年末年始といえばやっぱり「すごろく」。正直、最近は友人とゲームをプレイする機会は全然ないのですが、それでもやっぱりみんなでワイワイ楽しめそうなゲームには憧れがあります。日本コロムビアさんから発売された「すみっコぐらし すみっコパークへようこそ」のインプレッションをお届けします。
「すみっコぐらし」といえばサンエックスのキャラクターで、ぬいぐるみや玩具から文具にマグカップにと様々なグッズが展開されていますが、ボクからすると年に1度の大事な楽しみ。2014年からニンテンドー3DS向けに毎年1本ずつゲームソフトが発売されているため、発売されるたびにミニゲームを楽しみながら、かわいいイベントに癒されていました。
ニンテンドー3DS向けの「すみっコぐらし」シリーズは、2014年に発売された「すみっコぐらし ここがおちつくんです」こそ室内がメインだったのですが、2015年に発売された2作目の「すみっコぐらし おみせはじめるんです」では商店街、2016年に発売された3作目の「すみっコぐらし むらをつくるんです」では村づくりと、どんどん規模が大きくなり、2017年夏に発売された「すみっコぐらし ここ、どこなんです?」では、理想のすみっこを求めて探検をしてしまうという、さらに大規模な展開を突き進んでいます。
実のところボクはまだ「すみっコぐらし ここ、どこなんです?」をプレイ中だったりするのですが、気が付けば「すみっコぐらし」がニンテンドー3DSから飛び出してNintendo Switchで新作が発売されるという大事件が発生。これは遊ばなくてはならない、ということで、早速「すみっコぐらし すみっコパークへようこそ」のプレイを進めていきます。
すごろくがおちつくんです
ゲームを始めるとタイトル画面にはドリフのように……いや、これはちょっと古いからスマ……いや、嵐のメンバーのようにメインの5匹(?)が並んでいます。
やっぱり、この5匹(?)が並んでいる姿を見ると安心します。なぜ5匹(?)と「?」を付けているかというと、キャラクターが動物扱いでいいのかちょっと悩むからなんですね。「すみっコぐらし」を知らない人のためにキャラクターを紹介していくと、右から順に「とかげ」「ねこ」「しろくま」と動物をモチーフにしたキャラクターが並んでいるのですが、一つ飛んで一番左端のキャラクターは「ぺんぎん?」という、名前からしてクエスチョンが付いている、昔、あたまにお皿があったという素敵なバックボーンのある謎のキャラクターが存在していたりします。
そして、飛ばしてしまった右から4番目、左から2番目のキャラクターは「とんかつ」という、さかのぼればどこかの段階で動物だったと思われる素敵なキャラクターまで存在します。
彼らはみんな、「すみっこ」が大好きで、隙あらば「すみっこ」に行ってしまいます。
そんな彼らが毎度のごとくアームで連れられて行ってしまうのですが……。
着いた先は「すみっコパーク」。
「すみっコパーク」は無料で入場することができ、アトラクションは遊び放題。早速アトラクションで遊びたいところですが、ひとまずお家を用意して頂けたので、一休みすることになります。
おうちの中には何もありませんけど、すみっコたちはすみっこが大好きなので、問題ありません。
いや、問題あるでしょ! 「すみっコパーク」で遊ぶと「すみっコイン」を貰うことができ、「すみっコイン」があれば家に家具を増やしていけるため、気合を入れ……るのはすみっコたちにはいまいちあわないような気がするので、まったりと「すみっコパーク」を楽しんでいきましょう。
最初はガランとしたお家の中ですみっこを求めて歩くすみっコたち。そして、やれることは「おでかけ」のみ。
おでかけ」とはつまりは「すみっコパーク」に行くこと。「すみっコパーク」にはいくつかエリアがあるようですが、最初に行けるのは「わいわいパークエリア」。平均プレイ時間は15分ということなので、早速遊びに行ってみましょう。
ジェットコースターやコーヒーカップがあるなど、ビジュアルも説明文からもシンプルな遊園地を感じさせてくれます。それでは、「すみっコパーク」のアトラクションへレッツゴー! ……とはならず、ここからはすごろくが始まります。プレイヤーの人数は人間が1人以上でCOMを含めて4人のプレイになります。
ボク自身はまわりに遊んでくれる友達がいないため、一人プレイとなりますが、大丈夫。ボクには3匹(?)の遊んでくれる仲間がいますから。
プレイヤーが選べるキャラクターは「しろくま」「ぺんぎん?」「とんかつ」「ねこ」「とかげ」の5匹(?)で、自分では決められない人のために「おまかせ」も用意されています。さて、ここで勘のいい方なら気付くと思いますが、すごろくの参加人数は4人なので……。まぁ、この辺りは後でのお楽しみとしておきましょう。
プレイするキャラクターが決まり、サイコロを振る順番を決めたらゲーム開始。早速、すごろくのマップに移るのですが、一人がサイコロを振って進み始めると、残りのキャラクターも後ろを付いていきます。
サイコロを振ってマスを進み、停まったマスに「すみっコイン」が表示されていれば、そのキャラクターの「すみっコイン」が増減します。それに対して、そのマスがミニゲームマスの時は、みんなでミニゲームをプレイすることになります。
ミニゲームでは、順位がいいとたくさんの「すみっコイン」をゲットすることができ、すごろくの最後に一番たくさん「すみっコイン」を持っているプレイヤーが勝利となるため、ミニゲームの結果はとっても大事になります。ここでは丁度「はめこみランチボックス」をプレイすることになったので、ちょっと見てみましょう。
ゲーム開始時には必ずプレイ動画が流れ、操作方法が表示されます。
また、操作方法を閉じると、ルール説明が表示されます。
どのミニゲームもしっかりと内容の説明があるため、対人プレイでも困ることはなさそうです。
「はめこみランチボックス」では、マップの真ん中にあるランチボックスのおかずをいつもの「アーム」が持っていくので、その持って行ったタイミングで隙間に飛び込むゲームになります。但し、単純に隙間に飛び込めばいいだけでなく、隙間ができた時にその隙間に置いてあるスターがスコアになるため、より高いスコアを目指す必要があります。このゲームに登場するスターは、「ピンク」>「イエロー」>「ブルー」の順番があり、「ピンク」が一番高い点数なので、しっかりと覚えておきましょう。もっとカラフルなスターが出てきたら、そちらの方が高得点だったりしますけど。
ランチボックスの周りをウロウロとするすみっコたち。そこに、上からアームが登場します。すみっコたちはフリーに動ける椅子取りゲームのごとく、隙間がいつできるかタイミングを見ながら、ウロウロと動き回ります。
すみっコたちはあまり速く動けません。一応、ボタンを連打するとダッシュをすることはできますが、それでもそれほど高速な移動はできません。ランチボックスが真ん中にあるため、それぞれのキャラクターの近くにアームが来ればラッキー。アームが逆側に行ったときにおかずを持って行ったときには諦めることが肝心です。
ときには、同じタイミングで同じ隙間を狙うことがありますが、この場合、斜め方向からランチボックスに飛び込むことはできないため、ポジション取りは大事になります。そして、スターの登場する順番はランダムのようなので、点の低いスターだからスルーする、とか、取らないよりマシだから低い点でも取っちゃう、とか、その場の判断も大事になります。3つのおかずがとりのぞかれ、3つの隙間にすみっコたちが飛び込むとミニゲーム終了。結果に応じて「すみっコイン」が加算されます。
続いて止まったマスで行われるミニゲームは「パネルできねんさつえい」。「パネルできねんさつえい」では、記念撮影をするために、すみっコたちが場所を取り合います。
いつもは穏やかなすみっコたちが熱い執念で真ん中を目指しています。すみっコなのですみっこを好むかと思うと、今回ばかりは真ん中を目指すには訳があります。真ん中が1位で、左右が2位なのですよ。
しばらく進むと今度は「まめマスターのぐるぐるコーヒーカップ」に挑戦。「はめこみランチボックス」と「パネルできねんさつえい」は、Joy-Con1台を横持ちで操作していたのですが、「まめマスターのぐるぐるコーヒーカップ」はJoy-Conを握って回転させる、体感系の操作になっています。
遊園地のコーヒーカップといえば、真ん中のハンドルを高速回転させて死ぬほど回転して、終了した時には三半規管がやられてふらふらになるのが間違った大人の遊び方になっていますが、このミニゲームでも勝ちたければ高速回転が必要で、その結果、すみっコたちもフラフラになってしまっていたり……。
当然ながらボクもフラフラになっていますが、一人プレイの場合、COMはそこまで本気の対応をしてこないのでご安心を。たぶん、対人プレイの際にはとても熱い戦いが繰り広げられることが想像されます。
すみっコたちの誰がサイコロを振った時でもみんなでマスを進んでいくため、順調にマップを進んでいくことになり、ゴールに到着すると、最初に選ばれなかったすみっコが小さなすみっコたちと一緒に迎えてくれます。
さて、ゴールしたら終わるではありません。最後のミニゲームが始まります。
「ラッキーおすしコースター」はJoy-Conを傾けて、ときどきコースが二股になっているジェットコースターをキャラクターごとに進みたいコースを進んでいきます。片方のコースを選んだプレイヤーのスコアだけが加算されていき、ゴール時点でのスコアで順位が決まります。
ゲームが始まると、コースターがコースをゆっくりと上へ上へと上がっていき、ジェットコースターが加速する前のあの静けさの状態の中で、左右のどちらに進むか悩むことになります。どちらのコースに進めばいいのか何かしらのヒントがないか探ってみたものの、特にヒントがありません。
完全無敵の運状態で進むコースター。迷ったところで運勝負なので、ジェットコースターに乗っている気分でスコアの増えるコースに入ったら無邪気にはしゃぎましょう。
そして、ミニゲームが終わるとすごろくが終わり、結果画面に入ります。しかし、すぐに結果は表示されません。結果発表の前に特別な賞の発表があります。
ここで選ばれる賞は毎回変わるようですが、今回のプレイでは、「ゴールしたで賞」「たくさん遊んだで賞」「マイナスで賞」の3つの賞の該当者に「すみっコイン」が5枚ずつ支給されました。
これで、「すみっコイン」のやりとりは全て終わり、最終結果が出て、どうにか勝つことができました。
すごろくが終わった時には1つだけアイテムを貰えるのですが、勝負結果に応じて、ルーレットの確率が変わってくるので、やはり1位は取っておきたいもの。
しかし、最終的にゲームに参加したすみっコがゲットした「すみっコイン」は全て、プレイヤーがゲットすることができるので、ゲームで負けても、よくぞ稼いでくれた、とほめてあげましょう。こんな感じで、すごろく部分のファーストプレイが終了になります。
おうちがおちつくんです
さて、すごろくが終わるとお家に帰ることになるのですが、ゲームの進行に合わせて新しいすみっコたちがやってきます。
お家にすみっコがたくさんいるのに、殺風景のままではいけません。すごろくで稼いだ「すみっコイン」を使って「おかいもの」をしていきましょう。購入できるモノは「お部屋のインテリア」と「すみっコのふく」の2種類。
「お部屋のインテリア」には壁紙と床と家具があり、購入して配置すると、部屋が充実していきます。
「すみっコのふく」は、5匹(?)のすみっコそれぞれの服を購入することができ、着せ替えるとお家の中にいるすみっコの服装に反映されます。
インテリアは、サイズごとに配置できるモノが決まっているため、バランスよく買い物をしていくと、より充実した部屋を作れそうです。
インテリアと服装を設定したら部屋を観察。回転とズームを使いこなせば、すみっコたちのいろいろな姿を観察できます。
カメラを動かして、特定のすみっコを追い続けるのもアリですが、引きのカメラにした状態で観察してみるのも面白いかも。
こんな感じで、すごろくで稼いだ「すみっコイン」でインテリアや服を購入し、家具の配置や着せ替えをしたうえで観察するのが、このゲームのサイクルになります。
ここでおちつかないんです
「わいわいパークエリア」は平均プレイ時間15分とのことでしたけど、今回のプレイでは結果画面まで含めて20分くらい。ファーストプレイの際には、ミニゲームの説明を読む時間が若干多めになるため、平均プレイ時間より若干多めの時間がかかると思っておいた方がいいかもしれません。まぁ、プレイ中にミニゲームが何回出てくるかでプレイ時間が変動しちゃいますから、あくまでも参考程度に。
ファーストプレイでは「わいわいパークエリア」をプレイしましたけど、それ以外に3つのエリアが用意されています。
すみっコたちが進むマスに並走する線路があり、駅に止まると汽車が現れ、怪しい洋館がある、平均プレイ時間20分の「どきどきたんけんエリア」。
ジェットコースターやUFOなど未来的な乗り物がいっぱいある平均プレイ時間25分の「キラキラうちゅうエリア」。
海に囲まれた島が舞台で、港町っぽい雰囲気のある平均プレイ時間30分の「ちゃぷちゃぷマリンエリア」。
「わいわいパークエリア」はゴールを目指すだけのシンプルなマップだったのですが、それ以外のエリアには途中に強制ストップマスがあり、「みんなでチャレンジ!」という、協力して目的達成を目指すミニゲームが用意されています。目的を達成すると「すみっコイン」がたくさん手に入るスペシャルルートに進めます。
スペシャルルートに進むということは、対戦相手全てが同じく「すみっコイン」を稼げるため、勝負という意味ではあまりお得ではありませんけど、すごろくが終わった時点ですべてのすみっコが稼いだ「すみっコイン」がプレイヤーのモノになるため、がっつりと稼げる体制を作った方がお得。しっかりと頑張っていきましょう。
各すごろくマップでは、ミニゲームマスに止まるか、特定の条件を満たしたときにミニゲームを行うことになるのですが、挑戦できるスタイルは「vs4ミニゲーム」「2vs2ミニゲーム」「きょうりょくミニゲーム」の3種類になります。
「vs4ミニゲーム」は4人がそれぞれライバルとなって対戦し、「2vs2ミニゲーム」は2人ずつのチームになっての対戦になっていて、「vs4ミニゲーム」のゲームの一部が「2vs2ミニゲーム」でも遊べるようになっているようです。
「vs4ミニゲーム」「2vs2ミニゲーム」「きょうりょくミニゲーム」はそれぞれ、すごろくマップ内で登場すると、単体でもプレイできるようになります。
全部で27種類のミニゲームが収録されているので、当面の目標は全部のミニゲームの発生になるのではないかと思います。
そして、「すみっコぐらし」といえば、「すみっコ診断」。簡単な質問に答えていくと、相性の良いすみっコを教えてもらえます。
「すみっコぐらし」のすごろくで、ミニゲームで勝負をしていくゲームなので、どの程度バチバチな戦いがあるかと思えば、とても穏やかなゲームで安心しました。家族や友達と一緒に繰り返し遊んで勝敗を競いつつも、稼いだ「すみっコイン」をしっかりとゲットして、お家の家具を揃えてまったりと観察。そんな遊び方ができる癒しのゲームなのですが……。
「もうひとつお部屋」ですとぉ! そうですよね。ちっちゃいすみっコがやってくると部屋が手狭なので、すみっコたちがすみっこを奪い合わないように、部屋を増やしていかないといけませんね。Joy-Conを巧みに操作してもうしばらくワイワイ楽しみますか。しばらく、おちつかないですね。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
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