DAZE 2」の概要が明らかに

ここからは、ニコ生視聴者も待ちに待っていた様子の、シリーズ最新作「GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収敛した選択」がお披露目された。

まずは実機プレイに先駆けて、本作をどういう思いで作ってきたのかが外山氏より語られる。

「GRAVITY DAZE 2」では、とある出来事から重力を失い、過酷な環境に身をやつすことになったキトゥンの物語が描かれる。なお、本作は単なるストーリー的な続編という位置づけだけでなく、次世代機のスペックを活かし、重力アクションを飛躍的に高めたいという開発が思いがあったという。

手を入れる部分は多岐にわたり、さまざまな面をブラッシュアップしてきた結果、これまでは「GRAVITY DAZE 2を一言で表すと?」といった質問に一口で答えられなかったという外山氏。だが、最近になってようやく本作を表現できる一言に出会えたとし、「LIVELY EXPERIENCE」というワードを示してくれた。

この言葉には“生命力に満ち溢れた、鮮やかな体験”など、本作を表すに相応しい力強い意味合いがある。同時に、昨今の日本のゲーム業界の閉塞感を打ち破るといった思いも込めているようだ。

「GRAVITY DAZE 2」では前作の舞台「ヘキサヴィル」から、新たな街「ジルガパララオ」へと舞台を移している。ヘキサヴィルがヨーロッパの美しい情感的な風景だとすれば、ジルガパララオは日差しの強いエスニックさ、色彩鮮やかで、猥雑な活気に溢れた生きている町を表現しているとか。

都市は空中にたうたうようにプカプカと浮いており、それは実機でも表現されている。また、生きている都市の一歩先の表現として、“都市がまるごと敵”になるアートワークも公開。とてもスケールが大きい。

また、「GRAVITY DAZE 2」にあたっての新要素は操作性にも及ぶ。シリーズを重ねるにつれ、いたずらに操作を複雑にするのは避けたいとし、シンプルな操作体系はそのままに、本作では重力の性質を変化させる「アトリビュートチューン」なる要素が投入されている。

さらに敵のバリエーションも人型・機械型などさまざまに増加し、前作から続くストーリーであることから前作の登場キャラクターもほぼ登場。同時に、新規キャラクターもそれを上回るほどに収録するとのことだ。また、キトゥンのライバルである「クロウ」は、今回はキトゥンの戦闘を手助けしてくれるようになっている。

ここからいよいよ実機プレイがお披露目!

ここからは最新の開発バージョンを用いての実機プレイが披露されることに。

最初に映されたのはジルガパララオにある港エリアの一角。先ほど話されたとおり、画面上では浮いている町が揺れ動き、PS Vita版に比べるとそのほかの細かなオブジェクトもより動的に変化している。なお、ゲームも後半に進むと、それらの表現はよりダイナミックになっていくという。

また、「街の人たちともっと交流したい」というユーザーからの意見を受け、本作ではさまざまな人たちとコミュニケーションが取れるように。その一つとして「エモーション」が新たに搭載され、「あいさつ」をすることで、街中の人々がキトゥンに挨拶を返してくれるようになった。ちなみにエモーションはいくつも存在し、ゲームを進めていくことで増えていくようだ。

そのほか、操作面においてはコントローラーのジャイロ機能を使って、違和感なく動かせるとしていた。

前作で「ユーザーによるスクリーンショットコンテストが開かれていた」ことをふまえ、新たに「フォトモード」が搭載。フォトモードでは単に人物・風景を撮るだけでなく、タルやイスなどバリエーション豊かなフォトアイテムを使ってキトゥンを自撮りしたり、開発次第で色々なフィルターを掛けられるようにもするらしい。

なお、オンライン要素の一つとして、オンライン上の人たちと写真を見せ合う機能も語られた。発売後は街中に半透明のアバターが現れ、そこで撮った写真を評価したり、評価し合うことで“いいこと”があったりなどの楽しみ要素を考えているようだ。

気になるバトル面は、物理エンジンの強化により、細かなオブジェクトがひっちゃかめっちゃか動き回るように。これにより、重力を使った演出に爽快感がもたらされていることは、眺めているだけでも十分わかる。

ここで新要素の「アトリビュートチューン」より、重力エナジーを消費せずに素早く飛び回ったり、特殊なワープ攻撃“ワームホールキック”を使える「ルナチューン」と、動きを鈍くして攻撃力を上げたり、ガード能力が追加される「ユピテールチューン」が披露された。戦術面での楽しみは元より、操作感も大分変化しそうで期待させられるシステムだ。

白い装飾を纏う「ルナチューン」
黄色い装飾を纏う「ユピテールチューン」
ボス戦ではクロウと共闘する場面も。

この後はメディア&視聴者合同の質疑応答コーナーを紹介。上述してきた要素なども追求されているぞ。

外山氏への質疑応答コーナー

――本作の新たな切り口を教えてください。

外山氏:前作は欧米のフレンチコミックの印象をストレートに出していたのですが、本作では白い雲や青い空など、パノラマ感・グローバル感といった部分に重きを置いています。これについてはPS4の光源処理と相性がよく、非常にうまくいっていると感じているところです。

――「GRAVITY DAZE 2」でもコミック調のイベントは続投ですか?

外山氏:私たちがコミックデモと呼んでいる演出は、本作でも継続です。ただ、演出の強化に伴い、ゲームのテンポが落ちないように心がけています。

――製品版のフィールドはどれくらいの広さを想定していますか?

外山氏:前作と比べてざっと2.5倍の広さです。また、前作はPS Vita ローンチということでサイドストーリーなどをしっかりと盛り込めなかった経緯があるので、今回はミッション数も大幅に増加させます。現在は“50”を目標に制作している最中です。

――ゲームのボリュームはどれくらいあるのでしょう?

外山氏:前作は平均で20時間~25時間でしたが、本作ではメインストーリーを進めるだけでもそれ以上といったところです。また、前作では「クリア後にやることがない」という声を多く聞きましたので、それに応えるためにやりこみ要素をたっぷりと用意しています。

――サブタイトルに完結編とついていますが、これでキトゥンの物語は最後ですか?

外山氏:前作のエンディングの時点で、最初に書き下ろしたストーリーの途中で終わってしまっていました。今回は前作での伏線を回収しつつ、キトゥンの物語の完結にたどり着くように制作しています。

――アトリビュートチューンは全部で2種類ですか?

外山氏:アトリビュートチューンに関しては、本日お見せした2種類のみですが、キトゥンの強化項目についてはたくさん用意しています。

――クロウとは戦闘以外でも一緒にいられますか?クロウを操作することは可能ですか?

外山氏:非戦闘でもクロウと一緒になることはありますが、基本的にストーリーに沿って登場するので、アバターのように呼び出したりはできません。また、前作でも「クロウを操作したい!」という声はたくさん届いておりますので、開発は重く受け止めています…。

――詳しいオンライン要素を教えてください。

外山氏:現時点ではトレジャーボックスに加えて、タイムアタックにはランキングだけでなく、ゴーストへ挑戦できるようになる疑似対戦機能を付けるつもりです。あとはまだ発表できませんが、クリア後に長く遊んでもらえる要素を考えています。

――フォトモードのオンライン機能についても詳しく聞かせてください。

外山氏:プレイ中は「フォトゴースト」という、写真を撮っている半透明のアバターが街中に現れます。それらはオンラインに繋がっているプレイヤーの非同期の記録ですが、その人が撮った写真を評価するといいことがあるんです。あと、写真はツイッター上にも投稿できるようにする予定です。

――サウンド関連でこだわっている点をお聞かせください。

外山氏:「GRAVITY DAZE 2」の音楽は、前作から引き続き田中公平氏が手掛けています。今回はジルガパララオのグローバル感を出したいと思ってはいますが、本シリーズでは幅広いモチーフを引っ張って特異な世界を作っていますので、“特定の何処か”ではなく、“ここにしかない世界観”をこだわり、追求しています。

――収録ボイスは前作以上ですか?

外山氏:もちろん。本作では“インタラクティブの中でのボイス演出”を成立させるために、風景の一部から、自然な形でボイスが出るように力を入れています。当然、言語は日本語ではなく前作と同じオリジナルの言語なので、実際に何を言っているのかは想像の余地というところで。

――VRではプレイできませんか?

外山氏:正直、本作のVRへの対応は考えていません。ただ、“とりあえずVRで動かしてみる”という機会があって、実際にプレイしたのですが、360度を自在に動くのは中々の体験でした。なので、今後は違う何かでこれを活かしていきたいと考えています。

――「GRAVITY DAZE 2」からプレイしても大丈夫ですか?

外山氏:「GRAVITY DAZE 2」では、ゲームの舞台も、キトゥンの立場も変わっているので、前作をプレイしていない人でも迷うことなく遊べるはずです。ただ、前作のキャラクターも引き続き登場するので、できれば「GRAVITY DAZE」から楽しんでもらえると嬉しいです。また、明日発売のPS4版とのセーブデータ連動なども考えているので、こういった意味でもぜひともPS4版「GRAVITY DAZE」をよろしくお願いします(笑)。

――PS4版「GRAVITY DAZE」のプロモーションはかなり大がかりでしたね。

外山氏:今回のPS4版「GRAVITY DAZE」のように、リマスター作品でありがならこれほど大掛かりなプロモーションは珍しいかと思います。ただ、元から10年、20年経っても色褪せないタイトルを作りたいと考えていたので、まだまだ遊んでいない人たちに向けてプロモーションをし、もっと遊んでもらうための努力はしていきたいです。もちろん、来年発売の「GRAVITY DAZE 2」にもうまく繋げていければと考えています。

――海外ではタイトル名が「GRAVITY RUSH」ですが、これは?

外山氏:海外では販売する際は、その地域のリージョンに適した形でリリースされます。本作の場合は、現地の方々が「GRAVITY RUSHの方がユーザーに伝わりやすい」という思いから判断された結果です。

――開発の進捗度はいかほどですか?

外山氏:現在は大きな枠をある程度作って、コンテンツの量産体制に入ったところなので、進捗度としては30%~40%ほどですね。

――2016年の詳しい発売日は決まっていますか?

外山氏:それはまだ言えないのですが、来年はPSプラットフォームで有力タイトルがたくさんリリースされるので、いいタイミングを狙っていきたいです。

――作品づくりのインスピレーションは何から得ていますか?

外山氏:いい作品に触れた時、自然にインスパイヤされることもあります。ただ、僕の場合は頑張ってひねり出すことより、“溜まっているもの”を出すことが多いです。それは大きな事柄ではなく、日常的に「もっとこうだったらいいのに」とかの考えの積み重ねが、知らず知らずのうちに溜まっているものですね。今この瞬間に「次に作りたいものは?」と聞かれてもスッとは出ないのですが、紙にでもしたためようとすると、その溜まったものがワッと出てきて、形になっていきます。

――【ユーザーからの意見】猫のコスチュームは今回もあるんですか?できればハロウィン衣装とかも欲しいです!

外山氏:コスチュームは前作以上にたくさん用意します。ハロウィンは……まだ時間があるので善処したいですね。この話を開発に持って帰ったら叩かれそうですが(笑)。

――【ユーザーからの意見】「GRAVITY DAZE 2」ではDLCはでますか?

外山氏:もちろん考えております。今のところ言えるのは“前作とは違った切り口で提供したい”ということだけですが。

――【ユーザーからの意見】「GRAVITY DAZE 2」の発売時にも27時間生放送やりますか?

外山氏:“2だから54時間!”とはいきませんが、ユーザーの皆さんが期待してくれているのであれば、何かビックリするようなことはやりたいと考えています。

発表会の最後には、明日から順次予定されているPS4版「GRAVITY DAZE」の全国の店頭体験会、渋谷QFRONTに掲示される「巨大キトゥン」、キトゥンがふわふわ浮いているアニメーション付きのテーマがもらえるPS4ダウンロード版の予約(本日12月9日23時59分までの予約で入手可能)などが告知された。

そして最後は外山氏より、「『GRAVITY DAZE 2』は、今までの集大成にする意気込みで作っていますのでご期待下さい。また、2をより楽しむためにも、明日発売の1からプレイしてもらえると嬉しく思います」とコメントされ、これにて終幕。

なお、27時間生放送自体は本日12月9日いっぱいまで放送されているので、興味がある人は引き続き目を通して(番組ページ:http://live.nicovideo.jp/watch/lv244136462)みるのもいいだろう。

GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

ソニー・コンピュータエンタテインメント

PS4ダウンロード

  • 発売日:2015年12月10日
  • 15歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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