2016年2月に行われた「ジャパンアミューズメントエキスポ2016」(JAEPO 2016)にて発表された「三国志大戦」の新作が製作中だ。新たに生まれ変わる「三国志大戦」の新要素を、インプレッションを交えて紹介する。
2005年にリリースされ、2015年に終了するまで、10年にわたってサービスを続けてきた「三国志大戦」が、装いも新たにアーケードに帰ってくる。
基本的なプレイングはそのままに、次世代カードシステム・両面オンデマンド印刷での自由度の高いカードコレクションや、新要素「征圧」「内乱」も加わり、最後の1カウントまで目が離せない展開が楽しめるようになった。
ここでは新要素を中心に簡単なプレイインプレッションも交え、改めて新生「三国志大戦」を紹介する。
「三国志大戦」の進化ポイント
動かす、止める、傾けるといったリアルカードを使ったダイナミックなプレイングは、もはやアクションゲームと言っても差し支えない「三国志大戦」だが、新作でも武将の操作は変わらない。騎兵・槍兵・弓兵の三すくみはもちろん、突撃や槍撃、走射といったアクションも健在だ。
各武将を操作しながら敵の城を攻め、相手の城ゲージをゼロにするか、タイムアップ時に相手より多く城ゲージが残っていれば勝利だ。
さて、これまでの「三国志大戦」では、相手の城に自分の部隊を送り込む(攻城)か、一部の計略によって城ゲージを減らしていたが、今回新たに加わった「征圧」による「内乱」でも城ゲージが減らせるようになった。
画面右上のミニマップが、赤と青のエリアに分かれているのが見えるだろうか。これは「征圧領域」といい、戦場で部隊を動かすことで広げられる。これを広げて「優勢状態」になると、敵の城ゲージの下にある「内乱ゲージ」が上昇。最大まで上がると「内乱」が発生し、城にダメージが与えられる。
各武将には、征圧領域の広げやすさを示す「征圧力」というパラメーターが加わった。またこちらは後述するが、将星を与えると発動する「将星スキル」も追加。もちろん計略や特技といった、従来の要素も残されている。
ゲームモードはメインとなる「全国対戦」に始まり、離れた場所にいる特定の相手と対戦できる「戦友対戦」、店内対戦、イベントモードの「天下統一大会」、そしてストーリーとボス戦が組み合わさった「義勇ロード」が用意されている。
前述のとおり、本作のカードは両面オンデマンド印刷で排出される。カードラインナップは、稼働時に150種。オンデマンド印刷なので、前の人が高レアリティカードを引いた直後の筐体でプレイしても大丈夫だ。
また同じ武将でも将星スキルが違ったり、ホロの有無があったりとバリエーション豊か。自分のデッキに合う将星スキルを持つ武将を探そう。さらにターミナルでは、カードをデコることも可能だ。
なお、カードデータはすべて個人のAimeに紐づくので、カードのみでのトレードはできない。カードをトレードした上で、ターミナルでカードデータの登録変更を行う必要がある。
遠方の人とはトレードしにくくなるが、そのぶん自分が行くゲームセンターでは交流が活発になることだろう。筐体上部のライブスクリーンに、トレード希望の武将を表示させることもできる。
気になるプレイ料金は、1プレイ200円。コンティニューは選択制になっており、下記のとおり最大3つから選べる。
- 無料でもう1戦できる全国大会勝利ボーナス(カード排出なし)
- ノーマルコンティニュー(200円、カード1枚排出)
- スペシャルコンティニュー(300円、カード2枚排出)
以前は勝てば勝つほどカード排出数が増えたが、そのぶん腕前によってカード資産の差がつきやすかった。新たなコンティニュー方式では勝っても負けてもカード資産差はない。
あなどれない内乱攻撃
さて、ここからは簡単なプレイインプレッションをお届けしよう。
まずは武将登録。最大8コスト(通常時)以内でデッキを組み、勢力が少ないほど最大士気が上昇するのは変わらない。注目は、画面右の「征圧力ランク」だ。
征圧力ランクは、デッキ内の武将の征圧力の合計で決まる。さらに試合開始前に相手の征圧力ランクと比較され、高い方は試合開始時の征圧領域が増える。
続いて、前述した将星スキルだ。君主(プレイヤー)は戦闘前に3つの「将星」を、最大3人の武将に与えることができる。将星を授かった武将は「速度上昇」「長槍術」など、特殊なスキルが発動する。中には“事故”を防ぐ「一騎討ち回避」というスキルも。
1試合につき1度だけ使える必殺技「法具」は、前作で「奥義」と言われていたものと同様だ。再起の法、連環の法など、シリーズファンにはお馴染みの法具が確認できた。
ひとつの法具には最大2つの「法玉」が付けられる。法玉は、味方の武力や征圧力、速度を上げるなど、さまざまな付帯効果をもち、どの法玉を付けるかカスタマイズすることができる。ここまで準備できたら、いよいよ試合開始!
基本的なプレイフィールは、従来の「三国志大戦」のままだ。これまでのシリーズを遊んだことがある人なら、違和感なく楽しめるはず。
驚いたのが、内乱による城ゲージの減少量だ。通常の攻城に匹敵するほどの威力があり、気づいたら自分の城ゲージがかなり減っている、なんてことも。常に戦線を上げておく必要があり、積極的なぶつかり合いが楽しめるようになった。機動力が問われるので、内乱で勝つプランを組むなら騎兵は必須になりそうだ。
一方で気になるのは、「流星デッキ」のような、主に自陣で耐え抜く試合運びをするデッキがどうなるか、というところ。前作の「流星招来」「流星の儀式」のような計略が収録されているのかにも注目だ。
もちろん、内乱を副次的なものと捉え、従来通りキーとなる計略を中心にデッキを作るのもあり。内乱で勝つか、攻城で勝つか、戦略の幅がグッと広がったのが新たな「三国志大戦」だ。君主たちは6月に大阪・福岡でも開催されるロケテストに参加しつつ、新たな乱世の幕開けを待とう。