9月14日に全世界で発売が予定されているシリーズ最新作「ウイニングイレブン2018」。リアルなサッカーの動きがより簡単な操作で再現できるようになった本作の進化ポイントを紹介しよう。
E3 2017の開幕と同時に、「ウイニングイレブン2018」の新トレーラーが2本公開された。1本は陸上のウサイン・ボルト選手がサッカープレーヤーとして登場するというアナウンス、そしてもう1本は本作のブラッシュアップされたポイントを伝えるものだった。
今回、アシスタントプロデューサーを務める田谷淳一氏に、本作がいかに進化したのか、実際に対戦やオンラインCO-OPを行いながらレクチャーしてもらった。
プロサッカー選手らしい「濃い動き」が簡単に繰り出せるから、駆け引きが楽しい
ここ最近の「ウイニングイレブン」は、ユーザーのイメージ通りの動きを汲み取り、余計な操作をせずにサッカーの駆け引きに注力できるようにしている。特に本作ではアニメーションが大幅に増え、プレーを通してそれが実感できる。
例えば相手選手が寄せてきた際に逃げたい方向へスティックを入れれば、自動的に身体を入れてボールキープしてくれるのだ。決して特殊な動作ではなく、ともすればキープしようと思いつく前に選手がアクションしてくれるほど。
このシンプルな操作は、ボールキープに限らない。ドリブルからのフェイントで抜こうとする際にも、スティックを左右に細かく動かすだけでOK。ドリブルひとつにしても、縦に抜くのか中に切れ込むのか、スティックだけで駆け引きが楽しめるのだ。プロサッカー選手らしい「濃い動き」が簡単に繰り出せるのは、本作の大きな特徴のひとつとなっている。
簡単に操作できると暴発するのではと思うかもしれないが、心配は無用。例えばボールキープなら、選手のベクトルやスティックの倒されている方向、相手選手が寄せてくる方向とスピードなど、細かい条件を計算した上で発動するようになっているという。
ゲームスピードはやや落ち着いたものに
プレーしている間、ランのスピードやパススピードが、従来作に比べて多少落ちた印象を受けた。その疑問を田谷氏にぶつけてみると、やはり「若干ペースを落としている」とのこと。
スピードがあまりに速いと、パスを繋げられる人が一番強くなってしまう。本作では、1対1の勝負や、ドリブルとパスの駆け引きが楽しめるスピードと、ゲームとしての爽快感、現実のサッカーに近づけるリアリティのバランスが取れるところを模索したという。
本作では「駆け引き」が、かなり重要視されている印象だ。例えば、リアルなサッカーではトラップする瞬間に駆け引きが生まれるが、本作ではそれをも再現。トラップする前に動けるタイミングがあり、下がりながらトラップして逆を突くなどといった操作もスティックの入力だけで繰り出せる。
パスを受ける選手にボールが飛んでいく時間や、受けてから一瞬周囲を見る時間があって、ディフェンスはそこで寄せるのか、中をケアするのか判断する――。対戦ゲームである「ウイニングイレブン」として、さまざまな選択肢をバランス良く提供することに注力したと田谷氏は話した。
アングルがガラリと変わったセットプレー
本作ではセットプレーがリデザインされている。従来はキックのガイドラインが表示されていたが、これを撤廃。これまでのゴールキックのようにアングルで方向を選び、ゲージでキックの強さを調節する方式に変わった。もちろん、スティックを倒せばカーブがかかる。
また、アングルも選手のアイレベルではなく、斜め上から見下ろすようなものに変わっていた。ただ、これはセットプレーの場所によっては従来のアングルを選択することも可能だ。例えばペナルティエリア角付近のフリーキックは、通常は斜め上からのアングルだが、直接狙いたい場合はR3を押し込めば従来のカメラアングルに切り替わる。
コーナーキックを含め、中に放り込みたいシチュエーションでは、斜め上からのアングルのほうが選手の位置がわかりやすいと感じた。ちなみにセットプレー時には十字キーで「一度ファーに当てて折り返す」などの作戦を指示することも可能。これはディフェンス側も同様だ。
戦術はかなり細かく設定することが可能
試合前、あるいはハーフタイム中のゲームプラン画面では、選手が顔写真つきで表示されるようになった。よりわかりやすく表示されるようになったが、機能的な変化はほぼない。ただ、チームのオフェンス/ディフェンスコンセプトのさらに下層に設定できる「ティキ・タカ」「偽9番」などの細かい戦術のバリエーションが増えた。
ちなみに、収録チームにもあらかじめ戦術が設定されている。チームカラーの表現にも、かなり力を入れているとのことだ。
リアルなサッカーの戦術は日進月歩だ。毎年発売される「ウイニングイレブン」も、その潮流を追い続けている。現実のサッカーシーンでは3バックを採用するチームが増え、ウイングバックが復権したが、本作でもディフェンス戦術に「ウイングバック」が導入されている。
多彩な演出でさらに増した臨場感
スタジアムをそのまんまゲーム内に再現
本作では、パートナーシップを結んでいるバルセロナFCとボルシア・ドルトムントのホームスタジアムに直接取材に赴き、選手入場口のペイントといった細かい部分も完全再現。特にピッチは試合中と同じライトを点灯してもらい、その明るさまで再現しているという。ちなみにスタジアム外の街並みも綺麗に描写されているので、注目してみてほしい。
選手をいきいきとさせる表情のバリエーション
本作では、ファウルを受けた際に痛がっている顔、ゴールを決めた際のうれしそうな顔など、フェイシャルアニメーションが大幅に増加。もともと顔の表現に定評のあるシリーズだが、バリエーションが加わって選手がよりいきいきとしている。プレーの流れに合わせ、自然と色々な表情を見せてくれるのだ。
また表情のみならず、選手のプロポーションやタトゥーに至るまで、細かなルックスもリアルに再現されている。
TV中継を見ているかのような演出
本作ではTV中継のアングルをかなり意識して試合を描写していると田谷氏。海外サッカーは、大半の人がTVで観戦しているがゆえのことだ。
それはカメラアングルに限らない。例えば試合中にも、プレーの邪魔にならないシーンで「ドリブルの距離」などのスタッツが顔写真つきで表示されるようになっていた。どの選手が活躍しているかわかりやすい。
CO-OPプレイにも挑戦!
今回はCO-OP(協力)プレイも体験。新たに導入されたオンラインCO-OP含め、本作では最大3人で協力プレイが楽しめるのだが、今回は田谷氏と2人で試合を行った。
CO-OPプレイでは、相手チームを含めてプレーの一つ一つがポイントとして集計される。ハーフタイムや試合終了後に見ることができるチャートでは、シュート数やパスの数などを表示。さらにバイタルパスやキーパス、オフ・ザ・ボール時のランニングなど、守備を含めた各プレーがかなり細かく数値化される。お互いのプレーを評価しあえるのだ。
ちなみにオンラインCO-OPでは、ローカルプレイヤーがゲストとして参戦することも可能。例えば友達が家に来た際にゲストとして入ってもらい、顔を合わせながらオンラインCO-OPを楽しむこともできる。また、本気で取り組みたい人はクランを組んでレーティングを競う遊び方も可能だ。
個人的に、CO-OPプレイはかなり楽しむことができた。「ニアにあげて!」などと声をかけあったり、シュートが防がれたときに一緒に残念がったり、ボールを出しやすいように動いてパスコースを作ったりと、誰かと一緒に協力しながら一喜一憂できるうれしさは、チームスポーツとそれを表現したゲームならではのものだろう。
7月下旬には、1VS1のクイックマッチと3VS3が楽しめるオープンβテストが予定されている(PS4/Xbox One向け)。「ウイニングイレブン2018」の新たな操作感はもちろん、CO-OPプレイのおもしろさをぜひここで体験してみてほしい。
田谷氏にもっと聞きました
――ウサイン・ボルト選手はどういった経緯でアンバサダーになったのでしょうか?
田谷氏:彼はもともとサッカーがすごく好きなんです。「ウイニングイレブン(PES)」を遊んでくださっていて、自分もサッカーの選手として出てみたいと言っていただきました。ボルトさんは世界で有名なアスリートなので、今まで遊んでくれていたプレイヤー以外の方にも「PES」というタイトルを覚えていただく良い機会だと考え、ゲーム内に登場していただくことになりました。
――陸上とサッカーでは走り方も違うと思いますが、ランニングのモーションも再現しているのでしょうか?
田谷氏:さすがにすべてのモーションを再現することはできないのですが、パラメータは一番足を速くしています(笑)。ゴールセレブレーションで披露するあの決めポーズは、ご本人のモーションキャプチャーで収録しました。
――本作で「ランダムセレクションマッチ」が復活した理由はなんですか?
田谷氏:以前からユーザーさんがすごく楽しんでくださっていたと聞いていたので、ぜひ入れたいと思っていました。今回はちょっとした遊びということで、トレード機能を加えています。
トレードでは、ランダムでチームが決定したのち、「この選手がほしい」と互いに指定することができます。ただ、自チームの選手をブロックすることもでき、ブロックされると選手を獲得することはできないといった駆け引きも盛り込んでいます。オプションでトレードの有効・無効、回数の調整も可能です。
――トレードできる人数に制限はありますか?
田谷氏:最大人数制限はかかっています。あまり多いとずっとトレードしてしまいますから(笑)。
――トレードだけでも盛り上がれそうですね。
田谷氏:社内のテストプレイでも、試合前のトレードはかなり盛り上がっています。サッカー選手を知っていればいるほど、駆け引きが楽しめますね。
――2万を超えるデータを集めたとお聞きしましたが、選手のクセも再現したりしていますか?
田谷氏:完全に、ではないのですが、ランニングなどのモーションをいくつかのパターンに分類し、選手のモーションとパラメータを設定する世界各地のスタッフがつけたデータで動きを再現しています。また、プレーには選手の個性を再現するものもあります。PVでもネイマール選手が軸足の裏でボールをトラップしていましたが、そういった動きも色々と設定していますよ。
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