東京ゲームショウ2016のセガゲームスブース内セガパートナーズコーナーでMAGES.の「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」をプレイしたため、プレイインプレッションをお送りします。
「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」はエルフが1996年にPC版を、1997年にセガサターン版を発売したSFアドベンチャーゲームで、並行世界をテーマにしていて、その並行世界を視覚的にわかりやすく表現して世界観を無理なくシステムに落とし込んだA.D.M.S(アダムス、オート分岐マッピング・システム)によって、難解な世界なのにとても攻略のし甲斐のあるアドベンチャーゲームとして成立させた作品でした。
平行世界というのは、ざっくりと説明すると、ゲームショウに朝から行くとするじゃないですか。そのとき、最初にPS VRの整理券を貰っておけば夕方くらいまでにはPS VRをプレイできるかもしれないけど、その場合は物販の人気商品を購入できない。物販の人気商品を買いに向かうと、今度はPS VRをプレイできないかもしれない。その限られた時間と空間の中で行われるいくつかの分岐に対して、整理券や物販を他の分岐で使ってみると新しい発見や展開が……と書いてみてどんどん訳が分からなくなってきたので、先を急ぎます。
さて、この「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」がリメイクという形で生まれ変わったのが、今回出展されているPS4版ということになります。
実は、実際に発売される際に、初回特典のオリジナルNEC PC-9800シリーズ版のDLCカードが同梱されることもあり、今回のゲームショウでは、PS4版とPC-98版の両方が出展されていました。そのため、序盤部分を比較できるようにプレイしてみました。
以下、しばらくは特に説明がない限り、右がPS4版、左がPC-98版となります。
PC-98版の方が、若干操作が細かくなっているのが気になりましたけど、今回プレイする分にはあまり気になりませんでした。
タイトル画面は、PC版の方がシンプルでした。PS4版はデモとタイトル画面がループする作りのため、ついつい見とれてしまうも、時間がないので早速プレイ。
オープニングの子どもの頃の回想シーン。優しく接してくれる母とどこか軽薄でいじわるっぽい父のやりとりを聞くことになりますが、雰囲気はしっかりと再現されているもののグラフィックは一新され、このシーンを見るだけでも、過去にプレイした方が比較のためにプレイするだけでも楽しいと感じさせてくれます。
PC-98版とPS4版では、もう一つ圧倒的な差を感じてしまうのが、ボイスの部分。PC-98版はボイスがありませんけど、PS4版はボイスがあります。この後、選択肢を選ぶようなプレイになっていくため、フルボイスかどうかはわかりませんが、このあたりの演出部分をオートプレイにしておくと、ボイスに合わせて進行してもらえるので、丁度いい塩梅でストーリーを楽しめるのでは、と思ってしまいます。
昼寝から覚めた主人公の視点で、校医登場。PC-98版も味がありますけど、PS4版もなかなか……リメイクにあたって服装も変更されているんですね。パンツなんかどうでもいいとおっしゃられているのでもう少し注目してみると、寄っても綺麗。
いや、べつにボクが寄る操作をしたわけではなく、演出上勝手にこの画面になっただけで……。
かなりクセのある主人公と、これまた派手な服装とタバコだけでもかなりのクセがあることがわかる校医の会話で、主人公の性質がかなりわかるようになっています。
ここまで見ていると、最近主流の分岐を選んでいくと自然とストーリーが進んでいくアドベンチャーゲームの雰囲気が強いのですが、コマンド選択画面になると若干ながら90年代テイストが出てきます。
PS4版はコマンドが表示されるときにウインドウが非表示になるんですね。
ときよりある、寄ったシーンはドキッとしますね。(ここだけ両方ともPS4版)
校医が立ち去り、自らも学校の屋上から移動をし、この辺りから自らの手でコマンドを選ばないと先に進まない状況になり、懐かしい気持ちがさらに高まるのですが、彼が登場した時点でキャラクターイメージがかなり変更されていることに気が付きました。
会話の相手がいなくなるまでやり取りを繰り返し、移動してはフラグを探すようなプレイは今遊ぶとかなり新鮮ですね。
そして、少しずつストーリーが動き出し……。
といったところで、プレイ終了。10分のプレイアブル出展で、オートプレイでボイスをすべて聴くようなプレイをすると校医との会話の辺りで時間になってしまうため、大急ぎでプレイしつつ、若干多めに時間を頂いていたりしましたけど、コマンド選択の辺りは昔のテイストのまま、グラフィックが今風になっていて、当時遊んだ人も初めて遊ぶ人も楽しめるゲームになっているのではないかと期待してしまいます。
個人的には当時、セガサターン版をプレイしていたため、ゲームの概要については理解しているつもりでしたが、さすがに20年近く経っている記憶のため、今回のプレイ自体が新鮮でした。今回のプレイではまだA.D.M.Sのシステムを使うところまではプレイしていないため(まぁ、使いこなすところまでプレイするには1ストーリー終わらすくらいプレイしないとダメだと思いますが)、どのような形でリメイクされているのか気になりますが、その答えは発売日まで待つこととしましょう。