バンダイナムコエンターテインメントとドリコムは本日5月25日、両社の共同出資による新会社「株式会社BXD」の設立発表会を実施した。
HTML5でのスマートフォン向けゲーム開発&プラットフォーム展開をにらむ
冒頭で挨拶したバンダイナムコエンターテインメント 代表取締役社長 大下聡氏は2017年8月3日に設立される新会社BXDについて、キャラクターマーチャンダイジング(バンダイナムコエンターテインメント)と、HTML5での開発力(ドリコム)という両社が持つ強みを活かし、リアルとデジタルをつなぐ新たなエンターテインメントを提供するための新会社であることを紹介。
そして説明を引き継いだドリコム 代表取締役社長 内藤裕紀氏は、コミュニケーションを軸としたHTML5ベースのプラットフォームを提供することにも言及し、普段ゲームに触れていない人でも、すぐにゲームを遊べる環境を作ることにチャレンジしたいとその展望を語った。
さらに、内藤氏はHTML5を活用したスマートフォンゲームの開発、そしてバンダイナムコエンターテインメントとのジョイントベンチャー設立の経緯についても言及。App Store、Google Playといったスマートフォン向けのゲームマーケット上ではIPタイトルの躍進が著しく、ドリコムもいち早くIPタイトルの開発にシフトしていったことに触れつつ、その当時からマーケットに次の変化が起こる場合には、HTML5を中心としたブラウザのゲームマーケットが立ち上がるのではないかと考え、社内での開発に取り組んでいたという。
その上で、昨年の春頃にドリコムが開発を担当する「ONE PIECE トレジャークルーズ」などのタイトルを担当する、バンダイナムコエンターテインメント NE事業部 第2プロダクション ゼネラルマネージャー 手塚晃司氏と話をしたところ意見が一致、そこから協力するかたちでHTML5でネイティブアプリと同じゲーム環境を構築できるかに注力してきた。
昨年夏の時点では遜色ないレベルで動作するようになったそうだが、それだけでは同じ体験にすぎないということで、プラットフォームの開発やタイトル選定など本格的な取り組みを進める中、ゲームに留まらないエンターテインメントのプラットフォームとして提供できると考え、意思決定のスピード感などから、業務提携よりはジョイントベンチャーとして進めるほうがいいということで今回の設立に至ったそうだ。
ローンチタイトルは「ドラゴンボールZ」「ファミスタ」「アイマス」の新作
その話を受けて、新会社の代表取締役社長に就任する手塚氏が、新会社についてより詳細な内容を説明。バンダイナムコエンターテインメントの領域としては、キャラクターマーチャンダイジングだけでなく、グループが提供する会員サービス「バンダイナムコID」の運用を強みとして挙げつつ、新しいエンターテインメントを世の中に密着したかたちで提供していきたいという両社に共通するビジョンから、今回の取り組みへとつながっていったと紹介した。
BXDが担う事業は大きく2つにわけられる。HTML5を活用したゲームの提供、そしてHTML5の共通基盤の構築だ。その基盤を作り上げることによりゲーム提供に留まらず、バンダイナムコグループの持つあらゆるエンターテインメントコンテンツと連携して提供していくことを目指す。
その一環として、今回は「ONE PIECE トレジャークルーズ」をHTML5環境下で動作させた場合のデモを公開。このデモ自体は動作検証用であり配信は予定されていないものの、ほぼネイティブアプリ環境下と同じような動作が可能であることを紹介した。
プラットフォームを提供する上で重要になるのが、配信されるタイトルだろう。今回はローンチタイトルとして、「ドラゴンボールZ」「ファミスタ」「アイドルマスター」の新作を開発中であることが発表。いずれもバンダイナムコグループの有力なIPであることからもその取り組みへの注力が伺えるが、これらは2018年のサービスが予定されており、タイトル連動商品も発売される。具体的な商品内容については明言を避けたが、シリアルコードや位置情報などを活かしたものを予定しているという。
なお、今回はグループのIPを活かしたタイトルの発表に留まったものの、サードパーティーからのタイトルリリースも計画中とのこと。今後の発表にも期待したい。
そして最後に、BXDのコーポレートマーク、ならびに社名の由来でもある合言葉「Breakthrough X Digital Life」を紹介。言葉が持つ意味の通り、未知なるデジタルライフに発展させたいとのメッセージを残して説明を締めくくった。
自社プラットフォームをどのように活かしていくのか
その後の質疑応答では、ゲーム内容に留まらず、提供の方針やビジネスモデルなど多彩な質問が寄せられたが、ここではその中から一部を抜粋して紹介する。
まずは提供されるプラットフォームについて、バンダイナムコグループ内のプラットフォームのみでの提供を想定しているとのこと。また、HTML5で開発されたゲームはPCブラウザ向けに提供されるケースも見られるが、今回に関してはモバイルに特化したUI、UXで考えており、提供もスマートフォンのみになるという。
また、オープン化やサードパーティーの選定などについては現状では公表できるものはないものの、将来的には進めたいとプラットフォームとしてのビジョンも明かす。また、URLのみですぐにゲームを立ち上げられるメリットからさまざまなツールを使ってのアプローチ、プラットフォーム内でのコミュニティ形成、バンダイナムコIDで利用されているバナコインの本プラットフォーム提供に合わせたカスタマイズなど、さまざまな方向から検討が進められていることが伺えた。
なお、実際にどれだけネイティブアプリと同等の環境を作れるのかという点に質問が及ぶと、開発を担当するドリコムの内藤氏からは、3Dの処理に関しては端末側の処理速度が追いついていないことを理由にまだ難しいという見解が述べられたものの、同期型のリアルタイム対戦なども含め、それ以外のことは実現できると考えているそうだ。
※画面は開発中のものです。
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