一般社団法人e-sports促進機構は、ベルサール秋葉原にて「シャドウバース」を競技タイトルとしたe-Sports大会「Shadowverse Rise of Bahamut~ファミ通CUP2017~」を、本日3月26日に開催した。
「シャドウバース」は、累計のダウンロード数が800万を突破した日本を代表するデジタルTCGだ。独自の世界観とゲームデザイン、600種類を超える美麗なカードイラストが、全世界150ヶ国以上のゲームファンから支持を獲得している。
第4弾カードパック「神々の騒嵐」が3月30日に実装されることが既に発表されているため、本大会は「バハムート降臨」環境としては最後の大きな大会になるだろう。
2月4日から開催されていたオフライン予選では、大方の予想通り順当に勝ち進んだ選手がいる一方、予想を覆す選手が決勝大会進出を決めるなど、ドラマチックな展開もあり大きな盛り上がりを見せた。決勝大会は、そのオフライン予選参加者、計2200人の頂点を決める舞台となる。
大会のレギュレーションに関しては、それぞれクラスの異なる3つのデッキを使用して戦う、BO5のシングルエリミネーション方式トーナメントで競われる。
また会場では、メインイベントであるトーナメント以外にも、「4人フライト式(4人のプレイヤーが揃った時点で開始される方式)トーナメント」が開催されており、オンラインでは味わえない緊張感のある戦いを楽しむこともできた。
本大会は、予選大会が行われており配信もされているため、どの選手も他のプレイヤーの傾向などを踏まえた上でデッキの調整を行っていたのが印象的だった。また、“ルーンの貫き”や“ミニゴブリンメイジ”の弱体化が行われているため環境に若干の変化があったことも影響するのだろう。
それでも蓋を開けてみれば、ほとんどの選手がウィッチとエルフのデッキを持ち込んでおり、この2クラスのデッキパワーの程が伺える結果となった。ここで面白いのが予選大会時はBO3だったものが決勝大会はBO5となる点だろう。上記2クラスの使用を前提として最後の1クラスをどのように勝たせるか、各選手の工夫が感じられる構築は本大会の見どころの1つだった。
これに関しては意外なことに、7クラス全てが登場していた。どのデッキとどのデッキをぶつけるかというプレイング外での心理戦なども考慮してみると、また違った角度から対戦を楽しむことができるだろう。
優勝は「ふぇぐ選手」!!
本大会のトーナメントを駆け上がり、見事優勝の座に輝いたのは東日本予選4位通過のふぇぐ選手だ。対戦中はその内容に一喜一憂しており、とにかく「シャドウバース」を楽しんでいる姿が印象的だった。準決勝では対戦相手のポテポテ選手に2本先取され追い詰められるも、土壇場でウィッチの強みである爆発力を生かした攻めで逆3タテを決めるなど勝負強さも相当なものを感じた。
そんなふぇぐ選手と決勝戦で相まみえたのはSKIRGE選手だ。トーナメント1開戦から盤石な試合運びを見せ、ゲストとして登場したRAGE覇者・ま選手からも優勝候補の1人と語られるほどの実力の持ち主だ。
この2人の共通点として、ウィッチ、エルフに次ぐ3つめのデッキとしてヴァンパイアを採用している点が挙げられる。どちらの選手もトーナメントでは“ヴァンパイア”の早い展開で早期に1セットを取りにいっていたのが特徴で、このヴァンパイアが決勝戦でどのように作用するかに期待がかかった。
決勝戦では、ふぇぐ選手がウィッチとエルフを使用し一気に2セットを先取。とくに2セット目などはウィッチの展開力の恐ろしさを存分に味わえる見応えのある試合となった。
そして続く第3セット。ふぇぐ選手の最後のクラスヴァンパイアに対してSKIRGE選手もヴァンパイアをぶつける熱い展開に。同じクラスを使用した戦いだが、デッキの構築内容はかなり違っており、ふぇぐ選手はフォレストバットのシナジーを生かしたアグロ寄りのデッキ、SKIRGE選手は“対エルフ”を意識したミッドレンジデッキだ。
この「エルフを意識している」という部分が“フォレストバット”を並べるふぇぐ選手のデッキに見事にささり、SKIRGE選手が1セット取り返すことに成功した。
1セットは取られたものの、依然セット数的にはふぇぐ選手がリードをしている状況。しかし、SKIRGE選手はデッキパワーの強いエルフとウィッチを残しているため、まだまだ先の読めない展開になる。
運命の試合となる第4セット。ふぇぐ選手はヴァンパイアを続投。SKIRGE選手はエルフを使用しての戦いとなる。こちらの試合は先程の展開とは一転し“フォレストバット”が大活躍する戦いとなった。“吸血姫・ヴァンピィ”のPingや“吸血鬼の古城”といったカードを活用し早期に相手のライフを削ることに成功。
SKIRGE選手もフォロワーを並べて対抗するも“夜の群れ”などの処理札を使用して強固に盤面を維持。最後は守護持ちフォロワーをあざ笑うかのような“セクシーヴァンパイア”のバーンダメージで勝利をもぎ取った。
優勝したふぇぐ選手には優勝トロフィーと、優勝賞金400万円が贈られた。優勝賞金の使い道について尋ねられると「留年費に使います」とコメントし、会場の笑いを誘っていた。
表彰式には、本作のプロデューサー・木村唯人氏も登壇。今回の大会の総評が行われた後、「シャドウバース」初の国際戦として「日韓戦」が5月21日に行われることが明らかとなった。
こちらの大会は招待制となり、本大会の上位入賞者とRAGE覇者であるま選手も出場権を得るという。
こちらの大会の詳細は後日追って発表されるようなので続報に期待しよう。何はともあれ、“シャドウバース最強”をめぐる熱い戦いは、まだまだ終わりそうになさそうだ。
優勝した「ふぇぐ選手」のインタビューを掲載!
――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを教えてください。
ふぇぐ選手:表彰式を終えてようやく優勝したという実感が湧いてきました。とても嬉しいです。
――イベントの最初の方からSKIRGE選手と親しくしている姿を見かけましたが、決勝戦で戦うことになると予想していましたか?
ふぇぐ選手:まったくしていませんでしたね。ただの喫煙所仲間だったので。
――実際に戦ってみてどうでしたか?
ふぇぐ選手:プレイングの上手さが印象的でした。勝てて良かったです。
――予選大会を通して一番印象的だった試合はどこでしょうか?
ふぇぐ選手:プレイオフのときに、僕がトップで“死の舞踏”を引いた時の相手選手の表情が印象的でした(笑)。
――決勝戦のヴァンパイア対決は相性もあったのかなと思いますが、振り返ってみてどうでしょうか?
ふぇぐ選手:あの試合は記憶から消したのでノーコメントですね(笑)。
――第4弾カードパック「神々の騒嵐」がそろそろ解禁となりますが、最初に調整したいデッキは何でしょうか?
ふぇぐ選手:まだ情報を仕入れてないのですが、ドラゴンの新しいレジェンドが強いのではないかなと思っているので、触ってみようかなと思います。
――予選で「運命力」というワードを使っていたと思うのですが、決勝大会で「運命力」が働いたと感じた瞬間などはありますか?
ふぇぐ選手:準決勝の3戦目のウィッチを使っていた時は、トップのカード1枚1枚が強くて「運命力」を感じました。
――大会の最後に日韓戦が開催されることが明かされましたが、それに向けての意気込みをお願いします。
ふぇぐ選手:「運命力」で圧勝したいと思います!
――ありがとうございました。