重厚なオーケストラの音色が紡ぐ新たな空の物語―「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA- SORA NO KANADE -」レポート

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0コメント 近藤智子

Cygamesは、iOS/Android/Google Chrome向けアプリ「グランブルーファンタジー」初のオーケストラコンサート「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA- SORA NO KANADE -」を全国5箇所で開催。その皮切りとなる8月12日・東京公演の模様をお届けする。

「グランブルーファンタジー」は2016年3月にリリース2周年を迎え、登録者数1200万人を突破した人気RPGだ。数多くの声優陣が演じる魅力的なキャラクターや空を舞台とした壮大なストーリー、奥深い戦闘システムに原作好きにはたまらないコラボレーション展開など、さまざまな要素がファンに支持され続けている。

会場には、キャラクターが映し出されるパネルが複数設置されていた。

そして、本作を語る上で欠かせないものが「音楽」だ。数々のゲーム音楽を手掛けた植松伸夫氏、成田勤氏を中心とし、感動のイベントシーンや大興奮のバトルを大きく盛り上げている。移動中などすき間時間で遊ぶことも多いアプリでは、端末負荷の軽減なども含めBGM・音声をカットしたまま遊ぶプレイヤーも多いことだろう。だが本作の面白さに、こうしたサウンドが大きな影響を与えているのは間違いない。今回のオーケストラコンサート開催をきっかけに、ぜひBGMにもじっくりと耳を傾けてみてほしい。

会場はもちろん、開催地となった渋谷にはエルーンのコスプレイヤーがたくさん出現していた。
まさにグラブルの世界に迷い込んでしまったようだった。

始めたばかり&高ランクプレイヤーにもお馴染の曲を演奏

指揮を担当した栗田博文氏が登壇し、まず演奏されたのは「グランブルーファンタジー」を象徴する「メインテーマ」。柔らかなハープの音色が場内の静寂を破り、やがていくつもの音色が壮大な物語の始まりを予感させていく。

管楽器の伸びやかな旋律にゆったりと身を任せた後、「大星晶獣との戦い」では騎空士たちが幾度となく挑んだ「大いなる存在」との壮絶な戦いを思い起こさせた。

ここで植松氏、成田氏が客席から登場。植松氏は「オーケストラコンサートを長い間待ち望んでいたので、楽しんでいこうと思います」、成田氏は「サービス初期から最近の曲まで個人的に気に入っている曲もあるので、一観客としても楽しんでいきたいです」とコメント。また作曲者自身が客席で演奏を聞く機会はそう多くないため、興奮した様子もみせていた。

右から)植松伸夫氏、成田勤氏

すでに過去「東京ゲームショウ2015」でもオーケストラコンサートが行われている。だが、その際は楽器にマイクを付けた状態で演奏せざるを得なかったため、生で演奏したいと本作のプロデューサー・春田康一氏と話をしていたのが実現したと振り返る植松氏。本作のヘビーユーザーとしても名高い成田氏は、プレイヤー同士が競い合うイベント「決戦!星の古戦場」にしっかり参加するため、期間中は朝6時に起きてイベントに臨んでいるいると熱中ぶりを語ってくれた。

植松氏は「メインテーマ」がテレビCMなどでかかった時に「自分の曲だ!」と感動したそうで、今回改めてホールで生のオーケストラ演奏として聞くとまた違った印象を受けるとコメント。成田氏は「大星晶獣との戦い」について、メインテーマ同様初期に書かれたものなので当時のことを思い返したり、実際にゲームでプレイしたときの映像が思い浮かんだりしたそうだ。そんな成田氏の熱心なプレイヤーぶりに、植松さんが「作曲で貰ったお金をまたゲームに使っちゃう」と笑いを誘う一幕もあった。

ストーリー序盤で訪れるバルツ公国の楽曲「フレイメル島 ~太古の工廠~」は、ゲーム内さながらの重厚さにパーカッションがアクセントとなり、深い緑に包まれた太古の森を思わせる楽曲「ルーマシー群島 ~神秘の森~」では、優しい旋律へ徐々に力強さが加わっていく。「コロッサス・マグナ」ではより勇ましく、荒れ狂う炎のような力強さを感じられる迫力の演奏となっていた。この3曲は成田氏の作曲によるもので、とくに各島の曲はストーリー上何度も出てくるため、今回は実際にプレイした時に感じた新たなイメージをアレンジとして書き起こしたという。

ポート・ブリーズ群島で聞くことができる「はじまりの風」は、原曲のもつ懐かしいイメージや軽やかさはそのままに、オーケストラによる壮大さを堪能。植松氏は当初から「王道ファンタジーにしたい」と何度も言われたこともあり、これまでの経験も踏まえ「自分らしい曲が出来た」と感じたとコメントした。討滅戦などでお馴染の「天に散りし覇者との邂逅」は美しい音色にずしりとした重みがプラスされ、まさに王道ファンタジーのバトル曲にふさわしい迫力をもって観客に届けられた。

ここで話題は、植松氏と成田氏がオーケストラコンサート限定で配布されるキャラクターの、フェイトエピソードに登場する「ノビヨ」「ナリタ」の声優として参加したことに移る。植松氏は「バイオリンを弾いたことのない人に、ちゃんとバイオリンを弾けというようなもの」と例え、成田氏も「無理!怖い!」とスタジオの中で固まってしまったと収録時のことを語った。前半の最後はストーリーの展開、そして多くのプレイヤーが何度も挑み続けることでも思い出深い「シュヴァリエ・マグナ」の荘厳な音色が飾った。

全国のプレイヤーへ「グランブルーファンタジー」がもつ音楽の魅力を発信

後半は、繰り返される細かなリズムがやがて大きく広がっていく「遥かなる旅路、天翔ける戦線」からスタート。「十天衆」やフェイトエピソードなど、かなりの戦力を備えた高ランクのプレイヤーには印象に残っているであろう「歴史の分水嶺」は、その背景にふさわしい苛烈なサウンドを会場全体に鳴り響かせた。

植松氏は「悲壮」について自分らしい曲であると語る一方、鏡を見ているようで辛いと感じることもあるそうだ。楽曲について悲しさというオーダーがあったものの、ただ悲しいメロディだけでなく、後半に希望の光を入れることでより悲しさが際立つように仕上げたという。成田氏の「リヴァイアサン・マグナ」は、原曲に和楽器が多く登場する。もちろんオーケストラの編成には登場しないが、別の楽器がそのイメージを崩さずにフレーズを担っているのも注目したいところ。楽器の使い方にもユニークさがみられる曲となっていた。

今回のオーケストラコンサートは東京から始まり、福岡、大阪、仙台、札幌と各地でも開催される。植松氏は「グランブルーファンタジーの魅力を、音楽面から全国の皆さんに知っていただきたい」とし、リリースからこれほど短期間に全国でのオーケストラコンサートが行える規模にまで成長したことに驚きを隠せない様子もみせる。現地でどのような反応が返ってくるか想像がつかない反面、挑戦として楽しみだと意気込みを語る。成田氏は「来て頂いたお客様に、帰る時に“聞きに来て良かったな”と思って頂けるようなコンサートを目指したいです」とコメントした。

スピード感に溢れ、アイリッシュテイストのリズミカルな音色がバトルシーンを大きく盛り上げた「満天に嘶(いなな)く」は、さらに音の重なりを増した演奏に。一度聴いたら忘れられない特徴的なメロディに気分が高揚した中、最後は「アウギュステ列島 ~白沫の瀑布~」のもたらす穏やかな旋律が会場を包み込んだ。

鳴りやまない拍手に応えるように始まったアンコールでは、初心者プレイヤーでも序盤から頻繁に耳にする「バトル1&2メドレー」が演奏された。緊迫の連戦をそのまま現したかのようなサウンドがたたみ掛け、2曲目にはプレイヤーの記憶に新しいイベント「ロボミ」が届けられた。思わずイベント時のナレーションや、力強い歌声すらも聞こえてきそうな原曲のもつ熱気に負けないアレンジとなっており、観客の大きな手拍子を受けながら「グランブルーファンタジー」初のオーケストラコンサート「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA- SORA NO KANADE -」は終了した。

セットリスト(昼公演)

  • メインテーマ
  • 大星晶獣との戦い
  • フレイメル島 ~太古の工廠~
  • ルーマシー群島 ~神秘の森~
  • コロッサス・マグナ
  • はじまりの風
  • 天に散りし覇者との邂逅
  • シュヴァリエ・マグナ
  • 遥かなる旅路、天翔ける戦線
  • 歴史の分水嶺
  • 悲壮
  • リヴァイアサン・マグナ
  • 満天に嘶く
  • アウギュステ列島 ~白沫の瀑布~

アンコール

  • バトル1&2メドレー
  • ロボミ

※画面は開発中のものです。

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