2016年4月24日、東京・品川インターシティホールにて「英雄伝説 空の軌跡」シリーズのファンイベント「空の軌跡Evolutionファン感謝祭」が開催された。

「英雄伝説 空の軌跡」(以下、空の軌跡)シリーズは、2004年に第1作となる「空の軌跡FC」が発売されて以降、今もなお根強い支持を集めているRPG。現在はキャラクターの会話をフルボイス化、楽曲のフルアレンジに加え、立ち絵などのビジュアル面を新たにHD画質へと対応させた「Evolution」シリーズへのリメイクも行われている。今回は、シリーズのメインキャスト6名を招いて行われた「空の軌跡Evolution ファン感謝祭」の模様をお届けしていく。

会場では「空の軌跡」にまつわるさまざまな展示や、グッズの販売も行われていた。

ステージが始まると、神田朱未さん(エステル・ブライト役)、斎賀みつきさん(ヨシュア・ブライト役)、西原久美子さん(レン役)、三浦祥朗さん(アラン・リシャール、ブルブラン役)、中尾良平さん(ケビン・グラハム役)、菅沼久義さん(ギルバート・スタイン役)ら6名の歴代メインキャスト陣が登壇。「Evolution」シリーズへのリメイクに関し、実は神田さんや斎賀さんらキャスト陣は、最初のPC版の収録の頃からゲーム中の全ての台詞を収録したいと熱望していたのだとか。キャスト陣の誰もが念願のフルボイス化が本当に実現したことへの喜びを語りしながら、11年もの間応援を続けてくれたファンに向け感謝の言葉を述べていた。

西原久美子さん、三浦祥朗さん、神田朱未さん 斎賀みつきさん、菅沼久義さん、中尾良平さん

その後は、予め参加者からメールを募集したさまざまなコーナーに沿う形で、イベントは進行していく。

最初に行われた「あんですって~!大賞」は、思わずあんですってと叫びたくなる参加者からをキャスト陣が紹介していき、最終的にもっとも優れたメールに大賞を贈るというコーナー。コアな「空の軌跡」ファンが集まるイベントだけに、メールにも実際のゲームプレイにまつわるネタが続出することに。

中でも会場の共感を誘ったのは、エステルと同じように「霧降り(きりふり)峡谷」を「霜降り(しもふり)峡谷」と読み間違えてしまうという話題で、神田さん自身も収録の際「何が間違っているのか最初は気付かなかった」という、まさにリアルエステルなエピソードを披露(長年コンビを組んでいる斎賀さん曰く、神田さんは本当にエステルそのままなのだとか)。

他にも、西原さんが「ブルブラン」の正しいイントネーションが分からず、今でも困っていると話すと、「混ぜご飯」と同じ発音だという説明に納得したり、ドラマCDのキャストコメンタリーで三浦さんが「身喰らう蛇」を「はにかむ竜」と言い間違えていたことなど、数々の裏エピソードが明かされ、客席からは何度も爆笑が沸き起こることに。

特に「はにかむ竜」のネタはキャスト陣の間にもツボに入ったようで、「あんですって~!大賞」の候補筆頭に挙げられていたのだが、三浦さんの「謝るので許してください」という必死の訴えにより、惜しくも(?)選外となっていた。最終的には、ファルコム好きがきっかけでできた彼女と一緒にイベントに来ているという、幸せな報告に大賞が送られていた。

「ゲームに応援コメントをしよう!」のコーナーでは、会場に設置されていたパネルに貼られた、来場者からのメッセージの数々をキャスト陣が紹介。海外から駆けつけたという熱心なファンの姿や、それぞれのキャラクターへの熱い愛を語ったメッセージが数多く紹介されていく中で、リシャールにブルブラン、ギルバートという三浦さんと菅沼さんが演じたキャラクターに関する応援メッセージが1つもなかったことが判明。悲しみに暮れる三浦さんと菅沼さんが抱きあい、互いを慰め合うという一幕も見られた。

続いて行われたのは、神田さん・斎賀さんがパーソナリティを務めるWebラジオ「エステル&ヨシュアのファルコム空の軌跡ラジオ」の人気コーナーである「言葉の小箱」。これはメールで投稿されたさまざまな架空の台詞を、キャスト陣が実際に読み上げて演じてくれるという、ファンにとってはたまらない内容になっている。

こちらでは、ゴーファイの掛け声でもお馴染みの「みんな集まれ!ファルコム学園」でキャラがすっかり崩壊してしまったヨシュアが、自身のイメージを回復するために筋トレを始めたら、気付くと屈強な北米版になっていたというネタに始まり、リシャールとブルブランのW三浦さんに囲まれたギルバートが左右から聞こえてくる同じ声に発狂するなど、まさに架空の展開ならではの爆笑ネタが連発。中でもギルバートの代名詞とも言える「あわび!」の叫びが飛び出した場面は、客席からは盛大な拍手喝采が沸き起こるという当日屈指の盛り上がりを迎えていたほどだったのだが、それだけギルバート人気が高いだけに、菅原さんは応援メッセージが1つもなかったことに改めて首を傾げていた様子だった。

さらにその後には、今回のために描き下ろされたミニドラマを、キャスト陣が生朗読するというコーナーも実施。すり替えられた感謝祭の招待状を取り返すべく、ブルブランからの挑戦状に、エステル・ヨシュア・レン・リシャール・ケビン・ギルバートの6人が挑むという内容のストーリーとなっている。

それぞれに課せられた問題を解いていく中、問題の内容からレンが、ブルブランがこの中の誰かに変装していることを見抜く。この展開に、会場の誰もがミニドラマの中でも「声真似がうまい」と弄られていた、リシャールがブルブランである……という空気が流れたところ、実はヨシュアに化けていたという驚きの展開に。予期せぬストーリー展開に加え、斎賀さんがブルブランを演じるという貴重な光景も見ることができ、客席は大いに満足している様子だった。

さらに会場では、2016年7月14日に発売を予定しているPS Vita用ソフト「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Evolution」のオープニングアニメが初公開された後、シークレットゲストとして日本ファルコム社長である近藤季洋氏が登場。

現在、日本ファルコムのもう1つの人気シリーズである「イースVIII」の開発も佳境を迎えており、非常に多忙な時期だという近藤社長だが、時間の合間をぬってこっそり駆けつけたとのこと。近藤社長は「Evolution」シリーズに関して、「僕達がオリジナル版でやりたかったことを全てやってくれている。こうしたことが実現できるようになったのは、皆さんの応援のおかげです」と長い間応援を続けてくれたファンへの感謝の言葉を述べていた。

近藤季洋氏(写真中央)

その後、近藤社長も引き続き参加する形で行われたクイズコーナーは、なんとキャスト陣ではなく来場者が回答するという参加型企画。(キャスト陣はその中から回答者を指名し、回答が正解だった場合はポイントを獲得できるという形式で行われる。

出題された問題は、「エステルの故郷・ロレントの市長の名前」「FCのサブクエストで、エステルたちが探していた子猫の名前」「SCでのケビン初登場時の台詞」といった、コアな「空の軌跡」ファンにしか回答できない難問だらけ。当日の来場者をもってしてもなかなか正解が出ないことが多いという状況の中、手を挙げる速さや自信のありそうな人を上手く見極めていた西原さんが、もっとも多くの正解者を指名することに成功。西原さんには、イベント中に急遽オファーされた「みんな集まれ!ファルコム学園」の新久保だいすけ先生によるイベントレポートに、リポーターとして出演できるという権利がプレゼントされていた。

最後に行われたのは、来場者から寄せられたさまざまな質問に、キャスト陣や近藤社長が答えるというコーナー。まず質問がもっとも多かったというフルボイス化の収録にまつわるエピソードが紹介されると、なんと「Evolution」シリーズでは、最初の「FC」の段階から、既に3部作分の音声収録を行っていたことが判明。もちろんこの段階ではまだ「FC」以降の発売は決まっておらず、近藤社長ですらも「本気ですか?」と確認したほどだったのだとか。

結局「録っておけばその気になれるから」という、何ともノリの軽い理由で全作分の収録が進められ、最初のエステルから最後のケビンの収録が終わるまで、約5ヶ月もの時間を要することに。収録は朝10時から夕方の6時までみっちりと行われ、収録の合間には昼食として出前が特盛りで注文されるのが日常化していたのだそうだ。

また収録の苦労した部分に関する質問には、神田さんが遊撃士に関する説明をするシーンが特に大変だったと回答。「空の軌跡」は、数あるファルコムのゲームの中でももっともチュートリアルが親切な作品としても知られているが、近藤社長ら開発スタッフも、まさかチュートリアルがフルボイス化される日が来ることは想定しておらず、その結果、膨大な数のシステム解説にまつわる音声収録が行われることになったそうだ。神田さんがチュートリアルの収録を行ったのが、その日の終わり際で疲れがピークに達していたこともあり、ほぼ自分でも何を喋っているのか理解できていない状態で収録していたことを告白し、会場の笑いを誘っていた。

また質問の途中には、三浦さんが現在開発中の「軌跡シリーズ」最新作「閃の軌跡Ⅲ」に関して、自身の演じるブルブランが登場するのか、近藤社長に個人的な質問をぶつけるという一幕も。対する近藤社長は、「ブルブランは帝国の出身なので、何らかの形では出ると思います。この先結社は物語としても大きく動くことになりますし、アルテリアもそうですが、この先描かないといけない要素に関係したキャラクターが再登場する可能性は大いにあります」と、ブルブランに限らず歴代キャラクターが再登場する可能性について言及。「エステルやヨシュアも毎回出さなければと思っているのですが、出すと全部もっていってしまうので……」言葉を濁しつつも、いつか何らかの形で登場させることを約束し、客席からの拍手喝采を浴びていた。

その後にも「もし軌跡シリーズを完結させられなかったら、死ぬに死にきれない」と断言していたほどで、近藤社長の「軌跡」シリーズ完結に向けた並々ならぬ決意に、ファンの誰もが安心していた様子だった。

ステージの締めくくりには、それぞれのキャスト陣から「空の軌跡」に込めた思いと、これまで応援を続けてくれたファンに向けた感謝のメッセージが贈られた。

最後には近藤社長が、「『空の軌跡』は開発がスタートから数えると約14年、自分の人生の3分の1ほどを費やして関わっている作品です。当時を思い返してみると、新人のくせにでかいゲームを作りやがってと先輩にいびられながら立ち上げたゲームだったのですが、こうして現在もクオリティを落とすことなくシリーズを継続していられるのは、ユーザーの皆さんの応援があったからこそだと思っています。まだまだシリーズを通し、いろいろな謎が分かっていないというご指摘もありますが、僕らは既に全ての謎に対する回答の用意をしています。どのタイミングで明らかにしていくかという、シリーズ全体のロードマップもようやく完成したところなので、あとは僕達自身も健康管理にも気をつけながら(笑)、シリーズ完結を目指して頑張っていきます。今後とも応援よろしくお願いします」と挨拶し、イベントを締めくくった。

「空の軌跡Evolution ファン感謝祭」入場者特典キーホルダーをGamer読者にプレゼント!

今回、イベントを主催するキャラアニより、入場者特典として配布されたキーホルダーを提供いただいたので、Gamer読者4名にプレゼント! 下記の応募要項を確認の上、末尾にあるフォームよりご応募ください。

賞品

「空の軌跡Evolution ファン感謝祭」入場者特典キーホルダー

提供

株式会社キャラアニ

当選者数

4名

応募期間

2016年5月25日~2016年5月31日

英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Evolution

角川ゲームス

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2016年7月14日
  • 12歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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