セガゲームスが3月8日に発売するPS4用ソフト「北斗が如く」。本作を発売に先駆けて触れる機会が得られたので、そのプレイレポートを紹介する。
「北斗が如く」は、セガゲームスが誇る人気シリーズ「龍が如く」と、漫画「北斗の拳」(原作・武論尊、漫画・原哲夫)のコラボレーションによって誕生した新作アクションアドベンチャー。原作漫画をベースにしつつ、ストーリーは完全オリジナルの内容で展開。プレイヤーは主人公・ケンシロウとなり、奇跡の街と呼ばれる「エデン」で巻き起こる戦いに身を投じていく。
今回のプレイレポートでは、本作のバトルシステム、そしてエデンで楽しめる“世紀末ライフ”の数々を紹介していこうと思う。読み進めてもらえれば分かるが、システム面に目を向けると「龍が如く」のエッセンスがふんだんに盛り込まれており、「北斗の拳」を知らない人でも十分に楽しめる作品に仕上がっている。
「ひでぶっ」だって武器になる。派手な演出による“らしさ”溢れるバトル
本作のバトル時における基本的な操作は、□ボタンと△ボタンを組み合わせるだけの非常に簡単な作り。「龍が如く」シリーズを少しでもプレイした経験がある人からすれば、説明不要なくらいだろう。その中で本作にオリジナリティを与えているのが、北斗神拳の代名詞ともいえる「秘孔」を駆使したアクションだ。
まずは通常の攻撃を繰り返し相手にダメージを与えていくと、やがて敵キャラクターの頭上に○ボタンが現れる。そのタイミングで該当するボタンを押すと「秘孔アクション」が飛び出し、さらに北斗神拳の奥義へと発展していく。奥義には「北斗百裂拳」をはじめとした有名なものが揃っており、相手に対して一方的に大ダメージを与えられる。奥義を発動させると特別な演出が入り、その間は周囲の敵からダメージを受けることもない。一対一から一対多数まで、ありとあらゆる場面で役立つ、攻略の肝といえる要素だ。
奥義の演出では画面上にボタンが表示され、タイミングよく押すことで七星ゲージが溜まっていく。ゲージが最大に達すると「バースト」状態へと移行でき、ケンシロウの能力をさらに高めることが可能だ。ボタンをおすことに失敗してもゲージの上昇が遅くなるだけで、与えるダメージ量が減るなどのデメリットはない。極端な話、奥義時は演出を眺めるだけで操作を一切しなくても攻略はできる。忙しい操作を要求されないのは、ポジティブに捉えていいだろう。
また秘孔はタイミングよくボタンを押すことで「ジャスト秘孔」となり、より大きなダメージを与える仕組みになっている。ジャスト秘孔を成功させると出現する断末魔の叫び、「ひでぶっ」や「あべしっ」といった声の数々が文字として現れ、「ひでぶっ」はフィールドに残る。ひでぶっ文字は手に持って、そのまま武器として活用することだってできる。武器を手にしたケンシロウの攻撃が強力なのは言うまでもなく、さらに見た目のインパクトも強烈。ジャスト秘孔に関しても、発動させなくても攻略自体は可能だが、一度は試してほしい。
「北斗の拳」のキャラクターの力を借りて戦う装備アイテム「宿星護符」にも触れておきたい。ストーリーを進めていくとさまざまなキャラクターの「護符」を入手でき、これを使うことで多彩な効果が得られる。ユリアの宿星護符は「七星ゲージに関係なくバースト状態となる」、リンだと「ケンシロウの生命力が尽きても復活」と、いずれも強力なものばかり。これは方向キーに対応しており、一度に4つまで装着できる。上手く組み合わせることによって、バトルをより効率的にできるはずだ。
物語の舞台は街の外にも。バギーで広がる新たな探索
「龍が如く」シリーズといえば、街の探索によって出会うサブイベントの数々、そしてプレイスポットも欠かせない魅力だ。「北斗が如く」でも同様の魅力は顕在で、カジノをはじめとしたプレイスポットが楽しめる。また適当に歩いているだけでもさまざまなイベントが発生するため、プレイヤーからすれば、メインのストーリーをなかなか進められない、嬉しい悲鳴をあげることになるだろう。
ストーリーを進めるとケンシロウはバギーを入手し、エデンの外に広がる荒野へ繰り出せる。荒野ではいたるところに素材アイテムが落ちているほか、バトルで入手した宝の地図を探す遊びもある。宝の地図には制限時間が設けられており、制限時間を過ぎるとなくなってしまう。
いち早く宝が眠る場所へ急ぎたいところだが、道中では無法者たちが襲ってくることも。バギーに備え付けられているブーストを駆使したり、事前にバギーの能力を上げたりして振り切りたいところだ。もちろん、あえて無法者たちと戦ってレベルを上げ、今後の強敵との戦いに備えても良い。いずれにせよ、役立つアイテムの入手、自身の強化と荒野にはプレイを助ける仕掛けが随所に用意されている。
軽くプレイしただけではあるが、荒野はかなり広い印象を受けた。またマップを確認すると開けた場所だけでなく、細かく入り組んだ道があることも確認できる。宝の地図を含めたサブイベントを絡めると、探索だけでも相当な時間を費やすことになりそう。その分、見たことのない場所にはどんなストーリーが待っているのか楽しみも尽きない。ただしバギーの移動にはガソリンが必要で、これが尽きるとゲームオーバーになってしまう。長時間プレイし続ける際には注意してほしい。
今回は発売前のプレイということもあって、ストーリーは第5章までしか進めていない。これも「龍が如く」シリーズのファンであれば分かると思うが、第5章といえばまだまだ序盤で、これからもっと遊びも増えてくるのは間違いない。実際公式サイトを見ても、筆者が見つけられなかったプレイスポットがかなりあって驚かされる。
そういう意味でも、質量ともに「龍が如く」ファンが納得できる出来栄えだ。そして「北斗の拳」ファンとしても、おなじみのキャラクターが多数登場するため、オリジナルストーリーの中でどんな活躍を見せるのか、想像を膨らませながら進めていくのも面白いだろう。