エンターグラムは、PS Vita版「終わる世界とバースデイ」を、2017年5月11日に発売する。
「終わる世界とバースデイ」は、2012年9月某日、謎の人物・カサンドラがネットに書き込んだ「世界が終わる」という”予言”が街中でまことしやかに囁かれる中、主人公とヒロインたちが「9.29対策協議会」を結成し、予言の真相に迫るミステリアスな学園アドベンチャーだ。
世界は本当に終わってしまうのか? そして世界が終わるということは、何を意味するのか? 「世界の終わり」の驚愕の真実から感動のエンディングまで、彼らの行く末を見届けてみてはいかがだろう。
なお、同時発売される初回限定版には、ゲーム本編で使用されているボーカル曲とBGMを1枚に詰め込んだオリジナルサウンドトラックが同梱される。
終わる世界とバースデイ プロローグ
――あの日。本当に世界が終わるなんて、誰も信じちゃいなかった。でも、心のどこかで、そう望んでた――
2012.9.29 世界が終わる――
夏も終わりを告げようとする9月。
その噂は主にインターネットを通じて、世界中でまことしやかにささやかれていた。
もちろん、そんな噂を鵜呑みにしている人間はほとんどいない。しかし信じずとも、密かに不安と期待を抱いている人間は大勢いた。
“その日に何かが起こるのではないか”という、漠然とした不安と期待を。
主人公は、そんな噂には一切興味のないほうだった。
彼にとって大事なのは、死んだ親友の妹を守ることだけ……彼のことを死んだ兄だと思い込んでいる、かりそめの妹を。
だが予備校で知り合った同級生に相談され、なりゆきで“9.29対策協議会”という非公式サークルを作ることになる。
そのサークルの目的は、今ネットで話題の“世界が終わる”という噂が真実か否か、みんなで検討して対策を練ろうというものだった。
2012年9月29日まで、あと*日。
その日は死んだ親友の命日であり、“妹”の誕生日でもあった――
キャラクター紹介
千ヶ崎 入莉 (ちがさき いり)
守ってあげたい仮初めの妹
2年前に死んだ親友の妹。生まれつき極度の弱視で、ほとんど目が見えない。全く見えないわけではないが、眼鏡でも視力の矯正ができないほど。また兄を失ったショックから、主人公のことを死んだ兄だと思い込んでおり、「兄さん」と呼んで慕っている。
視覚と精神にそれぞれハンデを抱えているが、普段はそれを感じさせないほど健気で天真爛漫な性格。主人公は入莉の身と心を守るために、彼女の前では兄を演じ続けている。現在はマンションに主人公と二人暮しで、主人公と同じ学園に一年生として通っている。
「兄さん、今日もいい天気…ですか?」
夏越 大天使 (なごしみかえる)
名前負けした弱よわツンデレ
予備校で知り合った同学年の少女。いわゆるDQNネームである自分の名前が嫌で、人前では“ミカ”と名乗っている。同じ学園に通っているがこれまで接点はなく、予備校で同じ学園の制服を着ていたことがきっかけで主人公と話すようになる。
性格は意外と気弱で小心者。やや被害妄想的なところも。しかし人前ではそれを隠そうと必死で強がっているので、結果として言動がツンデレっぽい感じに。
“世界が終わる”というネット上の噂を真に受け、わりと本気で怯えている。その思いを主人公に打ち明け相談を持ちかけてきたのが、“9.29対策協議会”発足のきっかけとなる。
「み、ミカエルって言うなー!」
藤白 柊 (ふじしろ ひらぎ)
毒舌でマニアックな年上の同級生
主人公のクラスメイトだが、とある事情で留年したらしく、実際は一つ年上。そのうえ毒舌家で協調性がなく、クラスでは浮いた存在。一言でも発せば周りを凍りつかせることから、密かに“フリーザ様”などと揶揄されている。しかし本人は存外そのあだ名を気に入っている様子。
図書委員会に所属しており、キャラに似合わずよくラノベとかを読んでいる。しかもかなり詳しいらしい。
主人公が図書室に本を借りに来たのがきっかけで、後に主人公が作る“9.29対策協議会”へ参加することになる。世界が終わるという噂については、完全否定派の現実主義。
「私の戦闘力は53万だ」
諏訪 成子 (すわなるこ)
ニートで引きこもりなダメお姉さん
主人公の数少ない友人の一人。ただしSNSを通じたネット上での付き合いだけで、今まで直接会ったことはなかった。
その正体はニートで引きこもりな2●歳の女子。しかも主人公と入莉が住んでいるマンションの上の階に住んでいたことが判明。非公式サークルである“9.29対策協議会”にも特別に参加することになり、彼女の部屋が対策本部(いわゆる部室)となる。
性格はずぼらでだらしなく、やや自虐的。この先の人生に希望が持てないため、噂通りに世界が終わってほしいと半ば本気で願っている。
「助けてVEPPERのみんなっ。安価、安価ぷりーず!」
サブキャラクター紹介
千ヶ崎 陶也 (ちがさきとうや)
2年前に死んだ親友にして入莉の実兄
主人公の親友で、入莉の兄。主人公とは子供の頃からの付き合いで、妹である入莉も交えて3人でよくつるんでいた。
妹と主人公に接する時は穏やかで優しいが、世の中に対して斜に構えたところがあり、ニヒルで皮肉屋な一面を見せることもあった。2年前にバイク事故で死亡。その死は主人公と入莉の心に深い傷を負わせた。
「論外だな」
織塚 美咲 (おりづかみさき)
主人公に片思いする入莉のクラスメイト
同じ学園に通う一年生で、入莉のクラスメイト。元気で明るく、少しばかりユニークな性格。視覚障害者である入莉のことを気遣って、学園内外においてよく面倒を見てくれている。
密かに主人公に片思いしているが、そのために入莉の世話を焼いていると思われたくなくて、結局何も言えずにいる。
「先輩、入莉ちゃん、GODモーニング!」
諏訪 郁生 (すわ いくお)
成子の“弟”で男の娘
小学生。成子の妹…ではなく、弟。姉よりしっかり者で、一人暮らし(しかも引きこもり)の姉を心配して実家からたまに様子を見に来る。で、「うちにいる時は可愛い恰好してなさい」と姉に言われ、半ば無理やり女の子の格好をさせられている。
だらしない姉に代わり、部屋の掃除や片付けをしてくれる超いい子。しかしロリではなくショタなので注意。
「いいから、ボクのココ…もっとよく見てくださいっ」
後藤 (ごとう)
内に暗い感情を秘めた“どこにでもいる”青年
主人公たちの通う学校の二年生。「2012年9月29日に世界が終わる」という噂に傾倒し、予言スレの予言が当たり続ければ、最初の予言である世界の終わりも訪れると本気で信じている。
そして予言スレに新たな予言が書き込まれた時、その予言を自ら実現させようと動き出す。
「アーーーーイキャーーーーーン フラーーーーーイっ!!!」
稲辺 流花 (いなべるか)
ちょっと意地悪なミカのクラスメイト
ミカのクラスメイトで友人。攻撃的な性格をしているが、姉御肌な一面もあり、クラスの女子の中ではリーダー的存在。
友人という立場を利用して、ミカを言いように使っている節がある。しかしミカはそんな彼女に逆らえず、やむなく調子を合せている様子。
「……なにそれ。そういうこと言うわけ?」
藤白 冬馬(ふじしろとうま)
柊に対して冷たい態度を取る父親
柊の父親にして、藤白グループの社長を務める人物。藤白グループはてんくうタウンの開発にも出資しており、街にはグループ傘下の会社が幾つも存在する。
仕事柄外国にいることも多いが、現在はたまたま日本に滞在中。しかし柊との関係は冷え切っていて、娘にほとんど構わず仕事ばかりしている。
「話は終わりだ。私はもう行く」
カサンドラ (かさんどら)
預言者の名を名乗る謎の少女
予言スレに予言を書き込んだ人物のハンドルネームと同じ名前を名乗る少女。どこか入莉と似通った雰囲気を持つが、詳細は不明。9月29日が近づき世界に異変が訪れる中、主人公の前に現れて行く先を導くような言動を見せる。
ちなみに「カサンドラ」とは、ギリシャ神話に出てくる預言者の名前。
「私は、カサンドラ……」