セガゲームスが2016年2月10日に発売するPS4用ソフト「戦場のヴァルキュリア リマスター」。同作の初回特典としてプロダクトコードが封入される、「蒼き革命のヴァルキュリア」バトル体験版Ver.1.0のプレイインプレッションをお届けしよう。
2016年冬にPS4用ソフトとして発売が予定されている「蒼き革命のヴァルキュリア」は、これまで3タイトルが発表された「戦場のヴァルキュリア」のいくつかのキーワードを継承しつつも、世界観を一新した新たな「ヴァルキュリア」の物語が描かれる。ゲームジャンルも「戦場のヴァルキュリア」シリーズのアクティブ・シミュレーションRPGからRPGへと舵を切ったことで、従来のシリーズファン含め、どのようなゲームになっているのか気になる人も多いのではないだろうか。
そんな本作だが、2月10日に発売を迎えたPS4用ソフト「戦場のヴァルキュリア リマスター」に、同作のバトルを一足早く体験できる「バトル体験版Ver.1.0」のプロダクトコードが同梱される。今回は、筆者がバトル体験版でプレイできる要素に触れてみてのインプレッションをお届けしていこう。
絵画的な色調の中にキャラクターの力強さが感じられる「GOUACHE」
まず、今作の特徴のひとつとも言えるのが、“緻密さ&鮮やかさ”、そして独特な色使いをコンセプトとした新絵画風描画シェーダー「GOUACHE(ガッシュ)」だ。
個人的な感覚ではあるのだが、「戦場のヴァルキュリア」シリーズではキャラクターと背景が上手く一枚の絵に落とし込まれてそれが印象的だった。一方でこの「蒼き革命のヴァルキュリア」は、背景では絵画的な表現を残しつつ、キャラクターはより浮き出てくるような存在感を感じられる。
このあたりは実際のプレイでダイレクトに感じられる部分だと思うので、まずは一目確認してみてほしい。
“戦場を切り取る”新体験のバトルシステム「LeGION」
体験版でプレイできるのは、モルダ演習戦(チュートリアルミッション)とモルダ制圧戦(難易度の上がった本番ミッション)の2つ。まずはモルダ演習戦で一通りの要素を理解し、モルダ制圧戦でそれらを実践するという流れだ。
ミッションに臨む際には、主人公であるアムレートのブリーフィングでミッション全体を把握し、そのままミッションに挑む。プレイヤー側はアムレートのほか、ヒロインのオフィーリア、そして部隊員のブリギッタを加えた3人編成になっており、方向キーの↑↓で操作するキャラクターを常に切り替えることができる。
ここまでの前提を踏まえたうえで、本作のバトルシステム「LeGION(レギオン)」の特徴に触れていこう。RPGといえばエンカウントするまではお互いに攻撃を仕掛けないというのが一般的だが、今作ではお互いを認識した時から早くも戦いは始まっている。
自ずと遠距離ということで攻撃の手段は銃による射撃となる(R1ボタン)。もちろん、そのままでは照準は定まっていないので、R2ボタンでロックオンも行う。同時にL1+○×□△のいずれかで使用できるサブウェポンが用意されており、お互いに牽制しながら近づきあい、体が触れたらそのままバトル開始となる。
本作ではバトルが開始されると、文字通りフィールド上の空間が切り取られ、その中に含まれる敵部隊だけが戦闘の対象となる。その流れは非常にスムーズで、昨今で言われているシームレスというキーワードにも合致するだろう。
そしてそれまでの銃を使っての牽制から、剣などの武器を使った接近戦へと移行。□ボタンで連続して繰り出す通常攻撃に加え、△ボタンの特殊攻撃、L1と○×□△のいずれかの組み合わせで発動できる“咒術”と呼ばれる本作特有の能力を活用していく。
戦闘に勝利すると、そのままフィールド上に戻ることとなる。基本的にはこの繰り返しでフィールド上を進んでいき、敵部隊の撃破を目指す。その際だが、フィールド、バトルともに重要になるのが、敵味方のキャラクターを問わず変化していく“感情”だ。
“感情”を制御していくフィールドでの判断が攻略のカギ
“感情”は「驚き」「焦り」「怒り」「決意」の4種があり、プレイヤー側の行動によって、上手く感情を発生させることができれば、戦況を有利に進めることができる。
先ほどから触れているように、近づく前に敵を銃で攻撃したり、サブウェポンを使用することで相手に驚きや焦りを生むことができる。また、バトル開始後でも各キャラクターの特殊攻撃はそれぞれに特定の感情を発生させやすくする効果を持っているので、活用するといいだろう。
そしてもうひとつ、本作のバトルが部隊同士による戦いである点も忘れてはいけない。敵部隊に比べるとプレイヤー側はそれぞれに強力な攻撃手段を持ってはいるが、それは決して真っ向から攻め込めるわけではない。例えば、敵部隊が複数いる場面に遭遇して突っ込んでしまった場合、四方八方を敵に囲まれ、劣勢になることは想像に難くない。
そんな状況下では、味方部隊のキャラクターが瀕死になってしまう場面も。瀕死の状態では60秒間の死亡カウントが表示されてカウントダウンを開始、そのカウントが0になってしまうと戦闘から離脱してしまう。瀕死のキャラクターは近づいて◯ボタンを押すと救助でき、HPを多少回復した状態で復活する。HPの回復はアイテムや咒術でできるほか、土嚢や壁の近くで○ボタンを押してしゃがむ、隠れるを行うと、ダメージの軽減とともにHPが回復していくので、併せて活用していこう。
またエンカウントの際に上手く敵部隊を追い込むことができると、有利な状況でバトルを開始することが可能。これも裏を返すと、自分たちが上手く攻め込めないと不利な状況下でのバトルとなってしまうので、バトル中はもちろんのこと、フィールドの移動中も常に緊張感のあるたち振る舞いが求められる。
そしてモルダ制圧戦の最後に待ち受けるのが、本作ならではの大型兵器「咒機」だ。サソリのような出で立ちで、4本足の機動性を活かした攻撃を仕掛けてくるので苦戦を強いられるだろうが、足元から一気呵成の攻撃で切り崩して、ぜひ勝利を目指してほしい。
ここまでが「蒼き革命のヴァルキュリア」をプレイしてみて感じたポイントとなるが、いかがだっただろうか。フィールド上ではTPS(サード・パーソン・シューティング)のようなリアルタイムでの駆け引き、バトル中は爽快感のあるアクションが楽しめた一方、ゲームバランスとしてはまだまだ気になる点も多く、改善の余地もあることだろう。
ただし、このタイトルのバトルシステムにおいて目指したいもの、その片鱗が十分に感じられるものとなっているので、まずは一度触ってみて、新たな「ヴァルキュリア」を体験してみてほしい。
なお、Gamerでは「戦場のヴァルキュリア リマスター」のプレイレポート、ならびに両作に関する開発陣へのインタビューも掲載しているので、併せてチェックしてもらえればと思う。