5月7日に東京文化会館にて開催された「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO 2016 with Siena Wind Ohchestra」昼公演の模様をレポートする。

「ファイナルファンタジー」(以下「FF」)シリーズの吹奏楽コンサートとして、昨年から開催されている「BRA★BRA FINAL FANTASY」シリーズ。今年も「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO 2016 with Siena Wind Ohchestra」として、4月29日の和歌山公演を皮切りに全国ツアーがスタートしています。

本記事では、5月7日に東京文化会館にて行われた東京・昼公演の模様をレポート。すでに「BRA★BRA FINAL FANTASY」コンサートは通算4回目の参加になる筆者が、「BRA★BRA FINAL FANTASY」の魅力を存分にお届けします。

全身でスイング!音楽の楽しさを感じよう

植松伸夫氏
植松伸夫氏

そもそもとして筆者が何故こんなにも「BRA★BRA FINAL FANTASY」シリーズに魅せられたかというと、“これまでのオーケストラコンサートにはない、良い意味での破天荒さ”にあります。

筆者は「Distant Worlds」シリーズはもちろんのこと、数々の「FF」シリーズのオーケストラコンサートへ行ってきました。これらのコンサートはどれも完成度が高く、筆舌に尽くしがたいものでした。

ですが、やはりオーケストラコンサートはオーケストラコンサートなのです。作曲家の植松伸夫氏は「これはゲーム音楽なのですから、堅苦しいのは抜きにして楽しんでください」と繰り返し述べてきていましたが、やはりオーケストラというものは耳障りの良い音色の心地良さに浸るもので、堅苦しくはなくともノリノリで楽しむというものではありません。

しかし、この「BRA★BRA FINAL FANTASY」は、まさに植松氏が長い間提唱してきた「堅苦しいもの抜きで楽しめる」コンサートなのです!

オーケストラコンサートから吹奏楽へとその演奏形態を変えるだけで、音楽とはこんなにも変わるものなのかと驚いた「BRA★BRA FINAL FANTASY」シリーズの初演。会場のみんなが当たり前のように手拍子や身体を揺らして、音楽に”参加する”。そこには聴き手としてだけではない、楽しめる音楽がありました。

筆者が「BRA★BRA FINAL FANTASY」に魅せられた一番の理由は、この“音楽の楽しさ”を一番に感じられるコンサートだったからです。

オーケストラの美しい旋律は、心に染み入るような感動を与えてくれます。ですので、オーケストラと吹奏楽、その魅力は単純に比較できるものではありません。

しかしゲーム音楽というものは、ゲームのシーンを彩る脇役でありつつ、この音がなければ盛り上がらないというシーンの主役でもある、不思議な音楽です。そんな脇役にも主役にもなり得るゲーム音楽と吹奏楽の相性が最高にマッチしているのだと、筆者はそんな風に考えます。

そう、例えば体育祭などでの吹奏楽部の演奏は、どちらかというと脇役でしょう。しかし学園祭などでの吹奏楽部コンサートは、完全に主役です。脇役と主役、どちらにもなれる吹奏楽というジャンルが、脇役にも主役にもなる「FF」というゲームの音楽と、見事に融合したのです。

心が潤うだけではなく、身体の芯から満たされる。そういう演奏と演出が、「BRA★BRA FINAL FANTASY」にはあります。

という、筆者の「BRA★BRA FINAL FANTASY」推しは、我ながら「必死だな」と自分でつっこみたくなるほどですが、それほどまでにこのコンサートは”楽しい”!

だからこそ、もっとたくさんの方に知ってほしいですし、せっかく18都道府県(+台湾公演)で24公演も開催されるからには、わざわざ東京まではなかなか来れないという方も「ここなら行けそう…」という、お近くの会場に行ってみていただきたいのです。

第一部の聴きどころを紹介!

まずは昨年同様、『FF バトル2 メドレー 「バトル2」(「FFIV」)~「バトル2」(「FFV」)~「死闘」(「FFVI」)~「バトル2」(「FFXI」)~「勝利のファンファーレ」(「FFシリーズ」)』からスタート。

バトルメドレーとあって、重低音の見せどころのような曲。実はあまりアレンジや演奏がされたことのない「FFXI」の「バトル2」が聴ける、貴重なメドレーでもあります。ティンパニが圧巻です!

2曲目は『星降る峡谷(「FFVII」)』。昨年のツアーの東京公演大千秋楽にて一度きりしか演奏されなかった曲が、今回のツアーでレギュラー入り! 植松氏曰く「気に入っているのだけれど、タイミングを逸してなかなかアレンジできなかった」曲だそう。

この曲の聴きどころは、なんといってもユーフォニアムのソロです! ユーフォニアムといえば最近は某吹奏楽アニメでもこの楽器が取り上げられましたが、実際にはユーフォニアムという楽器はあまり聞き覚えのない方も多いと思います。

では何故ユーフォニアムがそんなに強調されるのかと言いますと、この楽器は作られて200年も経っていない比較的新しい部類に入る楽器で、オーケストラコンサートではあまり使用されることがなく、吹奏楽ならではの楽器なのです。そういったこともあり、ユーフォニアムのソロが聴けるというのは吹奏楽ならではの醍醐味なのですね。

3曲目は『FFI/II/III フィールド・メドレー「メイン・テーマ」(「FFI」)~「メインテーマ」(「FFII」)~「悠久の風」(「FFIII」)』。

木管楽器を中心にアレンジされていますが、「当時3音しか使えなかった電子音で作ったこの曲が、意外と木管の音色の暖かさと合っている」と植松氏が述べた通り、木管楽器の繊細な音がファミコン時代の素朴感を彷彿させます。「FFI」、「FFII」、「FFIII」とで少しずつ違う味付けがされているのも聴きどころのひとつです。

4曲目は『守るべきもの(「FFIX」)』。去年からの、継続セットリスト入りの曲。ハープの切ない音色から始まるので最初はゆったりとした気持ちで聴いていると、途中からまるで軍隊の進行のような力強さが一気に襲い掛かってきます。カスタネットの音がフラメンコのようなリズムを刻むのが印象的です。

5曲目は、『FF モーグリのテーマ』。この曲は、テレビなどでも演奏されていることもあり、もはや「BRA★BRA FINAL FANTASY」だけにおさまらない定番曲となっているのではないでしょうか?

今回ももちろん、客席のファンがボディパーカッションとして参加します。その振り付けを教えてくれるのは、“モーグリおじさん”こと、ティンパニ奏者の荻原松美さん。

植松氏に「そのボディパーカッション、去年と同じじゃないですかぁ?(笑)」と突っ込まれると、「今年は4セット目があるんです!」と去年より大幅に難易度のあがった振り付けを披露。客席のファンたちもその難易度の高さに苦戦しつつも、みんなとてもいい笑顔で参加していました。

6曲目は『ゴールドソーサー(「FFVII」)』。この曲は奏者たちが全員自分の担当楽器を置いてリコーダーに持ち替え、リコーダーだけで吹くという奇抜なアイディアな一曲。

まさかのリコーダーのみでの演奏に、客席からはどよめきが起こるほどでした。「ゴールドソーサー」はどちらかというと華やかなテーマパークらしさが光る曲ですが、リコーダーだけになるととても柔らかい雰囲気になったように感じました。

7曲目は『FF メインテーマ(「FFシリーズ」)』。こちらの曲は、来場者参加企画として「リコーダーで演奏に参加しよう!」と、今年から新たに追加されました。

リコーダーの音がどの程度ステージの演奏と混ざって聴こえるのかという不安がありましたが、実際に演奏が始まってみると客席のリコーダーの音が想像以上に綺麗に響いていました。これからツアーに参加するというファンは、リコーダーの持参を忘れずに!

第一部のラストを飾ったのは、植松氏も自身のバンド(Earthbound Papas)でよく演奏するほど大好きな曲だという、『ハンターチャンス(「FFIX」)』。厚みのある音が出る金管楽器が光る一曲ですが、その中でも特にドラムパートがかっこいい仕上がりとなっています。

まだまだあります、第二部の聴きどころ!

第二部の幕開けは『ビッグブリッヂの死闘(「FFV」)』。アレンジの回数ならば歴代FF楽曲の中でも1位、2位を争うのではないかという名曲だけに、吹奏楽でもやはりやらなければならない、ビッグブリッヂ!

こちらは原曲にかなり忠実で、誰もが思い描く「ビッグブリッヂの死闘」を裏切らない、とにかくかっこいい演奏です。そんな中でも特に、指揮の栗田氏がスゴイ! 飛んだり跳ねたり、これぞまさに”最高に楽しんでいる”とわかる指揮です。ついつい奏者に目がいきがちかと思いますが、ぜひそちらにも注目してください。

10曲目は『FFIV メインテーマ(「FFIV」)』。先程のビッグブリッヂとは打って変わって「静」をテーマにしたような繊細なアレンジになっていました。吹奏楽というと派手なイメージが先行しますが、このジャンルの幅広さというものを感じさせられます。後半からはしっかりと「メインテーマ」らしい力強さを感じさせるアレンジが素晴らしい曲です。

そしてここでコンサートは少し休憩モード。ハープだけで演奏される『Ami(FFVIII)』や『エアリスのテーマ(FFVII)』をBGMに、会場で配られたアンケート「あなにとっての大切な一曲は?」の回答を紹介。

その時の様々なエピソードと共に挙げられた“大切な一曲”は、「Eyes On Me」や「片翼の天使」「ザナルカンドにて」など。他の皆さんも、この名曲たちには何かしら思い出があるのではないでしょうか。

エピソードも聴きたいですが、透き通るような音色のハープも聴きたい…!そんな風にもだもだっとしてしまうコーナーでした。

11曲目『魔導士ケフカ(FFVI)』、12曲目『ザナルカンドにて(「FFX」)』、13曲目『Fragment of Memories(「FFVIII」)』は、小編成でのアンサンブル形式で演奏されました。

「魔導士ケフカ」はトロンボーンやトランペットなどの金管楽器でジャズアレンジ。「ザナルカンドにて」はサックスなどがメインでの、驚きのファンクアレンジ。「Fragment of Memories」はクラリネットなどシンプルなアンサンブルで、ひねりこそないもののシンプルイズベストと言うべき演奏になっています。

14曲目は『シーモアバトル(「FFX」)』。「この曲は原曲だとバンド形式の複雑な音で迫力を意識して作ったのですが、吹奏楽にしてみたら更に迫力が出ました(笑)」という植松氏の言葉通り、力強さを全面に出したアレンジ。

この曲ではなんと、ティンパニのソロがあります! ティンパニのソロはとても珍しく、重低音マニアにはたまらないです。

ステージ一番奥の向かって一番右隅にひっそりといるティンパニですが、マレット(バチ)で音質が変わる楽器で、何本ものマレットのセットを用意して曲の途中でこのマレットを持ち替えたりしているので、そんな細かいところにも注目してみてください。

第二部のラストを飾ったのは、もはやこの曲なくして「FF」は語れなくなってきたとも言える『片翼の天使(「FFVII」)』。

ですが実はこの曲、「BRA★BRA FINAL FANTASY / Brass de Bravo」、「BRA★BRA FINAL FANTASY / Brass de Bravo 2」どちらのCDにも収録されておりません。今のところはコンサートに来た人だけのお楽しみとなっている曲です。いつかCDに収録されるかもしれないけれどいつになるかはわからない、と植松氏も述べているだけに、ファンはこの一曲のためだけにも訪れたいですね。

コーラスこそありませんが、オーケストラコンサートとはまた一味違う、吹奏楽の迫力ってすごい、という感想しか漏れないくらい素晴らしい「片翼の天使」が聴けますよ!

アンコールでは、「BRA★BRA」お馴染みの“アレ”が!

アンコールの1曲目は『The Man with the Machine Gun(FFVIII)』。エレキベースが加わって、原曲にかなり近い最初から最後まで盛り上がりっぱなしの一曲。もともと聴いているだけでウキウキワクワクする曲だけに、吹奏楽の雰囲気には一番ピッタリ当てはまる感じがしました。金管楽器の活き活きとした音が、テンションを上げてくれます。

アンコールの2曲目は「BRA★BRA FINAL FANTASY」コンサートでは既にお馴染みと言っていいのではないかという、『みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY <マンボ de チョコボ>』!

とにかくどんな楽器でもいいから何かを持ってステージに上がって、奏者と一緒に演奏を楽しもうという「マンボ de チョコボ」。

今回もたくさんのファンが様々な楽器を持ってステージに上がり、ステージに上がらなかったファンたちも手拍子などで参加するという、とても楽しい一曲でした。ステージに上がるのが恥ずかしい、という方もいると思いますが、ぜひ勇気を出してあがってみてください。

こんなにたくさんのファンたちがステージにあがるので、逆に「上がらないともったいない!」という気持ちになると思います。

なおこのステージのオフィシャル写真は、植松氏の公式LINEアカウントをフォローして、2016年5月8日12時以降にキーワードの「松田社長」と送信すると誰でももらえるようになっているそうなので、参加した人は忘れずにもらっておきましょう。

「マンボ de チョコボ」のみ、一般参加者でもカメラ撮影可(動画撮影は不可)となっているので、自分はあがらないけど家族や友人がステージにあがるという人はぜひ記念撮影を!

セットリスト

第一部

1. FF バトル2 メドレー 「バトル2」(「FFIV」)~「バトル2」(「FFV」)~「死闘」(「FFVI」)~「バトル2」(「FFXI」)~「勝利のファンファーレ」(「FFシリーズ」)
2. 星降る渓谷(「FFVII」)
3. FFI/II/III フィールド・メドレー「メイン・テーマ」(「FFI」)~「メインテーマ」(「FFII」)~「悠久の風」(「FFIII」)
4. 守るべきもの(「FFIX」)
5. FF モーグリのテーマ
6. ゴールドソーサー (「FFVII」)
7.FF メインテーマ(「FFシリーズ」)※リコーダー演奏
8.ハンターチャンス(「FFIX」)

第二部

9.ビッグブリッヂの死闘(「FFV」)
9.守るべきもの(「FFIX」)
10.FFIV メインテーマ(「FFIV」)
11.魔導士ケフカ(「FFVI」)
12.ザナルカンドにて(「FFX」)
13.Fragment of Memories(「FFVIII」)
14.シーモアバトル(「FFX」)
15.片翼の天使(「FFVII」)

アンコール

16.The Man with the Machine Gun(「FFVII」)
17.みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY <マンボ de チョコボ>

公演終了後、植松氏にインタビュー!

公演後に植松氏がインタビューに応じてくれたので、その模様をお届けします!

――本日の公演を終えての感想を教えてください。

植松氏:先週和歌山と大阪二回をやってきて、どちらもとても盛り上がって楽しい公演だったのですが、やっぱり東京は本拠地という気持ちがあるのでここでは外したくないという不安もありました。でもコンサートって蓋を開けてみないとうまくいくかどうかはわからないので直前まで不安でしたが、無事に終わってよかったと思います。

今日の会場は5階くらいまで席があって、いっぱいお客さんが入っていてびっくりしました。これだけ入って盛り上がってくれれば万々歳じゃないでしょうか。まだ今日の夜もありますし、東京公演は来月もあるので、飽きられないようにするにはどのようにやっていかなきゃいけないのか、これから考えないとならないですね。

――ゴールドソーサーの時に客席のほうからどよめきが聞こえましたが、あのリコーダーでのゴールドソーサーは狙っていましたか?

植松氏:CD(「BRA★BRA FINAL FANTASY / Brass de Bravo 2」)には入っているんで、それを聴いていていただいた方ならば解っていたと思うんですが、和歌山でも大阪でも結構「おおっ」みたいな声が上がっていたので、意外とみんなCD買ってくれてないんだなと(笑)。いやでもやっぱりああいう風に驚いてもらえるのはうれしいですよね。

ゴールドソーサーでは、シエナさんの皆さんに色々なリコーダーを用意してもらって吹いてもらったんですが、いくら音楽のプロフェッショナルの人たちといえどリコーダーとか小学生の時以来吹いていないという方たちももちろんいるわけです。

そういう方々に半ば強制的に専門ではない楽器をやってもらうのも失礼かなと思ったんですが、50人でのリコーダーでのアンサンブルというのがどういう音になるのか個人的に聴いてみたかったという僕のわがままでやってもらいました。

実際にリハーサルとかやっていると、意外とシエナの皆さんが楽しそうにやっていたので、皆さんそれぞれ小学生の頃を思い出しているのかなぁと。

リコーダーってどこか郷愁があるじゃないですか。普段の楽屋とかでも、自分の楽器を練習する音よりもリコーダーを練習する音のほうが聞こえてきたりして、慣れていないから大変なんだろうなと(笑)。これも20公演重ねていくうちに、段々合ってくるんじゃないんでしょうか。

――今回初の試みになる、客席でリコーダーを吹いてもらう企画のほうはいかがでしたか?

植松氏:まだ知られていないのか、あまりやりたくないのか、思ったよりも人数は少ない感じがしました。でも僕もMCの山下まみちゃんも一緒にステージでリコーダーを吹いているんですが、客席のリコーダーの音がすごく聞こえてくるんですよね。

なのでお客さんと合奏している、という感じはすごくありますね。僕らはまだちゃんと吹けないので、譜面台を見ながら吹いているんですよ。

そうすると視線は当然そっちにいくんですが、指揮の栗田さんも見ないといけなくて。僕ら、指揮者を見ながら演奏する音楽ってやってきていないんで、「あ、指揮者を見ながら演奏するってこういう感じなんだ」とすごく新鮮でしたね。

栗田さんの腕の振り方とか表情で、「こういう音楽を表現したいんだな」というのは伝わってきます。

――最後、きちんと会場全体で音が止まっていて、息がぴったりという感じがしました。

植松氏:僕は「みんなが止まったら止めよう」と思っていました(笑)。それがうまく成功しましたね(笑)。

――去年のツアーは途中でセットリストが変わったりしましたが、今回も例えば来月の東京公演では演目が変わったりする予定はありますか?

植松氏:しまった、東京の再演来月か!(笑)

短いなぁ、去年はもっと東京公演の間隔があいていたんですよね。なにかプログラムを1~2曲ずつ変えていこうとは思っているんですが、来月の東京までに間に合うかはなんともでしょうか(笑)。

終わる頃までには何かやってみたいと思いますが。どうせやるんだったらCDになっていない曲とかやりたいですね。

――今回初の海外公演で台湾に行かれますが、意気込みをお願いします。

植松氏:台湾はオーケストラコンサートとピアノコンサートと1回ずつやっているんですが、意外とFFに限らずゲームに熱い国なので、多分吹奏楽も喜んでもらえるんじゃないかという期待はあるんですけれど、こればっかりはさっきも言った通り蓋を開けてみるまでわからないんですよね。

台湾は吹奏楽ってどうなんでしょうね、それすらもわかっていないんですよね。でも仮に吹奏楽を知らなかったとしても、FFの曲を知っていてシエナさんが今日のような音を出していてくれる限り、楽しさは伝わるんじゃないかと思っていますけどね。

――今後何年もこのシリーズのツアーも続けていくうちに海外公演も増えますか?

植松氏:スタッフ側もシエナさん側も「ハワイにいきたい」って言っていますね。みんな完全にプライベートです(笑)。ハワイでやるとなったら、やはりハワイ生まれの「FFIX」の曲をいっぱいやらないといけないですね(笑)。

――2年目に突入して、植松さん的に新たなチャレンジをしていたりしますか?

植松氏:まずはやっぱり客席でリコーダーを吹いてもらう「メインテーマ」が去年と全然違う新たなチャレンジですよね。

やろうと思えば参加型のコンサートって可能性がいっぱいあると思うんですけど、一方で不安というか疑問なのが、皆さんいくばくかのお金を払ってシエナさんの演奏を聴きにきているわけで、果たして僕らとか客席にいるプロフェッショナルじゃない人の演奏をどう思っているのかという部分については、自分でもまだ答えが出ていないです。

素人の演奏を金払って聴きにきたんじゃない、っていうお客さんもいるとは思うんですよ。そういう人たちもいるであろうし、いやいやみんなで楽しもうよ、という人もいるだろうし、そこらへんのバランスをどう取っていきつつ、素晴らしい演奏を楽しみながらもなおかつ参加できる楽しみっていうのを両立できる方法はないかなと、少しずつ探っているところですね。

そのひとつが今回の客席でのリコーダー参加です。去年からやっているボディパーカッションなども、そうなんですけれども。まぁ少しずつやっていくうちに、何か先が見えてくるんじゃないでしょうかね。

多分完成形ってないんですよ。やってみてだめだったら次改良する、の繰り返しなので。とりあえず今回は参加型を一曲増やしてみました、という感じで。評判悪かったら次から削ります(笑)。

――オーケストラコンサートなども普段から見させて頂いている身としては、差別化という意味でもこういう参加型のコンサートがあっていいと思うのですが。

植松氏:そうですよね。クラシックコンサートとかのああいう格式高いコンサートっていうのも、あれはあれであるべきだと思うんですよ。

ライブハウスで縦ノリなコンサートも、それはそれであるべきだと思いますし。ゲーム音楽のコンサートも、クラシックでもロックでもジャズでもないオーケストラ音楽っていうのは、いまどこのメーカーさんも作曲家さんも手探りで模索中なんじゃないでしょうかね。

――難しいですね。吹奏楽はオーケストラコンサートとロックコンサートの中間くらいなのかなと感じているんですが、客席ももう少し弾けていいのでしょうか。

植松氏:そうですね、でも今日の東京公演はかなり声出てましたね。先週の大阪のときは「ブラボーの他になんでやねんとかも叫んでいいよ」って言ったのに、昼公演では一度も「なんでやねん」が出なかったというね(笑)。

夜公演でようやく「なんでやねーん!」って叫んでくれているひとがいて、嬉しかったです(笑)。そんな感じなので、少しずつですね。

いきなりドラスティックにうまくやっていこうとは思っていないですし。僕も確実にここを狙っているというのはないんですが、なんとなくやってきた感覚でどこが楽しいのかを探りつつ、スタッフさんとも相談しつつ、という感じになりますね。

――ありがとうございました。

公演概要

公演名:BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2016 with Siena Wind Orchestra

料金(税込): 全席指定 6,800円 / 学生シート 4,800円
※学生シートの先行抽選でのお取扱いはございません。
※3歳以下のお子様のご入場はお断りいたします。チケットはお1人様1枚必要です。

制作総指揮:植松伸夫
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
指揮:栗田博文
主催:スクウェア・エニックス/一般社団法人ジャパン・シンフォニック・ウインズ/WOWOW
後援:一般社団法人全日本吹奏楽連盟
制作:プロマックス
制作協力:ハーモニクス・インターナショナル
協力:スマイル・プリーズ/ドッグイヤー・レコーズ

2016年4月29日(金) 【和歌山】和歌山市民会館 大ホール
2016年4月30日(土) 【大阪】ザ・シンフォニーホール(昼夜公演)
2016年5月07日(土) 【東京】東京文化会館 大ホール(昼夜公演)
2016年5月08日(日) 【静岡】静岡市民文化会館 大ホール
2016年5月14日(土) 【広島】広島上野学園ホール
2016年5月15日(日) 【岡山】岡山シンフォニーホール
2016年5月21日(土) 【長崎】アルカスSASEBO 大ホール
2016年5月22日(日) 【福岡】福岡シンフォニーホール
2016年6月04日(土) 【東京】東京文化会館 大ホール(昼夜公演)
2016年6月05日(日) 【愛知】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2016年6月11日(土) 【秋田】秋田県民会館
2016年6月12日(日) 【青森】リンクステーション青森 大ホール
2016年6月18日(土) 【香川】アルファあなぶきホール 大ホール
2016年6月19日(日) 【高知】高知県立県民文化ホール オレンジホール
2016年6月24日(金) 【北海道】札幌コンサートホールKitara 大ホール
2016年6月26日(日) 【北海道】函館市民会館 大ホール
2016年7月03日(日) 【石川】本多の森ホール
2016年7月18日(月・祝) 【福島】郡山市民文化センター 大ホール
2016年7月23日(土) 【兵庫】神戸国際会館 こくさいホール
2016年7月30日(土) 【宮城】東京エレクトロンホール宮城 大ホール

公式サイト
http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/brabraff/tour/2016/

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Photo by Shinjiro Yamada

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