コミュニケーションが苦手であっても、頑張って声を発することさえできれば「ネッ?」と「ハイ!」だけでどうにかなることを教えてくれることでおなじみ(?)の「ネットハイ」のインプレッションをお届けします。
パッケージを裏返すと「リア充の嘘を暴く痛快アドベンチャー」とありますが、個人的には実は「リア充」という言葉をちゃんと理解していなかったりします。
「リア充」という言葉は「リアルが充実している」ということだとすると、きっとボク自身が「普段からゲームをプレイしていて充実しています」と言えば誰もが信じてくれるけれど、「恋愛が充実しています」と言った場合は信じてもらえない可能性が高い、という解釈でよろしいでしょうか。
……と、自分で書いていながらもなんだか失礼で腹が立ってくるような感じでリア充という言葉を納得できたのですが、だとすると「非リア」とは何なのでしょうか。「有楽町とか霞が関とかあの辺?」と言われて「それは日比谷だよ!」と答えない人が非リアなのかな? ほら、日比谷とか結構リア充な人がいそうな場所じゃないですか(偏見)。
まぁ、「リア充」とか「非リア」に対する認識はその程度だったりするのですが、今年の年末はゲーム以外でもリア充を発揮したいという思いに至ったため、「ネットハイ」を教材として活用できるかプレイしてみようと思います。
では、ゲームを始めてみましょうか。
「レッツ、炎上!」
なにやら怪しい一言と共にゲームの幕開けです。
コンピュータを起動して、設定する画面になったかと思ったら、エラーになって「レッツエンジョオオオオオイ!」って……怪しいMCちゃんが出てきていろいろと質問をしてきます。全ての設問は2択になっていて、多数派の答えを選ぶとフォロワーが増えて画面が乱れていきます。
調子に乗って、多数派っぽい答えばかりを選ぶと……フォロワーが1億を越えてリア充確定。RANKはAになってしまい、気が付けばゲームオーバー。
これって、ファミコンの「ドラえもん ギガゾンビの逆襲」で助けを求めるドラえもんを拒否しまくって以来の最速エンドですよ。もしくは、「燃える!お兄さん」の……いや、そんな話はどうでもよくて、とにかく非リアじゃないとゲームが進みません。
改めて質問に答えていくと、程よく少数派の選択肢をリアルに選べる状況だったため、普通に選んでいくとやっとのことでゲームが進んでくれました。いやー、リア充辛いわー(適当)。でも、「パスタを食べる時に使うのは?」の「箸」「フォーク」の2択でそっちが少数派ですか。そうですか。当たり前なことが少数派だったのがちょっとだけショックを受けました。
さて、フォロワー数が9495人で「ぼっち」と診断されました。「非リア」確定です。
目覚めと共にゲーム再開、というかいつの間にかなにやら対決をしているような状況。寝てた? 気絶してた?? とにかくニヨニヨ動画で放送されている番組で何かをしていたようですね。気絶して記憶を一時的に忘れているっぽい主人公と何が何やらわからないプレイヤー、つまりこのボク。この2人が完全にリンクして、完ぺきな非リアがここに1人生まれました。
感情があるのかないのかよくわからないAIのシルがサポートしてくれるのでサクサクゲームを進めましょうか。
ゲーム序盤の流れをものすごくざっくりと書くと、ある程度はオートプレイでやり取りを見て楽しめるタイプのアドベンチャーゲーム。プレイヤー自身はダメダメな非リア人間だけど、なぜかシルという女の子にマスターと呼ばれています。オレンジ色のメガネをするとその非リア人間が燃え上がってきます。そして、リア充っぽい男とENJバトルを繰り広げます。
リア充っぽい男が次々と繰り出すリア充アピールから論破できそうな言葉を見つけてLボタンで煽って言動を変えさせ、ネット上の国民どもを煽って炎上させて、たとえピンチになっても国民の心を動かすゴシップを出してイッパツギャクテン、最終的に国民の支持をかっさらえばOK。フォロワー数が勝負の決め手だ!
……と、ENJバトルの概要はわかったものの、コトの経緯というものがですね……。そもそもこの世界は、リア充と非リア充の格差社会。フォロワー数に応じて政府から支給される手当があり、非リア充は生き難い世の中なのでした。プレイヤー自身は非リア中の非リア、リア充ランキングでは最下層のランクG。ある日知り合ったランクAの女の子が、ENJバトルを放棄したばかりにあれよあれよとフォロワー数を減らし、ランク外へと消えてしまう事態を目の当たりにしたので、あの子の為にと俺氏が立ち上がったわけです。多分。
さてさて、そんなわけで、改めてさっきの男とのバトルを再開することになるわけですが、ENJバトルで戦う為には燃料が必要。ツイイッターを調べたり、街に出て証拠集めをしたりと、ノリ的には推理アドベンチャー的な展開。当然ながら、ネット社会のハイパーでサイバーでマルチメディアなアレコレのギミックを駆使したり、チートスキルをアンロックしたり、結果をコミットしたりする、今風のノリが満載なわけですが。
さてさて、証拠集めが終われば、先ほどのバトルの再開です。ENJバトル……じゃなくて爆発炎上バトルでしたっけ。炎上と言えば仮面女子……ということなのかどうかはわかりませんが、演出で出てくる仮面女子の皆さんのことがちょっとだけ気になりつつも、華麗にスルーしてバトルに入りましょう。
対戦相手はMr.エリートですが、パートナーの部下子の方が何だか偉そうです。こちらがシルとやり取りしている姿もある意味どちらが偉いかわからないので、女性が強いってことで片付けてもよろしいでしょうか。非リアの男子は皆そういう思考になっています。多分。
まぁ、いずれにしてもコミュニケーションが苦手同士の対決ということですね。Gランクだからしょうがないんですけど。
ン? そういえばMr.エリートって名前の割にはFランクなんですよね。この辺に糸口がありそうです。
Mr.エリートがひたすらdisりまくる中から気になるところが合ったら噛みついていきましょう。噛みつく回数は限られていますが、ニヨニヨ動画に流れるコメントの中にたまにある黄色いプレートに青文字の味方コメントをタップするとテンションが上がり、噛みつく回数が回復します。この味方コメントのタップですが、自動にすれば気にせずストーリーを楽しむことができるので、アクション寄りの遊び方がしたい人は主導でタップ、ストーリーにどっぷりハマりたい人は自動操作にしておきましょう。
調査パートで手に入れたゴシップをセッティングしておき、Mr.エリートのアピールの中から気になった発言があればLボタンで煽り、噛みつきたいところがあれば△ボタンでゴシップを使って噛みつきます。
アピールは普通に見ていればリピートしますが、方向キーの左右を押せばページ単位で行ったり来たりできるので、気になるところは繰り返し読みましょう。そして煽って相手がボロを出す、いわゆる「釣れた」状態になったら、アピール内容を変更してもらい、使えるようならゴシップを使って噛みつけば炎上完了、といった感じです。
某ゲーム雑誌を使っているところがアレですし、言い直させる内容もアレすぎてここで書くのははばかるのですが、とにかく炎上に成功したら、民意先導スピーチに移行します。
非リアに民意先導スピーチなんて、ちょっと荷が重いような気がするのですが、非リアな主人公はメガネの力を使って下駄を履かされている状態なので問題ありませんし、非リアなプレイヤーであるボク自身もテキストで書いている分には問題ありません。この部分を口頭で伝えようとしたらきっとドキドキしてしまうんだろうなぁ、と想像するも、安心してください。民意先導スピーチとは、用意されているフレーズを選択して組み合わせることですから。
「マンガやラノベと言えば-」のフキダシに対して3つの項目を選択するのですが、例えば一番上の部分の選択肢は「最近エロばかり」「読みやすくて簡単」の2択。これだけだと何のことだかわからなくても、3つの項目を全部選べばきちんとした文章が出来上がるので問題ありません。
さて、こちらの意見は伝えたので、あとは民意に委ねましょう。国民たちがボタンを押すことによって国民の民意が確定します。とは言っても、あとは待つだけではありません。俺氏はなぜかスマホのボタンを連打することによって自分の票を稼ぐことができるようになっています。チートばかしインチキに聞こえるかもしれませんが、やれることを駆使して勝ち掴まないといけないのです。それが非リアからリア充に昇り詰めるために必要な事ですから。多分。
とにかく相手を攻め切れると、相手の喋り方が変わったりビジュアルの一部が変わったりします。これが塗り固められたリア充が剥がされて真実の姿が表に出てくるのです。
相手のアピールを聞き、煽って釣ってボロを出させて、ゴシップネタで動揺を引き出す、という基本ラインと、そこから引き出される新しい展開、そして、流れにあったギミックによる展開、というのが爆発炎上バトルのようですね。
今度は、「ねつ造リベレーション」が登場。ゴシップネタとして提示した写真の中からどの部分が証拠になるか相手に突き付けます。
リア充であっても非リアであっても、会話の流れを完全に制御することはできません。この爆発炎上バトルでも、どんなに話の展開がこちらに有利になってもそのまま勝利とはなりません。今回のバトルの相手のMr.エリートには部下子というパートナーがいますし、そもそものバトルを仕切っているMCちゃんの気まぐれもあります。まぁ、それ以前にプレイヤー自身のはずの俺氏だって勝手に自滅したり調子に乗ったりしてしまって制御不能なので、プレイヤー自身はある程度読み手に徹する必要があります。でも、そこが面白いのです。
まぁ、色々と端折りますが、Mr.エリートを追い詰めて、いよいよ脳波レベルがネットハイに到達するとタイム・オブ・エクスプロージョンを使えるようになります。要するにこれまでの要点をまとめてとどめを刺す行為ですね。嘘を暴きまくって国民が盛り上がって大炎上によって敵の本性が完全にあらわになってオレ勝利、というわけです。
そんなわけで最終的には俺氏の勝利。勝てばストーリーが進みます。その進むストーリーのわけわからなさやイタさは面白いけど、プレイヤー自身がストーリーを作り出しているとしたら本当にイタいじゃないですか。だから、読み手に徹する部分があるのは正解。そうじゃないと、ほら、ボク自身が非リアを認めるような……えっと、そういうわけですよ。
ちなみにゲーム内に登場するいろいろな要素が初登場の際にはリア次とヒリ也によるチュートリアルを見ることができます。彼らの声はどこかで聞いたことのある緑と赤のキャラクターなのできっと皆さんも耳なじみがあることでしょう。そうそう、緑はガチャガチャと装飾したクリスマスツリーで赤はムクムクとしたヒゲが特徴のサンタクロース……って、おい! キャラクター性を考えると確かにリア次とヒリ也ってそうだよな、と思わせてしまっているところがズルいです。
FランクのMr.エリートに勝つと、次はEランクへと進みます。
先に進むときっとDランク、Cランクと勝ち進んでいくのでしょう。多分。
それぞれの対戦相手にはきっとMr.エリートのように偽りのリア充要素があり、その化けの皮をはがして非リアを暴き出していくことなのでしょう。多分。
そして、それぞれの対戦相手にはリア充をまとうためのはっきりとした理由があるのでしょう。多分。
あのMCちゃんにこそ何かがあるはず……多分。
多分。多分。多分……こんな自信がない書き方をしていると「ネットハイ」をプレイしているリア充の振りをしているけど、実はプレイしていない非リアなのがバレてしまって、炎上してしまうかもしれませんね。オレンジメガネの人に爆発炎上バトルを挑まれて、負けてこの世界で生きられないようになってしまう……と思ったけど、よくよく考えてみるとボクのTwitterのフォロワー数は2000人台。FランクチャンプのMr.エリートのフォロワー数は10万人くらいいたので、ボク自身に戦いに来ることはなさそうですね。とりあえず一安心です。
……というか、一応、今のところEランクのお姫様までは倒せたので、しっかりとリア充目指して頑張っていますよ。このまま「ネットハイ」を進めて、本当のリア充になりたいですね。シナリオが思っていたよりも充実していて時間がかかるため、このままだと今年のクリスマスも正月も「ネットハイ」と一緒になりそうです。エンジョイはできそうだけど、リア充かどうかの判断は……。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。
ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
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■Twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame
■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
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■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション2」
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■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション3」
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