コンピューターエンターテインメント協会(CESA)は、本日2月22日に「東京ゲームショウ2018」開催発表会を実施。開催概要、および今年のテーマの発表を行った。
広がり続けるゲームの輪。海外を意識した施策も
今年で28回目の開催を迎える「東京ゲームショウ(以下、TGS)」。年々来場者数、および出展企業社数を着実に伸ばしており、現在では25万人を超える来場者数が定着していると、CESA会長・岡村秀樹氏は語った。
また出展社については国内企業の増加は当然として、近年では特に海外企業の出展が目覚ましく、昨年開催されたTGS 2017における総出展企業数の過半を海外企業が占めるなど、TGSのグローバル化も着実に進んでいるようだった。
岡村氏は、今年のTGSは4つの大きなテーマに沿って開催されると説明。そのうちの一つで、特に注目しているのがe-Sports分野だ。今年のTGSでは、JESUが定めるプロゲーマーのライセンス発行大会も行われる。当然、TGSに出展されるすべてのゲームタイトルがe-Sportsに絡んでいるわけではないものの、e-Sportsがあるからこそこれまでとは異なる層の来場者の獲得が狙える。そういった意味では、すべての企業が新しい顧客を獲得できるビジネスのチャンスになっていると語った。
また、日経BP代表取締社長・新実傑氏は、最近になって民放各局や主要な新聞などがe-Sports関連のニュースや特集を取り上げるようになったことについて言及。これは、国内でe-Sportsを促進していく上での“土台”がようやく整ったからだとして、日経は水面下で各種メディアがe-Sportsを取り上げていく上で必要な情報の提供や周知といったサポートを行ってきたと説明した。
年々成長を続けるTGSの規模はデータにも表れている。日経BP 東京ゲームショウ事務局 船本泰弘氏によると、TGS 2017では総来場者数が254,311人を記録。2013年から5年連続で25万人を突破している。
出展小間数は1,930小間、出展社数は609社となり、2年連続で600社を超える結果に。その過半を占める317社が海外出展社で、アジアからは約200社、欧米からは約100社が出展している。
また、ビジネスデイにおける海外来場者数については過去最多の2,486人を記録していることからも、近年は国内に留まらず、海外からも非常に注目度の高いイベントになっていることが伺えた。
続いて、日経BP 東京ゲームショウ事務局長・秦和俊氏より今年のテーマが「新たなステージ、開幕。」であることが発表された。これは昨年VRやARといった最新のテクノロジーが大きく普及し、ゲーム業界もこれまでとは別次元の領域(ステージ)に突入したことをうけ、今年はそうした新しいコンテンツの強化・拡大を図っていくという意味が込められているそうだ。
そのうえで秦氏は、いくつかの強化案を提示。まず、e-Sportsのさらなる発展・拡大を目指して、会場のキャパシティを拡大する予定だという。加えて、昨年海外配信向けに取り入れたTwitchでの視聴者数が約600万を超える好調な結果を残したことから、今年も昨年に引き続きTwitchとDouyuで海外配信を行うと共に、国内配信のプラットフォームを拡大。OPENREC.tv、FRESH!、ESL、Twitter、そしてYouTubeにてe-Sportsを中心に配信が行われる。
また、2016年には35社86小間だったVR/ARコーナーが2017年には45社123小間へと成長。今年はさらに性能の良い新しいハードも登場するという予想から、VR/ARコーナーの出展拡大も図られるとのことだ。
グローバル関連の強化施策としては、海外でのゲーム関連イベントに積極的に参加し、現地での参加誘致活動をさらに強化していくという。ヨーロッパ最大のインディ・ゲームイベント「REBOOT DEVELOP」にも出展参加し、欧州の優秀なゲーム産業関係者のTGSへの出展と来場を誘致するほか、アラブ首長国連邦・アブダビで行われる「World Game Expo」にも参加を予定しているなど、まさしく世界中を飛び回ってTGSのPRが行われるようだ。
2018年に入ってから、にわかに熱を帯びてきたe-Sportsの促進活動。国内最大級のゲームの祭典であるTGSでも、今年はその存在感がより大きく感じられるようになることだろう。今後徐々に発表されていく具体的な出展内容に、ぜひ注目しておこう。