センキが2018年内にリリース予定のデジタルゲーム版「桜降る代に決闘を」(PC/Android版の事前登録をにじよめで受付中)。本作にトコヨ役として出演する内田彩さんへのインタビューをお届けする。
「桜降る代に決闘を」は、ボードを用いたアナログゲームを原作とした決闘カードゲーム。原作アナログゲームは、自身で使用する2キャラクター(メガミ)の組み合わせを選び、相手の2キャラクターを確認してから実際に決闘に使用するデッキを組む「眼前構築」と、桜の花びらを模したトークンを用いて戦う「桜花決闘」が大きな特徴となっている。
そして、2018年春に展開する次シリーズ「桜降る代に決闘をII(仮題)」に合わせて、同シリーズに準拠したデジタルゲーム(PCブラウザゲーム、iOS/Androidアプリ)がリリース予定。デジタルゲーム版の大きな特徴とも言えるのが、作中に登場するメガミたちにキャラクターボイスが用意されていることだ。
今回は、芸術と永遠性のメガミであるトコヨを担当する内田彩さんのボイス収録にお邪魔してインタビューを実施。本作が持つ独特の世界観、そして役作りについてお話を伺った。
――今回演じられるトコヨを見た時の第一印象をお聞かせください。また、彼女の魅力をどういったところに感じられましたか?
内田さん:第一印象は…ピンク(一同笑)。髪型、お洋服から全てにおいてピンクが入っているので、ほかにもいろいろなキャラクターがいるんだろうなと思いつつ、可愛らしさのある子なのかなという印象でした。
実際は、意外と厳しい感じの、芸術家肌で伝統を重視する女の子でした。古き良き頑固ジジイみたいな、厳しい師匠みたいな性格で、でも可愛らしいところもあるので、その差は上手く表現したいと思っていました。常にビシバシ厳しいセリフが多い中で、たまに入ってくる可愛らしい部分は大事にしようと思って演じました。
好きなものが“批評”ということで、普段は人に対して上からは言えないので、そこがすごく楽しくて新鮮でした。中身がしっかりしているところが見た目とのギャップで、そこも魅力だなと思いました。
――そのギャップも意識してボイスを収録されましたか?
内田さん:最初はもっと可愛らしく演じようかなと思っていたのですが、芸術と永遠を象徴しているということで、その可愛らしさも永遠を表現しているのかなと。しっかり者でありつつも「はっ倒すわよ!」と取り乱して言っているところはすごく可愛いなと思いました。
――実際のセリフの中で印象的だったワードがあればお聞かせください。
内田さん:古き良きものを大事にしているキャラクターなので、今では中々言わない言葉がたくさん出てきて楽しかったです。句を読むことも多くて、出てくる季語も読めるけど発音の分からない言葉もあったので、アクセント辞典でどっちだろうとみなさんで確認しながら収録しました。やっぱり昔の良い日本語を使いたいなと、セリフを言っていて改めて思いましたね。さらっと「風情がある」とか言いたいなと(笑)。
――絵柄も全体的に和の雰囲気を感じさせると思うのですが、そのタッチへの印象はいかがでしょうか?
内田さん:札を使ったカードゲームと聞いて、最初は花札のような印象が思い浮かんで良いなあと思いました。イラストも和のタッチだったので、世界観にも入り込みやすかったです。それでいてお洋服のデザインとかは今風で可愛いなあと。
ほかのキャラクターのことは細かくは分からなかったのですが、二人一緒に組む時にお互いが掛け合っているセリフで関係性が分かったので、いろんな子がいて面白いなと。完全な和というだけでなく、少し違う要素も持っていて。あとそれぞれの名前が、和風な感じが出ていて可愛くて良いなと思いました。
――ほかのキャラクターで面白いなと思ったキャラクターはいましたか?
内田さん:シンラがトコヨとは仲良しではないけど、性格的に合う感じでしたね。トコヨは変わり者でひねくれているから仲の良いメガミは少ないと書かれていたんですが、シンラとの関係を見ていると、作品を一緒に見てやり取りしているシーンがあったり、一方的にからわれていたりと、そういう関係性が良いなあと。「鬼の面ができたからシンラにあげようかな」というような、セリフの中にも絡んでいるところが多い印象でした。
サイネとも仲が良いので、見かけたり可愛がっている風のセリフがあったのですが、それとはまた別の仲の良さがシンラとのセリフに垣間見えて良いなと思っていました。可愛いです。
クルルも名前からしてどういう子なんだろうと思ったのですが、セリフだとひらがなとカタカナが混ざった、何を言っているかよく分からない口調の面白い子なんだろうなというのが見て取れたので、どういう子なのかすごく気になります。
――トコヨとご自身を比べた時に、演じる上でイメージしやすい部分はありましたか?
内田さん:自分がこうだと思ったことに対してはすごく突き詰めていき、周りから見たら近寄りがたい印象になるところですね。私も真剣にやっていると機嫌悪そうに見えるらしくて、そんなつもりはないのになと思うことがたくさんあるので、その感じは「分かるー!」と思いました。
――そういったところが芸術家肌というところの表れかもしれませんね。
内田さん:歌や舞い、句などの表現の仕事をしている人からすると、この子はなんでもできるからすごいなと。でも声優も今ではなんでもできないといけないので(笑)、そういったところも通ずるところはありますね。
――実際にトコヨが自分の隣にいたとしたら、付き合いやすいですか?
内田さん:私は結構付き合いやすいだろうなと思います。批評したりはするんですけど悪い気持ちではないので、グチグチ言ったりはせずさっぱりしてそうですし、言われてカチンときたとしても長引かなそうです。そういう点で良いパートナーになりそうだなと。
――今回はデジタルゲーム版の収録ですが、「桜降る代に決闘を」はアナログゲームとしてスタートしているコンテンツです。普段はそういったゲームを遊ばれたりするのでしょうか?
内田さん:私は群馬県出身なんですけど、アナログゲームと言うと群馬県では上毛かるたが根付いていて、子供の頃から学校の授業でもやったし、地域の集まりでもやりました。県民の心みたいに言われていて、群馬県民であれば、上の句を言われたら、大体言える感じですね。私の中でアナログのカードゲームと言われたら、かるたと思っちゃうぐらいです。
待ち時間が長い時にはトランプで遊んだりしますね。収録の時はないんですけど、取材や撮影の時に何人かいれば遊んだりします。
――「桜降る代に決闘を」というタイトルを聞いた時の印象はいかがでしょうか?
内田さん:決闘という単語を見て、収録前に「この子(トコヨ)が戦うんですか?」「決闘というのはどういうことなんでしょう?」ということはいろいろとお聞きしました。トコヨ自身は決闘はあまり好きではなく、そういうことをするぐらいなら俳句とかを読んでいたほうがいいというくらいの子なので、決闘にはどういう立ち位置で参加するのかということは確認しました。
――ゲームのボイス収録をするにあたって、気をつけていることはありますか?
内田さん:ゲームの仕事も状況がいろいろと違うのですが、今回は特に自分の中でふわっとしているところが多かったので、疑問に思っていることはどんどん聞くようにしました。親密度が上がった時には可愛らしくなるようにしようなど、プレイヤーさんとのやり取りみたいなところも見えて、性格的にもプレイヤーに呼びかけるセリフがすごく多かったので、そこは大事にしました。
物語を想像しつつ、ほかのキャラクターとの絡みがあるところで、この子の周りのことがちょっとだけ見えるようにしたいと。関係性が見えやすく描かれていた子もいたんですけど、そうじゃない子の時とかも多分上から見ているなと勝手に想像してやったり、一目置いている方に対しての物言いとかで、トコヨの性格が良くも悪くも見えれば良いなと。
ゲームの時は情報量が少なくて一言一言が浮いている感じがあるので、そこを想像します。急に“秋のセリフ”“冬のセリフ”みたいな感じで出てくるので、どこに言って、どのぐらいの距離感で喋っているのかを気にするようにしています。
今回の季節ゼリフはすごく可愛くて、こたつに急に入り込んでぬくぬくしているところなどもあるんですよ。聴いているプレイヤーさんにもそのセリフを通じて、動きや距離感をわかってもらえたら良いなということを気にしています。
――最後に、デジタルゲーム版のリリースを楽しみにしている読者に向けて一言いただけますでしょうか?
内田さん:きっとリリース前にも原作のゲームをプレイされている方もたくさんいらっしゃって、デジタルゲームになった時にどうなるのかというのをドキドキしながら楽しみにしてくださっていると思います。ゲームを遊んでいるとみなさんが自分自身で口に出してやっていると思うのですが、そこに声がつくというのは新しいことですし、少しでもそのイメージが楽しく膨らむような感じでボイスも楽しんでいただければ嬉しいです。
今まで原作を知らなかった方も、デジタルゲームですと相手がその場にいなくても一人で気軽に楽しめますし、和のテイストが好きな方はすごく喜ぶところがたくさんあると思いますので、いろいろな面で楽しんでください。
――ありがとうございました。