2月9日、セガゲームスは、千葉・幕張メッセにて開催中の「ジャパン アミューズメント エキスポ2018(JAEPO 2018)」にて、アーケードゲーム「Fate/Grand Order Arcade」のプレゼンテーションを実施した。

塩川洋介氏、伊神公博氏によるプレゼンでは、正式稼動日や新モードの情報も

今回のプレゼンテーションには、「FGO PROJECT」クリエイティブディレクター・塩川洋介氏と、「Fate/Grand Order Arcade」ディレクター・伊神公博氏が登壇。大ヒットアプリ「Fate/Grand Order(以下、FGO)」のアーケード版となる「Fate/Grand Order Arcade」の概要や、新情報の発表が行われた。

塩川洋介氏 伊神公博氏
昨年7月に2周年を記念する形で開催された「Fate/Grand Order Fes」内にて発表された「Fate/Grand Order Arcade」だが、舞台袖からその様子を眺めていたという伊神氏は、その反応の大きさが嬉しかったという。

まず、なぜ「FGO」をアーケードゲーム化しようと考えたかを明かす塩川氏。「FGO」でのサーヴァントたちはセイントグラフというカードで召喚されるが、それを現実世界でも物理カードとして所有して欲しいと思ったのが始まりだという。サーヴァントのセイントグラフは様々なイラストレーターが担当しているが、そのタッチを完全再現しながら3Dモデル化が行われている点も、大きな見所となる。

また塩川氏は、「普段から「FGO」を遊んでいる人たちに、新しい遊びを提供したい」という想いから企画がスタートしたこと、対戦ゲームではあるが、敷居の高いゲームにはせず「すべての「FGO」ユーザーが遊べるゲームにする」という1点を目指して開発が進められていることなどを明かしていた。

「Fate/Grand Order Arcade」は、3・3のチームに分かれて対戦を行うチームバトルアクションゲーム。1つのスティックと2つのボタンが配置されたシンプルな筐体が特徴で、特に攻撃に関してはアタックボタン1つにすべての要素が集約されている。

サーヴァントの切り札である「宝具」の演出にも力が入っており、「FGO」での演出を元に、3Dならではのアレンジが加えられている。塩川氏からは「宝具演出のためだけでもプレイする価値がある」というお墨付きも与えられていたほどだった。

昨年12月には、一般プレイヤーを招いてのロケテストが行われていたのだが、そのアンケート結果も公開に。約8割のプレイヤーがゲーム内容を高く評価し、「またプレイしたい」という前向きな反応を獲得することができており、アクション・BGM・物理カードのクオリティについても、7割以上のユーザーからの支持を獲得している。特に「物理カードをコレクションしたい」というユーザーの割合が高く、「現実世界でもセイントグラフを所持して欲しい」と考えた塩川氏としても手応えを感じている様子だ。

ロケテストでは、ビデオゲームでありながら女性客の割合が「FGO」と同じように高く、塩川氏は「普段「FGO」をプレイしている方がアーケードも遊んでくれている」という印象を受けたとも語っていた。

プレゼンのラストには、ゲームに関する新たな新情報も公開された。まず、稼働初期に実装されるサーヴァントが約20騎となることが明らかに。現在「FGO」に実装されている200騎以上のサーヴァントたちを全て実装することを目標に開発を行っているという。

気になる稼働時期については、FGOの3周年に合わせた「2018年の7月頃」を予定しており、「一人用モード」が実装されることも決定。その詳細についてはまだ明かされず、プレイヤー同士の対戦を軸としたゲームであることに変化はないが、ロケテストでプレイヤーからもっとも多く要望が寄せられていた要素がこの一人用モードだったそうで、「稼働開始までには必ず実装しなければならないだろうという話になりました」と、実装が決まるまでの経緯も明かしていた。

一足先に「Fate/Grand Order Arcade」をプレイ!シンプルながら奥深い、「FGO」らしさがしっかりと残ったチームバトルアクション

その後には、実際に会場内に置かれていた「Fate/Grand Order Arcade」を実際に試遊することができた。

本作のメインとなる要素は、3・3のチームに分かれた、総勢6人のプレイヤーで行われるチームバトルとなる。プレイヤーは最初に3体のサーヴァントと、装備する概念礼装を選択。プレイヤーはその中から一人のサーヴァントを操作し、そのサーヴァントが倒された場合、控えのサーヴァントが召喚される。敵サーヴァントを撃破していくと画面上部の撃破ゲージが溜まっていき、ゲージをマックスにするか、制限時間内に多くのゲージをためた方のチームが勝利するというルールだ。

プレイヤーが操作するのはデッキの先頭のサーヴァント。戦闘中に任意のタイミングで交代することはできず、クラス間での相性も存在するため、編成する順番も重要だ。

なおプレイヤーが使用するサーヴァントも、「FGO」本編と同様に霊基召喚によって入手できる。基本的に霊基召喚は対戦を行ったあと一度行うことができるが、初回のチュートリアル時のみ必ずサーヴァントが排出される。

筆者の場合はエリちゃんこと、「エリザベート・バートリー」を召喚することができた。(なお、今回の試遊では、「アルトリア・ペンドラゴン」、「エミヤ」、「エリザベート・バートリー」、「ジークフリート」、「アタランテ」、「レオニダス」ら6騎のサーヴァントと、「ストリート・チョコメイド」「キッチン☆パティシエール」「涙のバレンタイン道場」といった3種類の概念礼装のカードがあらかじめ全て用意されていたため、自由に選択することができた)

戦闘中では、攻撃の際に「FGO」でもおなじみのコマンドカードを消費して攻撃を行うことが特徴。カードは一定時間が経過するとオートで排出され、アタックボタンを押すとそのコマンドカードに対応した攻撃が3回まで繰り出される。

何も考えずにボタンを押すだけでも、ガンガンとコンボがつながって気持ちいいのだが、コマンドカードには、威力の高い攻撃を行うバスターカード、宝具を使用する際に必要になるNPがたまりやすいアーツカード、クリティカルの発生率に関わるスターを生み出すクイックカードの3種類が存在している。通常は前から3つのカードが選ばれて攻撃が行われるが、どの順番でコマンドカードを使用するか、画面右下のカードを直接タッチすることでプレイヤーが決定することもできる。「アーツチェイン」「クイックチェイン」「バスターチェイン」など、同種のカードを3つ選択すると様々な副次効果を得られる「チェイン」が発生するのも、「FGO」本編と同様だ。

そのため、できるなら常にその場の状況に最適なコマンドカードを選択しながら戦うのが理想なのだが、ボタン配置の関係上、カードをタッチするには一度アタックボタンから手を離す必要がある。特に敵との距離が近い場合、コマンドカードを選択するのは相応のリスクを背負うことになる。

今回はやはり演出的にも目玉である宝具を使ってみたかったこともあり、アーツカードを多めに選択しながら戦いへと挑むことに。その甲斐もあって、ジークフリートNPを2回マックスにすることができた。NPがマックスになると、一定時間宝具ボタンを押しっぱなしすることで、桁違いに強力な攻撃を繰り出せる宝具を使用することができるのだが、これをあてるのがなかなか難しい。

宝具は発動まで結構な時間がかかってしまう上、その間は無防備となってしまうため、せっかくNPがたまって宝具を使用しようとしても、発動前に倒されてしまう場面も。倒されて控えのサーヴァントに操作が切り替わると、NPは0に戻ってしまうため、味方が敵を引きつけているところに、後ろから宝具で狙うようにするなど、使用するタイミングや味方との連携が非常に重要になってくるだろう。

ただ、そうした苦労がある分、うまく宝具を命中させた際の快感は格別。ド派手な宝具演出は見ごたえ十分で、思わず決まった時には「してやったり!」といった気分を味わえる。ロマン的な意味でも、是非とも狙ってみたくなる大技だ。

また数々の要素の中でも、筆者が特にユニークだと感じたのが、ガードと攻撃のボタンが同じという点だ。

先ほども説明した通り、本作では宝具を除くすべての攻撃がアタックボタン一つに集約されているが、自身が相手に攻撃されていた場合に後出しでアタックボタンを押すと、攻撃を攻撃で相殺しダメージを受けるのを防ぐことができる。こうした通常の対戦ゲームでは、初心者が適当に攻撃ばかり行っていると、あっという間に隙を突かれて倒されてしまうのが常だが、この仕様のおかげで適当にボタンを連打しているだけでも、いかにもサーヴァントらしい超人的なアクションを行いつつ、戦いを成立させられるのが楽しい。

まだ操作に不慣れなプレイヤーが多い今回の試遊では、やはりお互いに連打合戦となり、延々と互いに攻撃を打ち消し合い続けるという膠着状態に陥ったことも。これはこれで、「Fate」ファンとしては、「stay night」冒頭のアーチャーVSランサーを思い浮かべて熱くなってしまうところなのだが、そうした場合にはスティックを押しながらダッシュボタンを押すことで行える「回避」が有効。コマンドカードは一度消費すると次のカードが配布されるまで少しのタイムラグ(いわゆるクールタイム的な状態)があるため、攻撃をやりすごして相手のコマンドカードを消費させ、その隙に確実にこちらの攻撃を叩き込むといった戦術を狙うことができる。2人以上の対象から攻撃された場合も相殺が間に合わないため、味方と同じ敵を狙うのも有効だ。

このコマンドカードの設定はなかなか絶妙で、普通に攻撃する分にはテンポが阻害される感覚もなく、爽快感抜群のコンボが行えるのだが、いざ敵味方が入り混じる乱戦となったり、相手を追い詰める・逆に自分が追い詰められた状況になると、途端にカードが配布されるまでのわずかな時間がもどかしく感じられる。相手の攻撃を回避でしのぎながら、こちらのカードの再配布を待っている瞬間などは、「FGO」本編でのターンバトルに近い戦いになっていると言えるかもしれない。

なお、敵味方をあわせて7騎のサーヴァントが撃破されると、「聖杯」が顕現し、敵を撃破時のゲージの上昇率が上がる「FATAL TIME」へと突入し、一発逆転を狙うことも可能になる。「stay night」での聖杯戦争の仕組みを知っていると、思わずニヤリとしてしまうネタだが、こうした随所に感じられる「FGO」や「Fate」シリーズをリスペクトした要素もファンにとっては嬉しいポイントだ。

サーヴァントの攻撃モーションから攻撃やスターを排出する効果音などのSE、画面のUIからBGMまで、いたるところが「FGO」仕様となっており、まさに「アーケードで『FGO』をプレイしている!」と実感することができた。

全体のプレイを通して強く感じたのは、操作部分こそシンプルなのだが、考えなければいけない要素が非常に多く、決して単純なゲームではないという点だ。

今回は紹介しきれなかったが、それぞれのサーヴァントには「FGO」本編と同じく、クラス相性での補正も存在しており、どの敵を狙い、どのコマンドカードを選び、どのタイミングで宝具を狙うかといった、アクションの腕前以上に勝利を目指す上での戦術が重要な割合を占める印象を受けた。

今回のような初心者同士の対戦でも、お互いなんとなく形になった立ち回りを行いつつ、対戦ゲームらしい読み合いの楽しさを実感できるなど、対戦型のアクションゲームとしての敷居はかなり低くなっている。一方で、サーヴァントのカードごとのモーション、NPやスター発生効率、スキルの効果など、一度プレイしただけでは把握しきれない要素もまだまだ残されている。

プレゼン中には、「FGO」のバトルシステムについて「一見シンプルだが奥が深い」と説明される場面もあったが、まさにその言葉がそのまま当てはまる、カジュアルとコアの両方のプレイヤーが満足できる、かなり完成度の高いバトルシステムに仕上がっていると感じられた。普段あまりゲームセンターに足を運ばない、対戦ゲームが得意ではないというプレイヤーにこそ、是非とも体験してもらいたい作りとなっている。

JAEPO2018では、2月10日にも「Fate/Grand Order Arcade」のステージイベントが行われる予定だ。今後の続報にも引き続き注目して欲しい。

(C)TYPE-MOON / FGO ARCADE PROJECT

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

この記事のゲーム情報

Fate/Grand Order Arcade

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